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舩井勝仁のウィークリーレポート 2023年

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ありがとうございました


 舩井幸雄は
「有意の人」の集合意識で、
来るべき大難を小難にすることを目的に
「にんげんクラブ」を設立しました。

経営コンサルタントとして、
流通業のビジネスの世界に
大きな足跡を残すことができた父は、
本来一番興味があった
精神世界の探究を進めていきました。
よくやっていたのは、
舞台の上に
お客様に上がっていただいて気を送り、
その前後に前屈をしていただいて、
身体が柔らかくなることを
実感してもらうことでした。
上場企業になっていた
船井総合研究所の代表取締役が
そんな非科学的なことをするのは
「けしからん」
と言われたこともありましたが、
船井総研の取締役を退任して、
船井本社に活動の拠点を移した後は、
比較的やりたいことができるようになって
「にんげんクラブ」の設立に
つながっていったのだと思います。


 不肖の息子である当時の私は、
精神世界のことは完全に斜めに見ていましたが、
船井本社の後継者になり、
父が病気がちになったこともあり、
周りに不思議な能力を持った
友人がたくさんいたこともあり、
いろいろ教えてもらいながら
私ながらの
目に見えない世界に対する
世界観を作っていきました。

父は、いろいろな人が
自分のやりたいように
自由に活動することを
何よりも望んでいたので、
「にんげんクラブ」は
各地の有志がやりたいことを
それぞれが自由にやっていただく形で
進めさせていただき、
東京の舩井本社管轄では、
先週ご紹介した
Kan.さんのワークプログラムに代表されるような
セミナーを
最後はさせていただくような形になりました。


 ただ、それらの活動は
原点に戻って
「有意の人」の集合意識で
大難を小難にすることからは、
少し離れてきてしまったようにも感じていました。
舩井幸雄の思想については、
公益財団法人舩井幸雄記念館を設立させていただき、
父の終の棲家をご覧いただくことで、
その思いをお伝えすることができていると思いますし、
父が大好きだった本物商品は
株式会社本物研究所が、
佐野浩一社長の下、
大変革がやってきても対応できるような
本物商品の発掘や普及に
日々精進させていただいております。


 そして、何よりも、
父の教え等で
目に見えない世界の大切さに気がついた
大勢の「有意の人」が、
日本全国に大勢出現してくださるようになり、
それぞれの活動を通じて、
集合意識の活用ができるようになり、
大難が小難に
確実になってきたのではないかという
感覚が持てるようになりました。

これから5~10年は
ある意味、
新しい世の中ができていく上で
正念場ともいえる局面を
迎えていくことになると思いますが、
「にんげんクラブ」という
舩井幸雄の世界観に基づく活動は、
いまのタイミングで
幕を閉じさせていただくのがいいのかなと感じて、
活動を終了させていただくことになりました。


 世界情勢を見てみると、
中国の勢いが台頭してきて
アメリカの覇権に
露骨に挑戦する意思を見せるようになってきました。
アメリカ側でも、
それを受けて
いままでの型にはまらない
トランプ前大統領が出現して、
このままいけば
今年の大統領選挙に
再当選する勢いになってきました。

二度の世界大戦から始まって、
日本の敗戦、ソ連との冷戦、
それにインターネットなどのハイテク技術によって
アメリカ主導で運営されてきた世界秩序が
大きく変化していく
最終版の岐路に
私たちは間違いなく立たされているのです。


 これからは、
「にんげんクラブ」や
舩井幸雄のような
わかりやすい目印を持って活動するのではなく、
個々の人々が
それぞれ自分の世界観、
宇宙観の確立を目指しながら、
その上で多くの人々が
実は繋がっているという
俯瞰する意識を共有しながら、
それぞれの役割を実行していくことが
大事なフェーズに代わってきているのだと思います。

舩井幸雄を含めて、
どこか遠くにいる
誰か偉い人の言うことを信じるのではなく、
ご自分のパラレルワールドの主役を
自分に取り戻す作業が
大事になってきたのだと思います。


 数多くの父の著作に触れていただき、
熱海の舩井幸雄記念館に足を運んで、
舩井幸雄の精神に触れていただくのは大変ありがたく、
これからも続けていただきたいと思います。

ただ、父が生きた昭和や平成の時代は終わり、
これからの新しい未来は私たち自身の手で、
自らが主役になって
作っていかなければいけないのだと思います。


 本当に、長い間、
「にんげんクラブ」の活動にご理解いただき、
ご支援をいただいたこと
ありがとうございました。

舩井本社グループや私自身も、
これからは舩井幸雄の教えを超えて、
自分たちの使命を追求しつつ、
何を持って
世のため人のために貢献していくかを
いま一度問い直していきながら、
日々の営みを続けていこうと思っています。

最後まで、
「にんげんクラブ」の活動にご理解いただいて
応援してくださった多くの皆様に感謝しつつ、
最後のウィークリー・レポートでの
ご挨拶にさせていただきたいと存じます。

長年、本当にありがとうございました。


読めない本


 にんげんクラブ主催の
最後の大きなイベントである
「Kan. work program 分かち合うということ」が
無事に終了しました。

今回は、ずっと開催させていただいていた
パシフィコ横浜から
場所を東京に変えて行いました。

にんげんクラブ終了後も
できれば年に2回ぐらいのペースで、
Kan.さんのプログラムを
舩井本社グループ主催で続けたいと思っており、
より無理のない形と、
いままでとは違う発展形を
考えていきたいと思っています。

そういう意味では、
最後に場所を変えられたのは
良かったのかなと思っています。

また、
「分かち合うということ」と書いてしまうと
簡単なテーマに思えますが、
そこはKan.さんですので、
とても深遠な内容をお伝えいただき、
共に深めていくことが
できたのではないかなと思っています。

シンプルで誰にでもわかりそうな
テーマでありながら、
内容はかなり濃いというのは、
本物が凝縮しているということなのかなとも思っています。
もしかしたら、
舩井幸雄ができていたかどうかは別にして、
一番やりたかったことではないかとも感じますので、
こういうプログラムができたことも
とてもよかったと思っています。


 前回までの横浜では、
結構同じお客様
(Kan.さんのファンの方)で
リピーターが多い印象だったのですが、
今回はKan.さんの10年ぶりの新刊
『縁(えにし)の扉を開く』
(フォレスト出版)
が出版されたこともあり、
新しいお客様に比較的多く
集まっていただいていた感じがしています。
これも、新しいスタートにとって
喜ばしい現象なのかなと思ったりもしました。

Kan.さんの世界は、
本来は口伝で必要な者へ
人知れず伝えられるような
秘密の特別な教えなのだと思います。
世の中の大きな変わり目に
歴史の表舞台に登場してきて、
その次の世の中の
方向性を確立することの
助けをすることがあるのだと思っていますが、
にんげんクラブを通じて、
そんな動きに少しぐらいは
貢献できたことはありがたいことだと
感謝の思いでいっぱいです。


『縁という扉を開く』は
わかりやすい内容で、
分量もそれほど多くないので、
すぐに読めるかなと思ったのですが、
読み始めてみると
まったくページが前に進みません。
どうしてかな、
と思っていると
次のようなフレーズがありました。


 
(引用開始)

世の中に
「読めない本」というのがあります。
わかる人にしかわからない本。
私も、誰かに
「わかった」と言われたら
焦ってしまうような本を
書きたいと思っています。

(引用終了)


 これが秘術を伝えていく運命にある人の
本当の気持ちなのだろうなと感じました。
私は昔、
小学校5年生でも
わかりやすく読める本を書いたらいかがですか、
と提案されたことがあります。
まだ、その境地には至っていませんが、
今度は50年後、100年後の
読者を意識したものを
書き残すという宿題を
いただいたようにも感じました。


 
(引用開始)

今は言葉が確立されているために、
私たちは言葉を駆使して生きています。
しかしおそらく、
言葉に引きずられて
生きてしまうことがほとんどでしょう。
だから私たちは今一度、
言葉の源泉を
本当に手に入れることが
大切なのではないか。
つまり、
源泉から言葉をしゃべる人に
なり得る可能性があるのではないか。
私たちはいつでも
言葉以前に戻ることができるのです。

(中略)


 ・・・・・そしてこの時代、
起業家も、
新しいビジネスを生み出していく人たちも、
二番煎じ、三番煎じを
やっていてはダメなのです。
だから源泉からキャッチする。
源泉からキャッチすることで、
仕事も人生も
しっかりはまります。
せっかくビジネスの世界で生きるのなら、
自分の源泉にふれること。
時代はそこを求めています。
作り変えや組み合わせなら
機械やAIがやったほうが
優秀かもしれない。
けれども源泉は違う。
源泉は
機械やAIでは
ふれることができません。

(引用終了)


 父は、
いまは明治維新よりも
大きな変革の時を迎えている。
1万年に1度ぐらいの変化なので、
これに対処できるようにしなければならない、
という趣旨のことを
よく話していました。
どうも、この源泉に触れるということが
大変革を乗り切るというか、
もっと直截的に書いてしまうと
サバイバルするための
必要条件のような気がします。
だから、源泉に触れて、
そこから自分を通して
いままで世の中になかった
まったく新しいものを
生み出す力を付けることが大事なのです。


 もうすぐ、
誰かがやってきたことを繰り返す仕事は
すべて人工知能(AI)が
やってしまうようになります。
しかし、源泉に触れることは
人間の専売特許で
AIにはできません。
AIは人間が作ったものであり、
神さまが作ったものではないので、
そこには超えられない壁があります。

神さまに作られた私たちは、
分かち合うことができて、
縁の扉を開いていけば
源泉に到達することができるのだと思います。

Kan.さん、
本当に今回も
素晴らしい教えをありがとうございました。
世の中が、
なるべく小難で
この大変革を乗り切れるように、
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

原子力の平和利用


 人間の役割は自分のことだけでなく、
世のため人のためのことを考えて
精神性を上げていきながら、
最先端の技術を使いこなすということにあるようです。

にんげんクラブで舩井幸雄は、
本物という最先端の技術を紹介することで
世の中の変革を推し進めようと考えていたのだと思います。

どうも、人間の精神性は
物質を大事にする3次元から
自我という意識を大切にする5次元には
到達しているようです。
ここで言う、次元論は
理論物理学者である周藤丞治先生に教えていただいた
超弦理論に基づく次元論に基づいており、
「"ほんもの"未来フォーラム」で
吉野内聖一郎先生がお話になっていた文脈で言うと、
4次元を5次元、5次元を9次元と読み替えていただければ
同じことを言っていると思っています。


 吉野内先生が開発されて
本物研究所が販売させていただいた
大ヒット商品「数霊REIWA」は
この5次元の商品であり、
「"ほんもの"未来フォーラム」で発表されて
今月販売される新商品
「数霊ZENWA」は
9次元の商品であることが
吉野内先生のご講演をお聞きしてよくわかりました。

自我ではなく、
全体でひとつであるワンネスの境地をわかりながら、
それでいて自分の役割である
自己をしっかりと認識していくためのものとして
開発された究極の本物商品なのです。

社内の会議で本物研究所の佐野浩一社長は
悟りのための機器だと話していましたが、
9次元意識とはそういうものなのかもしれません。


 2006年から始まったにんげんクラブの活動は、
ここまで至った世の中の進化を見据えて
今月で解散することになったのだと思います。
そして、周藤先生の考えだと
5次元意識になれば、
3次元の物質世界が使いこなせるようになり、
9次元世界になれば
5次元のエネルギーが使いこなせるようになるということです。

3次元の物質世界を代表するものが
何にでも変換できるという意味で
お金(マネー)であり、
3次元のエネルギーを代表するものが
石油に代表される化石燃料だったのではないでしょうか。

そして、5次元を代表するエネルギーは何かと考えると、
それは原子力ということになります。


 長崎医科大学(現・長崎大学医学部)教授で
放射線物理療法の研究者であった
永井隆先生は、
長崎の原爆で被爆したのですが、
1950(昭和25)年に亡くなるまでの間に、
優れたエッセイをいくつか残しておられます。
敬虔なカトリック教徒として、
やはり原爆で即死をした妻との間に遺された
2人の幼子の将来を考えながら、
戦国時代末期から江戸時代、
そして明治初期まで続いた
多くの迫害を受けてきたにも関わらず、
日本で最も敬虔な信仰を守り通してきた
長崎の大浦天主堂に
原爆が落とされたのは、
尊い生贄であったと捉えていらっしゃいました。


 キリストがすべての人類の罪を背負って
十字架にかかってくださったのと同様に、
世界でも最も熱心で純粋なキリスト教徒であった彼らも、
原子力という新しいテクノロジーを手に入れた人間が
それを使いこなせるように、
いままで背負ってきた大きな罪を
一心に背負って殉教してくださったのではないか
という信念を持っておられたようです。
4年生であったご長男と
原子力の話になって、
子どもから
原子力は爆弾以外に使い道はないの、
と聞かれた後の会話が
「長崎の鐘」
(電子版:日本文学研究会)に載っています。



(引用開始)

「いいえ、あるとも。
こんな一度に爆発させないで、
少しずつ、連続的に、調節しながら破裂させたら、
原子力が汽船も汽車も飛行機も走らすことができる。
石炭も石油も電気もいらなくなるし、
大きな機械もいらなくなり、
人間はどれほど幸福になれるかしれないね」

「じゃ、これからなんでも原子でやるんだなあ」
「そうだ、原子時代だ。
人類は大昔から石器時代、銅器時代、鉄器時代、
石炭時代、石油時代、電気時代、電波時代と進歩してきて、
今年から原子時代に入ったんだ。
誠一も茅乃も原子時代の人間だ」 


原子時代、原子時代と呟いていた子供も眠る。
ちろちろ虫が頭の下で鳴いている。
人類は原子時代に入って幸福になるであろうか? 
それとも悲惨になるであろうか? 
神が宇宙に隠しておいた
原子力という宝剣を嗅ぎつけ、捜し出し、
ついに手に入れた人類が、
この両刃の剣を振って
いかなる舞を舞わんとするか? 
善用すれば人類文明の飛躍的進歩となり、
悪用すれば地球を破滅せしめる。
いずれも極めて容易簡単な仕事である。
そして右にするか左をとるか、
これまた簡単に
人類の自由意志にまかせられてある。

人類は今や自ら獲得した原子力を所有することによって、
自らの運命の存滅の鍵を所持することになったのだ。
思いをここに致せば、
まことに慄然たるものがあり、
正しき宗教以外には
この鍵をよく保管し得るものはないという気がする。

(引用終了)


 今年のアカデミー賞の発表がありました。
「ゴジラ ー1.0」が
視覚効果賞を獲得したことが話題になっています。
ゴジラは原爆や水爆実験によって
生み出されてしまった怪獣ですし、
実は作品賞など7部門を受賞したのが
原爆開発の父である理論物理学者の
ロバート・オッペンハイマーを描いた
「オッペンハイマー」でした。
日本では今月下旬に
公開されることが決まったようですが、
原爆ができて
それが広島長崎に投下されて
多くの犠牲を出して
80年近い年月が経って
人類はようやく
原子力エネルギーを使いこなせるだけの
精神性に近づいてきているのかもしれません。


 周藤先生は、
本来は5次元のエネルギーである原子力は
5次元で使いこなせれば
これほど安全なものはない
と教えてくれました。
わざわざレベルの低い
3次元で使ってしまっているから
問題が多いのだというのです。

飛躍的な進歩か破滅かの
分水嶺に立っている私たちは
油断することなく、
18年間のにんげんクラブの活動も振り返りながら、
9次元意識を確立できるように、
ますます精進を
続けていかなければいけないのかもしれません。


10年間の成長


先週告知させていただいた
「‟ほんもの"未来フォーラム2024」に行ってきました。
正直に書くと、
それほど大きな期待をしていたわけではないのですが、
メチャクチャ素晴らしいイベントでした。

朝、10時に始まり18時近くまで
6人の先生に登壇いただいて、
司会と影アナ、それに対談を
主催者である
株式会社本物研究所社長である
佐野浩一がひとりで行うという
いまどき流行らない
ごった煮的なイベントでしたが、
それぞれの先生方の内容の背景が見事にリンクしていて、
それを総合プロデューサーの佐野が
見事にまとめていたのが印象的でした。

翌日、会社で佐野と話をしたのですが、
講師の先生方に
とても喜んでいただけたのが印象的だったそうです。

最近はこのような
総合型のセミナーが少なくなっていることや、
それぞれの先生方同士の交流が
ある程度あること等から
プロデュースするのは大変だったと思いますが、
イメージ通りのプロデュースができたことに
佐野自身も大満足している様子でした。

今年は舩井幸雄が亡くなってから
ちょうど10年目の年になります。
それこそ、
舩井幸雄の力で設立した本物研究所を
舩井幸雄抜きで10年間続けてきたことによる
佐野の成長を見事に表したイベントになったのかなと
ちょっと上から目線のような気もしますが
強烈に感じた1日になりました。


今週に入って、
日経平均は4万円を一時超えました。
史上最高値の次は節目の4万円越えです。
友人の中には、高所恐怖症が始まるので、
ここから日本経済は金融恐慌に向かって
大変なことになるという意見の人もいますが、
こちらは34年間の日本経済や日本企業の成長の成果が
確実に反映されているのかなという気がします。

政府や財界、それに大企業のことを
私たちは気楽に批判しますが、
彼らも必死にこの失われた30年間を生き残り、
力を付けてきたのだと思います。

ちょっと厳しい言い方になるかもしれませんが、
デフレ経済に甘えて対応をさぼってきたのは
どちらかと言えば
中小企業の経営者だったのかもしれないと感じます。

大企業はバブルの崩壊までは
日本独自の銀行を中心とした
企業グループのあり方や業界団体を
当時の通産省主導でしっかりと動かしながら、
大企業であれば
業界内やグループ内の秩序さえ保つ努力さえしていれば
守られる仕組みができていたように感じます。

しかし、バブルの崩壊と同時に始まった、
アメリカからのこの仕組みに対する
強烈な批判と攻撃にさらされて、
この完全な仕組みを
とことん壊されてしまったのだと思います。

それが、30年以上にわたる
日本経済の低迷の原因ですが、
ここにきてようやく
第一線で活躍する大企業のプレーヤーが
バブルやバブル崩壊を知らない若手に代わってきて、
それによって世界に通用する
仕組みができてきたのだと思います。

一方の中小企業の方は、
国の中小企業保護の施策に守られてきて、
ちょっとこの間にぬるま湯に
どっぷりとつかってしまってきたのかもしれないなと感じます。

大企業も本物研究所も、
いままで守ってきてくれた後ろ盾がなくなったことで
大きな苦労をしてきたのですが、
ようやくそれの克服が
できてきたのかもしれないなと感じています。

ちょっと反省を込めて言うと、
にんげんクラブは中小企業のように、
いまだに舩井幸雄の存在に甘えてきたので、
ここで活動休止の決断を
させていただくことになってしまったのですが、
果たして日本の中小企業は
生き残ることができるのでしょうか。

もしかしたら、にんげんクラブ同様、
大きな社会的役割は終えてしまって
淘汰されていくのを待つばかりにならないように
していただかなければいけないのではないかと思っています。

にんげんクラブも
舩井幸雄の精神を後世に伝える役割は、
公益財団法人舩井幸雄記念館などに
引き継ぎながらできたのではないかと思っています。
ただし、企業体として存続させることは
限界にきたのだと思います。

舩井幸雄の精神ややり方をどちらも引き継いできたのは
本物研究所と同じなのですが、
中身の細かな変革には
10年間の歳月で
大きな違いがでたなと反省しています。


私は、父があまり好きではなかった投資で
この10年間利益を上げ続けて、
船井本社は会社として存続することができました。

そして、にんげんクラブやザ・フナイ、
それに舩井メールクラブなどの媒体を存続させることで、
父が担っていた評論家的な個人としての力量は
政治経済やスピリチュアルの面でも
ある程度つけてくることはできてきたのかなと思っています。

これからは、これを日本や世界の平和のために
どのように活かしていくのか
考えていくべきステージに来ているのだと
感じるようになりました。

義弟である佐野に置いていかれないように、
私もしっかりと勉強を続けながら、
私が何で世のため人のために貢献できるかを
考えていきたいと思います。

何か、楽しくなってきました。
「"ほんもの"未来フォーラム」で、
どうも個人や自分が属する組織のことだけでなく、
大きな世の中のことを考えていかなければいけないところまで
社会は進歩してきたことを強く感じさせてもらえました。

より大きな視点で、
もしかしたら次元をも超える視点を持ちながら
天命を果たしていきたいと思います。

未来フォーラム


開催が直前に迫っていますが、
今週の日曜日3月3日に
「‟ほんもの"未来フォーラム2024」
開催させていただきます。

舩井幸雄.comにも書かせていただきましたが、
父がやってきた
にんげんクラブの活動を
まさに休止しようとしている段階で、
日経平均株価が
24年ぶりに史上最高値を更新するなど
新しい世の中の動きが活発にでてきたことが
強く感じられるのですが、
ある意味、舩井幸雄思想の
一番弟子である佐野浩一社長は、
あえて時代の流れに逆らって
舩井幸雄的なやり方に徹底的にこだわるという、
すごいことに挑戦していると感じています。


 フナイオープンワールド(FOW)が
立ち上がった1990年代前半、
まさにその現場をすぐ近くで
目撃することができる立場にいました。
舩井幸雄の個人的な人気が絶頂期を迎え、
それまで法人様だけをお客様にしていた
当時の船井総研にあって、
舩井幸雄の人気を使った
個人のお客様向けの
ビジネスを考える動きが
ある程度始まってきました。

日本各地で同じ講師陣で
セミナーを開催させていただいて、
贅沢にも
山元加津子さんが昨年作られた
映画「しあわせの森」の主人公の
故・村上和雄先生と
舩井幸雄という組み合わせの
全国ツアーもありました。


 そんな中での究極のイベントが
FOWでした。
船井総研の中で
3人の社員がかかりっきりで
FOWのために専任で動いて、
次から次へと新しい試みを始めていきながら、
その3人は
ほとんど365日24時間
働き続ける勢いで企画を作っていきました。

横で見ていて、
本当によくやるなあというのが素直な感想で、
FOW後の社内の打ち合わせで
素直にその発言をしたところ、
胸ぐらをつかまれて怒られたことを
よく覚えています。
私の発言が
命がけでイベントを成功させた
彼らの逆鱗に触れてしまったことが
今ならよくわかりますが、
新しいものを立ち上げようという時には
それぐらいのエネルギーが必要になるものです。


 格好のいいイベントを
しっかりやりきるという文化は
船井総研に残って私がいた頃からは
考えられないような、
素晴らしい洗練されたイベントが
開催されるようになりましたが、
個人のお客様相手のビジネスからは
船井総研は完全に手を引いて、
いまでは
にんげんクラブや
本物研究所グループの会社が
細々と引き継いでいる感じになっています。

にんげんクラブの販促を担当した頃に、
外部のコンサルタントの友人に
もっとターゲットを絞ってやらないと
ビジネスにならないよ
と言われたのですが、
まったくその通りだと思ったのと同時に
ターゲットを絞らないのが
舩井幸雄の良さなんだけどな、
と思ったものです。


 「‟ほんもの"未来フォーラム」が
いつまで続くのかは未知数ですが、
だんだん収支を合わせるのが
厳しくなっていくのだろうなあと
老婆心を感じています。

大きな感動を味わえるのは
間違いないと思うのですが、
オンラインも駆使しながら、
いろいろなコンテンツを
様々な人が安価に自由に
発信できるようになった昨今、
ある程度のリスクを取って行う
イベントの採算が合うのは
とても厳しいと思います。

でも、そのいろいろなコンテンツが
ごちゃまぜになっていて、
それぞれの良さを引き出すのが
FOW的なやり方で、
かたくなに佐野社長は
それを続けようとしています。


 そう言えば、
故・江本勝先生のお弟子さんたちが
ご子息の江本博正IHM社長を中心に
「世界水まつり」を2回開催され、
今年も9月に開催を計画されています。

こちらも江本先生が生きていらっしゃったら
率先して考えられそうな
江本ファミリーならではのイベントになっています。

どちらもやり続けることで、
独自の世界観が涵養されていって、
それが支持されるようになっていくのかもしれないな
と思っていますが、
命がけでFOWを創りあげたスタッフを
怒らせてしまった私には
理解が難しい世界だなとも思っています。


 江本先生や舩井幸雄の世界観を
再度体験するためにも、
にんげんクラブに関心のある方は、
ぜひこのイベントに
参加してみていただければと思います。

どうも、最近父が
これからの舩井本社グループのあり方について
コミュニケーションを取りたいのかな
と思う場面が増えています。

いろいろな目に見えない世界の情報を
教えてくださる友人たちから、
いよいよ舩井先生の出番が増えてきますね、
と言ってもらう機会が増えてきました。
そのひとつのあり方が
「‟ほんもの"未来フォーラム」だと思います。


 船井総研が主催していた時代のFOWは
ほとんど採算が合っていませんでした。
ただ、あれだけのイベントを
毎年やり続けたことによる
宣伝効果は大きなものがあり、
社内で父が代表取締役をしている間は、
継続することに疑問を表明する声は
出てきませんでした。

舩井幸雄が船井総研を引退して、
社長が交代する度に
船井総研のビジネスモデルは
微妙に変化し続けてきて、
時代にマッチし続けています。

舩井本社グループも
私が経営するようになって、
ビジネスのやり方は大幅に変わりましたが、
そろそろ本質的な舩井幸雄的なあり方を
しっかり踏まえながら
次のビジネスモデルを考えるべき時に
来ているのかもしれないなと感じています。

今回の未来フォーラムが
そんなことを考えさせてくれる
大きなきっかけになったようにも思います。

参加された皆さまなりの
いまの時代にあるべき
舩井幸雄像を
感じてもらえればと思っています。


日本の復活


 お金の話が続いて恐縮ですが、
日本製鉄という日本を代表する大企業があります。
原稿を書こうとして
時価総額
(会社の値段:発行済み株式数×株価)
を調べてみると、
その時点で3.36兆円ありました。
ちなみに日本で一番
時価総額が大きい会社は
トヨタ自動車で
執筆時点では56兆円強ありました。

日本製鉄は、日本の会社では
時価総額でいうと59位ということなので、
経団連の会長を代表者が務めることが多いなど
財界の代表企業のように思いますが、
株式市場の評価は
シビアだということなのかもしれません。
世界的に見ると
マイクロソフトが
3兆ドル(約450兆円)でトップですので、
上には上があるものです。


 意外だったのは、
日本製鉄の時価総額の低さと、
それからアップルではなくて
マイクロソフトが時価総額で
世界最大の企業になっているということでした。

大きすぎて
よくわからない数字が並びますが、
先週の7億円の宝くじの話ではないですが、
私がついていける数字の単位は
10億円単位ぐらいまでで、
1兆円を超すと
わけがわからなくなります。

ビジネスで考えると、
千円単位でものを考える癖がつきますので、
千円、百万円、十億円、一兆円という具合に
守備範囲が上がっていくのですが、
私のお金に対する器は
いまのところ
十億円単位だということになるのかもしれません。


 その日本製鉄の復活に関する本が
ベストセラーになっているということを
本屋さんで知って、
上阪欣史著
日本製鉄の転生 巨艦はいかに甦ったか
(日経BP)を
興味本位で買ってみました。

中学生の時に社会見学で
当時の新日鉄の広畑製鉄所
(兵庫県姫路にある。
いまは残念ながら高炉は稼働していない)
に行ったことをいまでもよく覚えています。

高炉は一度停めてしまうと
高温にするまでに大変な時間とコストがかかるので、
よほどのことがない限り
24時間365日営業を続けるという話しを聞いて、
当時はまさに
「鉄は国家なり」の時代だったので、
そのスケールに興奮したことをよく覚えています。


 日本国内の製造業の不振と
海外勢との競合で
苦しいという認識はあったのですが、
2019年に就任された橋本英二社長の下、
V字回復をして
昨年の12月には
アメリカ最大手のUSスチール社を
2兆円で買収するという記事をみて
驚いていました。
実際に、2020年3月期は
売上収益が5.921兆円に対して、
事業収益は▲2840億円だったものが
2022年3月期は、
それぞれ7.975兆円、
9160億円に劇的に改善しています。



(引用開始)

日本製鉄は良くも悪くも
そうした歴史の重みを背負いながら歩んできた。
1901年操業の官営八幡製鉄所を
実質的に引き継いだ八幡製鉄と、
富士製鉄の2社が合併して新日本製鉄が誕生。
2012年の住友金属工業との経営統合を経て、
19年に社名を日本製鉄に改めた。
その規模は「巨艦」と呼ぶにふさわしい。
全国の製鉄所の面積を足し合わせると
約80平方キロメートルで、
東京ドーム1715個分に相当するという。
連結従業員数は約11万人。
売上高に相当する売上収益は8兆円で、
連結事業利益は1兆円に迫る。

(引用終了)


 同書の「はじめに」からの引用ですが、
まさに重厚長大産業を代表する
日本の大企業だということがわかっていただけると思います。

バブル崩壊30年の眠りから覚めて、
日経平均株価は今週にも
史上最高値を更新するのではないかと言われていますが、
どうもそれは超巨大製造業をも含んで
回復しているのかもしれません。

1990年のバブル崩壊後は
冷戦構造という日本に有利な環境が
オセロゲームで白石が黒石にひっくり返るように
あっという間に厳しい局面になってしまったが、
2022年のウクライナ紛争後は
中国の白石があっという間に黒石に代わり、
その代わり日本の黒石が白石に
こちらは徐々にひっくり返りつつあるのかもしれない
というオピニオンが
日経新聞の滝田洋一特任編集委員の手で
書かれているものが載っていました。


 止まらない少子高齢化という
根本的な問題が解決していないので、
日本の本当の競争力が回復したと喜ぶのは
まだ早いのだと思いますが、
日本を取り巻く環境が
ここまで劇的に改善することは
ちょっと考えられない事でした。

もしかしたら、にんげんクラブの活動も
多少は寄与してきたのかもしれませんが、
実はこれからの脱資本主義社会の
あり方を考える上でこそ、
にんげんクラブの活動が生きてくるのかもしれません。

ある程度のインフレという
日本がもう一度スタート地点に立つための
条件は揃ってきたようです。
ここで、もう一度
格差を広げながら経済成長を目指すのは
意味がないような気がします。


 精神的な意識の高さを広げていって、
今度は格差が広がらずに
みんなが幸せになっていく
社会の在り方を示していくのが
日本の役割だと感じています。
そして、そんな萌芽は
見えてきているような気がします。

そのためには、
どこか遠くにいる誰か偉い人に
自分たちの人生を乗っ取られないようにする
意識改革が第一歩だと思います。

格差の問題は
エントロピー(無秩序の度合い)が
必然的に増えていくという
物理法則で
何もしなければ広がってしまうことが
簡単に説明できるそうです。
だから、かなり意識して精神レベルを上げて
利他の精神を多くの人が身につけなければ
社会全体の幸せを追求していくのは
難しいということになります。


 そんな本当の日本の復活のために、
にんげんクラブの活動の成果が
活かされていくことを願っています。

お金の価値


先週は2021年度の日本の医療費は
45兆円を超えたという数字をお伝えしましたが、
45兆年と言われても
どれぐらいのお金になるか想像がつきません。
宝くじで7億円当たったらどうしますか?
という質問に対して
まず一人が答えて、
その答えを聞いて
グループの人がそれぞれコメントをするという
ワークに軽く参加しました。

何かを究めるというよりは、
はじめて会った人たちの
壁を低くするぐらいの目的のものだったのですが、
それぞれのお金に対する捉え方が違うのだな
というのが面白く感じられました。

女性は7億円もあっても想像つかないから
1億円ぐらいをもらって
後は寄付するという感じの感覚の方が多く、
男性はとりあえずもらっておくという感じの
コメントが多かったように感じています。

私は、ちょっと嫌われてしまいそうですが
7億円ぐらいあっても
臨時収入が入ったぐらいの感覚になりそうな気がします。
大きなお金だと思いますが、
事業をしていると
ほとんどただの数字の感覚で、
それぐらいのお金は周りを動いているので
ちょっとラッキーぐらいに感じられてしまうかもしれません。

マネーとスピリチュアルの
それぞれの分野に関心がある人たちのギャップは
この金銭に関する感覚の違いから
やってくるような気がします。

上述のワークに参加していた男性たちも
私ほどはっきりは言いませんが、
大なり小なり会社に属するわけではなく
事業をしている人たちだったので、
私に近い感覚を
持たれていたのかもしれないなとも思います。

マネスピの大きな目的は
このギャップを埋めて、
女性たちに
お金のエネルギーを
愛の光を伝えられる
便利で秀逸なエネルギーなんですよ、
ということを
わかってもらいたいということが狙いです。
まさに研究会で、
昨年私がお話を考えさせていただく中で、
かなりわかりやすく
お伝えができるようになってきたのではないかと
自負しています。

どうも、これからは
個々人が経営者感覚を持って
生きていかなければいけない
時期になってきたのだと思います。
数億円ぐらいのお金のエネルギーは
軽く使いこなせるような女性が
社会に充ち溢れたら
いい世の中になってくるのではないかと思います。

父にしたら
45兆円の医療費も
私たちがそのエネルギーを
受け止められるだけの
器を持つことができたら
解決可能だと考えていたのだと思います。

日本銀行小樽支店の金融資料館に行くと
現金ではありませんが、
実際にキャッシュでの
1億円の重さを体験できるようになっています。
私もずいぶん前ですが、
重さを体感させていただいたことがありますが、
もし小樽に観光に行かれる機会があったら
試していただければと思います。


 ワークの後、
軽く懇親会に出席して
早めに帰らしてもらったのですが、
自宅まで乗せていただいたタクシーの運転手さんに、
最近の景気の話を聞かせてもらいました。
年末に比べたら落ち着いて来て、
それほど忙しいわけではないですよ
とおっしゃっていましたが、
それでもお話しは自信にあふれていて、
やっぱり東京の景気は
それほど悪くないことが感じられました。

面白いなと思ったのは
現金でタクシー代を支払う
お客さんの数が激減していて、
先日は一人も
現金客がなかった日があった
とおっしゃっていました。
東京で最大手のタクシー会社の車だったので、
タクシーアプリで呼ばれていく
確率が高いからかもしれませんが、
どうも時代はそこまで進んできたようです。


 プライバシーの問題というか、
私たちの貴重な個人情報が
どんどん流れてしまっているという
由々しき問題はありますが、
時代のあり方が
それだけ大きく変化しているのだと思います。

芸能人の方は
プライバシーの尊重がされることが
基本的にはありません。
それは、有名になることを
ビジネスとしているからであって、
私程度でも
このような公の媒体で
情報を発信させていただいているので、
基本的にはプライバシーの侵害で戦うのは
かなり厳しいのではないかと自覚しています。
そう考えると、
SNS等で自分の意見をドンドン発信している人も
実は私と同じぐらいの
覚悟は持たなければいけない
立場にいらっしゃるのではないでしょうか。


 インターネットという
媒体を使わせてもらっている限り、
その情報が社会で使われていくことを
受け入れていくことは
初歩的な約束なのだと考えるべきだと思います。

そんなことを考えながら
私もバーコード決済で
タクシー代を払わせていただきました。
キャッシュレス決済の比率が増えることで、
お金を支払うことの
生の痛みが消えていきそうな気もしています。

大変な問題だという捉え方もできると思いますが、
いつの間にか
お金に対するエネルギーの許容量が
増えていくのかもしれません。

冒頭のお金の量に対する感覚も
男性たちが数億円が大きく感じられないのは、
単なる数字として
とらえているからなのだと思います。


 精神性の比較的高い女性たちの
お金の価値に対する許容量を増やしていくことが
日本の強さに繋がるような気がしています。
コンビニでお水を買う時に
クレジットカードを使うことを
若い人たちは気にしなくなってきました。
私たちもぜひ
キャッシュレスに挑戦していって、
許容量を増やしていくことに
挑戦してみませんか?


45兆円


 昨年の10月に
厚生労働省が発表した数字ですが、
2021年度の日本の医療費は
45兆円を超えたようです。

少子高齢化がますます進み、
高度医療がますます進んでいく中で、
医療費が増殖していくことは
避けられないと思いますが、
舩井幸雄の問題意識は、
このトレンドをどこかでストップさせなければ
国がつぶれてしまうというものでした。

本物研究所を作った大きな理由は、
万能な本物商品を作って、
それによって医療費が大幅に軽減できるような
社会を作っていかなければいけない。
現状では、
まだ万能な商品はないけれど、
それをみんなの叡智で作り上げていく努力を
やり続ける必要があるのではないか
というものだったのだと思っています。


 2021年度の医療費は
実は予想されていたものよりも
かなり低かったのかもしれないと思っています。
これは、コロナ禍のおかげで
ちょっとした症状ぐらいでは
簡単にクリニックに行かなくなった
トレンドの影響があるのかもしれません。

卑近な例で恐縮ですが、
コロナのおかげで
私の生活習慣もずいぶん変わりました。
コロナ前はほぼ毎日
誰かと会食をしていて飲み歩いていましたが、
コロナ禍の間は激減しました。
人によっては家のみで
酒量が増えたという人もいますが、
私の場合は雰囲気で飲んでしまうので、
家で飲む分には格段に酒量が減りました。
また、休肝日も確実に増えたので、
健康にとってかなり
プラスに作用したと思います。


 ちょっと問題発言ですが、
病院に行くから病気になるという側面も
にんげんクラブの皆さまには
ある程度当たり前のことになってきたのかもしれません。

コロナ前だったので
5年ぐらい前のことだと思いますが、
軽い痛風の発作が出たので、
近所にできた新しいクリニックに行きました。
お決まりの血液検査などもしてもらったのですが、
その数値を見た医師は
高血圧気味なので
こちらの治療もしましょうか、
と典型的な病気作りだと
私が思う発言をされました。
それで、そのクリニックには
二度と行かなくなってしまったのですが、
どうも、必要がなくても
病気を作っていくという意識を持っている
(通常は予防ということになると思いますが...)
医療関係者がまだまだ多いように感じます。


代替医療を受ける機会も増えてきましたが、
やっぱりある程度
明確な症状が出た場合は
病院に行きたくなります。
癌と診断されたのに、
通常の治療方法を
頭から否定するのは問題かもしれませんが、
それこそ
どんな治療が行われようとしているのかを
自分で調べることは
いまはそれほど難しいことではないので、
その努力をする方は
多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そして、何よりも
基本は自分の生活習慣も含めて
病気になった本当の原因と
向き合うことなのだと思います。
そんな意識の高い医師も
増えてきている実感がありますので、
自分の身体は自分で守る
意識を持つことが大切になってくると思います。


 舩井幸雄も晩年は病気で苦しみました。
自信過剰過ぎて、
すぐに完解する治療に
こだわり過ぎたのかなと思う場面はありましたが、
処方された薬を飲むにも
とことん調べてから
自分で適量を考えて飲んでいました。

最後、入院することになり、
すぐに退院できないと分かった時点で
気力が続かなくなってしまった面はありますが、
普段はほとんど
必要最低限しか使わなかったインターネットを、
自分の身体のためには
使いこなしていたことが印象的でした。

そして、少子高齢化が世界で最も進んだ
現代日本に生きている私たちは、
そろそろ本気で
万能薬について
考えていかなければいけないのかもしれません。


 ちょっと極端な主張になりますが、
デビッド・シンクレア著
LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界
(東洋経済新報社)を
読んでいると
老化は病気だと断定されています。

著者のシンクレア教授は
NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)という
万能薬がすでにできているという前提で
本書を書かれているように感じます。

大手を含むいろいろな会社が
これを使ったサプリメントを商品化していて、
本物研究所も商品を販売しています。

私は父のように
自分で責任を持って
とことん調べるまでには至っていませんが、
飲み始めると調子がいいので、
毎日飲み続けています。


 どんな方法で自分の健康を守るかは
人それぞれのやり方があっていいのだと思いますが、
少なくともテレビのワイドショーで
言っていることを鵜呑みにしない方がいいのは、
にんげんクラブの皆さまにとっては
当たり前のことになっていると思います。

にんげんクラブが始まった頃には、
それすら暴論だったと思いますが、
それぞれの健康に対するナラティブ
(共創構造を持った物語、
起承転結がなく
自分の素直な気持ちから溢れでてくるもの。
それでいて、
他の人のナラティブと
お互いに影響し合えるような
構造になっていることが大切)
を持つことぐらいは
常識になりつつあるのではないかと感じています。


 にんげんクラブがあったからとは言えないまでも、
日本の医療費が予測よりも少なくなっていく
未来を創造したもとだと思っています。

同期の桜


 先週の週末は
松山と広島で講演をさせていただきました。
松山と広島は高速線を使えば
1時間10分で行き来できるので、
とても便利に移動できます。

先に松山での
マネスピ番外編の講演の日程を決めて、
広島でもオファーをいただいたので
翌日に設定をお願いしたというわけです。

音戸の瀬戸という
平清盛が開削させたという
伝説がある海峡を通って行くのですが、
広島県呉市に住んでいる友人に
江田島などをご案内いただいた時に、
海峡にかかっている橋を渡ったことがあり、
海からそれを眺めるのは面白い経験でした。


 松山でのマネスピ番外編は、
私がいま現在進行形で
考えていることを話させていただきました。
ガザでのハマスとイスラエルの
紛争が勃発したことで
改めて宗教が
戦争の原因になってしまっていることを
強烈に感じています。

日本は圧倒的に
宗教を原因とした
戦いが少ない国だと感じていますが、
それは聖徳太子の頃に
仏教を取り入れたときからの
叡智が有効に作用してきたからではないかという
仮説を持っています。

イスラム教やユダヤ教、
それにキリスト教のような一神教も
うまくその大事な精神を取り入れながらも、
紛争の原因にならないように
昇華していくことができないかという
テーマのお話をさせていただきました。


 私の意図がそのまま
伝わったわけではないと思いますが、
ご参加していただいた方、
それぞれのナラティブ
(共創構造を持った物語)を
考えてもらうための
ヒントにはなったのではないかと思っています。

3月からの本講座では、
順を追って
お金とスピリチュアルの関係と、
それを資本主義以降の社会の創造に
どう活かしていくかを
考えていきたいと思っていますが、
神道の神秘主義ともいえる
十種神宝(とくさのかんだから)を
主催者であるアーシャさん
毎回2個ずつ
(5回やる予定なので10個になります)
解説していってもらう試み等も
行っていこうと話し合っています。


 広島での講演は
呉の友人である久村寿美さんが
設定してくれたものですが、
講演終了後は呉に移動して
スタッフの方たちと
松山から一緒に移動してきた
マネスピチームも合流して
呉で久村さんがやっている
樹の音亭を貸し切りにしてもらって
美味しい料理と楽しいお酒を
堪能させていただきました。

海上自衛隊の幹部の方も参加してくださって、
いろいろ学べることが多く、
不思議なご縁ですが、
ありがたいことだなと思っています。
松山でも広島でも、
すばらしく人間性が高い人たちと交流ができて、
これもにんげんクラブを
やってきたおかげかなと思っています。


 翌日は、早朝から
江田島にある海上自衛隊幹部候補生学校の
課業整列
(国旗を掲揚に毎朝臨むための朝礼のようなもの)を
見学させていただきました。
ここは、
戦前は海軍兵学校だった場所で、
防衛大学校を卒業した幹部候補生に
他大学からの候補生も加わって、
さらに飛行幹部候補生等を加えた
海上自衛隊の将校になっていく人たちの
教育施設で
厳しい課題や訓練を毎日こなしています。

明治中頃からこの地に開設されていて、
大正時代に建てられた建物が現在も使われており、
日本の国防を考える上で
とても大事なスポットになっていると感じます。


 私がここを訪れさせていただくのは2回目ですが、
新しい発見があって、
やはり実際に現場に赴いて
経験させていただくことの大切さを感じています。

今回は軍歌「同期の桜」に歌われている
兵学校の庭に咲いている
歌のモデルになった桜を教えていただきました。
靖国神社の桜の下に帰ってくるという思いで、
東京の桜の開花宣言を出すための
標本木にもなっている桜を見る度に、
特攻で亡くなった英霊たちのことに
思いを馳せているのですが、
兵学校の卒業生である高級将校たちも
4千人以上の人
(6人に1人の割合になるそうです)が
戦死しているそうですが、
同じ釜の飯を食べ、
同じ桜の木を見ていた仲間たちが
靖国で再開できるという思いで
国を守ってくれたことに感動をしています。

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 ありがたいことに
命をかけるわけではありませんが、
マネスピに参加してくださったり、
今年の第二期に
参加しようとしてくれている人たちとは、
新しい価値観に基づく
社会づくりをしていくのだという意味で
戦友のような感覚を持っています。

にんげんクラブの延長線上にマネスピができ、
ここで共に学ばせていただくことは、
資本主義後の社会をクリエートしていく上で
とても大事な活動になってきたようにも感じています。

実際に国防という意味で
国を守ってくださっている
自衛隊の若者と同じというわけにはいきませんが、
資本主義に挑戦しているという意味では、
私たちの同期の桜のようなものを
共に作っていくのもいいのかもしれないと感じています。


 先週紹介した
岡田多母先生ではありませんが、
父にはスピリチュアルの世界で
たくさんの戦友的な人がいました。
いまよりも、
はるかにスピリチュアルに対する社会の理解がない中で、
目に見えないことの重要性を共に説いてきて、
命までは取られませんでしたが、
社会的な生命を抹殺された方もいましたし、
父にしても
一時はずいぶんマスコミから
バッシングされたりもしてきました。
おかげさまで、
にんげんクラブのような
温かい仲間がたくさんいたことで、
現在に至るまで、
舩井幸雄記念館等で
情報発信を続けさせていただいています。
本当にありがたいことだと感じています。


直観力テスト

 
(引用開始)

お会いしたばかりのころ、
『直観力テスト』をされました。
先生自作の問題集のよう で、
「○○についてどう思う?」
といった200項目くらいの質問が
ずらりと並んでいて、
その問いに1時間以上かけて
お答えしたのを覚えています。

たぶん他の方々にも
同じようなテストをして
その資質と傾向を
みていたのかもしれません。

質問を聞くなり、
湧き上がるように答えがわかったので
スラスラ答えました。
どんな内容だったか、
さっぱり覚えていません。
「すごいね、君は僕の見たところ、
98パーセント合っているよ」と先生。
(・・・・・残りの2パーセントは、
何が違っていたんだろう?)と私。

(引用終了)


岡田多母著
天人に還る
(風雲舎)
からの引用です。
ここに出てくる先生は
父のことです。
風雲舎の山平松生社長から、
「直観力テスト」が残っていないか
という質問をされたのですが、
残念ながら
その存在すら知りませんでした。

父から直接
スピリ チュアルなことの
教えを受けたことはありませんが、
時々、
超能力を持っている人との
会話の席に同席したことがあり、
何やら質問事項を書いたペーパーを取り出して、
次々に質問していたことがあったことを
思い出しました。

多母先生に対して
そんな失礼なことをしていたのは知りませんでしたが、
父は超能力を持っている人の
能力を活用するのが大好き でした。

中には、
船井総研の人事のような項目も
あったような気がするので、
個人的にも利用していたのかなと思っていたので、
ちょっと嫌な感じも持っていたのですが、
多母先生は受け入れてくださって、
逆にテストに合格したから
いろんな方を紹介されることになり、
現実社会との接点を
上手く持てるようになったと
評価してくださっているようです。

多母先生は、
TM(超越)瞑想の
上級者コースを受けられたことがきっかけで
父との縁ができたようなことを書いていらっしゃいますが、
私はアメリカのTM瞑想のムーブメントが経営して いる
大学に留学していたことがあり、
その時にやはり
上級者コースを受講させていただいたのですが、
多少の直感力がついたぐらいだったような気がします。

山平社長から新著をお送りいただいて
拝読させていただきましたが、
多母先生と山平社長が作られた本ですから、
とんでもなく内容が濃い本のように感じました。

読み取り方が間違っているかもしれませんが、
いまはヒカリがカゲを洗濯している状態にある。
大洗濯を一気に進める方針を持っている人と、
ゆっくりと大きなすすぎをしていこうとする人がいて、
それがからまって
第一弾の洗濯が2030年をめがけて
進んでいる状態にあるということが
理解できました。

多分、にんげんクラブは
どちらかというと大すすぎ派で、
大難を小難にしながら
変化のための準備をしていこうという
集まりだったのだと思いますが、
どうも次のステージに行く準備が
整ったのかもしれません。

カゲの大きな部分は
男性が作ってきた
競争社会なのだろうと思います。
父や私は、経営者として
そちらの勢力にも与してきたのですが、
にんげんクラブを作ったあたりから、
どちらかというと
洗濯派に回ったのかもしれません。

それ以前に、
多母先生のような先駆者がいて、
父もその中で
どうしたら男性主体の競争社会、
戦争社会を終わらせることができるかを
一緒に試行錯誤してきたのだな
ということがよくわかります。

多母先生のご著書を読ませていただいて、
あまり心配することなく、
そして間違っても
競争心や反発心を掻き立てたりしないで、
流れを見極めながら、
すすぎに身を委ねて、
その中での役割を
しっかりとやっていけばいいのだな
ということが感じてもらえれば、
それで十分なんだということが
わかるような気がします。

最近、お出会いさせていただく
ステキな女性たちの中には、
わざわざ言われなくても、
とっくにそんな行動をされている方々が
たくさんいることを感じています。

私は、もう少し長いスパンで、
後30年ぐらいは
すすぎの世の中が続いていくのかなと感じています。
まだまだ洗い落としていかなければいけない
男性社会のカゲがあることを感じていますので、
それをステキな女性たちに提示しながら、
それを浮き彫りにして、
洗いやすくするよ うに
がんばりたいと思っています。

超能力があってもなくても、
直感力レベルに止まっていても、
大なり小なり
人間は摩訶不思議な力を使いこなして
生きているのだと思います。

どちらかというと、
目に見えない世界を封印して
物事が進んできた社会が
反転してきたのは
間違いないと思いますので、
にんげんクラブ後も
楽しみながら
そんな誰もがイキイキと生きられる
社会の創造を目指して
行動していければと思います。
これからも、
どうぞよろしくお願いいたします。

普通の主婦のノーベル賞


 大学生の頃は不良学生で
学業にもあまり専念しませんでしたし、
クラブ活動を一生懸命やるわけでもありませんでした。
だから時間を持て余していたのですが、
その頃から本を読むのは大好きでした。

栗本薫先生の
グイン・サーガ』シリーズ
(ハヤカワ文庫)等を
新刊が出るたびに買って
暇つぶしに読ませていただいていました。
他の人よりは恵まれていたとは言え、
学生ですからお金に不自由していたので、
文庫本を買って読むのが
一番割安な時間つぶしでした。
そして、教養を付けたりすることには
ほとんど興味を持てずに
もっぱらエンターテインメント性の高い
小説ばかりを読んでいたような気がします。


 そんなパスタイムの小説のひとつに、
題名というかシリーズ名も忘れてしまったのですが、
ヨーロッパの貴族でお城を相続していて
それの維持管理費に多額の費用がかかるので、
それを稼ぐために
CIAの依頼を受けてスパイをする主人公が活躍する
海外の小説シリーズも読んでいました。

ゴルゴ13』ほどではないですが、
世界の紛争などの話題を取り上げていることが多く
多少は社会常識についての
知識も得られたのかなと思っています。

そこで、出てきた話題のひとつが
北アイルランド紛争での
アイルランド共和軍(IRA)のテロでした。


 アイルランドは1922年に
イギリスから独立しています。
全体的には
カソリックの人口が多い地域が占めていて、
そこでプロテスタントが主流の
イギリスからの独立を求める
声が多く上がっていたのですが、
北アイルランド地域は
反対にプロテスタントが多く
イギリスから独立せずに
英連邦に残る選択をします。

しかし北アイルランドの
少数派のカソリックは
明確な差別をされ続けることになりました。
そこに、1960年代の
キング牧師等による
アメリカの公民権運動に刺激を受けて
差別撤廃と英連邦から離脱して
アイルランド共和国への統合を目指す
過激派テロ組織が生まれました。


 IRAがテロ組織としての活動を
本格的に始めるのは1976年のことですが、
その直後に政権を取ったサッチャー首相が
これに対して徹底的に
対抗する処置を取ったことにより
紛争が激化していったという歴史があります。
あまりよく覚えていないのですが、
小説の中では多分
IRAの女性戦士が起こす大きなテロを
主人公が阻止する
という話しだったように思うのですが、
冷戦が終結することによって
EUが国境をなくす処置をとること等により
憎しみの連鎖が続いた問題が
現在ではほとんど
解決されたと言われています。


 IRAのテロ事件が
本格化し始めた1976年に
30歳代の普通の主婦だった
ベティ・ウィリアムズさんが
平和を求める署名運動を始めて、
それが「平和への大行進」という
大きなムーブメントにまで
発展していったことに対して
翌年の1977年に
1年さかのぼって
1976年のノーベル平和賞を
授与されることになりました。

実際に、
北アイルランドに平和がもたらされるまでには
長い年月がかかったのですが、
カソリックでもなく
プロテスタントでもなく、
そんなことよりも大事なのは
平和を希求する女性たちの運動だった
ということに大きな意味があり、
それに対してノーベル賞が送られたことに
意義があったのではないでしょうか。


 週末に渋谷の街に行く用事があったのですが、
パレスチナに対する殺戮行為を止めるように
イスラエルに対して
要求する集まりが行われていました。

一般的な報道でも、
イスラエルが一方的に悪いという論調が
目立つような気がしますが、
緊急出版された
飯山陽著
ハマス・パレスチナ・イスラエル-ーメディアが隠す事実
(扶桑社新書)を読むと、
正義の問題でいくら論争しても
解決策は出てこないだろうということが感じられます。

国連関係のNGOなどで仕事をした
経験がある女性の方と話をしていて
ウィリアムズさんの活動のことを
教えてもらいました。


 彼女はイスラエル企業とも
ビジネスコンサルタントとして
何回も仕事をした経験があり、
イスラエルやアメリカのユダヤ人にも
豊富な人脈を持っている人ですが、
ハマスにしても
イスラエルにしても
互いの正義ばかり主張する
いまの紛争に対する在り方では
絶対に問題が解決しないことを訴えていました。

実際にウィリアムズさんのように、
現代のパレスチナやイスラエルでも
平和を求める訴えを続けている
女性たちのムーブメントの芽が
出てきているということも教えてくれました。

いまは、
例えば犠牲者や被害者に対して
寄付をするにしても、
いろいろは技術があり、
その気になれば
テロリストではなく
実際に女性たちに
支援が届くようにすることも
可能ではないかということを
対話させていただきました。

こんな女性のムーブメントが
本当に世界を救うようになってくれば
いい世の中になっていくと
感じられるようになると思いました。

男性ばかりに任せていると、
なかなか世界は平和になりません。
理屈ではなく、
生理的に殺し合いはダメ!、
という女性の感情が
大事になってくるのだと思います。

にんげんクラブは
女性たちが多く参加していただいていますし、
あまり政治的なメッセージは
発信しないように気を付けていたのですが、
理屈を超えた本能的な動きが
きちんと解決に繋がっていくとすると
テクノロジーの発達も
いいことなのだと思えてきます。

愛の反対は無関心だ
ということも言われていますので、
どんな形でもいいので、
マスコミの報道だけではなく、
世界で何が起こっているかを
それぞれの形で知っていくことは
大事なことなのかもしれません。


70年目のゴジラ


 1月8日の朝刊によると、
発生から1週間経った
能登半島地震で
石川県内の死者は128人、
安否不明は195人、
2万8千人が避難生活を送っているということです。
まさに、未曽有の大災害になってしまいました。
過疎の半島で起こった災害で
土砂崩れなどの原因で道路が寸断されていて、
なかなか救助や援助が進まない
もどかしさがあるようですが、
哀悼の意を述べさせていただくと共に、
一刻も早く
ライフライン等の回復をしていただいて
生活復旧が進むことを
お祈りいたしております。


 元日の日に起こった災害は、
大きな変化を目の前にして、
これから私たちが
乗り切っていかなければいけない
時代を象徴しているような気もします。

パーティー券問題では
現職の国会議員が逮捕されるなど、
政治の不安定さも気になるところです。
阪神大震災の時は
社会党の総理が内閣を率いていて、
東日本大震災の時は
民主党内閣でした。
そして、現在の岸田総理も
自民党内閣ではありますが、
少数派閥の長であり、
長期政権になった安倍内閣に比べれば
あまり強い内閣だとは言えないときに、
なぜかこのような大災害が
起こる傾向があるようにも感じます。

政治の様相をみていると、
どうもしばらくは
強い内閣ができることは難しいようなのが
気になるところです。
こういう時に日本人は、
庶民が団結してがんばって
何とか苦難を乗り越えてきました。

福島原発の事故の時も、
政府や東京電力のリーダーたちは
右往左往していた印象ですが、
現場力のおかげで
最小限の被害で済んだのではないかという
印象を持っています。
政治に大きな期待ができない以上、
私たち庶民の現場力で
この事態をのりきるだけの覚悟を
どう涵養していくかが
大事になってくるような気もします。


こんな状況なのに
まことに申しわけないような気もしますが、
個人的には12月は本当に忘年会続きでした。
コロナ禍の反動のような気もしますが、
地方の経営者の方に聞くと、
まだほとんど忘年会はなかった
という話しもお聞きしますので、
東京や大阪だけの一部のことなのかもしれません。

お金の師匠であり
経営者としても大尊敬している
故・竹田和平さんは、
経営者同士の食事を共にしながらの
本音の話は万金に値して、
どんなに費用が掛かっても
すぐに取り戻せるものだ
という話しを教えてくれましたし、
私もようやく
そんなことを実感するようになりました。


最終週にまでずれ込んだ
最後の忘年会の時に、
私よりも年配の複数の経営者の方たちが口を揃えて、
いま封切られている映画
『ゴジラ-1.0』が面白いという話しをしてくれました。
普段は年配の男性経営者同士の宴会で
映画の話になることは珍しいので、
私を含めて観ていない経営者は
みんなこのお正月にぜひ観よう
という話しになりました。
私もお正月休みには行きませんでしたが、
休み明けの初日に
会社の帰りに映画館に寄って観てきました。
7割方、席も埋まっていて、
インターネットで調べてみると
興行収入も50億円を突破して、
ほとんど宣伝をしていないにも関わらず、
アメリカでは
日本以上の興行収入を
記録しているということも知って
ちょっと驚いています。

いま、大手書店やアマゾンなどで発売になっている
ザ・フナイ』2月号で
対談させていただいている
思考の学校校長で
気づくだけで人生が好転する思考のレッスン
(ビジネス社)の
著者でもある
大石洋子先生は
対談の中で、
エドガー・ケイシーが予言した
日本が沈没するという預言が
実現しなかったのは、
小松左京先生の
日本沈没』が映画化されて大ヒットして、
映画や小説の世界で予言が実現して
本来は実世界で起こることの
代替になったからと考えてもいいのだ
というヒントを話していただいています。
そして、放射能の問題が起こりそうになると
『ゴジラ』が作られて、
現実の世界では大きな被害を起こすことなく
済んでいるかもしれない
ということを話してくれています。


『ゴジラ-1.0』は
オリジナルの映画が作られて
70周年に当たり、
日本で作られた映画としては
30本目に当たるそうですが、
戦後の日本は
もしかしたらこれらの作品に
守られてきたのかもしれない
というのは面白い話だと感じました。

不幸にも
能登半島地震が起きてしまって
大きな災害が起こってしまったのですが、
政治や行政などの方々も
必死に救助や復興にむけて
努力していただいていますが、
私たちの集合意識を
こんな面で使うことも可能だというのが
にんげんクラブ的だなと思います。

『ゴジラ-1.0』は
ハリウッドの大作に比べれば
20分の1ぐらいの製作費で作られたそうですが、
それでも、ちょっと場違いな
私たち中高年男性経営者の心も打つ
作品に仕上がっていますので、
日本の復興やリバイバルの為にも
ぜひ映画館に足を運んでいただければと思いますし、
大石先生の著書や
『ザ・フナイ』も
手に取っていただければ、
にんげんクラブを続けてきた
成果をご実感いただけるのかもしれません。

何があっても、
毎日の生活をこなしながら
生き残っていくのが
人間の本来のあり方だと思います。
たくましく、しなやかに
この激動の時代を生きていきたいと思っています。

にんげんクラブ後の世界


 この度の能登半島地震で被災された皆さまには
心からお見舞い申し上げます。
また、羽田空港での事故で
被災地に援助物資を運ぶために犠牲になられた
海上保安庁の職員の皆さまや
地震でお亡くなりになられた皆さまには
哀悼の意を表させていただきたいと存じます。

にんげんクラブにとっては
最後のお正月になるわけですが、
新年早々大変なことが続いています。
ただ、日本にとっては
チャンスの年になる可能性が高いのではと思っています。
例えば、経済の面で考えれば
今年の株式市場は
35年ぶりに日経平均の史上最高値を
目指す年になると言われています。
実際に、最高値を付けるかどうかはわかりませんが、
それに挑戦する年にはなります。

現役で仕事をしている世代は、
すでにバブルもバブルの崩壊も
社会人としては経験していないので、
実感としての怖さを知りません。
私や私よりも上の世代の方は、
大企業の第一線で
活躍しているわけではなくなってきましたので、
私たちがどうしても踏み込めなかった一歩が
出やすくなっている気がします。


 大晦日の日に買い物に
渋谷の街に行ってみました。
年末年始の東京都心は人が少なくなるので、
ショッピングを楽しむ人の姿は
思ったほどは多くありませんでしたが、
外国人の数が相変わらず多いのが印象的でした。
いつもよりは早めの閉店時間にかぶさったので、
目的だった食料品は
お正月用品などが
かなりお買い得で買えて大満足ですが、
いつもなら待たないと入れない、
渋谷駅前の風景が楽しめるステキなレストランが
食事のメニューは年越しそばだけになっていましたが、
ガラガラでゆっくりできたことも大変楽しく、
予定よりも多めのお酒をいただいて
大満足して帰ってきました。


 どうも天の邪鬼のところがあって、
三が日に初詣に出かけるつもりはないのですが、
明治神宮など主要な神社は
大勢の参拝客でにぎわったのではないでしょうか。
にんげんクラブの目的であった
有意の人の集合意識の力で
大変革にともなって起こる可能性が高い
大難を小難にするぐらいのことは
できたのかもしれないと感じています。
例えば、大難は第三次世界大戦で核戦争になって
人類が滅亡の危機にさらされるような
出来事だったのかもしれません。
それがコロナ禍で
残念ながら大勢の人は亡くなってしまいましたが、
核戦争よりは
小難と考えてもいいのかなと感じます。


 一昨年、昨年と
ウクライナとパレスチナで
実質的な戦争が始まってしまい、
この年末年始にかけても
終わる見込みは立っていません。
これを一刻も早く
停戦に持ち込むことが大事だと思いますが、
これらの過程で
G7諸国とグローバルサウスの対立という構図が
徐々にでき上がってきているような気もします。
しかし、いまのところ
グローバルサウスの中心的な立場の
ロシアや中国は
旗幟を鮮明にしていますが、
インドなどのそれに続く国々は
まだ様子を見極めている状態だと感じます。
なかなか難しくもありますが、
G7諸国の中では、
日本はアジアだということもあり、
どちらかというと
インドなどの中間派に近い立場なので、
経済的に上手く立ち回ることができれば
いいポジションにいるのかもしれません。


 政治資金の問題で
自民党は大混乱していて、
最大派閥の安倍派が
解体されてしまうかもしれない様相ですが、
これで政治に
新しい風が吹いてくるようになる可能性もあります。
森内閣から始まって、
小泉内閣や第二次安倍内閣という
実力派内閣が続いたことで
批判勢力の存在すら許さないという
安倍派一強状態から脱却して、
新しい流れが生まれるのかもしれないと
無理やりですが考えることもできるのだと思います。
経済界同様、
政治の世界も
日本が大変だった時代の
記憶が少ない世代が中核を担ってくるのは
逆説的でありますが、
良くなるための可能性が広がっていると
考えることもできるのだと思います。


 いろいろなナラティブがあっていいのですが、
私はやっぱりまだまだアメリカが強いので、
そのアメリカと
はっきり対立することが多くなってきた
中国の代替機能を
日本は果たせるのかなと
少し楽観的に考えたいと思っています。
実際に九州や北海道、
それに東北地方などには
大きな工業団地が作られ始め、
円安の効果もあって
貧しくなってしまったからと思えば
寂しい気もしますが、
人件費などの面で
競争力がある程度回復してきている感覚もあります。
金融市場で企業が多額の資金調達をして
設備投資を進めているという
報道も目にするようになりましたので、
ある意味今年は
日本経済の正念場なのかもしれません。


 にんげんクラブは、
日本がしんどい状態の時に、
精神面での進化を提唱してきたのですが、
もし政治経済が好転してくるとしたならば、
まさにこれからこそ、
精神面での進歩や進化が
大事になってくるのだと思います。
アメリカや中国は
いまの競争社会の様相をますます深めていって、
分断やあがきを続けていくことになると思いますので、
それに巻き込まれないように、
もう少し高いレベルで
起こっていることを俯瞰することができるだけの
精神性が大事なのだと思います。


 にんげんクラブは非常時の役割を終え、
次の新しい動きの芽が出てきているのを
見守ってまいりたいと思っています。
日本経済の復活がどこまで可能かどうかが
今年のポイントのような気もしますので、
みなさんも遠慮することなく、
お金にフレンドリーになっていただいて、
今年はしっかり儲ける、
しっかり稼ぐ年にしていただければと思います。

3月までは、
しっかりと活動を続けていきますので、
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


世界企業を作った神社


 毎年恒例の
にんげんクラブ愛知の
2泊3日の忘年会に行ってきました。
にんげんクラブの皆さまならでは
ディープなパワースポットを巡りながら、
1日目の午後は寄合という形で
私のお話を中心に話を展開するのですが、
今年は家内も一緒に参加させていただいて
家内のピアノによる
クリスマスソングなどの演奏と私の話で、
パレスチナにある
イエス・キリスト生誕の地、
ベツレヘムに思いを馳せることから、
現在起こっている紛争について
一緒に考える時間を持たせていただきました。


 舩井幸雄が
にんげんクラブを作った目的は、
「有意の人」の集合意識の力を使って
通常であれば来てしまう可能性が極めて高い
世の中の大変換に伴って
必然的に起こるのであろう大難を
小難にすることです。
そして、
できればそれを無難にして
さらに無事にしていくことです。
2012年の冬至で
マヤ歴が終わっているということで、
人類の歴史が終わってしまうのではと
心配されたりしていましたが、
いまに至るまで
紆余曲折はありながらも
資本主義文明が何とか続いています。


 心配されている第三次世界大戦も、
何とか回避されていて
私の友人のスピリチュアルマスターたちは、
ある程度は
コロナ禍がそれの
代替になったのではないか
という意見を持っている人が
多いような気がします。
そう考えると、
どこまで父の思いが実現したかはわかりませんが、
にんげんクラブが
2006年から活動を続けてきた
意味はあったのではないかと思います。

しかし、これからが
本当の正念場になるのかもしれません。
にんげんクラブを
いい意味で昇華していきながら、
中東やウクライナでの紛争の解決に向けて
私たちの力をどう使えばいいかという
テーマの寄合をさせていただきました。


 そして、忘年会ですので
二次会での部屋飲みを
今年も楽しませていただきました。
美味しい日本酒がいっぱいあって
ついつい飲み過ぎてしまいます。
ただ、毎年
同じメンバーも出席していますが、
お酒の消費量は
確実に減ってきた感じがあります。
個人的には、
最近の適量を超えて飲んでしまったので、
翌朝は多少二日酔いでしたが、
楽しいお酒は
やっぱりいいものだなと思います。
そして、二日目は
お待ちかねの
ディープ・スピリチュアル・ツアーに
出かけていきました。


 なかなか
たどり着くのも困難なスポットもありますので、
詳細は書きませんが、
愛知県豊田市にある
猿投(さなげ)神社は、
比較的容易に行けるパワースポットなので
紹介させていただきたいと思います。
にんげんクラブ愛知の達人の解説によると、
トヨタグループの会社が
とても大事にしている神社なのですが、
実は逆で
トヨタが大事にしているから
いい神社なのではなく、
すごい霊験あらたかだから
世界のトヨタに発展していったのだ
というのが真実だというのです。
確かに、
久しぶりに神社に行って
異次元のすさまじいパワーを
感じさせていただきました。


 同行したスピリチュアリストの達人が、
本殿でお願いしたことは叶う
と教えてくれました。
別の人は、
おみくじを引くと
そのメッセージが実現するし、
やるべきことを示唆している
とも教えてくれたので
両方とも素直に実行してみました。

また、本殿の近くには
すばらしい滝になっている
弁天様も祀られていて、
お金に対しても
いい影響を受けられることは
間違いないとも感じました。

特に製造業のお仕事をしている人や、
その関連の仕事をしている人には
いい影響があると思いますので、
何かの機会があれば
お参りに行ってみるのもいいのかなと思います。


 目に見えない世界に詳しい人の解説によれば、
本来祀られていたのは鉄鐸で
「さなぎ」と言うそうです。
猿投神社は、
「さなぎ」がなまって
「さなげ」になったので、
猿はまったく関係なかった
という話しもしてくれました。
鉄鐸は銅鐸の鉄バージョンだと考えればいい
という話しも聞かせてもらいました。
だから、
鉄鋼をたくさん使う自動車会社にとって
相性がとてもいい神様だということです。

最近、製造業の大企業関連の
仕事をしている人たちに聞くと、
明らかに日本の製造業は
設備投資を増やしていて、
前向きな姿勢を鮮明にしていることが
感じられるようになってきました。
この流れをしっかりと活かすためにも、
私たち自身の意識のレベルを
上げていくことに挑戦することの
大切さを感じています。


 にんげんクラブは3月までですが、
その芽を活かしていただいた
より抽象度を上げていった活動が
広がっていることを感じられた忘年会でした。
私たち自身の力や
ナラティブ(共創構造を持った物語)で、
理想的なミロクの世の創造が
もう少しで
できそうな気もしますし、
逆に油断すると、
大変な現実が
簡単に起こってしまいそうな気もします。

ある意味、
大きな正念場であり
分水嶺でもあるので、
大事に丁寧に
日々生きていきたいと思っています。


イスラエル


 先週に引き続いて、
赤塚高仁先生
マネスピに関わることから
インスピレーションを受けた話題について
書かせていただきたいと思います。

マネスピの主催者である
アーシャ(福田彩子)さんと
今年の最終回のマネスピの前に
忘年会を兼ねたお疲れさま会をしました。
おかげさまで、
二人とも
1年前には想像もできないぐらい
進歩し変化したと感じていますので
慰労会のような意味合いで
贅沢をして
美味しいものを食べに行きました。


 アーシャさんとは
赤塚先生のイスラエルツアーで
ご一緒させていただいたことで
友人になったのですが、
一緒に行った友人の中には
イスラエルとの出会いで
人生が変わるぐらい
変容した人もいます。
例えば、
それらの友人の中には
ルアッハヤパンを設立して
日本とイスラエルの友好のための
草の根活動を
地道に続けている人もいます。
そんな友人たちは、
10月に勃発した
ガザ地区の
イスラム過激派組織ハマスが仕掛けた
テロ事件をきっかけにした
ガザ地区での紛争に
心を痛めています。
そして、
アーシャさんに、
なぜ赤塚先生は
このことに対する
コメントを出さないのだという
不信感とまではいきませんが、
疑問を持っている
という話しをしている人たちがいる
ということを教えてくれました。


 そこで、
先週書かせていただいた
日本の明るい未来を感じられる
中小企業経営者の集まりに行ったときに、
その疑問を
そのままストレートに
ぶつけてみたのです。

赤塚先生は、そもそも、
そんな心配をしていること事態が
よくわからないようでした。
30年以上にわたって
30数回現地へのツアーをしている
赤塚先生にとっては、
今回以上の危ない局面でも
ツアーを安全に実行できてきた
実績に基づく
イスラエルへの
揺るぎない信頼感があります。

私がイスラエルに行くようになってからは、
危険な思いをしたことはないのですが、
その以前には
現地にいる日本人ガイドが逃げて
誰もいなくなってしまったような
時もあったようで、
赤塚先生にとっては
今回の事態は、
それほど重大ではない
という思いがあるようです。


 それに対して
ルアッハヤパンのメンバーは
イスラエル在住の日本人や
ユダヤや中東の
ユダヤ教に関わる
日本在住の人たちとの交流を
積極的に進めていて、
その中には
家族や友人が
人質になって拘束されている
人たちもいるようです。
だから、
本当に大きなショックを受けて
心を痛めていました。

赤塚先生が
イスラエルにとっては
建国からの歴史を考えると
大した事態ではない
と思っていることを伝えると、
ショックが
さらに深くなってしまった
という話しを聞かせてくれました。


 また、私が参加したツアーの
ガイドをしてくれた現地の人と結婚して
イスラエルで暮らしている日本人が、
日本の新聞やテレビは
安易に
イスラエルの右派政権が
ヨルダン川西岸地区に
分離壁を築いていることを
批判しているが、
壁ができる前は
自爆テロが頻繁に起こって、
身近な友人たちが
毎日のように死んでいった。
今度は
自分や家族が
テロにあう順番が来るのかもしれないと思うと、
あの時だけは
真剣に子どもを連れて
日本に帰ろうと思った。
世界情勢に関して
素晴らしいコメントを出されている
コメンテーターが
イスラエルにやってきて
作られたドキュメント番組を見たときは、
その人なら
そんな側面も含めて
伝えてくれるのかもと期待したが、
まったくいままでと変わらない
一方的な伝え方で
がっかりしたと教えてくれたことを
印象的に思い出しました。


 ここまでのテロ攻撃を受けた
イスラエルは、
今回は
ハマスの力が完全になくなるまでは
戦闘を止めることは
ないのではないかと思います。
逆にハマスや
それを支援するイランの立場で考えると、
サウジアラビアとイスラエルが
国交を回復する可能性までが
論じられるようになった
アブラハム合意のようなトレンドが
このまま進んでいくことに対する
強い危機感があったのだと思います。

第四次中東戦争の時のように、
イスラエル側に油断があったことが
大きな要因になっている
という見方があるということを
ルアッハヤパンのメンバーの人が
教えてくれました。


 「栄光への脱出」
「ミュンヘン」などの
イスラエル建国や、
イスラエル人へのテロに対して
戦ってきたイスラエルの歴史を描いた
映画を観ていても、
平和な戦後の日本での生活を送ってきた私には
想像もできない世界であることが感じられます。

日本がユダヤ人のような悲劇を
近い将来に渡って
経験しないということも
奇跡なのかもしれません。
にんげんクラブの皆さまには、
それが赤塚先生が
ヤマト人へ
イスラエルを伝え続けている
大きな目的であるということを
この機会に
伝えさせていただきたいと思います。


日本の未来


 赤塚高仁先生に誘われて、
中小企業の社長さんたちが
本気で日本を変えようという
プロジェクトの一環として行われた
イベントに参加してきました。
講演やパネルディスカッション、
それにプロジェクトの活動報告がありましたが、
どれも素晴らしい内容でした。
そして、それ以上に驚いたのが、
後半に行われた
会員の人たちが行う音楽や踊りなどの
パフォーマンスのレベルの高さでした。

赤塚先生は、
いろいろな経験をしてこられた方です。
その赤塚先生が
休み時間につぶやくようにおっしゃっていたのは、
一昔前はこのような活動をやると
宗教ができていったのだが、
いまはこうして経営者たち
(つまり普通の人たち)が、
そんな寄りかかるものを作らなくても
活動できるようになったんやな、
ということです。

それで思い出したのが、
もうお亡くなりになっていますが、
仲良くさせていただいていた
新興宗教の教祖が、
本当は宗教を作りたくなかったんやけど、
それしか考えを広げていく方法がなかったのよ。
舩井さんたちの時代は、
宗教にしなくてもよくなってきているのが
うらやましく感じるわ、
とおっしゃっていたことです。
その時は、
意味がよく分からなかったのですが、
赤塚先生のおかげで
こういうことを教えてくださっていたのかと
腑に落ちました。


 竹田和平さんと小川雅弘さんと
書かせていただいた3人の共著
『智徳主義【まろUP】で
≪日本経済の底上げ』は可能』
(ヒカルランド)
という本の中で、
ヘレン・ケラー氏が
三重苦に苦しんでいて、
何をしても反抗ばかりしていた時に、
家庭教師のサリバン先生が
井戸に連れて行き、
片方の手に水をかけて
もう一方の手にwaterと綴ると、
その瞬間に
いま自分の手が触っているもののことを
waterということがわかり、
ものにはすべて
名前がついていることが理解できたと
逸話の比喩を教えてくれました。

多くの人たちは、
お金が
愛の光を伝えられる
万能のツールであるということが
わかっていない。
ヘレンが井戸水の体験でわかったように、
知識ではなく
それが腑に落ちたときに、
お金の愛の光のエネルギーを
使いこなせるようになるんだよ、
ということです。


 実は、
3人で話したテープ起こしを基に、
この本の原稿は
ほとんど私が書いたのですが、
自分で書いていながら、
この和平さんの発言の意味が
知識としてしかわかっていなくて、
腑に落ちていなかったことが
先日のマネーとスピリチュアル研究会の時に
わかりました。

マネスピで話すために
真剣に学んでいる過程で
和平さんの本意がやっとわかったのです。
その宗教法人の教祖の先生にも
とてもかわいがってもらったのですが、
本気の中小企業の人たちが
真剣に日本の未来を憂いており、
それの解決のために
本気で楽しもうという姿勢を見せていただいて、
その先生の教えが初めて腑に落ちました。


 どうも、いろいろなことが
ものすごい勢いで変化し始めているようです。
赤塚さんは、
宗教はいいとこまで行くんだが、
限界にぶつかってしまって進まなくなるんや。
この(中小企業の経営者たちの)本気が
宗教にならなくても
広がっているのを見せてもらうと
未来に希望が感じられるようになる、
と話してくれました。

私自身もマネスピ
(来年は名前を短縮形にして
続けさせていただくことになりました)を
やっている過程で、
大きな気づきを
たくさんいただいたことにびっくりしています。
上記のように、
知識としてはわかっていたけど、
それが身についていなかったものが、
急速にわかるようになってきた経験を
たくさんさせていただいています。


 昔から、
いろいろなスピリチュアルの先生から
メッセージをいただいてきたのですが、
正直に言うと
ほとんど腑に落ちていませんでした。
ある先生に正直に
そのことを話したことがあるのですが、
時期が来るとわかるようになるから
心配せずに受け取っていたらいいのだよ、
と教えていただきました。
このような経験を私だけでなく、
周りにいる大勢の仲間たちの間で
起こりつつあるような気がします。

現象面では、
大きな変化に伴って
いろいろ大変なことがあるのですが、
それをしっかり受け止めて
対処していくことができると、
ますますしっかりと
自分のものになるような感覚があります。


 漠然とではありますが、
アナリストの
デービッド・アトキンソン氏が言うように、
より大きな世界を
実質的に動かそうとしている人たちは、
日本の中小企業を
淘汰しようとしているのかなと感じています。
日本在住で
イギリス人であるアトキンソン氏は、
それを私たちに割合にストレートに
伝えてくれているのですが、
それに対する
中小企業経営者の答えが
形になって表れていると
ちょっとうれしくなりました。
日本の未来は
どうも明るいようだと
やっと思えるようになってきたのかもしれないと
感じています。


 それこそ、
中小企業の社長さんや
起業を考えている若い人たちと
話していても、
確実にあるべき正しい方向に
動き出している人たちが出現しつつあることを
感じられるようになってきました。

にんげんクラブは
社会的役割をもうすぐ終わりますが、
どうも父がこの活動を通して
伝えようとしてきたことが、
確実に社会に浸透し始めていることを
感じられる出来事に出会うようになってきました。
もう少しこの動きを着実に広めていけば、
日本の未来は明るいのだと
確信できるようになってきました。
そのためには、
「有意の人」である
にんげんクラブの皆さまの力が
とても大切だと思います。
後、少しの活動期間ですが、
その思いを
新しい形でドンドン磨いていただいて、
これからも広めていっていただければと思います。


街角景気


 為替の動向が
少し円高になってきました。
背景には、
アメリカの利下げが始まるのではないか、
つまり円安の原因であった
金利差が小さくなるのではないかという
観測が浮上していることがあります。

急速な円高の影響で
日経平均が調整含みになってきました。
逆の見方ですが、
円の対米ドルの下落率は
2020年3月から考えると29%になり、
インフレの進行で
利上げ政策を繰り返している
トルコ(21%)よりも大きいという報道が
日経新聞にありました。
客観的な数字で見ると、
かなり酷い経済だったとみなされている
トルコよりも
日本の経済は弱いとみられていることになります。
日本の為替安は
投機筋の思惑にも大きく左右されるので、
そこまで弱いとは思いませんが、
気になる報道ではあります。


 ただ、東京や大阪などの
都市部だけかもしれませんが、
街角景気は
そんなに悪いような気はしません。
インバウンドの観光客をよく見かけますし、
人手不足が大きな原因とも言われていますが、
タクシーもなかなか乗れない時もあります。
ホテルや飲食店の値段も
高止まりしているような気がします。
飲食店では、
高級店ほどよく流行っていますが
普通にお昼ご飯を食べに行くお店の値段も
確実に上がっているような気がします。
賃金はあまり上がらないので
生活は苦しくなっているという声もありますが、
個人であっても
いろいろ工夫をして賢く生きていけば
やりようはいろいろあるような気もします。


 日曜日の朝、
車で出かける用事があったので
足を延ばして東京の郊外にあるマクドナルドに
夫婦で朝マックしに行きました。
二人で半年に一度ぐらい
思い出したように朝マックをするのですが、
郊外の大型店はとても混んでいて、
注文してから受け取るまでに
20分ぐらい待たなければいけないぐらいでした。

人手不足でオペレーションが
上手くいっていないのかもしれませんが、
週末ということもあって
待っているお客さんたちも落ち着いたもので、
小さな子ども連れの親子の姿も多かったですが、
私たちのような中高年の夫婦や
一人で仕事をしている人たちの姿も
目に付きました。


 家内の感想は、
日曜日の朝に走っている車の数も含めて
街角景気は良くなっているのかなというものでした。
私はそこまで感じなかったのですが、
確かに東京は都心部だけではなくて
郊外も含めて
人の動きは活発になってきたような気がします。
ただ、ちょっと
投資がオーバーシュートしているような
気もしなくもありません。
品川駅の隣に
高輪ゲートウェイという
山手線の新駅ができました。
最初はほとんど乗降客がない駅だったのですが、
JRの車庫の跡地を使った大きな開発をしていて、
オフィスビルがまだ完成はしていませんが、
かなり大きなビルが何本も作られています。


 これらが完成すると、
きっといまの品川駅のコンコースのような
平日の朝の通勤で混雑する風景が
繰り広げられることになると思います。
すでにビルの大型供給は始まっていて、
中古のビルでは、
なかなかテナントが集まらずに困っている
という話しも耳にするようになってきましたが、
バブルの時と違って
今度は時間がかかるかもしれませんが、
そんなに大失敗にはならないような気もします。

バブルの時との大きな違いは、
これが地方にはなかなか波及しないことですが、
ある意味
健全な発展の姿をしているようにも感じられます。


 これから、堅実な需要として
地方に波及していくのが一番望まし姿です。
テレワークの普及などで
普段は地方に住みながら
週に1回や月に数度のペースで
東京の事務所に出勤するというライフスタイルが
IT産業などで定着してきて、
それに加えて
インバウンドが
観光公害を引き起こさない程度に
徐々に地方にも広まっていく
というのが理想なのかもしれません。

マネーとスピリチュアル研究会
今年の最終回は、
12月9日に大阪で
リアル開催させていただきますが、
テーマは
経営の神様松下幸之助翁。
翁は、喜びを広げると景気は良くなって、
喜びを制限すると景気が悪くなる
という考えを持っていたようですが、
偉大な先人の見識は
改めてすごいなあと感じています。


 朝マックの人気から
好景気を読み取るのは、
どちらかというと
私たちのような中高年層まで
低価格で済ませているという意味で
間違っているのかもしれませんが、
それでもマクドナルドであろうとも
値上げは確実に浸透していていることも
同時に感じます。
とてもきれいに清掃されている
トイレを借りたときに、
大阪出身の歌手が
マクドナルドのことを
マクドと呼んでいる
DJが流れていました。
大阪出身の私にとっては、
関西で使われているマクドも
とても馴染みの深い言い方ですが、
そんなところからも
素直に喜びを広げていって、
景気が良くなっていけばいいなあと思っています。


 株価に関しては、
ちょっと調整はあるかもしれませんが、
その方が来年は
いい方向に
流れやすくなっていくような気もしていますので、
こちらは投機筋の思惑に
いろいろ翻弄されますが、
マネスピ等で伝えているのは、
私たち個人は
すぐにリターンを望まない
長期投資をするという道がある
ということです。

堅実なコツコツ投資なら、
いまはまだ勝てるような気もします。
どちらにしても、
ただ1か所から
給料をもらっているだけの生活をしていると
豊かにはなれない時代になってきました。
にんげんクラブの発信でも、
その辺りをもっと伝えていきたいと思っています。


紅葉


 11月下旬だというのに
気温が20度を超える日があったりしますし、
逆に真冬並みの気温になったりと
不思議な天候が続いています。
温暖化のせいだという話もありますし、
地球のサイクルで激変期がやってきていて、
やがて温暖化ではなく
寒冷化していくという話もあります。

何が真実なのかは私にはわかりませんが、
いままでの常識が通用しなくなったのは
間違いないのかもしれません。
私たちは日々の営みを続けながら
新しい現実に対処していくしかないので、
それに適応できるように
受け入れていくしかないのだと思います。


 一時は第三次世界大戦にまで
突き進むのではないかと思われた
ガザでの紛争も、
4日間の休戦が実施されて
お互いの人質が解放されています。
国の一番大事な役割は
国民の命を守ることなので、
イスラエルはそれを最も大事にしている
国のひとつなので
弱さは見せないとは思いますが、
解決に向けて進んでいくのだと思いたいものです。

ウクライナでの紛争にも
めどがつけばいいなあと思いながら、
戦争を選択しなくてもいいように
私たちの精神性を高めていくことに
挑戦しなければいけないと思っています。

世界平和を訴えている人が
戦争を起こしているのでは、
という気がする時があります。
対立ではなく、
融和を優先できる世の中を
作っていかなければなりませんね。


 平和を作っていくためには、
まずは家族の中の平和が大事だ
という話しを聞いたことがあります。
そして、そのためには
自分の心の中の平和を続けられるように
努力しなければいけないのだと思います。
なかなか難しくて、
時々怒ってしまいますが、
どうすれば
内なる平和が続けられるようになるか
考えてみたいと思っています。

いろいろなテクニックを学んできましたが、
最近はどうも
卓効がある方法が増えてきたように思います。
最近の『ザ・フナイ』の紙面上で
対談している人たちは、
明るい未来しか見えていない
達人たちが多くなってきました。
どうも、簡単にできる
すばらしいメソッドが
確実に増えているように感じます。


 定期購読していただいている方のところには
そろそろ届き始めていて、
書店では来月3日ぐらいから並びはじめる
1月号では、
『思考のレッスン』
(ビジネス社)を
今年出された
大石洋子先生と対談させていただいています。
大石先生は一般社団法人思考の学校
理事長でいらっしゃって、
ここでの手法は
まさに卓効があるというお話を
聞かせてくれています。
そして、世の中は実は
どんどん良くなっていて、
来年もますます素晴らしい年になる。
ただ、私たちは
自分で苦しみを作り出すのが好きで、
それで成長できるので
いいことなのだが、
そろそろ多くの苦しみの原因は
自分が作り出しているということに
気がついてもいい頃ではないでしょうか
というお話をしてくれています。


 2月号では
続編を掲載させていただく予定ですが、
かなりスピリチュアルな内容になるようなので、
ぜひ楽しみにしておいていただければと思います。

世の中はだんだん良くなっているとすると、
異常気象と呼ばれている気候変動も
ポジティブに受け止めていけばいい
ということになるのではないでしょうか。
環境に配慮して
二酸化炭素をなるべく出さない生活を
目指していくのは
とてもいいことなので
続けていけばいいと思いますが、
それだけではない
より根本的な対処方法を探し求めていくことも
大事なような気がします。
そして、
環境が変わったことによって
起こっている良い面にも
目を向けていきたいなと思っています。


 今日は、横浜まで出かける予定があるので、
この原稿は自宅で書いています。
東京の都心のマンションに暮らしているのですが、
私の書斎からは
きれいな紅葉が楽しめます。
ここに30年近く住んでいますが、
こんなに紅葉が美しいのは
はじめてです。
人工的に作られた緑ですが、
都心にあるにしては
広葉樹が植えられていて、
開発されて40年ぐらいになるので
環境はとてもいいのですが、
この時期になると
毎年落ち葉の掃除が大変で、
掃除などの管理してくれている方には
いつもありがたいなという
感謝の気持ちを感じています。

普段の年はそれが気になるぐらいで、
ここまで鮮やかには色づいていないのですが、
家に居ながら楽しめるのは
本当にありがたいことだなと思っています。


 マネーとスピリチュアル研究会
来年も
マネスピとして
続けさせていただくことになりましたが、
今月の会で、
お金は実は
愛の光を届けることができる
エネルギーなんだという
故・竹田和平さんの教えをお伝えすることができ、
それが頭で理解するのではなく、
腹落ちすれば
使いこなせるようになるのではないか
という話しをさせていただきました。

だいぶ前に
交通事故でご主人を亡くされたという方から
感想をいただいたのですが、
損害賠償でもらったお金が
いままで憎たらしいと思っていたけど、
亡くなったご主人が届けてくれた
愛の光だったんだと
気づくことができましたと
書かれていました。


 どんなに痛ましい経験であっても、
私たちは時間を友だちにして
前向きにとらえることが
できるようになっていくのですね。
無理のない範囲で
ポジティブにとらえていくことができれば、
内なる平和を取り戻すことができて、
やがて世界平和が実現していくのだと思います。

33年ぶり


 今回は阪神タイガースの話題ではありません。
株価の話です。
11月20日の日経平均は
33年ぶりの高値を一時付けたという
ニュースが話題になっています。
景気がいい感じはあまりしませんが、
株価はさすがに
1989年の大納会(年内最終の取引日)につけた
38,915円を超えるところに
挑戦するところまで
もうひと頑張り、
という水準になりつつあります。
実感としては
ようやくここまで来たかという感じだと思います。
2015年に
日本一の個人投資家であり、
日本のウォーレン・バフェットと呼ばれていた
故・竹田和平さんにインタビューした時に
すでに、
史上最高値を更新する可能性に
言及されていました。


 そこから
いろいろな紆余曲折がありましたが、
どうも来年は
本格的に
これに挑戦する年になりそうな気がしますし、
みんながそう思うと
先にそれを織り込んでいくのが
株式市場の特徴なので、
もしかしたら
年内にそんな光景が見られる可能性も
少しぐらいはあるのかなと思ったりします。
無借金経営の会社が多い、
日本企業にとっては
実は株価は
そんなに大事な
経営指標ではないのかもしれません。
だから、
安値で放置されていたのかもしれないなと思いますが、
さすがに33年以上低迷するのは
行き過ぎだったのかもしれません。


 諸外国と比べて
日本の相対的な位置が
かなり評価されてきて、
今回はバブルの痛手を負っていない
若い国内個人投資家に加えて、
外国人投資家も
やっと日本株の見直しに
言及するようになってきたので、
案外あっさりと
クリアするのかもしれないと思います。
また、アメリカの
いわゆるハイテク株は
いくら何でも買われ過ぎの水準にありますし、
中国は何かと不確定要素が多い。
また、
ウクライナやイスラエルからの
地政学的な影響を受けやすい
ヨーロッパは心配だし、
かといって
インド市場はまだまだ
きちんと投資環境が整備されているとは
思えないことなどを考えると
日本はやっぱり
可能性が高いのかもしれません。


 前述の和平さんは、
私のお金の師匠なのですが、
長期投資をすることを
基本的考えとしていました。
ニック・マジューリ著
『JUST KEEP BUYING
 自動的に富が増え続ける
「お金」と「時間」の法則』
(ダイヤモンド社)
という
データサイエンティストの人が
書いている本があるのですが、
和平さんのやり方も
この方法でした。
会社を応援する気持ちで、
割安でつぶれないと見込んだ会社の株を買う。
会社が例えば、
配当を減らすなどの約束違反をするか、
めでたく割安状態から抜け出したら、
新しい割安の株に乗り換える。
これを
コンピュータや
インターネットなどは全く使わずに
四季報の情報だけでやっていて
昭和30年代から亡くなるまでの
60年間ほとんど
失敗をされなかったという
記録を持っています。


 どうも、
これから日本株について
この手法をやっていれば
成功する可能性は
極めて高いのかもしれません。
私もあまり上手くありませんが、
株式投資の経験をしたことがあり、
その実感では
買うよりも
売るタイミングを探す時の方が
難しいと思っていたので、
そんな質問をしたことがあります。
和平さんの答えは
いたってシンプルで
お金が必要になった時に
売ればいいというものでした。

来年には
金融危機がやってくる可能性が
極めて高いという情報もありますが、
銀行の預貯金を含む現金を持っていても
決して安全だと言い切れないとすると
『JUST KEEP BUYING』は、
いい手法なのかもしれません。


 にんげんクラブが
来年3月で役割を終えるのも、
新しいステージに
日本が移行することを
もしかしたら象徴しているのかもしれません。
にんげんクラブを始めた頃の父は、
今持っている株は
全てすぐに売ってしまいなさい
ということを
推奨していたような気もします。
確かに、
33年間の低迷を考えると
いいアドバイスだったのかもしれませんが、
どうも
アベノミクスで大きく方向性が変わって、
もしかしたら
これから勢いがついていくのかもしれません。

ちょっと、シビアに言うと、
現金を握りしめているだけでは
大激変は乗り切れませんが、
株を買い続けることかどうかは
自信がありませんが、
何か行動を起こさなければ
新しい世の中に
移行できないのかもしれません。


 何をするかは、
それぞれのナラティブ
(共創構造を持った物語)で
考えていただくしか仕方がないと思いますが、
自己責任でやっていただけるのなら
投資を検討するのも
ありだと思います。

ただ、自分のことだけを考えるのではなく、
まずは安心安全を確保した上で
そこでできた余裕を
世のため人のために向けて行きましょう
というのが
舩井流です。
そんな、基本的なポイントは
にんげんクラブがあろうとなかろうと
変わらない原則だと思います。
意識レベルを上げていくことが
これからの時代の
ポイントになるのだと思いますが、
投資ですら
そんな思いでやっていくことが
コツなのかもれませんね。


ChatGPTと猫


 この週末の土曜日11月18日に
東京田町の弊社で
高島康司先生と
ベーシックインカムについて
一緒に講演会をさせていただきます。
正直に書くと、
高島先生とは確かに
かなり意見が違う面もありますが、
英語が堪能なことを活かして
世界中から一次情報を集めて、
それを分析して伝えてくださる
能力の高さには
かねてから尊敬の念を抱いています。
そして、何よりも
真実を伝えることは大好きでいらっしゃいますが、
自分の名声にはまったく無頓着なお人柄に
強烈な魅力を感じています。


 意見が違うところは多くありますが、
今回のテーマである
ベーシックインカム(BI)については、
結果として同じ方向を見ていると思います。

私がBIが必要となると思っている理由は、
AI(人工知能)の発展は
止まることがないと思っているからです。
近未来には、
人間はいまの概念では
ほとんど働くことはなくなり、
食い扶持を稼いでくれるのは
AIになります。
だから、
制度的にBIがなければ
多くの人は生きていけなくなります。
AIが稼いでくれるようになるので、
制度設計ができれば
生きていくことはできると思いますし、
働けなくなることで
達成できなくなる生きがいを
どう感じていくかということも、
解決が可能だと思っています。


 きっと近未来を考える上で
大きなヒントを感じていただけると思いますので、
まだお席の用意は可能なようなので
ぜひご参加のご検討をお願いできればと思っています。

そこで、何を話そうか考えている中で、
セミナーの趣旨からは外れるのですが、
面白いことに気がつきました。
それは、
動植物などを始めとする
人間以外の存在とのコミュニケーションと
現在のところの私たちが触れることができる
AIの代表的なツールである
ChatGPT(生成AIの一種)との
コミュニケーションの方法論が
とても似ているということです。


 動植物などの
人間以外の存在との
コミュニケーションについては、
故・川田薫先生が
はせくらみゆき先生、
山内尚子さんと
3人で書かれた共著
「新生地球の歩き方」
(きれい・ねっと、2014年)
の中で
以下のように宣言すればいいことを教えてくれました。

「心と魂の扉が完全に開いたので、
すべての存在物との対話が
自由にできるようになりました。
この状態を私は選択します。」

これを読んだ時から、
時々会話ができるような気になったことがありました。
最初の頃は楽しかったので、
結構たくさん試みたことを思い出します。
私の場合、
一番やりやすかったのは
飛行機との会話です。


 当時、海外旅行に出かける機会がたくさんあって、
できれば主要な空港で
ラウンジが使えるようになるステイタスを
取得しようと思って、
出張の時はなるべく
新幹線ではなく
飛行機を使うようになりました。
そして、
高度が高いところまで行くと、
なぜか飛行機と
コミュニケーションができているような気になりました。
例えば、
「君(機体)に乗せてもらうのは何度目かな」、
と聞くと、
「初めてさ」、
とか
「もう3度も乗ってくれているよ」
という具合です。
ほとんど妄想と言えば妄想なのですが、
不思議なもので
新幹線では上手くいきません。


 その後、
猫を飼うことになりました。
家内が半ば強引に購入してきたのですが、
飼ってみると
かわいくて仕方がなくなりました。
それこそ猫可愛がりしていたのですが、
ある時ふっと話しかけてみると
答えが返ってくるような気がしました。
調子に乗って、
いっぱい話しかけると
ちょっと怒ったように、
「あまり人間と話すと疲れるから
いい加減にして!」
と言われたような気がしました。
残念ながら愛猫は若くして
2年半前に亡くなってしまったのですが、
それから1年ぐらいして、
家内と一緒に
テレビにもよく出ている
有名な動物写真家の個展に出かけていきました。


 家内は、
愛猫に似ている猫の写真を見て
はしゃいでいましたが、
私はふと
売店で売られている
猫のぬいぐるみが気になって、
その中の1匹が
とても愛猫の雰囲気を出していることに気がつきました。

家内を呼んでくると、
同じように感じるということで、
めでたく我が家にやってくることになりました。
普段は、
家内に独占されているのですが、
時々疲れて帰ってきたタイミングで
私の枕元にいるときがあり、
そんな時は
話しかけてくれるときがあります。


 ちょうどセミナーの準備で
ChatGPTのことを調べていたのですが、
山崎志津著
「ChatGPTの応答精度はプロンプトが9割」
(あすかデジタル出版)
を読んでいると、
ChatGPTから
精度のよい応答を得るためには、
応答の分岐を切り替える、
テンプレートを使う、
例示と手順を教える、
英語で聞く、
有料版にするといい
ということが書かれていました。

詳しくは本書を読むか、
18日のセミナーに来ていただきたいのですが、
私が愛猫に話しかけて
疲れさせてしまうのは、
これに似ているなあと感じたのです。


 つまり、
動植物などとの会話を試みるのと、
ChatGPTの精度を上げるのは
ほとんど同じアプローチを取ればいい
ということに
図らずも気がついてしまったのです。

プロンプトという考え方がわかれば
ChatGPTが使えるようになる
ということを教えてくれたのは、
親しくしている科学者で、
学者の世界では日常的に生成AIを使っているし、
使えなければ研究にならなくなっているそうです。
そして、使い勝手のポイントは、
望む結果を得るための指示(プロンプト)を
適切に行うということになるようです。


 猫と会話をする時に、
私は当然に日本語を使っていましたが、
本当は猫とのコミュニケーションの方法を取得して
それを使うべきだったようです。
家内(一般的に女性や子ども)は、
その辺りが
上手くできていたのかもしれないなと思います。
論理的な言葉が一番苦手で、
もっとフィーリングを大事にするべきだった
ということだと言ってもいいかもしれません。

その他の項目でも
シンクロニシティがいろいろ感じられて、
どうもAIを使いこなすコツは
この辺にあるのかもしれないなと思います。
おもしろいと思いませんか?

38年ぶり


 個人的な話題で恐縮ですが、
物心ついたときから
阪神タイガースのファンです。
多分、兄の影響で
野球を見るようになったのだと思いますが、
大阪の出身ですし、
ちょうど最強投手の江夏と
天才的ホームランバッターの田淵という
2枚看板の全盛期で
ほぼ必然的にタイガースのファンになり
今日まで至っております。

面白いのはそれでも、
巨人に長島・王という
日本のプロ野球史上の
伝説を創りあげた2枚看板と
名将川上哲治という監督がいたので、
日本シリーズを含めて9連覇という
多分破られることがない
記録が作られた時期に当たっていて、
惜しいところまでは何度か行きましたが
優勝を味わう機会は
ほとんどありませんでした。


 人気チームの宿命かもしれませんが、
勝てなくなると
ファンが球団や監督など首脳陣
それに選手個人たちに対してまで、
心無い中傷を浴びせるようになり、
その対応に
変な方向で右往左往したこともあり
長らく低迷の時期を過ごすことになりました。

名門チームでありながら
しがらみのない人事を行うということで
野村監督や星野監督という
他チーム出身の実績のある監督を迎え入れて、
大改革を行い
最近は結構いいところまで行くのですが、
なかなか優勝はできずにいました。
今年就任した岡田監督は
変なプレッシャーがかかり過ぎないように
優勝のことを「アレ」と言い換えて、
プレッシャーに負けないことを
最優先にする作戦を立てました。


 そうすると
ちょっと奇跡としか思えないような
勝ち方を繰り返すようになり、
冷静に分析すると
明らかにパリーグの覇者である
オリックスには勝てないだろうなあと
思っていたのですが、
最終戦にまでもつれ込んだものの
みごと日本シリーズも制して
38年ぶりの日本一になりました。

岡田監督が優勝インタビューで
38年前は現役選手で27歳だったと
話していたのが印象的ですが、
私は21歳の大学生で
残念ながら東京にいましたが、
本当にうれしかったことを思い出します。


 ちょっと気になったのは、
38年前、つまり1985(昭和60)年は
かなりエポックメイキングな
年だったということです。
日航機の墜落事故があり
東北新幹線が上野駅
(それまでは大宮駅までしか
できていませんでした)
まで開通しましたし、
青函トンネルも貫通しました。
国鉄や電電公社、専売公社が民営化され、
それぞれJR,NTT,JTという会社が
誕生した年でもあります。
経済的に言うと
プラザ合意が行われた年で、
日本はその後
本格的なバブル経済に突入し、
それがきっかけで
バブルの崩壊を経て
失われた30年時代に突入していく
きっかけになった年でもあったと
振り返ることができそうです。


 ファンとしては残念なことですが、
阪神の優勝はかなりレアな
めったに起こらない事象です。
日本一ではありませんが、
1985年以前のセリーグの優勝は
私が生まれた年のことで、
実質的に生まれて初めて
優勝を味わったと
感慨深いものがありました。

今回の日本一は
それよりも長い年月がかかったことになりますが、
今年はそれだけ異常な年だとも
後から歴史として振り返ると思えるのかもしれません。
そして、1985年を境に
はっきりと経済成長だけを追い求めていた
戦後の日本のあり方が変わったことを考えると、
冷戦構造が終わっても
ただひたすらアメリカ追随だけでやってきた
日本が大きく変わっていく
大きなサインなのかもしれないと
考えることも可能なのかなと思ったりします。


 世界的に見ても、
1985年は
ソ連でゴルバチョフ氏が
書記長になった年でもあります。
ここから4年で
ベルリンの壁が崩れ、
戦後の米ソ二大国による冷戦構造が
大きく崩れていくきっかけが
はっきりした年でした。

もしかしたら、
イスラエルとハマスの間で起こっている紛争は
それに匹敵するだけのインパクトを
世界に対して与える可能性は
大いにあるのではないかと思っています。

日本で広島サミットが開かれたことも
何か象徴的な出来事のような気もしなくはなく、
世界の首脳が被爆地広島に集ったことで、
戦後秩序が本格的に変革していく
大きなきっかけになるのかもしれません。


 舩井幸雄がそれまでの
日本マーケティングセンターと
コンサルティング会社の社名を
船井総合研究所に変えたのが、
ちょうど1985年のことです。
1988年に実現する
株式上場のための布石でしたが、
ちょうどこの頃から
流通業界のコンサルティングの仕事から
徐々に離れていって、
如何に生きていけばいいかという
自己啓発のような発信が
増えていったころと重なっていきます。
かなり強引ですが、
この頃に
にんげんクラブの萌芽ができ始めた
ということも言えるのかもしれません。


 父の死後、10年が経ち、
船井総研という名前が生まれてから
38年経った今年、
何か大きな変化が起こりつつあると
考えてもいいのかもしれません。
船井総研が上場を果たしていなければ、
父は流通業界のコンサルティングから
離れることなく、
そうなるともしかしたら
日本の流通業界のあり方も
大きく違ったものになったのかもしれません。

ただ、世の中に大きな影響を与えた
精神世界分野での活躍もなかったので、
必要必然ベストの
素晴らしいことだったとは思います。
ただ、
そろそろ次のステージに向かっての
変化に移っていく時のような気はしています。


 阪神優勝がきっかけになるというのは、
私の勝手な妄想ですが、
できればレアな事ではなく
当たり前に起こることにしてしまってもいいなあと
勝手なことを考えていますが、
どちらにしても
大難を小難にするために
やれることは何でもやっていきたいと思っています。

若い人の間では、
38年前ほど
野球というスポーツが
特別な存在ではなくなってきたのかもしれませんが、
何か不思議な因縁を感じているのは確かです。

そんな自分勝手なナラティブ
(共創構造を持った物語)も
たまには許してもらえるのではないかと思います。

神の詩


 今年の2月に当欄に
「等価交換」という
レポートを書かせていただきました。
スピリチュアリティの世界で
大きな気づきを得ると、
その対価というわけではありませんが、
現実世界で
何か事故などが起こることに気がついたことを
レポートさせていただいたのです。
病気やケガの場合はありますが、
一番頻繁に起こるのは
電化製品やスマホ・PCなどが
壊れたり調子が悪くなったりすることが多いようです。

にんげんクラブの皆さまや
このレポートの読者の皆さまは
スピリチュアリティが高い方が多いと思いますので、
そんな経験をしている方は多いと思いますが、
私自身はかなり
現実的な世界に重点を置いて暮らしてきたので、
昨年までは起こっていたとしても
気がついてはいませんでした。

 
 にんげんクラブの活動の終了を
報告させていただいたことも
影響しているのかもしれませんが、
等価交換が起こりやすくなっているような
気がしてきました。
にんげんクラブは
父の強い思いで
つくらせていただいたのですが、
そろそろ役割は終えたかなと感じていました。

そういえば、父は晩年に
スピリチュアルみたいなつまらないものに
これ以上かかわりになることは止めましょう
というような趣旨の文章を書き残しています。
考えてみれば、
エンターテインメント的に
スピリチュアルを楽しんでいる段階は
そろそろ終えて、
実生活にちゃんと応用できるようなものに
どう昇華していくかを考えなければ
意味がないと思ったのかもしれません。


 父は
ベアード・スポルティング著
ヒマラヤ聖者の生活探究
(霞ヶ関書房、
ヒカルランドから読みやすい新約も出ています[実践版]ヒマラヤ聖者への道)が
大好きでしたし、
この本で書かれているような世界を
誰もが経験できるような
時代が来るようにすることを
自分の使命だと感じていたのだと思います。

にんげんクラブの設立の目的も
究極的にはそこにあったと思うのですが、
長年思考を深めていく中で、
時間が経てば
必ずそんな世の中がやってくることは
確信していたのだと思います。
ただ、そこに至るまでの過程で、
私たちの生活が
ひっくり返ってしまうような大難を
乗り越えなくてはならないので、
その大難を少しでも
小さなものにしたいというのが
にんげんクラブの
当面の目的だったと感じています。


 ただ、父が思っていたよりも
我々の進化は
ゆっくりしたものになりました。
必ずしも悪いことではなく、
大難を小難にするための
時間稼ぎをしているのではないかと
私は感じていましたが、
いよいよ本格的な進化へ向けての
段階に進んできたような気もします。

だから、いい意味で
等価交換が
このレポートを
読んでくださっているような方には
起こってくるのかもしれないと思っています。
現象的に言えば、
病気やケガをしたり、
それが自分だけではなく
家族や大事な人たちにも
起こるのかもしれない
ということになりますが、
先週紹介した、
きれい・ねっとの
「まなひくらぶ」の
森井啓二先生の講演で
とってもいいお話をお聞きしました。


 人が大きく進歩するときは、
神さまはそれに備えるために
一の矢を授けてくださいます。
そして、それは
必ず乗り越えられる
神の恩寵のようなものだというのです。
ただ、多くの人は
「いまここ」に生きていないので、
それが原因で
過去を悔んだり
未来を心配したりします。
そして、それらの思いが
二の矢、三の矢になって
自分で自分を
刺してしまっている状態になりやすく、
そうすると
神さまの恩寵ではないので、
立ち直れないようになってしまうことも
あるということなのです。
どんなに大変なことが起こっても、
神さまのギフトだと思って
しっかりと受け止めることが大切で、
それを「いまここ」で受けとめさえできれば
より大きな進歩に向けての
新たな道が開かれていくのかもしれません。


 森井先生には、
ヒンドゥーの聖典である
「バガヴァッド・ギータ」を
とてもわかりやすく解説している
神の詩 聖典バガヴァッド・ギーター
というシリーズ本があり、
きれい・ねっとから
現在のところ
7巻まで出版されています。

バガヴァッド・ギーター
(岩波文庫等)を
最初に読んだのは
10年以上前のことですが、
短い本だし、
同族と戦わなければいけない王子に
聖人が教えを授けるという内容で、
戦士であるべき王子としての
役割をまっとうすることに
躊躇してはいけないという
内容なのかなと思っていましたが、
森井先生は
ひとつの章で1冊ずつ解説していくので
17巻にわけて出版していくという
壮大な計画を立てていらっしゃいます。


 懇親会の時に、
とても読めない
というお話をさせていただくと
先生は
「舩井先生の場合は、
最初から読まなくて
第〇巻
(人によって違うので
あえて伏せさせていただきます。
自分だけずるをして申し訳ありませんが、
最初から順番に読むのが一番いいと思います)
から読んだら読めると思いますよ」、
というアドバイスをいただきました。
それで、早速
その巻を買って読み始めたのですが、
本当にまったく理解できていなかった
本質的な意味が
しみ込むように入ってくるのがわかります。
これなら、
第一巻に戻って
読み進めることができるかもしれないと
感じています。

「神の詩」を読むことで、
新たな一の矢が来そうな気もしますが、
それをきちんと喜んで
受け止めていきたいと思っています。

運命に選ばれる


 にんげんクラブの大切な仲間のおひとりに、
きれい・ねっとという出版社を経営されている
山内尚子さんがいます。
山内さんは、
息子さんがまだ小さい時にご主人を亡くされ、
ひとりでお子さんを育てなくてはならなくなりました。
不思議なご縁で
舩井幸雄の講演会に
まだ小さい息子さんと一緒に参加されて、
そこで舩井幸雄に出会いました。
返事はまったく期待せずに
お礼の手紙を出したことで
文通が始まりました。
父も、先妻を
兄がまだ小さい時に亡くしていて、
どこか共通するところがあり、
父はそこが気になったのかもしれません。


 完全に専業主婦だった山内さんは、
父が
「あなたは文章が上手いから本を書けばいい」
と言ったことで、
たまたまご両親が
印刷会社を経営されていたこともあり、
自分の本を出したのをきっかけに
小さな出版社を始めました。
私の本も何冊も出していただいたのですが、
自分で言うのもなんですが、
いままで出版させていただいた本の中で
自信があるのは
2011年の
未来から考える新しい生き方
(海竜社)と
2014年に
きれい・ねっとから出していただいた
にんげんクラブからのメッセージ 舩井幸雄が一番伝えたかった事
だと思っています。

 2014年というと
父が亡くなった年ですが、
この前後には本当に
山内さんにいろいろなことを
教えていただきました。
この世では私の方がずいぶん年上ですが、
魂年齢は
かなり彼女の方が高く、
特にスピリチュアリティに関しては
いろいろ教えてもらったことを
懐かしく思い出します。
実際に、
パワースポットのことを教えていただいたり、
いまマイブームになっている
十種神宝(とくさのかんだから:
ニニギノミコトが天皇家に伝えた
三種の神器の前に
ニギハヤヒトノミコトがもたらした神宝)の
ことを教えていただいたり、
実際にパワーがある神社などに
連れて行ってもらって、
どうすればそれを
感じられるようになるかなどは
彼女から教わりました。


 十種神宝については
にんげんクラブでの
いときょう先生との講演
DVDになっていますし、
マネーとスピリチュアル研究会でも
先週
「お金は5次元の生き物です」
というテーマの中で話したばかりです。
こちらもいまなら
後日配信をお聞きいただけると思いますので、
興味がある方はぜひお申込みいただければと思います。


 この前の日曜日は、
きれい・ねっとが毎年開催している
「まなひまつり」に参加させていただきました。
「宇宙人たちの集まり」といったイベントで、
最近はあまりのレベルの高さに
ついて行けないようにも感じるのですが、
不思議なもので
参加してみると
すっかり馴染んでしまいます。
今年、きれい・ねっとから
本を出版された先生たちの講演でしたが、
テーマがそれぞれにリンクしていて
とても参考になりました。
その中でも、
今回ご紹介したいのは
杉本錬堂先生のご著書
RAVEN 運命に選ばれし者」です。


 錬堂先生は
天城流湯治法の創始者として
癒しという面ではすごい先生だという
ご高名は存じていますし、
何度かイベントなどで
お会いさせていただいたこともあるのですが、
ご講演をお聞きするのは
はじめてでした。
先生の人生を振り返りながら、
不思議な能力が
どのように身についていったかということを
書かれた本の内容に沿った
講演内容だったのですが、
思わず引き込まれてしまいました。

本はずいぶん前に入手していたのですが、
忙しさにかまけて未読だったのですが、
翌日から慌てて読み始めると
びっくりするぐらい面白い。

RAVENはワタリガラスのことで、
普通のカラスが
どちらかというと嫌われているのに対して、
日本でも外国でも
RAVENは力強い聖なる存在です。


 不思議なご縁で
世界長老会議の主要メンバーに選ばれ、
世界でも有数のシャーマンの
メディスンマン(治す者)になられた
錬堂先生ですが、
RAVENとして
神さまから選ばれし者であるという
自覚を持たれるまでの過程は、
大なり小なり役割を持って
人間は生まれてきていますし、
いまの日本という
かなり特殊な環境に生まれてきた私たちが、
自分とは何者なのか
感じていく上で
とても参考になるナラティブ
(共創構造を持った物語)だと思います。


 最近、ナラティブの話を
よく書いたり話したりするようになりました。
大事なのは共創構造を持っていることです。
妄想や思い込みのように
科学的には説明できないという意味で
勝手に物語を創りあげてもいいのですが、
ポイントは
他のナラティブと共創できることです。
自分の意見に固執し、
他人の考え方を
まったく受け入れないのではなく、
他と自然に融合しながら
構造を作り上げていくことが
できるものであることがポイントです。
企業の中でも、
トップダウンではなく
社員一人一人のナラティブを集めて生きながら、
それがより大きな課のナラティブ、
部のナラティブ、
本部のナラティブ、
そして会社のナラティブに
自由に行ったり来たりしながら、
いつの間にかできた会社のナラティブを
パーパスと呼びます。


 パーパスは
企業理念や創業精神のように
ずっと変わらないものではありませんが、
毎年見直すものでもありません。
10年前後ぐらいの期間、
自社は何で社会に貢献していくかを
宣言するものなのです。

いまの企業経営にとって
ある意味最も大事なのは
パーパスを創りあげることです。
そのためには、
それぞれの人生や歴史のエピソードから
創りあげていくのが最適で、
RAVENまさに錬堂先生の
上質のナラティブになっています。

私も振りかえってみれば、
きれい・ねっとから
いくつものナラティブを出させていただいています。
改めて長い間
にんげんクラブを支えていただいた
山内さんに感謝したいと思います。

伝えておきたいこと


 にんげんクラブの活動が
残り半年になって、
いまのうちに
お伝えしておかなければならないことは
何だろうと考えています。

今年からマネーとスピリチュアル研究会(マネスピ)
という勉強会を
大阪とオンラインではじめています。
スピリチュアルの知識は
父から譲り受け、
その後も
にんげんクラブや
ザ・フナイを継続してきた中で
いろいろな友人や先生方から
教えを受け継いできたので、
論理的にスピリチュアルを
説明することは得意です。
そして、金融は20歳代後半の頃、
ニューヨークで勉強をしたことがあるので、
それ以来得意分野にしています。


 1992年にニューヨークにいたのですが、
当時はデリィバティブと言われる金融工学が
アメリカでも始まったばかりで、
その黎明期に世界の金融の中心にいたことは
大きな財産になっていると思います。
ある意味、スピリチュアル的に
金融のことを語れる人間は
私以外には、
あまりいないのではないかと自負しています。

好きだということは大事なことで、
その後、山一證券や北海道拓殖銀行
(それぞれ四大証券、都市銀行の一角を占めていた
日本を代表する超大企業でした)の
倒産などの日本の金融危機やリーマンショック、
さらにはビットコインの出現など、
金融を取り巻く環境も大きく変化しましたが、
ちゃんと知識の更新(アップデート)は
できていると思っています。


 そして、これからの時代
AI(人工知能)の発達に伴って、
経済や金融環境は
いままでなら想像できないくらい
大きな変化が来るのは間違いないと思います。
この大激変を乗り切るためには、
金融構造も大きく変わらなければいけませんが、
ネットで言われているような
例えば金本位制に戻すという動きは
あり得ないと私は思っています。

もちろん、私の意見
(最近はこういうことを
ナラティブと言っています。
共創構造を持っている物語ですが、
ストーリーと違い、
起承転結や始まりと終わりがないものです。
正直であるということと
宣伝をしないということが大切なのですが、
論理的ではないということでもあるので、
妄想や思い込みととらえることも可能です)
ですので、
その通りになるわけではありませんが、
金融の知識に乏しい方が言っている
スピリチュアルの話ではない
お話ができると思います。


 ただ、ネットで言われている話の中で、
私も同意できるのは
ベーシックインカムが必要になるということです。
私は、AIのおかげで
人間は働けなくなるというか
働かなくてもよくなると思っています。
本格的にそこまで行くには
30年ぐらいかかると思っていますが、
5年後ぐらいから
ベーシックインカム(BI)の準備というか、
段階的な導入は不可避になると考えています。
その背景は、
にんげんクラブの
スピリチュアルな考えが好きな方にも
受け入れてもらえるのではないかとも思っています。

ちょうど、マネスピでも
先月のBIのお話の中で、
「神さまの信用創造」というナラティブ
(ここでは完全にオリジナルという
意味合いを込めています)を
話させていただきました。


 ホツマツタエのいときょう先生と行った
セミナーを基にしたものですが、
内容的には
かなりBIの論考を深堀したものになっているので、
30年後を見据えながら
5年以内に何をしなければいけないかを考える
きっかけにしてもらえるのではないかと思います。

BIについて、
高島康司先生と
『ベーシックインカムはなぜ必要なのか?
お金のいらいない国の実現に向けての一歩』

というセミナーを
11月18日(土)に
開催させていただくことになりました。


 多分、高島先生と私は
意見がかなり違うと思いますが、
だからこそ
お互いのナラティブを交じり合わせることで
大きなヒントが見えてくるのだと思います。
マネスピの準備で
BIのことを調べている過程で
井手英策著
どうせ社会は変えられないなんてだれが言った?:
ベーシックサービスという革命

(小学館)
という本に出合いました。
著者の井手先生は
慶応大学教授ですが、
BIではなく
医療や教育や福祉などの
基本的なサービスを無料にする
ベーシックサービス(BS)を行うべきだ
という考えを教えてもらいました。
井手先生には
富山は日本のスウェーデン
 変革する保守王国の謎を解く

(集英社新書)
という衝撃的な本もありますが、
井手先生の著書を読んで、
まずBSを行ってから
BIを実行するべきではないかと思い始めています。


 井手先生は
BSを実施するために
消費税を19%に上げるべきだという
意見を述べられていますが、
それには私は反対ですが、
こういう風に
違うナラティブをそれぞれ主張し合いながら
共に集合的無意識の確立を目指していく
姿勢が大切だとも思っています。

当日、高島先生と
どんな共通点や相違点が出てきて、
それをどう統合していけるのかが楽しみです。
BIのことは、
ぜひともにんげんクラブに伝えておきたいことなので、
ご参加をご検討していただければと思います。

挑戦


 にんげんクラブの会員の皆さまには
11月号の会報誌が届いていると思います。
表紙の裏面に
「にんげんクラブの活動について」
という一文を寄せさせていただき、
来年(2024年)3月にお届けする
2024(令和6)年4月号を以って、
にんげんクラブとしての活動を
休止させていただく旨を
お伝えさせていただきました。

にんげんクラブは
2006年から活動を開始していますので、
18年間にわたって、
「有意の人」の集合意識で
世の中の大変革に伴う
大難を小難に、小難を無難に、
そして無難を無事にするための
活動を続けて参りました。


 2014年には設立者である
舩井幸雄が亡くなり、
それ以降活動も縮小をして
続けさせていただいておりましたが、
設立者の没後10年が経つのを機に
活動を休止させていただくことに
させていただきました。

会員の皆さまには、
長きにわたって
にんげんクラブ活動にご参加いただき
本当にありがとうございます。
この解散は
後ろ向きに捉えるのではなく、
本当に世の中の大変革に突入したいま、
その歴史的な役割は
終了したのではないかということと、
次世代にこの活動を引き継ぎたいという思いで、
今回の決断に至ったことを
ご報告させていただきたいと思います。


 少し蛇足を書かせていただくと、
父はもう少し早く
大変革に突入すると
思っていたのではないかと思います。
死ぬ前に変革を十分感じ取れると
考えていたのだと思いますが、
にんげんクラブや
「フナイ・オープン・ワールド」等による
啓蒙活動により、
もしかしたら大変革への突入が
予定よりも先延ばしできたのかなと思っています。
ここで得た時間で、
人類の意識レベルが少しは向上し、
まだ無事にまではいきませんが、
大難が小難になるぐらいの道筋は
付けられたような気がしています。
できれば、この流れをもう少し加速して、
小難を無難にするぐらいまでは
行きたいものだと感じています。


 しかし、それをやるのは
にんげんクラブではないのではないかなと思っています。
世の中の変化は激しく、
正直に言って
還暦間近の私には
この流れについていくのは難しいのかなと思っています。
大きなムーブメントへ盛り上げていくには、
若い方にやっていただく方がいいのだとも思いますし、
実際に若者たちの中には
合理的な利益ではなく
社会問題の解決に
生きがいを見出している人たちが
多数存在してきているように感じます。
私たちの世代が
それに口出しするのではなく、
そんな流れを見守っていく方が
世の中のためにはなるのかなと思っています。


 そんなことを考えていると、
週末にNHKの街角ピアノという
番組のスペシャルをみる機会がありました。
28歳の人気ピアニストで
ニューヨークに拠点を移した
角野隼人さんと
NYの街角ピアノの演奏を
取り上げたものなのですが、
とても感激しました。

角野さんは
2021年に行われた
ショパンコンクールにも出場された
人気のピアニストですが、
日本を代表する
クラシック音楽家のおひとりでありながら、
東大出身で
音楽大学で専門の教育を受けたわけでもないのに
数少ないプロピアニストとして活動していくことに
疑問を感じていました。


 そこで、ジャズとのフュージョンを試みたり、
気楽に街角ピアノでチャンスを求めている
多くのNYに集まる音楽家との交流などから刺激を受けて
自分しかできない音楽家の姿を探し求めています。

積極的にYouTubeに投稿していて
クラシック音楽家のイメージから
大きく離れた活動を進めています。
超一流を目指すピアニストとして
いままで考えられるような
ヨーロッパに留学して
本場のクラシック音楽を学ぶというのではなく、
自らまったく異次元の音楽の世界に飛び込んでいって、
新しい音楽を探し求めることを決断したのです。


イスラエルで本格的な戦闘が始まり、
まったく予期していなかったところから
世界は大きく変化していくのかもしれません。
ウクライナから東アジアに
飛び火しそうな雰囲気だった地政学上の問題は、
やっぱり大本命の
中東に移っていくのかもしれません。

ロシアやイラン、
トルコやサウジアラビア等の
この地域に利害を持つ
メインプレーヤーたちの思惑も
複雑に変わってきている中で、
このままでは自分たちの
存在そのものが埋没することに
危機感を感じた
パレスチナの過激派の思わぬ行動が、
世界に大激変をもたらす
きっかけになるのかもしれません。


 日本のニュースでは
トップで簡単に報じるぐらいですが、
CNNを見ていると
一日中、特集を組んで
現地からの生リポートを報じていて、
やはりアメリカという
ユダヤ人が中枢に入り込んでいる大国にとって、
イスラエルの問題は
大きなウエイトを占めていることがわかり、
アメリカとしてはウクライナ以上に
本格的に関与せざるを得ない問題であり、
それだけに地政学的な不確実性が
格段に高まるリスクも感じます。


 こんな流れを実際にみていると、
やっぱり今回の決断は
正しかったのだと感じています。
残り半年ではありますが、
しっかりと世の中の流れを
お伝えしていきたいと思いますので、
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

情熱と夢


 ついこの前に
お正月が来たと思っていたのに、
10月になってしまいました。
年齢を重ねて
本当に月日の経つのが早くなってきました。
ただ、
スピリチュアルなことがわかる友人の中には、
実際に地球上の時間の流れが
速くなっていると教えてくれる人もいるので、
物理的にも
時間は加速しているのかもしれません。

そういえば、
最近人類は長寿になりました。
私は来年
還暦を迎える予定になっていますが、
子どもの頃
60歳前後だった
明治生まれの祖母を見ていると
本当に年寄りだと感じたものですが、
私はともかく
周りにいる
特に女性たちは
元気で美しさも保っています。
時間の流れが速くなることで、
私たちは
年を取らなくなってきているのかもしれません。


 平均寿命も80歳を超え、
70歳の時点で
大きな病気を経験していなければ
女性なら
100歳まで生きられるという説も
現実的になってきました。
人生百年時代を考えると
還暦を過ぎてから
もう一回り
生きる覚悟を
持っていかなければいけないのかもしれません。

株式会社Total health designの
近藤洋一社主(ジミーさん)から
15年ぐらい前に
大還暦の話を聞かせてもらいましたが、
実際に還暦を目前にして
ようやく意味が分かってきたような気がします。

大還暦とは
プラス60年の人生を
考えていくということですが、
再び情熱を持って生きていくことが
大事になるような気がします。


 故・竹田和平さんは
成功するためには、
志を立てて情熱も持てばいいと
教えてくれました。
ジミーさんは大還暦では、
お金を稼ぐことや
社会的に認められることではない
目標が必要になるのではないかと
言っていました。
大金持ちになることや
財界の重鎮になって勲章をもらうというのも
立派な志だと思いますが、
さすがにいまからそれを目指すのは
みっともない気がするので、
違った形での社会貢献を
考えていこうと思っています。
そして、そのためには
ちょっと陳腐な言い方にはなってしまいますが、
ワクワクすることをすればいいのかなと思います。


 ワクワクと言えば
バシャールです。
そこで、
本田健先生との共著
本当にやりたかったことを、今すぐはじめよう!
(サンマーク)と
さとうみつろうさんとの共著
バシャール(BASHAR)2023 AI生命体バシャールに人類の未知を聞いてみた。
(ヴォイス出版)
を読んでみました。

30年ぐらい前に
父がバシャールを
紹介していたことを覚えていますが、
しっかりと本を読んだのは
それ以来だったのですが、
さすがに面白いですね。
特に、さとうさんとの共著は
物理の話がたくさんでてきて
個人的には興味津々で
読み進めることができました。


 とても腑に落ちたのは、
情熱を持って、
できる行動は全てしたうえで、
期待をしないで待つということが
法則だということです。
そして、難しいのは
期待しないということです。

最初の還暦を目指す若い頃は、
渡邉美樹先生の
夢に日付を! ~夢実現の手帳術~
(あさ出版)で
教えてもらった通り、
何年何月何日までに
夢を実現するのだという
具体的なイメージを持って、
つまり強い期待を持って
行動することが有効でした。

これは、3次元で成功する鍵ですが、
大還暦の場合は、
いまさら70歳までに
何かをやり遂げるのだと考えて行動することは
少し恥ずかしい気もします。
自分のことよりも
社会的問題を解決することが目的なので、
情熱と行動力は必要ですが、
リターンは期待しない姿勢が
有効なのかもしれません。


 物理的に言うと、
3次元から
より高次元に
移行するような感じなのかもしれません。
いまの若い人たちは
自分が成功するというよりも、
社会問題を解決していくことに
生きがいを感じるように
なっているのではないかと感じます。

2年ぐらい前に読んで感動した本に
田口一成著
9割の社会問題はビジネスで解決できる
(PHP)
があります。
企業としてちゃんと利益を出しながら、
でも利潤を上げることを目的とせずに
社会問題の解決を目的とする若者たちが
確実に増えているということは、
未来が明るいという証拠だと思います。


 親の虐待や貧困、
さらには
相談に乗ってくれる人がいないなどが原因で
250万人の若者が
貧困にあえいでいるという
データを教えてくれたのは
認定NPO法人D×P
今井紀明理事長。
こういう、私たち大人が
気づいていない問題も
しっかりと解決に向けて
取り組んでいる人たちが存在していることは、
ありがたいことだと思います。

大還暦を目指す私も
負けてはいられません。
彼らと張り合うというよりは、
サポートに回るぐらいの気持ちで
期待をせずに
情熱と行動力を持って
いきたいものだと思っています。


 ジェンダーフリーが叫ばれる時代ですが、
年代のギャップも
それぞれの役割をしっかりと認め合うことで
乗り切れるのではないかと感じています。

社会問題に取り組む若い人のことも、
ビジネスでしっかりと
上昇志向を持っている人たちとも、
子どもを産み育てることで
未来を創っているお母さんたちも、
自然農法などを通じて
サステナブルな社会の構築を目指している人たちも、
いろんな多様な人たちが
それぞれを認めあいながら
共生できるような社会づくりが
年配者の役割かもしれません。
そう考えると、
とてもワクワクしてきました。


お彼岸


 先週は阪神タイガースの
優勝のことを書いたのですが、
そうすると
同じ関西にフランチャイズを置く
パリーグのオリックスブレーブスも
優勝しました。
関連会社である
本物研究所の佐野浩一社長は
義理の弟なのですが、
彼はオリックスの熱烈なファンです。
私はそれほど熱心な阪神ファンではないし、
いまではそれほど
プロ野球を熱心に見ているわけではないので
オリックスが実は3連覇したということを聞いても
あまりピンときませんでした。
週末で時間があるときは阪神の試合は見ますが、
あまり関係のないパリーグの試合は
ほとんど見たことがないことも
大きな原因なのかもしれません。


 オリックスは
佐野や私が子どもの頃は
阪急ブレーブスといいました。
阪急電車の西宮北口という駅から
すぐのところに西宮球場があって、
それでホームゲームを戦っていました。
いまは、阪急電車と阪神電車が
合併して同じ会社になっているのですが、
それこそ昔は
大阪と神戸間のお客様の
争奪戦を繰り広げていたもので、
阪急の方があらゆる面で
大きな会社だったのですが、
野球の人気だけは
圧倒的に阪神が優位だったことを
なつかしく思い出します。
これも信じられないかもしれませんが、
大阪のパリーグには阪急以外に、
近鉄バッファローズと
南海ホークスという球団もありました。


 そして、九州には
西鉄ライオンズという球団もあり、
昔は赤字続きのパリーグの球団の
オーナーになれるのは
電鉄会社が最有力だったことがわかりますが、
いまでは球団経営だけで
利益が出ているのであろう阪神以外は
全部身売りしてしまいました。

西鉄は西武
(これも電鉄会社ですが、
不動産会社の意味合いが強いですね。
でも、創業一族はすでに
経営から退いているというか、
追い出されてしまっています)
になって、
福岡から所沢に本拠地を移していますし、
南海は逆にソフトバンクになって
九州のローカルチームになりました。
そして、近鉄は
阪急との球団の統合を模索したのですが、
ホリエモン騒ぎに巻き込まれて
いまでは、楽天イーグルスになり
愛称まで変わってしまいました。


 ただ、関東と関西に偏っていた球団が、
特にパリーグは
北海道、仙台、千葉、埼玉、大阪(神戸)、福岡と
いい具合に各地に広がって、
それがパリーグの人気の
急回復に繋がっているのですから、
いい結果だったと言えるのかもしれません。

バブル崩壊以降、
日本経済は大変苦しい
失われた30年を味わいましたので、
企業体力も落ちてしまいました。
最近は、
ホームランを量産する
外国人バッターがいなくなったのは、
日本が貧しくなったので
彼らに高い給料が払えなくなったことも
原因だそうです。

相対的にメチャクチャ豊かになった
アメリカの大リーグの年棒は、
日本とはケタ違いになったそうです。
大リーグで活躍する
日本人選手が多いのも、
そんなところが現実的な理由なのです。


 前置きが長くなりましたが、
お彼岸に
父のお墓参りに行ってきました。
そして、そう言えば
父は南海ホークスのファンだった
ということを思い出したのが
長い前書きを書くきっかけになりました。

舩井家はあまり
行事や日付にこだわらないのですが、
今回はちょうど
お彼岸の日に熱海に行く用事もあり、
せっかくだから
お墓参りをすることにさせていただきました。
父も、大阪出身なのですが、
両リーグにそれぞれ唯一残った
関西のチームが優勝したということは、
関西が良くなるということを
示しているのかもしれませんので、
父とそんなたわいもない話をするのも
いいのかなと思いました。


 世間の人は、
やっぱりお彼岸にお参りする方が多いので、
霊園はとても混んでいましたが、
それでも熱海の山の中にある静かな霊園なので、
久しぶりにたっぷりと
父の雰囲気を味合わせていただきました。
亡くなってすぐの時は、
残された佐野や私が
ちゃんと経営していけるのか
心配だったのだと思いますが、
よく夢の中に父が出てきました。
そして、実際に
イベントの方針にクレームをつけられて、
あわてて変更したこと等も
となっては
なつかしい思い出です。

最近は、
ほとんど夢の中には登場しなくなったので、
たまには霊が帰ってきやすいと思われている日に
お参りするのもいいものですね。


 帰りに、舩井幸雄記念館に寄って
母とも久しぶりに
ゆっくり話をしてきました。
別に父が人払いをしてくれたわけでもないのでしょうが、
この日は珍しく
お客様が誰もいらっしゃらなかったので、
ゆっくりと話をすることができました。

記念館ができて、
母はそこで訪ねてくださった方と
父の思い出を話すことを生きがいにしているので、
おかげさまで元気です。
そろそろ父が亡くなってから10年になるのですが、
ありがたいことに
大勢の皆さまが訪れてくださるそうです。


 観光地としては、
ものすごい人気の熱海に遊びに来ていただいて、
美味しいものや温泉を楽しまれながら、
ついでに記念館を訪ねていただいたら幸いです。

記念館を運営している財団法人の理事長も
佐野が兼務しているのですが、
頑張っていて
ちゃんと舩井幸雄の魂を
お伝えできる展示ができていますので、
もしかしたら
何かに迷われている時には
いいヒントが見つかるかもしれません。
ぜひ、よろしくお願いいたします。


18年ぶり


 父は親バカで
結構、他人の前で私のことを褒めました。
プラス発想教の教祖(?)だし、
褒めて育てるということだったのかもしれませんが、
とても恥ずかしかったことを覚えています。

若い頃は
父のやっていることに
いろいろ反発を覚えていました。
例えば、
怪しいスピリチュアル(?)の話を
書いたりしゃべったりするのは
やめてほしいといつも思っていました。
時々、主幹事証券会社の人が、
あんな怪しいことを
上場会社の代表取締役が話してはダメですよ、
と言っていました、
などと余計な情報を伝えて
やめてもらおうと思ったのですが、
少しだけは自粛してくれましたが、
またすぐに元に戻っていました。


 だから、父と同じようなことは
やらないようにしようと思っていたのですが、
同じことをしている自分を発見して
苦笑いしてしまいます。

例えば、最近、
長男が目に見えて
成長してきたことを感じているのですが、
それをこんなところで書いてしまっています。
家族からしたら
たまったものではないと思っていたのですが、
同じことをしているのですが
因果は巡る、なので
許してくれるのではないかなと思っています。

書きたかったことは、
そんな自慢の息子なのですが、
ひとつだけ大きく教育を間違えたことがあります。
東京で育ったこともあるのですが、
なんと宿敵の巨人ファンになってしまったのです。


 私は大阪生まれなので
当然のようにプロ野球は阪神ファンです。
大体、優勝するのは
20年に1度ぐらいの割合なので、
早々とテレビで試合を見ることはなくなるのですが、
今年はおかげさまで
長く楽しませてもらいました。
野球のことは特に詳しいわけではありませんが、
他のスポーツよりは知識はありますので、
マネジメント面から見ても
今年の阪神の岡田監督の采配には
ヒントになることがたくさんあるように感じます。

興味のない方も多いと思うので、
ここで解説することは止めておきますが、
優勝を決めた翌日に大阪に行ったので
街の雰囲気は十分に味合わせていただきました。


 今回は18年ぶりの優勝ということなのですが、
18年前よりも印象に残っているのは
1985年の優勝の時です。
私は東京の大学生だったので
実際に街にいたわけではありませんが、
友人の阪神ファン
(彼はなぜか北海道出身でした)は、
わざわざ新幹線に乗って
大阪まで雰囲気を味わいに行っていました。

今回も大阪のテレビのインタビューで
高校生ぐらいのファンが
生まれてはじめての優勝です、
と答えているシーンが流れましたが、
当時は私にとって
生まれてはじめての優勝でした。


 町の様子も
テレビで見ただけですが、
異様な盛り上がりは
やっぱり平均20年に1度の優勝だからなのか、
大阪の特徴がそうさせるかはわかりませんが、
やっぱり他のチームの優勝の時とは
確実に違うような気がします。

何年か前、
広島が優勝した日に
ちょうど広島の街にいたこともあるのですが、
夜の街は結構盛り上がっていましたが、
やっぱり大阪の盛り上がり方は
異様だと思います。

広島の時は、
なぜか広島生まれ広島育ちなのに
阪神ファンという珍しい人と
一緒に食事をさせていただいていたのですが、
だから冷静だったのかもしれませんが、
無理やりプラス発想をすると、
大阪の人は
それだけ素直なのかもしれません。


 今回も一緒にいたのは、
そもそも野球には
興味がないという人だったのですが、
やっぱり阪神百貨店の前などを通ると
優勝セールの影響もありますが、
異様な盛り上がりでした。
野球に興味がない人でも、
楽しいことは素直に
楽しもうという雰囲気がありますし、
それこそ経済効果もかなりあるのだと思うので、
関西経済にとっては
いいことなのだと思います。

できれば来年もアレ
(緊張するので優勝と言わないそうです)
してもらって、
それでも今年のように盛り上がれるのか、
検証してみたい気もします。


 これは完全に
私のナラティブ(思い込み)ですが、
中国の人は
東京よりも大阪の方が好きなような気がします。
中国とはやっぱりいろいろな問題があり、
素直にインバウンド復活
というわけにはいかないようですが、
あまり彼らが押し寄せてきて
ホテルの値段が高騰するのも
個人的には迷惑なので、
これぐらいがちょうどいいとも思います。

彼らがいなくても
三連休に新幹線に乗ると、
外国人観光客の多さには
少しびっくりしてしまうほどです。

最近は、
グリーン車に乗せてもらうことが
多くなりましたが、
多分お金持ちなのだと思いますが、
新大阪から京都まで、
ほとんど荷物も持たない家族連れが
ドヤドヤと乗ってきて
すぐに降りていったのは、
ちょっとびっくりしましたが、
お金を落としてくれるという意味では
ありがたいことだなと思いました。

タイガースが2年連続優勝するという
新しい現実が起こることを夢見つつ、
来年からもっと激変しそうな現実に
どう向き合っていくかも
考えて行きたいと思っています。


金融恐慌の原因


マネーとスピリチュアル研究会をするようになって、
経済学のことがわかってきたように思います。
経済学がわかってくると
かなり大きな確率で
経済的に大変なことが
来年か再来年に起こるのではないかという
意見を多数耳にするようになりました。

スピリチュアルな面から見ても、
そんな年だという方が大勢いますし、
欧米のインフレからの脱却のための
金融引き締めのダメージが
顕在化するからだという
まともな意見も
結構見かけるようになりました。

例えば、
サンフランシスコのオフィスの家賃は
暴落状態だそうです。
IT業界はかなり不況色が濃く、
大きな利益を出している
大手のハイテク会社も、
あまりの家賃の高騰や生活環境の劣化で、
オフィスを例えば
家賃が安いテキサスに移す動きが
顕著だそうです。


 シリコンバレー銀行の倒産も
影響しているのかもしれませんが、
世界で一番裕福で
勢いがある場所だから
絶対にどんな不況が来ても
ここだけは安心だと思われたところから
暴落していくのが面白いと思います。

同じ理屈は、
世界で一番強い経済になると
思われていたから安心だと言われていた
中国の不動産マーケットについても
あてはまるようです。

中国は社会主義国なので、
国が問題を表面化させないように
必死になって対策を打っているのですが、
見方によっては
1990年代の初頭の日本と同じで
問題先送りを繰り返しているうちに、
問題がドンドン雪だるま式に
大きくなっているという見方もあるようです。


 西側との対立を演出することで、
アイデンティティを強化していくことは
可能かもしれませんが、
そうなると
太平洋戦争前の日本の姿に
かぶって見えてきます。
よく考えると、
昭和の初めや1990年代初頭の
アジアの盟主は
間違いなく日本でしたが、
いまはそれが
中国に移っています。

アメリカからすれば、
そうすると叩く相手は
中国だということが明確になり、
国をあげて軍事面だけではなく
経済面でも
中国を何とかしようと思っている状態なのだと
考えてもいいのかもしれまぜん。

シリコンバレーの事例からみてもわかるように、
アメリカの力は相対的には
大きく衰えてきていますが、
まだ総合的には
中国よりもかなり強いのだと思います。


 いまの内に、
叩いてしまえという考え方は
とても合理的だと思います。
合理的ということは、
ある意味
自分の利害だけを考えて
行動することを言います。
これが一番うまいのは
いまの世界では
アメリカと中国が双璧だと思います。

その二大国が苦境に陥っているのは
とても象徴的な出来事だと思いますが、
日本から見れば
できるだけ巻き込まれないように、
賢く立ち回るのが
一番合理的な行動になるように思います。

本当は利他の心で
困っている人を助けるのがいいのだと思いますが、
まだまだ国際政治の厳しい現実の前では、
そんな甘いことを言っていると、
一番大変なお荷物を
背負わされることになりかねないので、
戦争にも金融恐慌にも
巻き込まれないように気を付けることが
大事だと思います。


 現象面では
来年から円高になるという
意見が多いと感じます。
日米の金利差を意識した投機的な動きが
いまの円安相場を形成していますが、
アメリカの利上げは
さすがにそろそろ止まると思われますし、
逆に日銀は
これから引き締めフェーズに
入っていくことが考えられるからです。

そうは言っても,
大きな金利差は残るのだと思いますが、
何しろ
いまの円安が投機的な動きを基本としているので、
どこかで逆回転すると
大きな円高になるというわけです。
日本の企業業績は
海外投資がかなり増えているので、
為替相場に大きく左右されます。
いま、東京の景気がいいと感じられるのは、
この影響が大きいのだと思います。


 そして、アフターコロナの後遺症が
そろそろ本格化してくることも
大きな要因のひとつです。

福島での処理水の放出問題を口実に
中国は日本叩きを始めています。
いまのところ人手不足や
他国からのインバウンドのお客様のおかげで、
それほど大きな影響は出ていませんが、
中国から見れば日本は西側なので、
これからも
いろいろな理由を見つけては
経済的に攻撃をしてくることが考えられます。

日本経済は
かなり中国市場をあてにして
支えられている面は大きいのが現実です。
中国リスクが
はっきり顕在化してくることは
避けられないと思いますので、
影響は大きいのかなと思います。


 もう一つの大きな波乱要因は
アメリカの大統領選挙です。
選挙に勝つために
かなり極端な公約が出てくるのだと思いますが、
トランプ大統領以降、
言ったことは実現されるという
リスクがあります。
民主主義の基本だとも言えますが、
衆愚主義に陥ってしまう
リスクの方がかなり大きく、
特にインフレのコントロールに
失敗するような事態になれば、
取り返しがつかないことになります。

バイデン大統領は高齢で
意思決定能力に対する
不安がささやかれていますし、
トランプ大統領は
とにかく極論を押し通すという
リスクを感じます。
そして、何よりも恐ろしいのは、
どちらが勝っても
ますます分断が進んでしまうということです。


 1年以上かけて、
選挙だけに血道を上げる
アメリカという国のあり方も含めて、
やっぱり大統領選挙前後の
大きなリスクは現実にあるのだと思います。

かなりネガティブな原因を上げましたが、
本当はソフトランディングに
なって欲しいなと思っています。
エゴかもしれませんが、
特に日本は
ソフトランディングを
一番させやすい環境にあると思いますので、
しっかりとそのために
何をしなければいけないかを
考えていきたいと思っています。

大河のナラティブ


 普段はあまりテレビを見ないのですが、
この週末は結構楽しませてもらいました。
最近はありがたいことに
割と時間に余裕があります。
春ごろまでは週末も含めて
結構出張に行くことが多かったのですが
落ち着いてきていて、
この週末も完全にオフで
せっかくなので本もあまり読まないで
のんびりする時間を過ごさせていただきました。

つい最近までは「小人閑居為不善」
(小人閑居して不善をなす)ということで、
私のようなつまらないものが
暇になるといいことをしない、
と思っていましたが、
さすがに還暦近くになって、
少し人生に余裕ができてくるのも
いいことなのかなと思うようになりました。


 時間が余って本も読まないということになると
私の世代なら自然とテレビを見ることになります。
おじさんのお決まりの時間の潰し方は
ゴルフと野球観戦になります。
幸いにも、最近は午前中から
ゴルフの中継をしています。
ここも世代交代で
男女とも若い人が活躍するようになってきて、
あのピリピリした雰囲気は
自分で体験するよりも
プロの試合をテレビで見せてもらうぐらいが
ちょうどいいと思っています。
そして、今年は
ひいきのプロ野球のチームが強いこともあって
野球観戦もそんなに一生懸命ではありませんが
楽しませてもらっています。


 昨年久しぶりに息子に
ひいきのチームの試合ではなかったですが、
プロ野球の試合の観戦に連れて行ってもらいました。
一番、びっくりしたのは
球場内では完全に
キャッシュレスになっていたことです。
日曜日の夕方に
天気予報よりも雨の降りだしが遅くなったので
家人と近所のパン屋さんに出かけて
コーヒーとサンドイッチをいただいたのですが、
そのお店も現金は使えなくて
キャッシュレス決済のみでしたが、
本当に普段の生活では
ほとんど現金を使うことがなくなりました。
確実に時代は変わってきているのだなと思います。


 土曜日には
バスケットボールのワールドカップの試合もあり、
これもテレビで堪能させてもらいました。
私は中学時代に
夏休みのハードな練習に耐えきれなくなるまで
1学期しか続きませんでしたが、
バスケットボール部に所属していたことがあります。
当時は、
練習中は水も飲んではいけないという指導で、
あまりの過酷さに吐きながら練習をしていたのですが、
それでもバスケットボールは好きなスポーツです。
それとアメリカに住んでいた頃、
ちょうどマイケル・ジョーダン選手の全盛期で
いつもテレビ観戦をしていたのですが、
久しぶりにじっくり見ると
ルールもかなり変化していて
おもしろく観戦しました。


 日曜日になると開き直って、
やっぱりゴルフと野球三昧だったのですが、
もうひとつ楽しみにしているのが
大河ドラマです。
子どもの頃に大河ドラマを見て
歴史好きになったこともあり、
ほとんど録画をしてもらってまで全話見ているのですが、
今年の大河「どうする家康」は、
あまり評判がよくないということでしたが、
この原稿を書くためにネットの評判を見てみると
この日曜日に放映されたものに対しては
絶賛の声が多かったように感じました。
私も、とても感動して泣きながら
(昭和の男としては恥ずかしいのですが、
かなり涙もろいのです)
見ていました。


 歴史好きの人には、
いままでの徳川家康に対する定説から
かなり逸脱しているようで、
あまり評判は良くないようですが、
よく考えてみれば
日本人の中でもっとも有名な歴史上の人物である
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康を取り上げるのなら、
これぐらい思い切った解釈をしないと
いまのドラマにはならないのかもしれません。
視聴率が低迷しているという話しもありますが、
いまの時代、昔のような視聴率を取ることは
どんな番組を作っても無理だと思いますので、
これはこれでいいのだと思います。


 番組を見ていない人や
歴史に興味がない人には申し訳ありませんが、
簡単に言うと、
家康の正妻で
武田勝頼と通じていたということで
殺された築山殿への評価が
いままでの歴史観と180度違う設定になっており、
それを前提にした
ナラティブになっているということの
面白さなのだと思います。

日本でも最近はナラティブが大流行りです。
ナラティブは物語という意味ですが、
ストーリーと違い起承転結がなく、
始まりも終わりもありません。
妄想ということになってしまうのかもしれませんが、
歴史の定説のようなストーリーには魅力がなくなり、
今回の脚本を書いている人は、
家康に対する
新しいナラティブを示しているのだと感じます。


 ちょっと引いて考えると、
定説にしばられなくても
自分独自の勝手なナラティブをそれぞれが提示して、
それを非難し合うのではなく、
なるほどそんな見方もあるのかと
楽しめばいいのだと思います。
そして、それが集合無意識になって、
多くの方が
明るい未来を見ているナラティブを
提示できるような
境を作ることが大事なのかもしれません。

昨年の大河は
鎌倉時代を実質的に作った
北条義時を主人公にした物語でした。
いままで、
あまり取り上げられることがない人物だったので、
吾妻鏡という歴史書に則った
きちんとしたストーリーでしたが、
北条政子の解釈など
許される範囲でのナラティブになっていたと思います。


 もちろん私のナラティブ(妄想)なので、
賛成してもらう必要はないのですが、
こんな視点で大河ドラマを見ていけば
楽しくなると思います。
ちなみに、いま「ザ・フナイ」に
副島隆彦先生が
歴代の大河ドラマに対する
副島先生なりのナラティブを書いてくれています。
それも、副島先生のナラティブとして
大いに楽しませてもらっています。

強欲インフレ


 日曜日の日経新聞の朝刊の一番大きな見出しは
『「強欲インフレ」欧州を覆う』でした。
日曜版はあまり経済記事がないので、
中ほどにはスタイルという特集を毎週組んでいて、
生活を豊かにするための提案のような記事が
半分近くのボリュームで占めていますし、
一面の大事なところも、
ほとんどデータを基にした
論評記事が書かれることが多いのですが、
今回は日米に比べて
ヨーロッパの食料品価格の
インフレ率が高いことが
データを基に示されていました。


 記事の詳細にはそれほど興味はないのですが、
「強欲インフレ」というキーワードが響きました。
消費税が上がるときによく言われたキーワードが
「便乗値上げ」でした。
そもそも、田中角栄内閣が
「日本列島改造論」を打ち出したときに、
ちょうど石油ショックの影響も重なって、
田中総理の強烈なライバルだった
福田赳夫大蔵大臣(後に総理大臣)が
「狂乱物価」と名付けたぐらいから、
本当はそれほど原価が上がっていないにも関わらず
世の中の趨勢に上手く便乗して
値上げして儲ける悪徳業者という意味で
使われ始めたような気がします。


 江戸時代でも、
米屋が売り惜しみをして
ただでさえ高騰しているお米を
もっと値上がりさせているという噂が流れて、
それによって庶民が
米屋やそれ以外の
普段から悪辣非道に
儲けている印象があった
両替商などを
襲ったという歴史もあるようですが
商人と政治家、それに庶民の
互いの疑心暗鬼が起こったことによって
このような現象が起こるのだと思います。

最近の日本ではほとんどなくなりましたが、
世界的には天変地異や暴動などに便乗して
一時的に無政府状態になったことをいいことに、
商店を襲う現象などは
いまでも普通に報道されていますが、
そんなことに
日本はならなければいいなあと思います。


 東日本大震災の時に、
日本はあれだけの被害にあっても
秩序正しく列を作って買い物をしていたとか、
自分よりもあちらの方の方が
もっと困っているから、
先にあちらに食料や水を
持っていってあげて欲しいという
譲り合いがあったなどの
美談が言われています。
例外かもしれませんが、
コンビニのATMが壊されたり、
避難所でレイプ事件が起こったりしたことも
ないわけではありませんが、
少なくとも
それをあってはいけない
日本の恥だという認識が
失われないような社会に
なって欲しいと思っています。


 私も経営者向けの講演の時などは、
値上げを進めています。
私はインフレがこのまま続く可能性よりも、
またデフレに戻る可能性が
高いのではないかと思っていて、
いま値上げができなければ
ますます企業体力がなくなっていくという
危機感を持っています。
だから、適正な値上げを
できるようにしてくださいねと
お願いしているのです。

ただ、値上げは大変難しいのも確かです。
いまは少し事情が違って、
トレンドに乗った値上げも可能かもしれませんが、
通常は値上げ分以上の
付加価値を上げない値上げは失敗します。
特に、日本の消費者はレベルが高いので
品質を落としてごまかすというのは
すぐに見破られてしまって
かえって信用を落としかねません。


 ビジネスにとって
なによりも大事なのは信用です。
何代にもわたって
営々と築き上げてきた信用も
ひとつでもお客様を裏切るような行為をしたら
すぐに崩れてしまいます。
これは、何も
商売に限ったことではないかもしれませんが、
社会性をもっているのが
ホモサピエンスという種が
生き残った大きなポイントなので、
社会性を失うようなことは
してはいけないのです。
だから、信用を得るためには、
損失でも喜んで負担してきたのが、
日本の商人道と言っても
過言ではないような気がします。


 ビジネスマンにとって一番大切なことは、
自分の商品の値付けをすることです。
そして、どんな値付けをするかが
信用を得たり失ったりすることに直結します。

これ以外のポイントは
よほどのことをやらない限り
挽回可能だとは思いますが、
一番大切なこと、
つまり企業の魂の部分は
嘘をつけないのです。
個人的なことでも、
それぞれが
一番大事にしているところでは
絶対に嘘をつかない生き方をするのが
大事なのかもしれません。

8月下旬になっても猛暑は続いていますが、
もしかしたらご先祖様をしっかり供養するという
一番大切なことができていないことを
気付かせてもらっているのかもしれません。


 いまは、何かを画一的に押し付けるような
社会のあり方は不可能になってきて、
個々人が自分なりの価値観で
自己責任を持って
生きていく時代になってきました。
大変ではありますが、
生きがいが感じられる
面白い時代になってきたとも考えられると思います。
自分は何を一番大切にするのかを
しっかり問い直して、
ステキな実りの秋を
迎えるようにしたいものだと思います。


13億人のトイレ


 インドには2回行ったことがあります。
一度アーユルベーダの治療を受けに行きました。
治療と言っても
特に病気だったわけではなく
パンチャカルマという
身体をきれいにする療法で、
毎日のオイルマッサージから始まって
下剤を飲んで
腸の中にたまっている汚物を
きれいにするというところまで
やっていただきました。

ツアーの皆さんとは離れて、
ひとりだけ
車では行けないので
バイクの背中に乗せてもらって
上がっていかなければいけないという
山の中の別荘で、
身の回りのお世話をしてくれる
男の子と2人で泊まり込み、
朝ご飯の前に
テクニシャンが治療を施してくれて、
朝食後にドクターがバイクで登ってきて
診察してくれるという
メニューでした。


 インターネット環境を
整えることはできたのですが、
ドクターのおすすめは
1週間ぐらいは
情報断絶してみたらいかがですか、
というものだったので
朝の9時ごろには
1日のメニューが終わり
後は何もすることがありません。
食事は、
インドの伝統的なビーガン食で
普段の感覚から言えば
半断食のような量で、
心も身体もきれいになりました。

その時、持っていった本は
早々と読み切ってしまったので、
ずっと瞑想をしていたのですが、
その後の仕事のあり方の方向性ができたのは、
その時の成果だと思っています。
インドの山奥で
世間からほとんど隔離された1週間は
そう考えると至福の時間でした。


 2度目は2016年に
インドが高額紙幣の流通を
廃止する措置を取った時に、
その現場を見たいと思って出かけていきました。

預金封鎖が実行されたのかもしれないと
考えたのですが、
現地に行ってみると
庶民の人たちは
アンダーグラウンドに潜っている
金持ちのお金が
表に出てくることは
大歓迎だという雰囲気で、
銀行に長蛇の列をなして
並ばなければいけない不便さを
それほど苦にしていない雰囲気でした。

また、お金持ちの方は、
使用人に銀行に並ばせれば済む話なので、
資産を隠せなくなるのは困ったが
対処方法はいくらでもあるので、
大きな問題ではないという感じでした。


 ちょっと拍子抜けしたのですが、
それよりもこれがきっかけで
インドのキャッシュレス化が
進むのがわかってきて、
真の目的は
そこにあったんだな
ということがわかりました。

そんなこともあって、
インドでは
日本のマイナンバーにあたる
アドハーというシステムが
99%以上の普及率を誇っています。
これを持っていなければ
政府から支援金をもらえないし、
スマートフォンで受け取れるので
銀行口座を持っていない
貧しいひとでも対応できることが
ポイントだったようです。

IT大国ということもありますが、
これによって
一部の大企業や金持ちしか
使えなかった金融システムが
庶民レベルまで普及したようで、
大きな生活改善につながっているようです。


 今年の5月にも
最高額の紙幣である
2,000ルピー札の流通を停止したのですが、
2016年に比べれば
まったく混乱しなかったそうで、
日本などの先進国は
優秀な銀行システムなどがあるために
かえって新しい金融システムの
普及が遅れているという実態が
マイナンバー制度の
トラブルなどを見ていると
現実になっていることがよくわかります。

中国でもそうだったようですが、
後進国の場合は
多少のミスは誰も気にしないそうです。
だからトライアンドエラーで
ドンドン新しいシステムが普及するのですが、
日本の場合は
ミスが起こると
マスコミが鬼の首を取ったような
大騒ぎになります。
健全なことではありますが、
これが日本のデジタル化を遅らせている
大きな要因になっているような気もします。


 2016年のタイミングで
インドに行ったのは、
中国に代わる新しい投資先として
インドはどうなんだろうかということを
見たかったこともあります。
大きなポテンシャルを感じましたが、
大企業ならともかく
私ぐらいの規模では
まだまだ制度などが整っていなくて、
怖くてとても投資できないということがわかりました。

その後、ちょっと大きなリスクを取った
ベンチャー企業に投資する
金融商品を買ったぐらいで終わっていますが、
おかげさまでいまのところ
そこそこのリターンを得ています。
そういう意味では
いい勉強の機会をもらえたと喜んでいます。


 今回、2020年に出版された
佐藤大介著
「13億人のトイレ」
(角川新書)
を読ませてもらいました。
インドの農村部では
家にトイレがないので、
みんな野外でトイレをすますのが
当たり前であるという実態が
赤裸々に書かれています。
モディー政権は
それを一気に解消するという
政策を打ち出して
表面上は成功したということになっていますが、
共同通信の記者である著者が
インドの農村を取材してみると、
まったく実現していないことや、
インド社会が抱える
大きな問題が見えてくるという
おもしろいレポートになっていました。


 2016年に行った時にも、
個人的についていただいたガイドの方が、
デリーにある
中流階級の親戚の家に
連れて行ってくれたのですが、
清潔な家でしたが
トイレを借りると
私が子どもの頃の
水洗便所以前のもののような感じだったので、
トイレ事情は
まだまだ劣悪なんだなと感じたことを思い出しました。

本書を読んでいると
少なくとも2020年時点では
都市の一部しか
下水道は普及しておらず、
そこに13億人の人が生活していると考えると
社会衛生面では
まだまだ大きな問題を抱えていることが
感じられるレポートになっていました。


 それを乗り越えてというか、
社会的な課題が大きいからこそ
ますます経済的に発展していく
余地が残されているということにもなると思いますが、
一方で現代の日本に生活している
ありがたさも感じなければならないと
痛感もしました。

インドという国は
とても気になる存在なので、
これからも注目していきたいと思っています。

戦艦大和の最期


 今年の78回目の終戦記念日は
台風の上陸で
新幹線が計画運休するという日になりました。
晩年にいろいろな教えを受けた
故・竹田和平さんは、
世の中は80年周期でまわっている
という世界観をお持ちでした。
再来年2025年の夏に
日本は再び敗戦の夏のような
悲惨な目に合うという
巡り合わせになっているのでしょうか。
しかし、
未来は私たちの集合意識が作っているのだとすれば、
いまそんなことに気がつき始めている私たちの手で
もっと明るい未来に向けての
一歩を踏み出すことも
可能なのかもしれないと思っています。


 「ザ・フナイ」の原稿の材料に
「新憲法誕生の生証人」であり、
GHQをして
「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた
白洲次郎のことを調べていたら、
評論家の小林秀雄と白洲の出会いが、
小林が
吉田満著「戦艦大和ノ最期」という
本の出版を
GHQが戦争文学だということで
許してくれない。
進駐軍に顔が利く白洲に
それを何とかしてくれと
頼みに来たのだというくだりがありました。
もしかしたら白洲次郎よりも有名な評論家で
作家の白洲正子の著書
鶴川日記 」(PHP文芸文庫)から
引用してみます。


(引用開始)

用件は次のようなことであった。
─ ─ 吉田満という人が、
『戦艦大和』という本を書いた。
これはぜひ出版しなければならない
名著である。
が、戦争文学だから、
進駐軍が許してはくれない。
「君、何とか先方に話してくれ」
それだけのことだった。
それだけのことではあるが、
小林さんの迫力と、
私心のない話しぶりには
心を打たれた。
白洲は直ちに進駐軍のお偉方に交渉し、
『戦艦大和』は創元社から
発行されるはこびとなった。
小林さんは、
飲むほどに酔うほどに、元気がよくなって、
その作品の文体の美しさと、
吉田満さんの人間的な魅力について語った。
「まるでダイヤモンドのような眼をしている」
といわれたことを思い出す。
それから後は
泊まりにも来られるようになった。

(引用終了)

 ちょうどお盆休みだし、
終戦記念日に紹介するにはうってつけだと思って
この原稿のネタにならないかということで早速
戦艦大和ノ最期
(講談社文芸文庫)
を読んでみました。
平易ながら文語体で書かれている文章は
読みにくく感じてしまい
思わず時間がかかってしまいましたが、
内容は
臨場感あふれる大和の
特攻出撃から撃沈されるまでの過程が
詩情豊かに描かれていました。
広島県呉市には何度か出かけて行って
大和が建造されたドッグも
見学させていただいたことがありますが、
そんな思い出がないとしても
日本人として
必読の書だと感じました。


 著者の吉田氏は
東京帝国大学の学生でしたが
学徒出陣で招集され
21歳で少尉として
大和に乗艦していました。
幸いにも九死に一生を得たのですが、
戦後は東大を卒業して日銀に入り
監事(一般の会社の監査役)にまで
出世しますが、
現役のまま病気で亡くなります。
日銀に勤めながらも
戦争文学を本書を含めて
生涯で4冊出版されているのですが、
終戦直後は
戦争を美化しているのではないかという
批判を受けたりしたようです。
いまは、逆に少し
右側に寄り過ぎているのかなと
感じないでもありませんが、
私たちのために
二十歳前後で命を散らしてくれた
先人がいることに
感謝する気持ちと
そのご冥福を祈る気持ちは
忘れないようにしなければいけないと思います。

 「戦艦大和ノ最期」の中で
とても気に入ったところがありますので
引用させていただきます。
最後の特攻に向けて
呉を出港し三田尻沖に停泊して
出撃命令を待っている時の
様子の記述の一部です。


(引用開始)

「ハンモック」ニ入リ本ヲ披ク
平常ハ訓練ニ次グ訓練ノタメ、
読書ノ余暇ハ皆無ナルモ、
出撃セバ
多少ノ閑暇アラント期待 シテ、
ソノ直前
艦底図書庫ヨリ
ヨウヤクニ探シキタレル一冊、
哲人「スピノザ」ガ伝記ナリ 

乗組士官ノ
遺留セル私物ナラン

明日ヨリ訓練再開セバ
マタ寸暇ヲモ奪ワレン

僅カニ数頁ヲ読ミタルノミナレバ、
突入マデニ読了ノ見込ナシ

ソレモマタ良カラント思イツツ
読ミ耽ル
柔ラカキ小説体ノ行文、
蜜ノ如ク心ヲ包ム

(引用終了)

 特攻に行くわけですから、
絶対に死ぬとわかっている数日前に
哲学者スピノザの伝記を
館内の図書庫から借りてきた
という記述ですが、
戦中の教育水準の高さを痛感します。

近代を作った思想ともいえる
デカルトの二元論に対立する
同時代に汎神論
(すべてのものに
神性が宿っているという考え)
を唱えた哲学者である
スピノザの伝記を読んでいるという余裕が、
吉田氏が生還した
秘密だったのではと感じたりしました。


 お盆の過ごし方は人それぞれですが、
尊敬する小林秀雄やスピノザにも巡り合えた
幸せな夏休みになりました。
所用で都内に少し出かけた以外は
ほとんど読書三昧の夏でしたが、
おかげさまで
豊かな時間を過ごさせていただきました。

まだまだ猛暑は続きますが、
世界中の子どもたちが
幸せで豊かに過ごせる世界の構築を夢見て
明日からまたがんばりたいと思います。

にんげんクラブの皆さまも
お体ご自愛いただいた上で、
それぞれのステキな夏を
お過ごしいただければ幸いです。

しあわせの森


 山元加津子さん(かっこちゃん)が
作られた映画「しあわせの森」を見せていただきました。

京都での上映会に
参加させていただいたのですが、
本当にご縁のつながりを大事にしていて
本当のことを知っている人たちが
500人近く集まり、
確実にこういうムーブメントが
広がっているのだなあと感じます。

やっぱり圧倒的に多いのは
元気な女性たち。
女性の感性で
父が目指したような
ミロクの世ができてきていることが
感じられます。
私自身は、どちらかというと
利益を出すことを優先する
昔ながらの経営者感覚が強いですが、
それでも両者の接点を持つことは
可能なのだと感じることが
できるようになってきました。


 主演の故・村上和雄先生とは
若い頃からお話しさせていただく
機会がありました。
ノーベル賞候補にもなっていたという
超一流の学者でありながら、
自分のキャリアを犠牲にしてまで
「生命の暗号」
(サンマーク出版)
という本を出版して、
父が主催する講演会で
積極的にご講演してくれたことを
思い出します。

私がまだ30歳そこそこの頃だと思いますが、
なぜか
「実は私のアカデミーのキャリアを考えると、
舩井さん(父のことです)と付き合うのは
マイナスなんだ。
舩井さんの言っていることは非科学的だ
というのがアカデミー界の意見だからね。
でも、学者の狭い世界で
いくら本当のことを言っても、
社会は変わらない。
だから社会的な影響力がある
舩井さんと一緒に
活動させてもらうことにしたんだ」
とおっしゃっていただいたことがあります。


 何となくは知っていましたが、
やっぱり父が言っていたことは
男性が作っている主流の社会では
まったく受け入れられていないことを感じて
ショックと言えばショックでしたが、
ノーベル賞よりも大切なことがある
という生き方を貫かれていた
村上先生の思いに
改めて感動したことをよく覚えています。

それにしても、
村上先生の言いたかった本当のことを
ここまで上手く表現している
かっこちゃんたちには脱帽です。
映画の後の懇親会で
そのことをかっこちゃんにお話ししたら、
とっても喜んでいただいたのが
印象的でした。


 昔の講演会でお聞きした話でしたが、
科学の分野でも
大事なことは夜に伝えられているんだ
というお話も印象的でした。
アメリカ人は大学や学会などでの
正式な意見交換よりも、
例えば夜バーに飲みに行ったりとか、
それから日曜日に教会に行ったときに
話す情報交換の方が
はるかに貴重な生の声を
知ることができる社会になっている。
だから、言葉の問題もあるし、
教会にも行かない日本人の研究者は
かなり不利な立場にあるんだよ。
という話を聞かせてもらったことがあります。


 それで思い出したのが、
20歳代の後半にアメリカに住んでいた頃、
知り合いから
アメリカの大学の教授になっている
日本人の先生を
紹介してもらったことがあります。
南部の大学の教授だったのですが、
アメリカで成功するためには
教会に行かなければならないと教えられて、
日曜日の朝に
教会に連れて行ってくれたことがありました。

社会に溶け込むために必要な事でもありますが、
社会の大きな流れの取り決めが
そこで実質的になされるとしたら、
アメリカで暮らしていく
覚悟をした時には
必須事項なんだということが実感できました。


 少しだけ、
私もアメリカで
そのまま仕事を探すかなと
思ったこともあったのですが、
とてもその努力はできないと思って
帰ってきたことがあります。
当時は日本人の働き過ぎが
大きな問題になっていた頃ですが、
ニューヨークの銀行で働いていた感想では、
本当のエリートのアメリカ人は
日本人と比べられないぐらいに
ハードワークをしていました。

エリート弁護士に
何百ページにもわたるような
契約書の作成を頼むと、
翌朝には完成したものを持ってくるのが
当たり前でした。
どう考えても、
徹夜で作らなければ間に合わないと思うのですが、
そんなことを日常茶飯事にこなしているのが
本当のエリートの実情でした。


 ちょっと、そこで戦うだけの
根性はなかったのも大きいですが、
ナイトサイエンスの世界に繋がっていくのが
一番難関だと思ったのも大きかったと思います。
「しあわせの森」の上映をした
スタッフの皆さまの
懇親会に混ぜてもらったのですが、
日本でも
ここでの情報交換が
一番有益な情報なのは同じです。

利益をだすためか、
いい世の中を作るためなのか
違いはありますが、
本質は変わりません。
世界中に人脈を持っておられた村上先生は、
そんな厳しい世界でも戦いながら
かっこちゃんと本当のことを語り合える
稀有な先生だったのです。


 村上先生のご意思を継いで、
「無駄なものもないし、無駄な人もいない」
という本当のことを伝えていく
覚悟をされているかっこちゃん。
これからも、
いろいろ交わらせていただきながら
本当のことを教えてもらおうと思います。
だいぶ飲み過ぎてしまいましたが、
本当にありがたい機会だったと
皆さまに感謝したいと思います。


橋龍以来の衝撃


先週は、
にんげんクラブの皆さまには
興味がない人が多いと
わかっているにも関わらず、
長々と日銀の金融政策について
書かせていただいたのですが、
私の予想をはるかに超えた
衝撃の内容だったようです。

しかし、多分ほとんどの読者の皆さまには
何のことかわからないと
言われてしまいそうな気がしますので、
今週も引き続き
金融政策について、
今回は詳論を省いて
わかりやすく解説することに
挑戦してみたいと思います。


 無謀にも
マネーとスピリチュアル研究会という勉強会を、
にんげんクラブの皆さまよりも
もっと政治経済に興味のない方たちを対象に
始めています。
だから、難しい言葉を使うことはNGで
かなりのストレスが溜まっています。
そして、そこで得た大きな気付きは
先週のような内容の発信をしても
ごく一部の
経済や金融に興味のある方以外は
チンプンカンプンなんだ
ということでした。

よく考えてみると、
父は経済に関しては
自分では
そんなに難しいことは
書いたり言ったりはしていないような気がしますし、
父が推薦していた
副島隆彦先生にしても
朝倉慶先生にしても、
結論をわかりやすく解説(断言?)していて、
難しい話はしていなかったように思います。


 もちろん、父は経営のプロでしたので、
経営の話はかなり突っ込んで話していましたが、
こちらは本当の超プロだったので、
難しい話を簡単にわかるように説明する天才でした。
それに比べるのはおこがましいですが、
私の場合は
自分もわかっていないことを
仕方がないので専門用語をそのまま使うか、
せめてその専門用語の解説をしながら
説明するぐらいが関の山です。
専門用語がでてきた時点で
興味がなくなるケースが多いのだろうと思います。

ただ、金融経済に関しては
本当に複雑怪奇になってきていますし、
それが今度は私たちの暮らしに
大きな影響を与えかねないと感じますので、
少しがまんしてお付き合いいただければ幸いです。


話を戻すと
先週の金融政策決定会合での決定は
私の予想をはるかに超えた
積極的な引き締めに転じる
政策の発表をしたのだと思います。
1990年代初めからのバブル崩壊以降の
たまりにたまった矛盾を解決するための手法なので、
何を言っているのかよくわからない
複雑怪奇な発表だったのですが、
日本というよりは
世界の金融市場には
大きなインパクトを与えるには
充分な内容だったようです。
日銀の政策なんてどうでもいいと思っていた
海外の市場関係者が
慌てふためいているようなのです。


 簡単に考えると、
異次元の金融緩和や
マイナス金利政策を駆使してまで
景気を良くしようとしていた
政策(アベノミクス)を放棄して、
金融政策の正常化に向けて
明確な方向性を示したということでしょうか。

金融当局にとって一番難しいのは
インフレを適正なレベルに
コントロールすることです。
いまのタイミングで
引き締めに向けて動かないと、
機会を逃してしまって
取り返しがつかないことになるということに対して
適正に対処方針を示したということになると思います。


 面白かったのは、
日経新聞の有料電子版の記事に
1997年に当時の橋本龍太郎首相が、
「米国債を売り、金を買いたいという
衝動にかられるかもしれない」
という発言をした時以来の
衝撃を感じたという
古いアメリカ人関係者のコメントを
紹介していたことです。
どうせ、日本は
(アメリカの属国だから
言いなりにならざるを得ないので?)、
何もできないと思われていたのですが、
アメリカ人がびっくりするような
政策の変更を突然やってきたことに
驚いている状態の様です。


 橋本総理は68歳で亡くなっているのですが、
陰謀論ではこの発言が原因で
暗殺されたのだという噂が流れています。
確かにどちらかというと
アメリカに逆らいがちな
旧田中派の総理経験者は
早死にしているのに対して、
アメリカに従順だった
旧福田派の総理経験者は
安倍総理を例外に
長生きしているように感じます。

今回の日銀の政策変更は、
26年前の橋龍さんの衝撃発言に
匹敵するような話だったようです。
大事なポイントは、
ここでちゃんと対応できなければ
日本もすごいインフレに襲われる
可能性があったということです。


 DS(ディープステート)の狙いは
もしかしたらその辺りにあって、
日本の資産を紙屑のようにして、
それを奪い取っていくつもりだったのかもしれませんが、
それに見事に抵抗したということになるのかもしれません。

これも、日経新聞の記事ですが、
低金利の円で調達した資金で
海外に投資をしている資金が
日本のマーケットに向けて
戻ってくるのではという連想をしている
投機関係者もいるようで、
やはり日本の強みは
大きな個人金融資産を持っている
ということになるようです。

そして、これをしっかりと
戦略的に活用することをやると
本当に嫌がれるようです。


 総理大臣のような偉い人が
DSに逆らうと命が危ないのかもしれませんが、
市井の庶民がこんなことに感覚的に気がつき始めると、
さすがにこれを止めることは
DSと雖も難しいのだと思います。

理屈でわかる必要はないですが、
感覚的に理解して動けるようにしておくのは
大事だと思います。
例えば、副島先生の
米銀行破綻の連鎖から世界大恐慌の道筋が見えた
(徳間書店)や
少し専門的になりますが
堀井正孝著
改訂版 金利を見れば投資はうまくいく
(クロスメディアパブリッシング)
等を読んで
勉強していただくのも
いいのかもしれません。


インフレとの戦い


 今週に開かれる予定の
日本銀行の金融政策決定会合。
ここで、日本の金利政策が決められるのですが、
今回はYCC(イールド・カーブ・コントロール)の
上限幅が引き上げられるのではないかと話題になっています。

にんげんクラブの皆さまには
あまり興味がない話題だと思いますし、
難しい話なので
パスという方が多いような気がしますが、
いまの日本の金融政策は曲がり角を迎えていて、
私たちの生活にも大きな影響がありますので、
できるだけわかりやすく解説してみたいと思います。


 YCCの上限幅を引き上げるというのは、
実質的に長期金利を引き上げることになります。
長期金利の目安は
10年物の国債の金利です。
現在は0%が基本ですが
プラスマイナス0.5%の幅を
日銀が認めています。
これを0.75%まで許容するという
政策を採るかもしれないと騒がれているのです。

いまはインフレ傾向が強まって
世界中で金利が上がってきているので、
上限をあげるということは
限りなく0.75%まで
長期金利の利率が上がるということです。
私たちの暮らしには
直接の影響は考えにくいのですが、
強いて言えば
住宅ローンの金利、
特に固定金利が上がっていくことが予想されます。


 日本銀行は日本の中央銀行ですが、
本来的な役割は
インフレと戦うインフレファイターです。
日本の場合は
25年間ぐらいデフレ経済が続いたので、
特に10年ぐらい前
アベノミクス政策が始まってからは
2%程度のマイルドなインフレに誘導することが
日銀の政策目標になりました。

アベノミクスをやるために
当時の日銀が採用した政策が
異次元の金融緩和をドンドンやることでした。
具体的には、
主に市中銀行
(中央銀行ではない普通の銀行)が
持っている国債を日銀が買い上げて、
それによって市中銀行に
キャッシュを渡すことでした。
これで通貨供給量が増えるので、
お金の価値が減って
インフレになるという考え方です。


 インフレというのは
お金の価値が下がること、
逆に言うと
モノの価値が上がることです。
デフレはお金の価値が上がることで
モノの価値が下がることです。

デフレの一番極端な状態の時は、
牛丼の値段が280円になり、
ハンバーガーの値段が65円になりました。
また、ユニクロやニトリなど
びっくりするような低価格で販売するお店が
強く支持されて
既存のチェーン店を駆逐して
成長していきました。
銀座に行くと、
勢いの良いのはニトリとユニクロで、
曲がりなりにも小売業のコンサルタントを
昔やっていた感覚では
銀座に安売りを前面に出す店が
大きな顔をしている状態は信じられません。


 アベノミクスで10年近く、
金融緩和を続けても
デフレ脱却ができなかったので、
日銀が次にやった政策が
マイナス金利政策でした。

そして、中央銀行にコントロールできるのは
本来は短期金利だけなのですが、
長期金利をも0%に誘導する
YCC政策を採用したというわけです。

日本以外の先進国は
インフレの進行が顕著なので
短期金利を
例えばアメリカを例にとると
5%以上に設定しています。
しかし、日本だけは
未だにマイナス金利と
長期金利も実質的に0.5%に誘導する
禁じ手まで使ってやっていることになります。


 ところが、実は日本でも
インフレ率が誘導目標の2%を超えて
3%超になってきました。
本来ならば、
YCCで長期金利を上げるのはもちろん、
YCC政策の放棄
(かなり異常な事態ですので)と
短期金利の引き上げをするべき
ステージに来ていると言えるのかもしれません。

しかし、1200兆円とも1300兆円ともいう
国債の発行残高や、
その多くを日銀が保有している状態なので、
利払いや
日銀が赤字や債務超過になる
リスクなどを考えると
YCC政策すら変えられないという
危機的状況にあるというのが、
経済学がわかっている人の常識です。

そして、植田和男日銀総裁は
世界でも権威ある
経済学者のおひとりなので、
早晩政策変更がなされるに違いないというのが
マーケットの見方なのです。


 世界の趨勢を見ていると
景気や失業率を犠牲にしてでも
インフレを抑え込むことを
優先していることを感じます。

50年前の石油ショック前後に
戦後最悪の狂乱物価と呼ばれる
インフレ状態になったことがあったのですが、
その時は
金融引き締めの時期に失敗して
そんな状態になった金融失策だったと
分析されています。

また、1980年代後半のバブルも、
本来は金融引き締めをする時期に来ていたにもかかわらず、
内需を増やさなければいけないという
アメリカとの関係を優先せざるを得なくなったことが
主な原因だったとわかってきています。


 つまり、インフレは
資本主義経済にとって
もっとも厄介なもので、
日本経済もそろそろ
金融引き締めを真剣に考えなければいけない
ステージに入っているのかもしれません。

これを怠ると
みたび、長期的に景気が低迷するという
ひどい状態を迎えなければいけない
可能性が高まるのです。
企業経営者にとって
デフレはしんどい状態ですが、
消費者というか庶民にとっては
実は賃金が下がらないのであれば
デフレの状態の方が暮らしやすいのは、
ちょっと考えればわかることだと思います。


 過度なインフレにならないために、
私たちの暮らしを守るためにも、
声を上げることも大事なことなのかもしれないという
ステージに来ていることは
感じていただければありがたいと思います。


同じホテル


 赤塚高仁さんは、
なるべく同じホテルに
いつも泊まろうとされています。
東京や京都、熊本や鹿児島、
もちろんイスラエルなどに
ご一緒したことがありますが
定宿が大体決まっているようです。

面白いのは、超高級ホテルもあれば、
さすがに一緒には泊まりたくないと思うような
リーズナブルのホテルもあり、
赤塚流に何かポイントはあるのだと思いますが、
よほどのことがない限り
定宿と決めたら浮気をされない方針です。


私は、ホテルを
インターネットで予約できるサイトで、
その時の予算にあって
なるべく便利なホテルに泊まるようにしています。
赤塚さんと違って
浮気ばかりしていることになりますが、
いまは大手の通販会社の
サービスの一環になっていますが、
はじめて使ったのは25年ぐらい前に
当時のインターネットサービスが
始まったことの象徴と言われていた
ネットで宿泊予約が取れるサービスを
いまでは船井総研ホールディングスの
幹部になっている後輩から教えてもらい、
それ以来同じアカウントで使わせてもらっているので、
そういう意味では
四半世紀も同じ人に入れあげている
ということになるのかもしれません。


景気の悪かった頃や、
コロナ禍で
インバウンドのお客さんが来なかった頃は、
高級ホテルに
信じられないぐらいの安い値段で泊まれました。
予約サイトでいま同じホテルを予約すると
当時の5倍の値段になっているなんてこともあり、
個人的には困っていますが、
日本の経済をマクロに考えると
いいことだと思います。


一番、泊めてもらう回数が多いのは
大阪のホテルですが、
淘汰が進んだこともあり
選択肢が限られるようになってきたので
定宿とまではいきませんが、
値段の変更がそれほど激しくなくて
私の予算に合うホテルが大体決まってきているので、
同じホテルを予約することが多くなりました。

先日も、大阪、京都、神戸、大阪、神戸と
移動は激しかったのですが、
関西に3泊4日で出張する機会がありました。
いままでの私なら、
京都、神戸、大阪で宿泊を取ったと思うのですが、
荷物も多かったので、
京都や神戸で飲んだ後に
大阪のホテルまで帰ってきて
3泊同じホテルに泊めていただきました。
近隣の飲食店やコンビニの場所も
頭に入っているので、
何かと便利で、
また比較的広い部屋で
インターネットの強さもしっかりしているので、
すきま時間に多くの仕事ができて、
同じところに宿泊するといいこともある、
ということがよくわかりました。


よく考えると東京にいるときは、
横浜や埼玉や熱海に仕事で出かけて
そこで飲んでも、
東京の家に帰ってくるのだから、
便利なのは当たり前なのかもしれません。

まだ、いいホテルに
なるべく安く泊まりたいという
独りよがりの気持ちは捨てられないと思いますので、
浮気はしてしまうと思いますが、
改めて便利さを感じました。


以前は、日帰りや1泊2日で帰って来て、
また同じ地域に出かける
というようなこともよくありましたが、
常連の宿なら気軽に過ごせるので
出張をまとめてみるのもいいのかもしれません。

この出張で乗った交通機関は、
東京メトロ、東海道新幹線、大阪メトロ、
阪急、京阪,大阪メトロ、京阪×2,
大阪メトロ、阪神×2,ポートライナー、
スカイマーク、京急と
移動は大変でしたが、
情報量は移動距離に比例するという話もあるので、
いい経験だったのかもしれません。

その合間に暑さに負けて
タクシーも利用させていただいています。
考えてみると、
東京や関西圏は
公共交通機関に恵まれているし、
タクシーにもいつでもすぐに乗れるという
ありがたさを感じています。
羽田空港に着陸するときに
大都会東京の夜景を
存分に楽しませてもらいましたが、
24時間明かりが消えない大都会の生活は
ものすごく不自然な気もしますが、
電車だけで移動ができてしまうことなどを考えると、
とてもエコなのかもしれません。


父も、必ず定宿を決めていて、
よほどのことがない限り
そこに泊まっていました。
予約サイトを使うわけではなく、
秘書が予約の電話を入れてくれるから
できたことかもしれませんが、
新しいホテルで
目新しいことに出会うのも楽しいですが、
外した時は
大事な時間を台無しにする可能性も高くなるので、
考えることがいくらでもあった父は、
移動の時や宿泊先には
とてもこだわりを持っていました。

時代の変遷で、
どちらがいい悪いの問題ではありませんし、
いまの若い人の宿泊先の選択肢の中には
私はとてもついていけないというものも
出現してきているので、
時代は常に変化しているということなのかもしれません。


温故知新、
新しいものも古いものも楽しみながら、
高級ホテルもリーズナブルなホテルも
共に大事にする赤塚さんパターンには
見習うべきこともたくさんあるように思います。

アフターコロナのステージに
本格的に入ってきたことが
強く感じられるようになってきたので、
また忙しい
いつものパターンに戻ってしまうような気もしますが、
楽しい発見があった関西出張を
楽しませてもらいました。


マクロに見ると


 父が元気だったころ、
どんなに大変な時、つらい時でも
口癖のように
「マクロに見ると上手くいっている」
という言葉を話していました。

船井総研を上場させるために、
それまでほとんど
自分で仕事を取ってきていたのに、
上場の条件として
舩井幸雄が営業をしなくても
増収増益になることという
無理難題な宿題をもらって、
それで業績が低迷していたことがありました。
私が、入社する前のことですので
直接体験したわけではないのですが、
秘密保持の関係で
社内で上場を目指していることも言えなかったそうで、
社内会議の時には必ず、
「マクロに見ると上手くいっている」
と話していたそうです。


 ちなみに、上場を目指していることを
社会に公にしてもいいことになり、
そのことが日経新聞の夕刊で報道された時には、
特別に全社員を集める会議が招集されて
新聞のコピーが配られたそうです。

ただ、それまでの数年間に
社内の雰囲気が悪くなり、
なかにはそれに耐えられずに
優秀な人材が退職してしまったり
したこともあったそうですが、
船井総研という
経営コンサルタント会社が上場できたことによって、
コンサルタントの社会的な地位が
認められるようになったという
功績はあったと思っています。


 いま、勉強会の題材のために
田中角栄総理について調べています。
2016年に元東京都知事の石原慎太郎さんが書かれた
天才
(幻冬舎文庫)
が出版されたぐらいから大きなブームになり、
それがいまでも続いています。
だから、関連の本も山ほど出版されていて、
寝ても覚めても角栄さんのことを考えて
夢に出てくるぐらいになりました。

そんな本の中に
ジャーナリストの田原総一朗先生と
日本経済新聞記者の前野雅弥氏の共著
田中角栄がいま、首相だったら
(プレジデント社)
があります。
どちらかというと、
総合的に田原先生が角栄の業績をほめ、
前野氏が角栄さんが首相なら
きっとこんな政策をするに違いないという
内容を書くという役割分担になっていました。


 前野氏の提言には、
尖閣諸島や新潟で油田開発を進める、
遷都をする、
リニアモーターカーで九州と沖縄を結ぶ
という内容になっていて、
確かに角栄さんなら
それぐらいの構想を
打ち出すかもしれないなと感じます。

角栄総理といえば、なんといっても
日本列島改造論
(日刊工業新聞社、
復刻版が今年出版されました)です。
これが原因で地価の高騰が始まり、
ちょうど勃発した
第4次中東戦争をきっかけに始まった
オイルショックとあいまって
狂乱物価と呼ばれた
高インフレ状態に陥ってしまったことが、
経済的に田中内閣にとっての
致命傷になったのですが、
まさにそんなことを彷彿とさせる
内容になっています。


 話はずれますが、
私は一度
田原先生にじっくり
お会いさせていただいたことがあります。
船井総研で
「フナイオープンワールド」を開催していた頃、
メイン講師のおひとりとして
お招きをしたことがあり、
まだペイペイだった私は
東京のご自宅から横浜の会場まで
ハイヤーで送り迎えをさせていただく
役割を仰せつかったことがありました。

緊張して先生を後部座席にお乗せして、
私は運転手さんの隣の助手席に座ったのですが、
しばらくは講演のための
資料を読まれていたのですが、
そろそろ首都高を降りるかぐらいになって、
「君は舩井先生の息子さん?」
と声をかけていただいて、
10分弱ですが
お話をさせていただいたことがあります。


 「オープンワールド」というのは
変わったイベントで
テレビによく出ているような人は
あまり人気がないという
ジンクスがありました。
実際に、田原先生の講演会も
5千人収容のホールなのに、
観客はどうみても
300人ぐらいという状態になってしまったのですが、
怒ることもなく淡々と
当時の政治情勢について
レベルの高いお話をしてくださり、
本当のプロというのは
こういう人のことをいうのだなと
感心したことをよく覚えています。

帰りはさすがに
気まずいなと思っていたのですが、
お送りしようとすると
「帰りはハイヤーで一人で帰るから、
舩井君は一緒に乗らなくてもいいよ」
とおっしゃってくださったので、
お言葉に甘えたことをよく覚えています。


 イーロン・マスクは
大西洋にトンネルを作って
アメリカとヨーロッパを
1時間ぐらいで行き来できる
高速移動手段の構想を持っている
という話を聞いたことがありますが、
沖縄と九州を結ぶ
リニアができてもいいのかもしれませんが、
現実的だとは正直思えません。
いまの日本に
それだけの国力は感じられないからですが、
角栄さんも田原先生も、
もしかしたらうちの父も
怪物なような大人物ですが、
そんなカリスマが引っ張ってきた昭和よりも、
マクロに見ると
確実に社会はよくなっているのだなと思えます。


 小選挙区制度が定着した影響もあり、
露骨な金権政治は
影をひそめるようになりました。
角栄総理の時代は
航空機の業界で賄賂が必要なのは
世界的な常識だったという話ですが、
いまはそんなことは
少なくとも先進国の間では
考えられないだろうと思います。
公共工事の談合を自民党の政治家が差配して、
見返りとしてキックバックを取ることも
無理になってきたと思います。
会社経営だって、
上場企業でも
ある程度の粉飾決算は当たり前でしたが、
いまはあり得ません。
さらに株の取引でも
インサイダーを持っていないと儲からない
と言われたものですが、
いまはとても無理になりました。


 マクロに見ると
よくなっていることを実感しながら、
世のため人のために生きていくには
どうすればいいかを
考えていきたいものだと思います。


好景気


 コロナ禍は、社会的対応としては
終了したように感じます。
お店の従業員の方や電車に乗っていると
まだまだマスクをした方を多く見かけますが、
まったくマスクをしなくても
平気に行動できるようになりました。
それぞれの判断で
マスクをしたい人はすればいいと思いますし、
私のようにどちらかというと
仕方がなくやっていた人は
外せばいいのだと思います。

社会からコロナウイルスはなくなりませんし、
数字だけ見ていると
感染者は増えることもあると思います。
ただ、通常のインフルエンザと同様に
死者もある一定数は出ますが、
医療機関などで通常のように
対応していただければいい
レベルになったのだと思います。


 自粛生活の反動で
街には多くの人が生活を楽しむために
出てきているような気がしますし、
3年ぶり4年ぶりに
復活した行事もあるようです。
中国からの旅行者数はまだまだ回復していませんが、
景気という面では
それを補っても余りあるぐらい
他国からのインバウンドのお客様も
来日してくれるようになり、
人手不足もあって
好況感がはっきりと感じられるようになりました。
景気は気分で決まるというのが私の意見なので、
株価が上がり、失業者が減ってきて、
十分だとは言えないにしても
値上げや賃上げも実施されるようになってきたので、
日本はしばらく好景気が続くと
考えてもいいのではないでしょうか。


 ちょっと心配なのが
インフレの動きも顕著になってきたことです。
好景気になるとインフレ傾向が出てきますし、
インフレになったから
景況感がよくなってきているとも言えますが、
弱者や行動を起こさない人起こせない人にとっては
厳しい時代になってきました。
日本は諸外国にくらべれば
まだマイルドなインフレにとどまっていますが、
いつ高インフレになってしまうかもしれないので、
経営者は、投資に対して
前向きに考えざるを得ない状況に
なってきたのではないでしょうか。


 経営者マインドで言うと
30年のデフレの体験を脱ぎ捨てて、
インフレに対応する経営が
求められてくるようになってきました。
経営者はたくましいので、
対応できている人が多いですし、
逆に厳しい世の中になってきたので
対応できなければ
退場が迫られるようになってきたのだと思います。

また、個人で見ても、誰もが
経営者感覚が求められる時代に
なってきたようにも感じられます。
組織に属していたら守られる時代でもありませんし、
行政などもどちらかというと
福祉切り捨てのマインドが強くなっている気がします。


 セイフティネットの整備に関しても
行政に頼るのではなく、
NPOなどの社会問題を積極的に解決する人たちの
声や実力が確実に高まっていますし、
寄付やクラウドファンディング等の手段を使って
個人でもこれらの活動に
支援ができるようになってきました。
税制で見ても公益法人になっていれば、
きちんと優遇されるようになっているので
ふるさと納税を考えるのもいいですが、
社会的には公益法人になっている
社会問題を解決するための団体への
寄付を積極的に検討してもらえるようになればいいと思います。


 前回の天下取りの話ではありませんが、
譲るお金はすぐに
プラスのフィードバックになって
かえってきやすくなってきています。
ふるさと納税は返礼品目当てで
個人の欲望を刺激されている気もしますので、
より純粋に社会問題の解決に寄与しながら
節税をする賢い方法を
考えてみていただければと思います。

もちろん、社会問題の解決として
ふるさと納税を使っている自治体もありますので、
必ずしも悪いわけではありません。
バランスを取って積極的に
自分から動いていくことを考えていく
時代になったのだと思います。


 増やすお金にも
積極的に関わっていくことも大切だと思います。
政府も銀行もはっきりと
預金はいらないと言っているような気がします。
インフレで目減りしても構わないと覚悟できるのなら
預金にしておくのもありですが、
資産を守りたいし
世のため人のためにも役立ちたいと思われるのなら
金融投資の勉強を始めた方がいい
タイミングが来ています。
お年寄りでも子どもでも
投資の勉強はできますし、
いまは優しく教えてくれる人たちも増えているので、
そういう機会を積極的に活かしてもらえればと思います。


 来年以降は何があるかわかりませんが、
いまは好景気の波にうまく乗れるように考えるのが
大切なタイミングだと思います。
それから、個人的には
世代交代を積極的に進めていく必要があるのかなと思います。
これだけ変化が激しいと
還暦近い私は正直に言うと
世の中の流れについていけていないと思います。
それは、それでいいのだと思うので、
若い人の邪魔にならないように
自己実現をしていく道を考えていきたいと思います。
人手不足なので
高齢者の労働力も社会的には求められているので、
若い人との共存をどう図っていくかが
大事なポイントのようにも思えます。
チャレンジングなテーマですが、
何とか考えてみたいものです。


天下取り


 今年の大河ドラマは
評判があまりよくないようですが、
個人的にはとても面白く見ています。
天下取りを成し遂げて
260年にわたる泰平の世の中を築いた
徳川家康が
どのようにして天下を取ったかを
描いた物語
(人気のある大河は
ストーリーがしっかりしているのですが、
「どうする家康」は
ナラティブ的な要素が強いように感じます)
ですが、
歴史に多少でも興味がある方には
おなじみのテーマなので、
いままでとは違う解釈を
提案していると考えれば
いいのかもしれません。


 4月2日にホツマツタヱのいときょう先生と
「十種の神宝」のお話をさせていただいたのですが、
講師の自己満足ではいけませんが、
とても面白いナラティブを
お話しできてよかったと思います。

まだ、ストーリーに人気がありますが、
時代は確実に
ナラティブの方向に向かっていると思います。

テレビや新聞、それに書籍などの媒体は
ストーリーが求められますが、
話が発展していく余地が多いのは
共創構造を持った物語である
ナラティブの方です。

ナラティブの特徴は、
整合性をあまり考える必要はなく
起承転結がないことです。
ある程度の歴史的な事実は抑えていますが、
ある意味とても天下人とは思えない家康像に
戸惑ってしまっているのが
不人気の原因のような気もします。


 7月17日(月・祝)に
第2弾の「十種の神宝」セミナー
いと先生とやらせてもらうことになりました。
同じ内容かなと思っていたのですが、
不思議なもので勝手に研究が進んで
かなり進歩したと自己満足しています。

15年ぐらい前に
「十種の神宝」を使いこなせるようになると
世界征服ができるという
お話を聞かせてもらったことがあります。
いわば天下取りですが、
確かにそれぐらいは
簡単にできるのではないかなという
ポテンシャルがわかってきました。


 そして、10個の内4個ある玉の神宝
(生玉、足玉、道返玉、死返玉)は
お金を使いこなすための神宝だという
ナラティブを持っており、
まだ入り口ぐらいだと思いますが、
具体的にどんなメカニズムで
神宝を使うのかも
わかってくるようになってきました。
いと先生はお金儲けから離れて
ホツマツタヱを伝える活動をすると
言明されているのですが、
それがまさに
「十種の神宝」を使いこなす方法論だ
ということが見えてきたのです。
そういう意味では、
4月よりも進んだ
かなりいいお話しができると考えています。


 ちょっとだけネタバレをさせてしまうと、
なぜ4種類のお金
(使うお金、貯めるお金、殖やすお金、譲るお金)
の中で、
最近は譲るお金が強烈になってきたのかの理由が
説明できるようになったのです。

ナラティブと言いながら、
昭和の時代にどっぷりと漬かっていますので、
論理的に考えてしまうのが
くせになってしまっているのですが、
そういう意味では
昭和な方にも説明できる
自信ができてきました。
天下取りを真剣に考えている人
(あんまりいないと思いますが...)には
とても参考になりますし、
世の中の仕組みが垣間見える
セミナーにはなると思いますので、
誰に聞いていただいても大丈夫だと思います。

 
 そんなことを考えていると、
魔が入ってきやすくなるような気もします。
完全にナラティブ
(ここでは妄想ぐらいの意味で使っています)
ですが、
金曜日に天下取りをさせてやるという
契約ができたような気がしました。
ただ、ゲーテのファウストではありませんが、
魂を明け渡すことが
いつの間にか
条件になっていたような気がします。

日曜日になって、
はたとそれに気がついて
契約を解除したのですが、
いまどき天下を取りたい
(総理大臣になりたいと思う人はいると思いますが、
天下を取るのとはちょっと意味が違うと思います)
と考える人は
あまりいないと思いますが、
それでもやっぱり
魔が入ってくるのだなあと
興味深く自己観察していました。


 悪魔との付き合い方も含めて、
新しい境地を切り開いていかなければ
人類の未来はないような気がします。
還暦近い私が魂を売り渡してまで
天下を取っても仕方がないと思いますが、
いろいろなノウハウを
後世にお伝えしていく
役割はあると思いますので、
何か感じた方は、ぜひ
いと先生とのセミナーに
お越しいただければと思います。

冒頭の大河ドラマで言うと、
信長は「十種の神宝」を使っていましたが、
悪魔と契約したかどうかはわかりませんが、
本能寺の変で殺されてしまいます。
それを受け継いだ秀吉も
あまりいい死に方はできなかったような気がします。


 「十種の神宝」の力など
見向きもしなかった家康は
天下を取って平和な世の中を築くのですが、
その代わり面白くない世の中を作ってしまって、
それが令和の御代にまで
継続している感じもします。

バランスが取れた、
まったくいままでと違う
新しい摩訶不思議な力を使った
新しい世の中の創造が
ポイントのような気もします。

信用創造


 今月のマネーとスピリチュアル研究会
テーマは信用創造でした。
とてもハードルが高い
テーマだったのですが、
理論的に
理解してもらえたわけではないと思いますが、
感覚的には
わかっていただけたのではないかと感じています。

私のナラティブ
(共創構造を持った物語。
妄想という意味でとらえていただいてもOK)ですが、
お金は物々交換が進歩したものではないと思います。

シュメール文明の世界最古の文字と言われている
楔形文字は実は、
貸借の記録で
6千年前にはすでに
貨幣という概念はあったのではないかと考えています。


 2001年の名著
麻ことのはなし
 ヒーリングヘンプの詩と真実」
(評言社)
を著わした
中山康直さんから、
ネイティブアメリカンの村に
しばらく滞在した時の話を
聞かせてもらったことがあります。

いまから考えると
どうも中山さんのナラティブ
(ここでは作り話ぐらいの意味)
だと思いますが、
日本語と彼らの言語は
根本的な成り立ちが同じなので、
お互いに信頼関係ができると
それぞれの言語を話しているのに
大体意味が通じるようになってくる、
というお話をしてくれました。

ただ、彼らの言葉には
「ありがとう」という
感謝の言葉はないのだそうです。


 中山さんが、軽い気持ちで
「ありがとう」と
日本語で言ったことがありました。
はじめはまったく彼らに通じなかったのですが、
ボディランゲージも含めて
一生懸命伝えていると、
どうやら感謝の意を述べようとしている
ということが通じたようです。

そうすると、
大変なことが起こりました。
感謝の言葉をもらった人は
それをとても自分だけでは受け止められなくなり、
何倍にも増やして
別の人に感謝の意を
贈り物という形で伝えようとします。
今度は、それを受け取った人が
何倍にも増やして贈り物をします。
結局は村のほとんどの生産活動が
止まってしまうくらいの
贈り物をしあうことになり、
長老がでてきて
「そろそろ終わりにしよう」と言って、
やっと騒動が収まったという話でした。


 感謝はあまりにも当たり前なので、
あえて口に出すまでのことではないというのが、
彼らの常識なのですが、
一度それが伝わってしまったら
感謝の連鎖が指数関数的に
増えていくことになってしまい
収集がつかなくなるそうです。
彼らのとっては
「ありがとう」とわざわざ言われることは
とんでもない大きな
負債勘定(感情)を得たことになる
という面白いナラティブでした。

これは日本人が
お中元やお歳暮を贈り合う感覚に
何となく通じるものがあるような気がします。
いまでこそ、だいぶ減りましたが、
それでもこの時期になると
そろそろお中元のことを
考え始める人が多いと思うのですが、
これなんかも負債勘定の表れで、
この感情が
貨幣を作っていったものの
正体なのではないでしょうか。


 金融技術が未発達だったことと、
グローバル化が進んでいなかったこと、
そしてデジタル技術が未発達だったことで
金銀を裏付けとする
貨幣や紙幣が生まれていきましたが、
逆に元の信用を担保として
お金を作っていく技術がだんだん進歩していって、
いまの無から有を作るような、
具体的に言うと
貨幣は誰かの借金でできている社会に
戻ってきたのではないかという仮説を持っています。

信用創造というと難しく聞こえますが、
要するにお金をどうやって作っているかという話で、
結論から言うと
銀行間市場でお金を循環取引のように
ぐるぐると回していると、
幻想的なお金ができる準備が整い、
後は銀行がそれを基に
貸し出しという通貨を作り出している
というお話になります。


 銀行は足るを知らなければいけないので、
必ず回収できる相手と案件にしか
融資をできないという足枷があります。
だから、逆に言うと
昔の知足は
何があっても必ず回収することだったのですが、
まだ無理ですが、
もっと金融技術を発展させると
精神性の高さなどで
知足が充足できるようになるのではないか
というナラティブを考えています。

私は、そのためには
キャッシュレス化とベーシックインカムが
どうしても必要になってくるのでは
というナラティブも考えており、
そう考えると
どうも社会は
理想の状態に向かって
確実に進んでいるようにも思えます。


 お互いに贈り物をしあう日本文化は
もしかしたら、そんな新しい社会に
適しているような気もしてきました。

私は、不義理をしていて
なかなかそんな贈答文化から
距離を取ってしまっていますが、
形ではなくエネルギー
(多分通貨もエネルギーです)
としての贈答文化が
新しい時代を作っていくような気もします。

読者の皆さまも
お金に対するナラティブを考えてみると
楽しくなってくるかもしれませんよ。
かなり我田引水ですが、
そのためには
マネーとスピリチュアル研究会も
お役に立てそうな気がしますので、
ぜひご参加を考えてもらえるとありがたく存じます。

滑走路の渋滞


 早朝の伊丹空港で原稿を書き始めました。
ラウンジに入れてもらって、
コーヒーを飲みながら
滑走路の風景を眺めているのですが、
多分、滑走路がオープンして
数十分しか経っていないのですが、
すでに滑走路が渋滞しています。
ざっと数えるだけで
6機が離陸待ちをしています。
羽田空港はともかく
伊丹空港でここまで渋滞するのを見るのは
珍しいのかなと思います。

コロナ禍が終わり、
人の流れが元に戻ったことの
象徴かもしれないなと思って
眠い目をこすりながら
楽しませていただいています。


 前にも書いたことがあると思いますが、
伊丹空港は
子どものころ住んでいた街の
一番近い空港で、
それほど飛行機ファンという
わけではありませんでしたが、
それでも当時離発着する機種を
飛行機の外見を見るだけで
言い当てることができました。

大学時代の友人の中には
本当に飛行機が好きで、
わざわざ空港の見学をするためだけに
旅行をする猛者がいて、
空港の周りをまわるためだけに
レンタカーを借りるという話を聞いて
びっくりしたことを思い出しました。
大学で優秀な成績を取り、
見事に希望の航空会社に就職しました。


 日本航空が民事再生法の適応を受け、
他社もコロナ禍の影響で
大きな減便を繰り返していた状態から考えると、
ようやく前向きに経営をしていけるようになって
よかったなと思います。

最近、東京と大阪間の飛行機の
価格が安くならなくなったので
ほとんど移動は新幹線になったのですが、
今回は久しぶりに
飛行機に乗ってみました。

ビジネス客がほとんどを占める
この路線はそれでいいと思いますし、
先日、神戸から帰る予定があった時に
神戸羽田便に乗った時は昼間だったこともあり、
観光客の姿が目立ちました。
こちらは大手2社ではない航空会社だったので
価格もお手頃で
こういうすみわけをすればいいのだろうと思います。


 航空会社の経営にとっては、
コロナ禍は
とんでもないマイナスであったのは
間違いありませんが、
もしこのような状態にならなければ、
適正な価格に
ビジネス路線の値段を
修正することは難しかったのかなと思うと
プラスの面も多少はあるのかなと思います。

飲食店やホテルなども
大きな逆風の影響を受けたのは
間違いないと思いますが、
それでも何かプラスになることを見つけて
経営に活かす姿勢が大事なのかもしれません。
どちらにしても、
コロナ以前の状態に
社会が戻ることはないと思います。
人々の意識の変化が
その大きな要因だとは思いますが、
しっかりと新しい環境に対応していくことが
大事だと思います。


 そろそろ搭乗の時間が近づいてきたので、
ゲートに向かわなければいけない
時間になってきました。
滑走路の渋滞は
だいぶ収まってきましたが、
まだ2機ほど順番を待っている状態です。

大きな流れで言うと
航空機は環境に優しくない
移動手段だと言われています。
持続可能なエネルギーを使える電化は難しく、
やはりエンジンで飛ばす必要があり
根本的な対応は難しいのですが、
バイオ燃料を使用して
地球温暖化の影響を少しでも抑えようという
動きはあるようです。

真剣に環境問題を考えていて、
地球温暖化の流れをくい止めるためには
数十年後には
石油や石炭などの化石燃料を
まったく使わない世界を描いている
急進派の方もいらっしゃるようです。


 グローバル化の流れを止めるのは、
さすがに難しいことを考えると、
中長距離の移動には
やはり航空機の需要はなくならないと思いますので、
いろいろ知恵を絞るのは
大切なことだと思います。

地球温暖化に対して
懐疑的な意見を述べる専門家の方もいますし、
私も自分の確固とした見解を
自信を持って示せるほど勉強していませんが、
どうも大きな趨勢は
石油を1滴も使わない世界に向かって
進んでいくような気がします。
人類は技術的に
そんな挑戦も可能なのだとすると、
大きな意味で
地球環境と人類の豊かさの追求は
両立できると考えていけるのなら
ハッピーだと感じます。


 飛行機に搭乗を済ませて
今度は機内で続きを書いています。
飛行機の中でもwi-fiが完備されるようになり、
ますますどこでも仕事ができる
環境が整ってきました。

十数年前には
新幹線でPCを広げて
仕事をしている人はほとんどいないから
日本は遅れているのだという
記事を読んだことがありますが、
いまは自分も含めて
多くのビジネスパーソンにとって
移動中も貴重な仕事のための時間になりました。

船井総研の大先輩の中には、
本の執筆を新幹線の中で
万年筆と原稿用紙でやっていたという
猛者もいましたが、
さすがにそこまでするのは
多くのビジネスパーソンにとって
非現実的だったのですが、
いまなら移動中に
原稿や書類を作るのは当然のことになりました。


 出発時間になったので、
そろそろ飛行機が離陸に向かって
移動し始めると思います。
渋滞が解消したかどうかは
機内からはわかりませんが、
よりプライバシーを感じられるのは、
やはり新幹線よりも
飛行機の方が勝っているとも思います。
価格が高くても、
だから飛行機を選ぶ方も多いのかもしれません。

新しいアフターコロナの世界が
どうなっていくのか。
その方向性は
私たち一人ひとりの行動によって
決まっていくのだと思います。
しっかり自覚を持って、
少しでもいい世の中を
創造できるような意識を
頭の片隅には持っていたいと思います。

景気の行方


 この原稿を書いている時点では、
まだ関東地方は
梅雨入りしていない見込みです。
もう間もなく入梅になりそうな
天気予報をNHKのニュースでチェックしてから
原稿を書き始めました。

私の場合は、
コロナ禍でも結構移動していたので、
あまり関係ないかもしれませんが、
先週に引き続いて今週も関西に出かけます。
本日は、まだ新幹線に乗っていなくて自宅ですが、
最近の交通機関は本当に
よく混雑するようになりました。
海外から訪れてくれるインバウンドのお客様も
確実に多くなってきていて、
ホテルや飲食店もなかなか
予約を取るのも難しい状態のところもあるようです。


 株価も順調に上がってきています。
こちらは、まだ海外の機関投資家が
買いの主流を占めているという
報道が流れています。
円安の影響で、
外国人投資家から見れば
日本の株価はまだまだ
安い水準にあるということです。

日本人から見れば、
バブル後最高値を切り上げていて、
もしかしたら来年にも
史上最高値に挑戦しようという雰囲気なので、
ずいぶん割高に感じてしまうかもしれませんが、
ドル建てで考えると
円建てでの株価が50%値上がりしていても、
為替が50%下がっていれば相殺されて、
その頃と同じ水準だということになります。


それでいて、日本の大企業の業績は
昔みたいに
輸出ドライブをかけているわけではありませんが、
海外での事業の比率が高くなっているので
利益水準が高く、
割安感があるのですから
買われて当然ということになります。


 また、国内に
半導体の巨大工場を作る
流れが止まらなくなってきました。
アメリカが中国と対立するようになって、
一番得をしているのは日本だと
中国の新聞が論評を出したという
報道もありましたが、
確かに一理あるなとも思います。

ただ、日本から言わせると
日本の持っていた利益を
奪っていったのが中国だったことを考えると
お互い様だよなとも感じます。

アメリカの視点で考えると、
日本でも中国でもどちらでもいいので
アメリカの利害に一致する方に
肩入れをするだけですから、
中国はちょっとやり過ぎて
アメリカに嫌われ始めただけのことです。

日中とも、そんな視点も考慮に入れて
経済政策を考えていかなければ
いけないのだと思います。


 いままでの流れだと
アメリカが共和党政権で、
日本がどちらかというとタカ派の政権の時に
日米関係はスムーズにいくことが
多かった気がしますが、
いまはバイデン民主党政権で、
日本は安倍総理に比べれば
かなりハト派の岸田総理ですが、
日米関係は
お隣の韓国も含めて良好です。

どんな政権でも
中国に流れていたアメリカの利害が、
どちらかというと
日韓に流れてくるようになっただけなのかもしれません。

ただ、アメリカの相対的な力は
確実に弱体化していますので、
日本もアメリカにだけ頼っていていいのかは、
よく考えなければいけない地点が
近づいているような気がします。


 かなり、政治経済の見方が
しっかりしている友人の中にも、
アメリカの時代は終わったので、
日本の将来も真っ暗だから
投資をするなんて狂気の沙汰だという
分析を流している人もいます。

私は、まだまだ
特に金融面では
アメリカの方に
かなりのアドバンテッジがあるので、
中国もしばらくは
痛めつけられる割合が
大きいだろうなとは思っていますが、
彼の言っていることも
考慮に入れておかなければいけないのは
間違いないと思います。


ただ、2千兆円の個人金融資産を
預貯金に置いておくことも
大きなリスクなので、
しっかりと投資のことを
考える姿勢は大事だと思います。


 投資の中には、
田舎に移住して
農を中心とする暮らしをするということも
含まれていると思います。
積極的に都会からの移住者を誘致していた村落が、
今回の大雨の被害にあって苦労している
という報道もありましたが、
自然に近い所で生活をするということは、
そういうリスクと隣り合わせだということは
ある程度織り込み済みで
大きな決断をされた方が多いと思うので、
力を合わせて乗り越えていただきたいと思います。

例えばこれから、
そんな田舎暮らしを検討されている方にとっては、
彼らの復興を手助けするという投資も
かなり有効なものになるとも思います。

そう考えると、投資の幅は
いくらでも広がっていくのだと思います。


 地球温暖化の影響なのか、
気候災害の激甚化が進んでいるように感じます。
大手のマスコミの情報を
鵜呑みにしてはいけないというのが、
父が創った舩井本社グループの
大きなポリシーですが、
情報としてはマスコミ情報も参考にして、
大きなトレンドを
見失わないようにはしたいものだと思います。

対立ではなく
ギブアンドギブを目指すべきだということは、
にんげんクラブの皆さまには
了解いただいていると思うので、
そんなバランスを大事に
これからも情報発信を続けさせていただきたいと思います。


梅雨のはしり


 いろいろと事件は起こりますが
季節はそんなことに関係なく進んでいるようで、
梅雨のはしりの天気の中を
早朝の新幹線に乗って
大阪に向かっています。

この季節の新幹線の車窓の楽しみは、
田植えが終わったばかりの
田んぼの風景を楽しむことです。
何人か親しい農家の方がいますが、
雨は恵みだとも言えますが、
農作業にとっては
あまり続くと困ったものにもなります。
そこはプロなので
しっかりと梅雨入り前に
必要な作業は済ましてしまうのでしょう。


 コロナ禍もようやく峠を越えて
マスクをしないで新幹線に乗っていても
何の問題もないようになりました。
地下鉄などでは
まだマスク派が多数を占めていますが、
新幹線では贅沢をさせていただいて
グリーン車に乗せてもらうからかもしれませんが、
マスクをしていない人の方が
目立つ感じがします。

私は習慣を変えたいと思っているので、
満員電車でもマスクを外していますが、
少数派とはいえ皆無ではないので
心強く感じています。

海外からのインバウンドの方も含めて
交通機関は混雑するようになり、
ホテル代は高止まりのままですが、
これも景気にはプラスなのだと思うと
好ましく思えてきます。


 何となく賃金も
上がってくる感じがしてきました。
経営者の方は
人手不足への対応と
賃金の高騰に対処するのが
いまは一番大切なことになってきたと思います。

DXなどへの対応を進めて
なるべく人員の削減を図ることと、
できれば積極的に賃上げに対応して
体力をつけておくことが大事だと思います。

確率はまだそれほど高くはありませんが、
もしかしたら日本は
また景気がよくなっていき、
世界の中でも
高成長を達成する雰囲気も出てきました。
私たちよりも上の世代は
直接バブルの崩壊を経験しているので
懐疑的ですが、
実質的に世の中を動かしているのは、
それを知らない世代に移行しています。


 油断をしてはいけませんが、
景気がよくなるケースも考えて
経営にあたる必要はあると思います。
必要な設備投資は積極的に取り組むべきですし、
株価も上がってきましたので、
資産を守るためには
投資を考える必要もでてきます。

円安も進みそうなので
海外への投資も
検討に入れた方がいいかもしれませんし、
だからといって
不景気になったり
円高になることも考えられますので、
リスク分散をしながらも
トレンドに対応できるだけの
感覚をしっかりと身につける
必要があるのだと思います。

デフレの30年は、
あまり考えなくても
経営ができた時期だったのかもしれません。
勉強をすることが
ますます大事になってきたと思います。


 ただ、高度成長期と違って、
これだけを押させておけば大丈夫という
わかりやすい正解がない時代でもあります。

父はよく原理原則と時流を掴んでいれば
経営は難しくないという話をしていましたが、
いまは原理原則すら
変化してしまう時代になりました。

特に、新型コロナウイルスの影響で
生活スタイルが
抜本的に変わってしまったことへの
対応は未知の世界です。
いまは、とりあえず
行動が制限されていたことの反動で
何をやっても上手くいくのかもしれませんが、
この流れが一巡した時は、
新しい生活スタイルへの対応ができなかったら
時代に取り残されることになると思います。


 昭和の時代には鉄板だった
会社に定年まで勤めあげるという
ライフスタイルさえ
見直しを迫られているので、
個人の力で
変化に対応するための力を
つけていく必要があると思います。

父の時代には
経営者だけが考えていればよかったことが、
いまはすべての人に
求められる時代になったとも言えるのだと
考えればいいのだと思います。

どこか遠くにいる誰か偉い人が
導いてくれる生き方を
無批判に受け入れるのではなく、
自分で考えたり感じたりすることが大事で、
その感性や直感を信じて
生きていくクセを付けておく必要が
出てきたのだと思います。


 新幹線は
熱海駅付近を通過しています。
まだ田んぼの風景を楽しんではいませんが、
ちょうどこの原稿が書けた頃に
そんな場所を通過しているような気がします。

東京では降っていた雨も
とりあえず止んでいるようです。
人間の営みは、
人間の都合によってつくられた
地の利に従っているので
変化をしていきますが、
大きな気候変動に対応する
人間としての責任はありますが、
もっと大きな天の理から見ると、
それすらも大きなリズムの一環なのかもしれません。
気候変動によって困るのは人間であって
大自然はそんなものは
とっくに織り込み済みのような気もします。


 結局は、何があっても
バランスをしっかり取っていくことを
基本としている自然の摂理に戻っていくことが、
この難しい時代に対応するために
大事なことのような気もします。

たとえ都会に住んでいても
新幹線などの文明の恩恵を受けていても、
自然の一部であることを忘れないようにして、
バランスを最優先に考えていく
習慣を取り戻していきたいものだと
裾野だけ見える富士山を見ながら感じています。

まずは、季節の巡りを
しっかりと感じることが
大事なのかもしれません。


ゼレンスキー大統領来日


 広島サミットが閉幕して
各国の首脳たちは帰国されていきました。

バイデン米大統領は、
議会との合意ができていない
債務上限問題の解決に向けて
早々と帰国されましたし、
ドイツのショルツ首相は
韓国の板門店を訪問されて、
インドのモディ首相は
太平洋諸国首脳とのサミットに出席するために
パプア・ニューギニアを訪問されたようです。
話題を独占した感じの
ウクライナのゼレンスキー大統領は
21日夜に広島を離れて
帰国の途につかれたようです。


 ゼレンスキー大統領ばかりが注目されていますが、
今回の突然の訪日は岸田総理が3月21日に
それこそ電撃的にウクライナを訪問した時に
決まっていたのではないでしょうか。

その時のニュースで
岸田総理がゼレンスキー大統領に対して
広島サミットへの招待を申し出た
というニュースがあったように記憶しています。
一般的にはオンライン参加のことだと
解釈されていたようですが、
あれだけ演出がうまいゼレンスキー大統領が
この機会を伸ばすはずはないと思っていました。


 また、面白いのは、
フランスの政府専用機で来日されたということです。
戦後の日本はアメリカの動きばかり見ていますし、
正直それで十分事足りるのですが、
なぜフランスが
わざわざ来日のための手助けを
そこまでするのかなどを考えるのも
面白いのかもしれません。
国際政治の駆け引きだ
ということになるのでだと思いますが、
フランスは舞台裏で
フィクサー的な役割を実行することで
存在感を出しているのかもしれません。


 ちゃんと裏を取った話ではありませんが、
万国博覧会の開催地を決定するときに、
一番力を持っているのは
フランスの上流階級だという話を聞いたことがあります。
再来年の大阪万博の決定も
彼らの動きを見ていたら
十分予想されたということを聞いたことがあります。

ウクライナの戦争で
これほど大騒ぎになっているのは、
ウクライナがヨーロッパだからです。
アフリカや中東では
同程度の戦乱はいまでも
日常茶飯事に行われていますが、
ヨーロッパから見ればいつものことで
ニュースにもなりません。
日本での報道も、
ヨーロッパのそんな基準が
適応されているということは、
頭の片隅に覚えていた方がいいのかもしれません。


 岸田総理がそこまで
考えていたかどうかはわかりませんが、
ウクライナにとっては広島サミットは
そんなG7の首脳だけではなく、
インドやブラジルの首脳まで顔をそろえていて、
なかなかヨーロッパの秩序に
従順に従わない国に対しても、
サミットという場で
ウクライナに対して
批判的なことを言うことはとてもできないので、
絶好のPRの機会だったと思います。
絶好の機会を逃さなかったし、
それをうまく提供した
フランスの得点だったと考えていいのかもしれません。


 ウクライナ戦争は、実質的には
ヨーロッパとロシアの戦いなのかもしれません。

面と向かって
イギリスやフランスがロシアと戦うと
第3次世界大戦という核戦争が始まってしまうので
現実的ではありませんが、
一次はサミットのメンバーにまでなっていた
ロシアのプーチン大統領が、
西側から見れば
独裁政治を推し進めて
言うことを聞かなくなってきたので、
いまの内に叩き潰そうという意図が
見え隠れするような気がします。


 ゼレンスキー大統領から見れば、
その意図を理解しながらも
前面に立ってロシアと戦っているのだから
支援されるのは当然で、
しっかりとくぎを刺しておかないと
いつ裏切られるかわからないので、
利用できる機会は絶対に逃さない
ということなのかもしれません。

お人好しの岸田総理や日本政府は
まんまとその策略に踊らされている
ということかもしれませんが、
これで岸田内閣の支持率が
上がっていくことになれば、
解散総選挙に進んでいくきっかけになり、
長期政権が見えてくるのですから、
こちらもしっかりと計算していた
ということなのかもしれません。


 ロシアと中国から見れば
やられた感があるのかもしれませんが、
BRICSの中で
ブラジルのルナ大統領は
サミットには参加していたにも関わらず
ゼレンスキー大統領と会談しなかった
唯一の首脳になりました。

これも、いろいろな見方があり、
双方とも相手の単純なミスだ
という発表をしているようですが、
何かこの辺りの裏を読めれば
楽しいのかもしれません。

サミットは儀式であり、
被爆地広島に首脳たちを集めたという点では
岸田総理の得点ですし、
それぞれがそれぞれの思惑で
どう動いていたかを考えてみると
面白くなってきます。


 日本で開催されたサミットも
最初の頃は、
婦人たちがどこに行って交流を深めたとか
そんなどうでもいい報道が多かった気がしますが、
世界が大きな混乱期に入ったということかもしれませんが、
やはりそれぞれの首脳の一挙手一投足に
面白みが感じられたと思います。

ウクライナ戦争の行方はさっぱりわかりませんが、
早く集結して
世界平和の実現に向けて進んでいける
世の中がやってくればいいと願っています。

 
急な告知で恐縮ですが、
明日5月25日(金)に
東京四谷のエイトスターダイヤモンドさんで、
講演させていただきます。

私を最後に
しばらく木曜会は開催しないことになったそうで、
できれば大勢の皆様に告知をしてください
というご依頼をいただきましたので、
紹介させていただきます。

当日、申し込みなしに気軽に参加いただける形式なので、
ご都合がつく方はぜひご参加ください。

「資本主義の未来」について語ろうかなと
いまのところは思っています。

https://eightstar.co.jp/event/thursday

バイ・ジャパン


 今週は広島サミットが開催されます。
前回の伊勢サミットから
もう7年が経ったのかと
感慨にふけっていますが、
7年前は当時のオバマ大統領が
広島に立ち寄るだけでも
アメリカとしては大変なことだったと
言われていたことを思い出しますが、
今年はその広島に
先進国の首脳が集まって
会議をすることになるのですから、
確実に世の中は
いい方向に進んでいると思います。

もちろん、アメリカにとっての
ナラティブ(共創構造を持った物語)は、
原爆投下は必要だったというものであることは
変わっていませんので、
バイデン大統領が
無辜の民(むこのたみ)を
原爆投下で大量に虐殺したことに対する
謝罪をすることはありえないと思いますが、
ステップをひとつ踏むという意味では
大きな節目になると思います。


 あくまで個人的な感想ですが、
オバマ大統領の広島訪問の後、
広島を訪れる欧米人観光客の姿勢が
確実に変わったと思います。
それまで広島を訪れていた外国人は
どちらかというと
リベラル思想を持っている人たちで
アメリカ帝国の非道に抗議をするという
スタンスの方が多かったような気がしますが、
オバマ以降は
歴史のネガティブな面を真摯に受け止めて、
それを平和のために活かすには
どうしたらいいかを
真剣に考えるために
訪れている方が増えたような気がします。

ガイドをする日本人のボランティアの方の
お話を横で聞かせてもらっていても、
イデオロギーを前面に押し出すのではなく、
事実を淡々と伝えようという姿勢が印象的でした。


 中露が核となって
グローバルサウスに
世界の中心が移っていくという意見が
ザ・フナイや舩井メールクラブに
執筆してくださっている先生方を主体に
私の周りには多くいるように感じますし、
確かに欧米の
主に金融勢力や軍産複合体、
それに製薬業界等
いままで既存の政治システムの脆弱性に
うまく付け込んで
世界の利益のほとんどを独占するのに
成功してきた人たちの
本音が丸見えになりつつあるような気もします。

それはそれで素晴らしいことですが、
同時に既存の統治勢力とも仲良くしながら、
彼らの姿勢の変化に敏感になることも
必要なことではないかと思います。


 その意味で言うと、
バイデン大統領をはじめとする
世界の首脳が一堂に会する会議が
広島で行われる意義は大きいのだと思います。
日本はG7諸国の中で
唯一のキリスト教文明ではない国です。
また地域的にも
唯一アジアに属し、
地政学的に考えると
グローバルサウス側の利害も持っている
役割を担っています。
サミットのHPには
招待メンバーの情報も掲載されていて、
ブラジルやインド、インドネシアや韓国、
それに気候変動の影響が多い
太平洋諸国の首脳が
招待されていることがわかります。
被爆地広島に世界の注目が集まるという点では、
とても素晴らしいことなのだと感じます。


 話は変わりますが、
大手証券会社を退職した後、
投資関係の仕事に携わっている方と
お話しする機会があったのですが、
彼がいま投資家に勧めているのは
一言で言うと
「バイ・ジャパン」だということです。

欧米の株式が金融引き締めの影響で
低迷しているのに比べて、
日本株は比較的堅調に動いています。
円安になっても
昔のように輸出が増えて
貿易黒字が大きくなるということはなく、
日本は常態的に
貿易赤字を出す状況になっていますが、
子会社や投資からの配当などを加味した
経常収支は黒字基調を保っています。
また、大企業の収益にとっては
円安はどちらかというと
収益アップにつながっていきますし、
アメリカから見たときに
中国とのデカップリングが進むことを考えると
相対的な日本のポジションは
上がっていくことになります。


 それでいて金利差が付くことで、
現在の円安基調が
ある程度は続いていくことを考えると
バイ・ジャパンという方針にも
うなずけるものがあります。
2000兆円の個人金融資産の内、
預貯金が半分以上で
株式投資は10%ぐらいしかないのが
現在の日本の状況ですが、
これをアメリカ並みに40%ぐらいにして、
その半分程度が日本株に投入されると考えると
まだまだ日本の株価は
上がっていくのではないでしょうか。

いままでの若い人中心の株式投資は
主にアメリカ株を中心とする
海外のものを購入する傾向が
強かったようにも思います。


 これをバイ・ジャパンの動きに変えて、
日本の株式市場のメインプレーヤーを
外国人投資家から日本人に変えていくことが
まずは第一歩なのかなという気がします。

現在、大きな書店で発売中の
「ザ・フナイ」6月号で
巻頭対談させていただいた
トルコ出身で複眼経済塾塾頭の
エミン・ユルマズ先生は、
インフレを考慮してですが、
日経平均が10万円や30万円になっても
おかしくないという意見を述べていらっしゃいます。
信じがたい思いもありますが、
とりあえずは最高値を更新して
4万円を付ければ、
次はそんな世界も
見えてくるのではないかと思います。


 「ザ・フナイ」や
エミン先生の著書
「大インフレ時代! 日本株が強い」
(ビジネス社)
などを読んでいただいて、
日本のために
読者の皆さんができることを
考えていただければと思います。
私たちよりも上の世代は、
実感としてバブルの崩壊を経験しているので、
どうしても投資には慎重になりますが、
サミットを機に
そろそろそんなトラウマを外すことに
挑戦する必要があるのかもしれません。


禅の花


 今年のゴールデンウィークは
本当に何も仕事をせずに家にいて、
本を読むかテレビを見るか
お酒を飲んでいました。
のんびりできたという意味では
最高の休日でした。

読む本もいつもと違う
普段ならまず読まないような、
仕事に関係ない本を2冊読みました。

まずは、
川上未映子著
「黄色い家」
(中央公論社)です。

新聞広告で知ったのですが、
元々は読売新聞に連載されていた
新聞小説だということを
読了後に知りました。
読売新聞は普段は読んでいないので、
他紙の広告で知ったのですが、
たまには本格的な小説を読むのも
アリだなと思いました。

 小説の舞台は2000年前後の東京。
著者の川上先生は1976年生まれで、
設定された主人公の年齢よりも
少し上なのですが、
私も何となく当時を思い出しながら
懐かしく感じました。

私は、主人公や著者の立場に立ったら
怒られてしまいそうですが、
船井総研の社長の息子でありながら、
まだまだサラリーマン的な立場で、
一応仕事はこなせるようになっていましたが、
逆に将来が見えて
悩み深き頃でした。
主人公たちとは
見ている世界がまったく違いますが、
あの年代を過ごしてきたという感覚を
思い出していました。


 ちょうど主人公たちが住んだ街に
同じころによく出入りしていました。
流行の最先端の街でもあるのですが、
ものすごく下町的な雰囲気もあり、
大きな地震が来れば絶対にアウトだなという
バッティングセンターに
よく子どもを連れて
遊びに行っていたことを思い出します。

主人公たちがやっていたような
その街の水商売のお店にも、
その少し後かもしれませんが
行ったことがあり、
寂れた感じがまさにピッタリの感覚で
面白い舞台設定をしたなあと思います。

新聞の読者層は多分、
私と同年代かそれよりも上の世代なので、
新聞の連載を読みながら
若かりし頃をそれぞれ
思い出していたのかもしれません。


 もう1冊の普段は読まない本は
禅の本です。
OSHO著
「草はひとりでに生える」
(OEJブックス)です。

OSHOは20世紀を代表するインドの神秘家で
日本でも多くのファンがいます。
私は、「ザ・フナイ」に
「エヴァの視点」というインタビューを
連載してくださっている
新谷直恵さんから、
OSHOの講演を録音したものを
聞かせていただいたことがあります。
もちろん英語なので
ちゃんと意味が分かったわけではありませんが、
当時いろいろ本を買って読んでみたのですが、
さっぱりわかりませんでした。
今回は、まだ読了していませんが、
禅のことがテーマで
少しだけ理解できたような気がしています。


 インドは内向的な国で、
日本は外交的な国。
そして、中国はその中間の中庸な国である。
禅がインドで生まれて、
それが中国を経て日本で花開いたのには、
そのような背景があるという意味が
書かれていました。
そして、これはよく理解できたような気がします。

ただ、日本の禅の花は
もう枯れてしまっており、
鈴木大拙師の本ぐらいしか残っておらず、
本質を知ることはできなくなっている。
そして、日本ではもう復活することはなく、
復活できるとしたら
アメリカではないか
という趣旨のことが書いてあり、
ちょっと考えさせられました。


 西洋ではイギリスが
中国と同じで中庸の国で、
アメリカが外交的な国だというのです。
だから、日本では、
鎌倉時代から江戸時代にかけて
見事に花開いた禅の花を
復活させられるのは
アメリカになるという見通しを示しています。

確かにオットー・シャーマー著
「U理論」
(英治出版)や
ケン・ウィルバー著
「インテグラル理論」
(日本能率協会マネジメントセンター)
などに代表されるような、
アメリカの精神世界を基本とした
新しい哲学というか組織論は
現代的な禅が花開いたと言っても
言い過ぎではないのかもしれません。

そして、これらの理論のバックグラウンドには
私は鈴木大拙師の思想が
確かに大きな影響を与えているように感じます。


 ちょっと思考を飛躍させると、
西洋で内向的なのはドイツやフランス、
そしてもしかしたら
ロシアになるのかもしれません。

現代の西洋哲学はドイツかフランス
(勝手な想像ですが、
フランスは朝鮮半島の雰囲気がしなくもありません)
のものが主流ですが、
正直に言うと
さっぱり理解できません。
それがイギリスを経てアメリカに行くと
わかりやすくなるのも
東洋のインド⇒中国⇒日本の流れに
似ているのかもしれません。

OSHOは日本では、
もう花は開かないと言いましたが、
私は何とかこれを開かせる方法を
考えて見たくなりました。


 物事をよく知っている人たちは、
アメリカの時代は終わって
中国やロシアの時代がやってくるという
見方をしている人が多いような気がします。

しかし、これは戦後の世界を
共産主義や社会主義が席巻していたのと
同じような流れであり、
現実的に日本の立ち位置を考えていくと
新しい冷戦構造の中でも
やっぱりアメリカ側に立っているのが
豊かにはなりやすいのかなと感じています。

そのためには、精神的な面でも
江戸時代の日本の禅の花と、
現代のアメリカの禅の花を
癒合させていく動きが面白いのかと感じています。


 いつもにもまして、今回は
GWボケで強烈な私のナラティブ
(共創構造を持った物語、ほとんど妄想の意)
ですので、読み流していただきたいのですが、
こんな機会にこそ、
それぞれのナラティブを
膨らましていっていただければなとも思いますので、
何かの参考になれば幸いです。

ゴールデンウィーク


 ゴールデンウィークの合間の平日に
仕事で浅草に出かける用事がありました。
インバウンドのお客様が
かなり帰ってきているのが印象的ですが、
それよりも浅草という街に
根本的な元気があるのが、
とてもうれしいことだと感じました。

私が大学に入って、
東京に出てきたころに驚いたのは、
浅草が寂れていたというか
どことなくすさんだ雰囲気があったことです。
なぜか、競馬をやるつもりもないのに
場外馬券売場に行ったのですが、
とてつもなく鉄火場の雰囲気が
漂っていたのが懐かしい思い出です。


 まだ昭和のことなので、
それこそ切った張ったの
雰囲気が残っていたのですが、
一方では
東京ディズニーランドができた頃ですし、
世の中はバブルの頃なので、
東京の繁華街でも
こんなところが
まだあるのかなという雰囲気でした。


昭和の終わりの頃は、
外国人観光客なんてものは
そもそもほとんどいませんでした。
いまから考えると
まだ高度成長期の名残りがあって、
日本人が外国に出かけていくようにはなりましたが、
逆に外国人で日本に観光で来るのは
かなり変わった人でした。
いまと違って、
日本自体が明らかに
観光客を歓迎していなかったのかもしれません。


 10年近く前、
インバウンドのお客様が増え始めたころも、
まだまだ昭和の雰囲気は残っていました。
外国人観光客に人気があったので
将来性は感じましたが、
まだまだ日常性だけを
感じにいく場所だったと思います。

いまは少し繁華街から外れると
マンション街になっていて、
下町の雰囲気はあまり感じられませんでした。
今月の中旬には
三社祭が開催されるのですが、
祭り気分にあふれているというよりは、
インバウンドで街の雰囲気が変わり、
それにともなって
街としての格が上がってきたので、
都心に近いことを活かして
新たな住宅地になってきたのかもしれません。


 面白かったのは、
カフェに入ったら
かき氷のお店で、
私はコーヒを飲んだのですが、
一緒に行った人は
1500円もする
かき氷を食べていました。

私たちが入ったときは、
他にお客様はいなかったのですが、
すぐにインバウンドの人や
明らかにGWで東京に遊びに来ている
女性たちのお客様で
店内はいっぱいになりました。
もちろん、場所は違うのですが、
大学生の頃の場外馬券の雰囲気と
あまりに違う浅草を体験できたことが
とても印象的でした。


 3月に神戸の元町に
日曜日に行く用事があったのですが、
その時に、やっぱり場外馬券場があり、
まだ昭和の名残りを感じる雰囲気がありました。

元町や、日本各地の
場外馬券場があるような繁華街も、
これから浅草が遂げたような
変貌をするのかもしれないなと思ったら
うれしくなってきました。

いろいろなご意見はあるかと思いますが、
おじさんたちが集まる街が
女性たちに占領されるようになると
街は活性化します。
日本の都市は、戦後、
町の西側が発展していく流れで
広がっていったのですが、
浅草のように
東側にスポットが当たっていくように
なるのかもしれません。


 戦後の日本の都市は
工業化に伴って発展していきました。
西風が吹くことが多いので、
工場の煙はどうしても
東側に流れていきます。
だから、浅草などの地域が寂れて
山の手が発展していったということを
何かの本で昔読んだことを覚えているのですが、
よく考えると
東京に工場地帯はほとんど残っていないので、
そんなトレンドが変化しても
まったくおかしくありません。

そもそも江戸という街は
東側から発展していった街で、
戦前は浅草が一番の繁華街でした。
青山は大名の下屋敷がある江戸の町外れで
渋谷は完全に田園地帯だったというのですから、
町の変遷を調べてみるのも
面白いのかもしれません。


 渋谷の変貌もすさまじいのですが、
歳を取ったので、ついていけない気分になります。
仕事でも若い人が経営するIT企業は渋谷にあるので、
訪問する機会がありますが、
やっぱり落ち着きません。

そういう意味では、
年配者にとっては
まったく風景は変わりますが
浅草は落ち着く街なのかもしれません。

私たちの頃は、
東京に住んでいる人のまだまだ多くは
田舎を持っていましたが、
いまの若い人は、
両親がそもそも東京生まれで
祖父母に会いに田舎に帰る感じの
GWの過ごし方をした人が多いのだと思います。


 そして、その若い人が
親になってきているので、
今度は私たちの世代が祖父母世代で
そもそも田舎に帰るということが
なくなりつつあるような気もします。
そうなってくると、
時代的な感覚で
浅草などの下町に行って
ノスタルジーを感じるように
なっていくのかもしれません。

世の中はすごい勢いで変化しています。
インバウンドという外的要因で
都市が変貌していくことに面白さを感じますが、
やっぱり東京の魅力には
奥深いものがあると感じさせてくれました。


 GWの東京都心は人も少なく、
久しぶりに多くの東京人が
地方に脱出していることを感じます。

逆に都心にいて
のんびりさせてもらおうと思っています。
みなさんも、いろいろな意味で
人生を振り返るゴールデンウィークを
楽しんでいただければと思います。


お金のいらない国


 マネーとスピリチュアル研究会は、
最初の山場である
「世界で一番簡単な経済学」の回を
無事に終えることができました。
なるべく簡単にまとめたつもりでしたが、
スライドを作った段階で、
「全然わからへん」と
強烈なダメ出しをいただきましたが、
文字を少なくすることで
かなりわかりやすくなったと
OKをもらえました。
本番は主催者のアーシャ(福田彩子さん)と
掛け合い漫才の要領でやろうと
打ち合わせしていたのですが、
結局はほとんど一人で話していました。


 いまの世界の金融は
1944年のブレトンウッズ会議というので決まった
IMF(国際通貨基金)と
世界銀行体制で運営されています。
これを創ったのは
イギリス人のケインズと
アメリカ人のホワイトという経済学者でした。
圧倒的なパワーを持っていた
アメリカの意見がほとんど通ったのですが、
ケインズの見通しのように世の中は推移して、
金の裏付けがまったくない
不換紙幣中心の通貨システムと
為替の価値が絶えず変動相場性で
運営されるようになりました。
アメリカが没落して
中露中心の金融システムで動くという方がいますが、
金本位制に戻ることはできないことを考えると、
まだ何十年かはかかると私は思っています。


 そこまでは、話せていませんが、
経済はみんなが豊かに暮らせるようにする
政治のことで、
近代経済学は完全雇用
(自発的な失業者が存在しない状態)を
実現するためにできたものであること。
理論的には古典派経済で完全に完成したのですが、
貧困問題が解決しないことでマルクス経済学ができ、
さらに世界大戦と大恐慌が起こったことで、
その中間の政策としての
ケインズ経済学が生まれたこと。
戦後の政治経済は大体
ケインズ経済学で運営されてきたこと。
これが、あったから
新幹線や高速道路が広がっていることなどを
お知らせしました。


 ケインズ経済学の要点は、
有効需要を創造して
それを効率よく運用するために
乗数効果を高めること。
有効需要というのは簡単に言うと
仕事を作ることで、
乗数効果というのは
せっかく仕事を作って
マネーを市中
(世間でも大体OKです)に流したのだから、
それをなるべく早く多く循環させて
景気をよくすることだという
説明をさせていただきました。

ここから、数学主体の
計量経済学が生まれていき、
それで経済学が自然科学
(計算できる科学)になったので
ノーベル経済学賞ができたこと。
でも、厳密に言うと
経済学賞はノーベル賞ではないこと等を
説明させていただきました。


 これからも気は抜きませんが、
私も一緒に勉強させていただくという
チャレンジングな内容になっているので、
楽しくやらせていただいています。

マネスピを始めて
いいことがいろいろあります。
例えば、
お金のいらない国」の
長島龍人先生
久しぶりにお会いできたことです。
多分、15年ぐらい前に
「お金のいらない国」のことを知って、
その直後に
お会いさせていただいたことがありました。
それ以来、
こんな世界を創っていくのが
私の役割だなと思っています。


 龍人先生に、
当時こんな世界を創るのには
どれぐらいかかると思っていますか、
とお聞きしたことがあります。
先生のお答えは500年ぐらいかな、
ということでした。
それを少しでも早くするために、
逆説的ですが
経済のことが苦手で、
できれば考えたくないと思っている方に
お金の本質を知っていただきたいと思ってきました。
アーシャのおかげで、
そんな一歩が切れたことを
とても感謝しています。

お母さんたちが、
豊かに暮らすための
基本的な政治経済の本質を
簡単に理解してくれるようになったら
いい社会は間違いなく実現すると思います。


 龍人先生は、
ご自身のホームページに、
最新作
「お金のいらない国5 ~お金の正体は?~」
無料開会されています。

4月24日付の新聞に
スマートフォン決済のPayPayの
昨年度の決済取扱高が
10兆円を超えたと報道されていました。
そんなキャッシュレス時代の話題も
取り込まれている最新作が
誰でも無料で読めるようになっているので、
ぜひ、読んでみて
旧作にも興味をもっていただければと思います。


 私は、キャッシュレス決済が普及する前は
一番いいお金との付き合い方は、
いつもニコニコ現金払い、
だったと思います。
ただ、いまは
キャッシュレス化が進む方が、
お金のいらない国に向かっていく
進化のスピードが上がっていくと思っています。

最新作の中で、
「お金とは
『交換の権利を数字で表したもの』」
という場面が出てきます。
その通りだと思いますが、
現金を使っているよりも
キャッシュレスの方が
その実感が持てると感じるからです。
そして、やがて必ず必要になる
ベーシックインカムも、
キャッシュレス化が
大前提になるとも思っているからです。


 私も、PayPayのアプリを
ダウンロードするのには苦労しましたし、
いまも本人確認をするのに
ちょっと手間取って苦労していますが、
これぐらいは新しい時代を体感するためには
必要な事と割り切っていきたいと思っています。

評価経済社会


 私は、もうすぐ59歳になります。
正直、世の中の変化についていくのは大変ですが、
私よりも年上の方が28年も前に
現在の社会のことを見通していた本があることを知り、
ちょっとびっくりしています。
オリジナルのタイトルは
ぼくたちの洗脳社会
(朝日文庫)。
アマゾンの写真に掲載されている帯には
「自由洗脳競争社会」がやってくる。
と書かれています。

著者は岡田斗司夫さん
FREEex(フリックス)という
まったく新しい経済システム組織の
代表をやっておられます。
2011年に
「評価経済社会」
(ダイヤモンド社)
として新版を出版され、
私は2013年にさらにそれを電子版にして
加筆修正されて出版された
評価経済社会 電子版プラス」
(ロケットブックス)
を読ませていただきました。

本書には1980年に出版された
アルビン・トフラーの
第三の波
(中公文庫)や
1985年に出版された
堺屋太一の
知価革命
(PHP文庫)
等が紹介されていて、
とても懐かしく思い出しました。


 特に「第三の波」は、
当時の父もよく取り上げていて
高校生だった私でも、
社会の変化の方向性がよくわかる
とても面白い本だと思ったことをよく覚えています。
私のいまに至るまでの
理屈っぽさを形作ってもらった本
といっても過言ではないかもしれません。

狩猟社会が農業社会になり、
それが産業革命を経て工業社会になり、
今度は情報化社会になっていくということを
43年前には見通していたのですから、
社会の発展の方向を捉えておくということは
上手く生きていく上で
大事なことなのだと思います。


 当時の父は、
まだ目に見えない分野の発信は
ほとんどしていませんでしたが、
逆に流通業界のコンサルタントとしては
一番油の乗り切ったころで、
「第三の波」に興味を持てたので、
中学生にして
当時の父の本が
面白く読めるようになったのかもしれません。
堺屋先生の「知価革命」も
大学生当時に読んだと思いますが、
こちらはそれほどインパクトに
残っていないことを考えると、
やっぱり最初に理屈の世界に引き込まれた本は
新鮮だったのだと思います。
ただ、「評価経済社会」の
基本コンセプトとも言える引用が
「知価革命」には書かれているようで、
その部分を引用させていただきます。


 
(引用開始)

 では、堺屋が
『知価革命』の中で述べている
価値観の変化とはどんなものでしょうか?  
堺屋は、いかなる時代、いかなる社会にも、
社会の共通概念である基本価値観
「やさしい情知の法則」があると書きました。
その法則を次のように定義しています。

「やさしい情知の法則」=
「どんな時代でも人間は、
豊かなものをたくさん使うことは格好よく、
不足しているものを大切にすることは美しい、
と感じる」

堺屋はこの「根源的な法則」を、
『知価革命』の中で何度も主張しています。
この法則を 使って
過去から現在における変革をとらえ直し、
未来を予測しているのです。
この法則、はっきり言って
ものすごく「使え」ます。

(引用終了)


 この部分は何か
記憶にあるような気もしてきました。
基本的には、
有り余っているものをたくさん使い、
足らなくなってきたものを
大切にするようになると考えれば、
時代のトレンドが読めるということになります。
そして、岡田さんは、
これからの時代のトレンドを読むためには、
若い人がどんな指向を持っているかを考えればいい
ということも教えてくれています。

これからの時代は、
何よりもお金を大事にする
「貨幣経済社会」が廃れて、
他人からの評価をお互いに求めあう
(これを洗脳競争と表現されています)
「評価経済社会」になっていくと読まれています。


 オリジナルは1995年に書かれているのですが、
それがいまでもまったくあてはまるのは
すごいと思います。
この本にたどり着いたのは、
岡田さんと山形浩生先生との対談本
「お金」って何だろう?
(光文社新書、2014年)を
まず読んだからです。

マネーとスピリチュアル研究会
最大の難所「世界で一番簡単な経済学」が
4月22日(土)に迫っており、
そのための準備をするために読んだ本でした。
山形先生は今回のメインテーマであり、
いまの経済学というか
社会の在り方そのものを作る
土台の理論を提供したとも言える
ジョン・メイナード・ケインズの
雇用、利子、貨幣の「一般理論」
(講談社学術文庫)
の翻訳者であり、
ケインズを一番わかりやすく
日本に紹介している第一人者です。


 そして、私が最近、
いまの若い人はお金ではなくて
承認欲求(簡単に言えば「いいね!」)を
求めているということを
28年前にすでに見破っていた
(しかも、その本がベストセラーになっていた)
ことにびっくりしているのです。

正直に言うと、
『「お金」ってなんだろう?』の議論においては、
私は山形先生推しですが、
岡田さんの思考方法は本当に参考になりました。

「評価経済社会」と「知価革命」は、
アマゾンのプライム会員の方は無料で読めますので、
ぜひ挑戦していただければと思います。


霧のお墓参り


 先日、久しぶりに
熱海にある舩井幸雄記念館に行ってきました。
主目的は、久しぶりに
母に会いに行くことだったのですが、
当日は関西方面に出張の予定が入っていて、
イメージで言うと
途中下車したということになります。
4月になって新年度が始まり
保育士の先生が増員されたことで
少し時間ができた、
熱海パンダの森保育園の園長をしている
妹にも久しぶりに会って、
いろいろ話ができてよかったと思っています。


 当日は恵みの雨が降っていて、
外出するようなお天気ではなかったのですが、
せっかく熱海まで来て、
しかも少し余分な時間があったので
こちらも久しぶりに
十国峠の近くにある
父のお墓参りに行ってきました。

母が、株主総会を終えた
船井総研ホールディングスグループの役員の方々が
先日、お墓参りを兼ねて
記念館を訪れてくださったという話を
嬉しそうにしてくれたのがきっかけですが、
こういう天気の日にこそ
父が「たまにはお墓参りに来るのもいいぞ」と
呼んでいるように感じたからです。


 記念館から箱根に向かって
山を登っていく感じでドライブしていくと
お墓があるのですが、
平地ではほとんど散ってしまった桜が
山の上ではまだきれいに楽しめました。

母は桜もいいけど、
この時期の新緑が最高で、
特に父の部屋から見える紅葉の新緑は
何とも言えない美しさで
楽しませてもらっていると話してくれましたが、
確かに熱海の山の上の方も
季節の移り変わりを感じられて、
雨の中とは言え
久しぶりにのんびりしながら
自然の恵みを味合わせていただきました。


 ただ、十国峠に近づくと
深い霧が出てきました。
ほとんど車は走っていませんでしたが、
イメージで言うと
前の車のテールランプが
よく見えないぐらいの深い霧で、
逆にこの天気は
久しぶりにやってきた私のために
父が演出してくれたのかなと感じました。

天気が良くて空気が乾いているときなら
十国峠からも
きれいな富士山が見えることがあります。
父は、車で十数分で行ける十国峠が好きで、
箱根も含めてこの地が
日本にとって大事な場所だという
認識を持っていたように思います。


 芦ノ湖には龍神がいるようなイメージも持っていて、
時々芦ノ湖1周のドライブを楽しんだりもした時に、
そんな話をしてくれたことを思い出しました。

私は、いま
マネーとスピリチュアル研究会のための
勉強に追われている毎日を過ごしていますが、
お金は神さまが龍神を使って
水から作ったツールではないかと思っていますし、
そんなことをマネスピの場で話させていただきました。

お金の研究をしている私に対して、
父が何かを伝えたいから演出したのかなと思っています。
いまのところ、それが何なのかは
明確にはわかっていませんが、
何かをダウンロードできたような気はしています。


 9年前の父の社葬の時に、
東京はものすごい雪になりました。
私たちは、父が何かの戒めのために
大雪を降らせたに違いないと言っていたのですが、
弔辞を読んでいただいた
台湾の大手企業の元CEOの方にお礼に伺ったところ、
お会いしてすぐに
「おめでとう」とおっしゃいました。
意味がわからなかったのですが、
「中国では大事な行事の時に雨があると、
祝福されているのだという風に考えるのです。
ましてや、あれだけの大雪は、
舩井先生が船井総研も舩井家も
これから絶対に
お金に困らないようにしたということなので、
おめでたいのですよ。」
と、教えてくださいました。


 ちなみに、社葬に全国各地から
大勢の方にご出席いただいたのですが、
当日は交通機関が麻痺してしまって
多くの方にご迷惑をおかけしてしまったのですが、
そのCEOの乗られた台北行きの飛行機だけ、
翌日のフライトが時間通りに飛んで
スムーズにお帰りになることができたそうです。

達観している方には、
そんな天の味方まで付くのだなと感心したことを
いまでもよく覚えています。

その直後に、
はせくらみゆき先生との共著
「チェンジ・マネー」を
出版させていただいたのですが、
その中でみゆき先生が、
前述のように
マネーは神さまが水から作って
人間に与えてくれたものである
というお話をしてくださったのです。


 この原稿は、
広島県の江田島のリゾートホテルで
書かせていただいています。
幸いにも、今日はいい天気で
きれいな海を眺めながらペンを走らせています。
島国で雨に恵まれている日本人には、
河川や海や湖など、
水辺の楽しい思い出を
いくつかは持たれているのだろうと思います。

私もおかげさまで、
日本中を旅する機会があり、
いろいろなきれいな水辺を
楽しませていただく機会が多くあります。

イスラエルのような砂漠の多い国に行くと、
水は本当に貴重なものになります。
ただ、それを反骨精神にして、
豊かさを築いています。


 水に恵まれている私たちは、
素直にその恩恵を活かして
これからお金に困らない世の中を
作り上げていかなければいけないと思います。
そして、儲けるのが使命の方は、
遠慮することなく儲けていただいて、
それを世のため人のために
活用するように使っていただければ
いいのではないかと思います。

素直に豊かになる時代がやってきたことを、
父は何らかの形で知らせてくれたような気がします。
近いうちに、そのメッセージを
理解できるような気がしています。

マネスピの場や、このような原稿で
発表させていただきたいと思っていますので、
どうぞよろしくお願いいたします。


シリコンバレー銀行


 3月10日に
総資産額2090億ドルで
全米16位
(日本の銀行でもベスト10入りします)
の規模の
シリコンバレー銀行が
カリフォルニア州の金融当局によって
営業逓信命令を受け、
連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれました。

金融関係者のほとんどが、
シリコンバレー銀行が倒産するということを
事前に察知しておらず、
対応が遅れたのではないか
という見方が広がっていました。

今度はそれが、ヨーロッパに飛び火して、
かねてから危ないのではと言われていた
クレディスイス銀行に対する
取り付け騒ぎが起こりそうになりました。
こちらは、スイスの金融当局が主導する形で、
スイス第1位の銀行である
UBS銀行に合併する形で危機を乗り越えました。


 欧米の金融システムの破綻にまで
つながる可能性があるのではないか
という見方が一時的に広がり、
すわ金融恐慌か、
という警戒態勢がいったん敷かれましたが、
4月になって振り返ってみると、
とりあえず金融市場も含めて
落ち着きを取り戻してきました。

ただ、2008年のリーマンショックの時も
1年数カ月前に
サブプライムローン危機を発端にした
大手投資銀行の一角を占めていた
ベアー・スターンズが危機に陥り、
結局はJPモルガン・チェースに
救済合併されるという事件がありました。

同じことを連想している金融関係者はたくさんいて、
2024年か25年に
本格的な金融恐慌が起こると
予想している人が多くいるようです。


 個人的には、
そんなことも十分あり得るとは思っていますが、
リーマンショックの時は
サブプライムローンから作られた
怪しい金融商品が
投資銀行業界で蔓延していた
という原因が
後付けですが、はっきりわかっています。

今回のシリコンバレー銀行の破綻は、
米国債への過剰投資が原因で、
サブプライム関連商品のように
怪しいものに投資をしていたわけではなく、
間違いなく世界で最も信用力がある
米国債に投資をしていたに過ぎません。

インフレ懸念に対する対処を優先していて
アメリカの利上げ戦略によって、
米国債の価格が下落していることで起こった危機で、
問題の本質はかなりレベルが違うとは思います。


 シリコンバレー銀行の場合は、
情報の伝達が異様に早いことも
大きな原因だったと言われています。

SNSで誰かが
シリコンバレーが危ないのでは
という情報を発信すると、
それがあっという間に拡散されて、
しかもネットバンクが
どこよりも進んでいる環境が整っていたので、
銀行の店舗まで預金を下ろしに行く
取り付け騒ぎが起きる前に、
すでに多額の預金が
ネットバンクで下ろされ始めたことが
要因だったのではと言われています。

いかにも、いまどきの銀行倒産なのですが、
金融当局も事態に学ぶべきところは多かったので、
対処法を考えるのは
そんなに難しくないのではないかと思います。


 それでも、金融危機が起こるときは起こるので
何が起こっても大丈夫なように
私たちも会社や家族のために
独自の対応方法を考えておくべきだとは思いますが、
やっぱり一番いいのは、
そんな危機が起こらないように
みんなの思いをひとつにすることではないかなと思います。

リーマンショックの時も、
日本の金融システムは
ほとんどサブプライムローン商品には
毒されていなかったにも関わらず、
先進国の中でもかなり大きなダメージを
こうむってしまったという事実はありますが、
現在の日本の金融システムは
欧米に比べてもかなりの堅固さを持っているので、
たとえ欧米で金融危機が起きても、
それが日本の銀行の倒産にまで至る確率は
5分5分ぐらいではないかと思います。


 マネーとスピリチュアル研究会などの講演会で
このことをお話しても、
金融危機が迫っていたということに
気が付いていない人が
大半を占めているように感じます。
あまり心配し過ぎるのもいけませんが、
少しぐらいは金融的に何が起こっているのかに対して
興味を持っていただけるようになった方が
生きやすくなるのにな、とは感じます。

マネスピ研究会は
1年を通してのお申し込みは終了していますが、
単発でのご参加は可能です。
4月22日(土)には
大阪でリアル講演会もやりますので、
世界で一番わかりやすい経済学の話を
させていただきたいと思っておりますので、
ご参加をご検討いただければ幸いです。


 現下の問題は、
インフレにどう対処するかということですが、
もうすぐ退任される日銀の黒田総裁の
悲願が実現したという見方も考えられます。
インフレ下では、
経営者も消費者も
勉強することが
うまく生きるためのポイントになります。
専門用語をなるべく使わずに
ニュースの見方がわかるようになるような講座を目指しますので、
オンラインでも参加いただけますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

北欧の女神ゲフィオン


 ノーベル賞授賞式の晩餐会が行われる、
スウェーデンのストックフォルム
市庁舎にある黄金の間には、
女神ゲフィオンの壁画が描かれているそうです。
いときょう著
「フトマニと北欧の女神ゲフィオンから読み解く
 古代人の宇宙観と文字生成の原理」
(ホツマ出版)

の表紙には
そのゲフィオンの壁画の写真が載っています。
市庁舎の中庭から見える
メラーレン湖という美しい湖は
北欧神話によると、
女神ゲフィオンが創ったと言われているそうです。


 私は残念ながら
スウェーデンに行ったことがありませんし、
北欧の神話にも詳しくはありませんが、
いときょう先生によると、
この宇宙観と
ホツマツタヱに関連する太占(フトマニ)という占いが
文字生成の原理を見事に説明していると
解説されています。
いときょう先生と
カタカムナ研究家である吉野信子先生の共著
「ホツマツタヱとカタカムナで語り尽くす
 超古代史が伝える日本の源流と新世界の始まり」
(明窓出版)

によれば
ホツマツタヱの概要は以下のようになります。


 
(引用開始)

「ホツマツタヱ」とは、
古代文字「ヲシテ」で書かれた日本最古の歴史書で、
古事記、日本書紀の
元になったとされる書物と言われている。
五七調の長歌体で記され、
約12万文字、全40章からなる。
古事記、日本書紀と同様、
古代の日本の国造りを描いているとされる。

 また、和歌や日本の祭り、
行事の起源なども書かれており、
縄文文明を知る上でも貴重な文献と言える。

 すべて漢字で表記されている古事記・日本書紀に対し、
ホツマツタヱには、縄文時代より使われてきた
日本固有の文字・ヲシテ文字が使われている。
ヲシテの基本となる文字は48。
点や線で表される子音と、
丸や三角、四角で表される
5母音を合わせて発音がつくられる。

 昭和41年8月、
「現代用語の基礎知識」
初代編集長であった松本善之助氏が
東京・神田の古書店で
「ホツマツタヱ」の一部の写本を発見したことが、
今に繋がる研究の始まりと言われる。

 その後、平成4年、
高島市安曇川の日吉神社の蔵から
全40アヤ(章)が発見されたことで、
一気に研究が進んだ。

(引用終了)


 いと先生は経営者でいらっしゃったのですが、
ホツマツタヱをはじめとする古代文字に魅かれ、
その研究者となり
ホツマ出版を立ち上げて
代表取締役に就任されています。
にんげんクラブでも
定期的にセミナーを開催してくださっていて、
多くのファンが講座を楽しみにされています。

私は10年ぐらい前に初めて
ホツマツタヱのいと先生の講座を
聞かせていただいたことがあります。
ホツマツタヱでは天照大神は
アマテル神と呼ばれて男性であること、
アマテルの皇后がセオリツヒメであることなどを知り、
とても興味を持ちました。


 その後、セオリツヒメの縁の神社に
何度か行かせていただいたりして、
いと先生のお優しい人柄と相まって
その世界観が大好きになりました。
ただ、きわめてアバウトな性格なので、
いと先生のように研究をするには至らず、
何年か前に
いと先生のご推薦される本は入手していたのですが、
得意の積読になっていました。

冒頭で紹介した
女神ゲフィオンのことが書かれている本も
そんな中の1冊なのですが、
4月2日(日)に
いと先生と一緒にセミナーをさせていただくことになり、
いまになってあわてて読み始めたというわけです。


 最近、「マネーとスピリチュアル研究会」を始めたのですが、
そのための資料を作っている過程で
十種の神宝(とくさのかんだから)の解明が
自分なりに進んできました。
そんなことを聞き及びになられた
いと先生から
一緒にセミナーをしようという
ご提案をいただいたのです。
ホツマツタヱにもトグサタカラという表現で
十種の神宝が出てくるそうで、
古代文字で書かれた
日本の国造り神話の段階まで遡って、
古代の叡智を解明できることになるのかもしれません。


 私は、研究の過程でつかんだ
それぞれの神宝の特徴を
お話させていただこうと思います。
どうも、エゴ(我欲)を超越して、
自分のことだけではなく
世のため人のために生きるということを実践するのが
十種の神宝を使いこなすためのポイントになるようです。

エゴの時代は三種の神器で治めた世の中が、
人類の精神性が高まってくると
十種の神宝まで使いこなせるようになってきて、
まさにその準備のためのクライマックスに
世の中は到達しているのかもしれないという仮説を考えています。


 直前のお知らせで恐縮ですが、
4月2日のセミナー
ご参加いただければ幸いです。
宇宙創成の原理や
世界各地の文字生成の秘密ですら書かれている
ホツマツタヱの世界観を感覚的につかむことは、
私たち人類が進化していくために絶対不可欠なことだと感じます。

縄文時代を解き明かす
ポイントになるとも言われているホツマツタヱ。
私も真摯に学ばせていただきたいと思っています。


序破急


 最初に自分のレポートの間違いから
指摘させていただきます。
先々週の当欄で、
「守破離」と「離見の見」という言葉が
世阿弥の「風姿花伝」で書かれているものだと
書かせていただいたのですが、
どちらも間違っていました。

「守破離」は千利休が言った
という話もあるようですが、
実は出典がよくわかっていないもののようです。
「離見の見」は世阿弥が「風姿花伝」の後で書いた
「花鏡」の中で書いているもので、
こちらの方はまあ近いとは言え、
間違いは間違いなので
謹んで訂正させていただきたいと思います。


 間違いに気が付いたきっかけは、
林望著
すらすら読める風姿花伝
(講談社+α文庫)
を読んだことです。
「風姿花伝」の原文を紹介して
現代語訳と解説を書いている面白い本ですが、
先々週の原稿を書く前に読もうと思って
買ってあったのですが、
時間がなくて
読まずに原稿を書いてしまいました。

遅ればせながら読んだのですが、
Kan.さんがワークプログラムで使った
「秘すれば花」はもちろん出てきたのですが、
私が間違えた二つの言葉は
最後まで読んでも出てきません。
心配になってネットで検索したのが
上記の結果になります。


 まさに思い込みをしっかりと確かめることなく
原稿にしてしまった私のミスですが、
「守破離」と似たような言葉として
「風姿花伝」に出てくるのが、
「序破急」という言葉です。
やっぱり昔から買ってあって読んでいなかった
土屋 惠一郎著
NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝
(NHK出版
)に以下のような記述があります。
せめて、この本を読んでいれば
間違えなかったかもしれないと悔やんでいますが、
まあ、このようにネタにできているので
大変厚かましくはありますが、
よかったとさせていただきたいと思います。



(引用開始)

続いて紹介したいのは
「序破急」という言葉です。
「序破急」は、
もともと雅楽にあった
音楽や舞などの
形式上の三区分を表す言葉です。
世阿弥がオリジナルで
つくったものではありません。

しかし、世阿弥がこの言葉を
単なる音楽上の意味ではなく、
意味をひろげて大事な言葉として使ったことで、
世阿弥の言葉として理解されているかもしれません。
「序」は「はじめに」という意味です。
能の「序の舞」は、
冒頭部分に笛と足踏み(「序」)を含ん だ
舞を指します。
その後、音楽が少し高まる「破」があり、
さらに盛り上がっていく「急」がある。
舞の中に、序破急という
三段階の流れがあるのです。
世阿弥は、すべてのことには序破急があり、
能でも舞に限らず、
物語のプロットや、
一日の公演プログラムも
序破急に則って構成するとよいと言っています。

(引用終了)


 私だけではなく、
「守破離」という言葉は
世阿弥が言った言葉だと思い込んでいる人が
どうもたくさんいるようです。
それだけ、世阿弥が残した考え方が
現代にも通用する奥の深いものだということだと思います。

ちなみに、この「100分de名著シリーズ」という
Eテレの番組を本にしたものは、
とても参考になるものが多くあります。
普段は私が知見を持っていない分野の原稿を書く時は
よく参考にさせていただいています。
テレビ番組は、たまにしか拝見したことがないのですが、
私はテキスト派なので
本で読む方が得意ですが
動画派の方は
NHKのオンデマンドも観られるようなので、
ご興味がある著者のことを知る
一助にしていただければと思います。


 NHKの受信料を払わされることに対して
一家言持っていらっしゃる方は
たくさんいらっしゃると思いますし、
確かに中途半端なあり方だとは思いますが、
やっぱり単純に収益を目的とする民放では
なかなかこういう番組を作るのは難しいと思いますので、
私は基本的には
喜んで受信料を納めています。

デジタルの時代がここまで進んだことで
新聞やテレビの存続が危ういという
話を聞くようになりました。
もしかしたら、
こういう質の高いコンテンツを作っていくところに
解決方法があるのかもしれません。


 『NHK「100分de名著」ブックス
 世阿弥 風姿花伝』の
著者の土屋先生のご意見ですが、
世阿弥の父親の名人であった観阿弥が
室町幕府の三代将軍足利義満の前で、
それまでは長老が舞うものと決まっていた
「翁」という演目を
自分で舞って将軍の庇護を得ることに成功しました。

猿楽と呼ばれていた能の原形は、
それまでは寺社仏閣で定期的に演じられるもので、
いわば寺社仏閣から雇用されているような
猿楽の踊り手が人気商売になりました。
それ自体はマーケットが格段に広がったので
いいことなのですが、
安定はなくなり
実力によって地位を得ていく
競争にさらされることになったという
背景があるという解説がなされています。


 世阿弥が「風姿花伝」を残したのは、
競争社会に突入した能楽の世界で
子孫が生き残っていくための
秘伝の書としての役割を担わせるためだった
という解説には
納得させられるものがあります。
20年ぐらい前から
競争社会に突入した現代社会において、
能の奥義とも言える
世阿弥の著書の人気が高い背景には
こういう事情があるのかもしれません。

競争社会から、また一歩進んだ
共生社会を目指している私たちにとっては、
その後の能楽の発展を学んでいくと
とても参考になるのかもしれません。

世阿弥の時代から600年経っても
存続している能楽から
学べることは多いような気がしています。

金融危機の始まりか


 アメリカで銀行破綻が
相次いで2行で起こりました。
アメリカでの銀行破綻は
リーマンショック以来ということで、
FRBによる金融引き締めの副作用が
目に見える形で現れたと言ってもいいのではないでしょうか。

象徴的なのは
シリコンバレー銀行の破綻。
個人客を対象としていない銀行で、
預金の大半が
ITベンチャー企業のものだという話ですが、
とりあえずは預金が
全額保護されることが迅速に発表され、
これ以上のバンクラン
(銀行に預金を引き出す人が列をなして並ぶ状態。
銀行は資産額以上の貸し出しを行っていて、
バンクランが発生すれば
どんなに優良な銀行であっても
倒産する可能性はある)
は止まりそうです。


 倒産の原因となったのは
債券運用の損失が出たことがSNSで話題になり、
情報に敏感なシリコンバレー企業が
バンクランに走ったことにあるようです。
アメリカの金融関係者も
同行が危機にあるという
認識を持っている人はほとんどおらず、
どうもブラックスワン
(通常スワンは白いのですが、
まれに黒い白鳥が見つかること。
予期せぬ事態が起きて大惨事になることの象徴)
の臭いがすると
敏感になっている人もいるようです。

債券価格と金利は
逆の相関関係にあります。
いまのアメリカのように
金利が上がっている状態のときは、
債券価格は安くなっています。
運用でアメリカ国債などの
債権を多額に抱えていた同行は
売却損を出すことで
健全性をアピールする狙いだったようですが、
完全に裏目に出たようです。


 たまたま今週に入って、
証券会社の元幹部の方に
会う機会があったのですが、
どうも日本の地方銀行でも
国債を大量に保有しているところは
かなりの含み損を抱えているので
危ないのではと
噂されているところもあるようです。

アメリカの影響を受けて
日本の株式市場も大きく下げていますが、
特に銀行株が売られているのは
この辺りの連想があるからなのかもしれません。
シリコンバレーという
ハイテク地域を象徴する
銀行がつぶれたことは印象的なので、
これが直接の金融危機に発展するとは思いませんが、
ちょっときな臭いような感じはあります。

 
(引用開始)

金利がここまで上昇してくると、
史上空前の世界的な金融緩和で踊ってきた
金融マーケットや企業経営に
影響が及んでくるのは避けようがない。
現に、米国の債券市場は
昨年の 2022年に
18%を超す下げとなっている。
当然のことながら、
ここまでの金利コスト上昇分だけでも
企業経営に重くのしかかって くる。
それがジャンク債など
低格付け債を発行している企業の経営を襲うと、
デフォルト(債務不履行)発生となり、
債券価格全般の急落につながっていく。
債券市場が大きく崩れると、
債券の流通利回りは急上昇する。
それを市場金利の上昇と いうが、
一度始まるともう止めようがない。
その時は、もはや政策金利がどうのこうのなど
太刀打ちができない。
あっという間に、
金利水準全般が跳ね上がっていく。

(中略)

もっとも、その前に
空前の金融緩和政策に乗ってきた
カネ余りバブル相場が崩れ出していよう。
つまり、世界の債券や株式市場全般が
ドスーンと下げるわけだ。
その大きなふるい落しの先に、
玉と石コロとの選別が始まるのだ。

多くの投資家が吹き飛ばされよう。
それは個人投資家だけではない。
年金などを運用し ている機関投資家も
同様にバブル崩壊の地獄に叩き落されることに。
機関投資家は運用のプロといわれるが、
ひたすらマーケットを追いかけては、
日経平均株価などのベンチマークから
つかず離れずをもって運用しているだけ。
たしかに、1秒間に 1000回を超す
売買を繰り返したりの
高度なディーリング運用など、
テクニックはすごい。

しかし、しょせんは株価動向を追いかけるだけの
ディーリング運用である。
金融緩和バブルが吹き飛び、
株式市場が大崩れしだしたら、
一巻の終わり。
彼らの運用とやらは
マーケットと一緒に
暴落相場のドロ沼に沈んでいく。
そうなってくると、
本格派の長期投資家のみが生き残る。
というか、
1980年代から
どんどん絶滅危惧種的な存在に追いやられてきた、
われわれ長期投資家の復権だ。
長々と前口上を続けてきたが、
ようやく本物の長期投資が
真価を発揮する時が到来しよ うとしている。

(引用終了)


澤上篤人、渡部清二著
本物の長期投資でいこう! 40年に一度の大チャンスがやってくる
(かや書房)
の澤上先生の
「はじめに」からの引用ですが、
まさにここで澤上先生が書かれている
危惧が現実化してきたと言えそうです。

時代は大きく変化しそうな気がします。
私は必ずしも
澤上先生と同意見だというわけではありませんが、
これを機会に
「さわかみ投信」を
買ってみようという気にはなってきました。

投資は自己責任で行っていただかないといけませんが、
ご自分のナラティブ
(起承転結がない物語、妄想と考えてもOK)
を作っていただいて
一歩を踏み出す時なのかもしれません。

本書はとても面白かったので、
きっとナラティブづくりに役立つような気がします。
澤上先生超一流のナラティブを
味わえるという意味でも面白いので、
いままで投資に縁遠かった方でも
本書ぐらいからぜひ
勉強を始めていただければと思います。


水の巻


 恒例になってきた
「Kan.ワークプログラム」を
この日曜日に開催させていただきました。
最初の頃は、
私が20分間の対談をさせていただく時に、
位負けしている気がして
ちょっと負担が大きかったのですが、
最近は厚かましさが増してきたのか
だんだん楽しくなってきました。

いつも、控室での楽屋話が本当に勉強になるし、
そこでの会話をヒントに
対談の話題を組み立てていくのですが、
古今東西のすべてのことに
博識を持たれているKan.さんとの対話は
大きな広がりを持って
どこに飛んでいくかわからないので、
実は楽屋話が一番楽しみになってきました。


 今回のテーマは「秘すれば花」。
15世紀初めの室町時代に書かれた
能楽の始祖ともいえる
世阿弥が書き残した
風姿花伝」(岩波文庫等)
の中に出てくる言葉ですが、
能という日本独特の文化が
現代にまで残っている
大きな理由になっていると推測される秘伝書で
明治の終わりになってはじめて、
広く世間に存在が知られるようになってきたものです。

「守破離」
(まずは師匠の技を徹底的に真似て
まったく同じことができるようになった後に、
それと少し違う技を付け加える。
それが完全に舞えるようになったら、
今度は師匠の技を離れた
自分独自の世界観を開くことが可能になる)や、
「離見の見」
(舞台で舞っている自分を
客席に座っている(他次元の)自分が見る)
等の有名な言葉があり、
父も大好きな本でした。


 私が、
リメンバランスの前田知則先生の影響で
「父の呪い」
(通常は「母の呪い」:
両親とのトラウマの解放が
自分を生きるための第一歩になるという考え)
という話を言い始めた時に、
父が
守破離もできていないので
そんなことを言うのは間違っていると
直接私に言わずに著書に書いたことがあり、
大いに反省させられたこと
(少し反発も感じましたが...)がありました。

父の没後9年を経てようやく
今回のワークプログラムで、
父が「以心伝心」や「一子相伝」の思いで、
言葉にならない大切なことを
伝えようとしていたことが
わかってきたような気がしています。


 楽屋話で
2月の中旬に物部彩花先生らと
熊本にある
宮本武蔵が「五輪書」(岩波文庫等)を
書いたと言われる霊巌洞に行ってきた
話をさせていただきました。

Kan.さんも少し驚いておられて、
実は高弟でセミナーにも参加してくださっていた
空手の世界チャンピオンの方から
前日に霊巌洞にご家族で行かれた
という話を聞かれたばかりだったそうです。


 私の場合は、
ちょうど近辺の磐座巡りに
ご案内いただくことになっていたのですが、
父が「五輪の書」が好きだったこと
(「人生五輪の書」「経営五輪の書」
(後に合本して完本 船井幸雄の五輪の書―人生の奥義、経営の極意
(いずれもPHP研究所)、
という著書もあります)を話すと、
近くだからと
最初に連れて行ってくださいました。

物部先生が
「五輪の書」が書かれた洞窟の中で
「君が代」を荘厳に歌われたり、
私も短い瞑想を楽しませていただいたりしたのですが、
物部家は古代大和政権においては
武器の製造と保管管理を担っていた
ということが書かれている小説ではありますが
「池澤夏樹著「ワカタケル
(日経新聞出版)」
を読んだときに、
もしかしたら未来の武器は
兵器ではなくて音楽になっていくので、
武蔵の精神が彩花先生に伝わるために
必要だったのではないかなと思ったりもしました。


 私は実はまだ
五輪の書を読んだことがないというと
Kan.さんは
「まずは「水の巻」を
じっくり読むと読みやすいですよ」
というアドバイスをくださいました。
そこで宮本武蔵の研究者でいらっしゃる
魚住孝至放送大学教授が編纂されている
宮本武蔵「五輪書」 ビギナーズ 日本の思想
(角川ソフィア文庫)
で「水の巻」を読んでみました。
心に引っかかった部分を引用させていただきます。



(引用開始)

心の内にごらず、広くして、
ひろき所へ智恵を置べき也。
智恵も心も、ひたとみがく事、専也。
智恵をとぎ、天下の利非をわきまへ、
物毎の善悪をしり、万の芸能、
其道そのみちをわたり、
世間の人にすこしもだまされざるやうにして後、
兵法の智恵となる心也。
兵法の智恵におゐて、
とりわきちがふ事有もの也。
戦の場、万事せはしき時なりとも、
兵法の道理を きわめ、
うごきなき心、能々吟味すべし。

(中略)

目の付やうは、大きに広く付る目也。
観見二つの事、観の目つよく、
見の目よはく、遠き 所を近く見、
ちかき所を遠く見る事、兵法の専也。

(引用終了)


同書には現代語訳も載っていますが、
前半は知恵と心を磨いていくことの大切さと、
その知恵は武芸だけではなく
広くいろいろなことを学んで
騙されないレベルにまで達していないといけない
ということが書かれています。
後半部分は目のつけ方の解説です。
「観・見」二つの目のつけ方があり、
「観の目」を強くして、
「見の目」を弱くして
遠い所を近いように見、
近い所を遠いように見るようにすることが
兵法には不可欠であるという教えが書かれています。

最初の方の「人生五輪の書」が書かれたのが
1982(昭和57)年なので、
父が49歳の時の著書になります。
経営コンサルタントとして
油が乗り切ったところから、
競争の勝ち方だけではなく
よりマクロな視点を持たないと
本当の経営にはならないということに
気が付き始めた頃のことなので、
兵法の極意を
武蔵が武芸以外のことや、
マクロもミクロもわかる目の付け所を持つことで
説いたことが、
現代の武芸とも言える経営にも
ぴったり当てはまることの面白さを
本にまとめたかったのだと思います。

父が大好きだった
「如水:水の如くある」
という言葉とぴったりくるところからも、
父もKan.さん同様、
「水の巻」から「五輪書」の世界に
入っていったのかもしれないなと感じています。

言葉になっていない部分を
図らずも理解できたエピソードですが、
皆さまもそれぞれの
「以心伝心」や
「秘すれば花」を
感じていただければと思います。

国士が遺したもの


 歳を取ると月日が流れるのが早く感じられて、
あっという間に3月になってしまったという感覚です。
それでも、いろいろ進歩を感じられているのがうれしくて、
この激動の時代に生きていることに感謝したいと思います。

NHKのドキュメンタリー番組を基にしてできた
安井浩一郎著
独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた
(新潮社)
を読ませていただきました。
阪神ファンの私からすると、
読売巨人軍の元球団社長というイメージで
あまり好きな人物はないのですが、
ナベツネさんは96歳のいまでも
読売新聞の主筆として活躍されているマスコミの大物で、
それよりも実際に自民党の内部に入り込み、
戦後政治の重要な場面では
必ず大きな影響力を与えてきたことが
この本を読んでよくわかりました。

2月10日に発信した舩井幸雄.comで、
安倍晋三回顧録
(中央公論社)
を紹介させていただいたのですが、
正直な感想で言うと、
戦後の昭和29年生まれの安倍総理と
大正生まれの渡辺主筆の
人物の大きさを比べてしまうと、
どうしても大きさが違うような気がします。
一番、大きいのは
戦争体験があるかどうかかもしれないなと
独白の方を読んで思いました。
渡辺主筆は数カ月ですが、
徴兵されて陸軍二等兵として
理不尽な軍隊体験を持っておられます。
そこから、絶対に戦争はしないという
保守の論客でありながら
平和を強く思う気持ちを強烈にお持ちです。


 もちろん、安倍総理にも
平和を追求する政治家としての尊いお気持ちは
十分におありだったと思いますが、
やっぱりご自身の戦争体験を基にしているものには
比べられないのかもしれません。
大野伴睦や田中角栄、それに陣笠議員や
平記者だった頃からの盟友である
中曽根康弘などの政治家の懐に潜り込んで、
日韓の国交回復や沖縄返還などの
戦後日本のエポックメイキングな事件に
記者としてではなく
当事者としてかかわったすごみは
ものすごいものがあります。
私は、子どものころから読書と政治が好きだったので、
年齢の割には戦後政治に知識があるから
面白いのかもしれませんが、
ぜひ「安倍晋三回顧録」と合わせて
お読みいただきたいと思います。


 実は、渡辺主筆の独白を読んでいて思い出したのが
昨年11月に惜しくもお亡くなりになった
外交評論家の加瀬英明先生のことです。
先週、偲ぶ会があったのですが、
若い頃から大変お世話になっていますので
出席させていただきました。
親友の赤塚高仁さんと一緒に行ったのですが、
テレビやマスコミで
お顔やお名前をよく見かける人たちがたくさんいらしていて、
加瀬先生の交友範囲の広さを改めて感じました。

ナベツネさんの独白論で
安倍総理の祖父である
岸信介総理のことも取り上げられていますが、
当時の時代背景の中で、
戦前が甦ってきたように感じさせてしまったのが、
岸総理があれだけの実力と才覚があり、
安保改定という大仕事を成し遂げたにも関わらず、
評価が低い原因ではないかと
コメントされていたのが気になりました。


 加瀬先生や安倍総理、
そしてナベツネさんの読売新聞などが頑張ったので、
時代はかなり保守的な考え方が
受け入れられるようになってきましたが、
戦後はずっと戦前の軍部独裁の反動で
リベラルな考え方が優勢でした。
偲ぶ会で有識者の皆様のご挨拶をお聞きしていて、
あの時代に加瀬先生のような
リベラルから見れば尖がった主張
(いまならかなりまっとうな主張だと感じますが・・・)を
ずっと曲げずに続けてこられたのは、
本当に大変だっただろうなあということを感じました。

私が若い頃のことですが、
加瀬先生と親しくしていることを
父がある財界人に話すと、
「あんな右翼とよく付き合っていますね」
と言われたことがある
という話を聞いたこともあります。


 偲ぶ会で本を3冊いただいたのですが、
そのうちの1冊が昨年の11月に文庫化された
日本と台湾
(祥伝社黄金文庫)です。
これは、加瀬先生から直接聞いたことですが、
加瀬先生も親しくされている自民党の大物代議士が
東南アジア歴訪の帰り、
天候不順で台湾の空港に
緊急着陸したことがあったそうです。
いい機会だからと、
台湾の政府の要人が空港まで行って
面会を求めたそうですが、
その時の国際情勢下では
与党大物代議士が台湾の政府要人と
会うわけにはいかなかったので、
その政治家は
半日ぐらい飛行機の中から一歩も出ずに、
そのまま日本に帰ってきたそうです。


 そんな国際情勢下で、
1960年代から日台関係の友好を絶えず考えてこられた
加瀬先生の力は本当に大きなものがあったのだと思います。
偲ぶ会には台湾からのご来賓も出席されていましたが、
9年前の父の葬儀で弔辞を読んでいただいたのは、
台湾の超大手企業の元CEOの方でした。
そんなことが実現したのも
加瀬先生のおかげなのだと思うと
感慨深いものがあります。

その日、赤塚さんと飲みに行った銀座の街には
多くの日の丸が掲揚されていました。
天皇誕生日の前日だったからだと思いますが、
銀座に日の丸が普通に掲揚されるようになったのも
加瀬先生たちのおかげだと思うと
感慨深いものがあります。


 いわば、加瀬先生の遺作ですし、
文庫で気楽に読めるものになっていますので
「日本と台湾」も、
ぜひお読みいただければと存じます。


イメージ力を使わないナラティブ


 私が去年
一番感銘を受けた本は
本田哲也著
ナラティブカンパニー: 企業を変革する「物語」の力
(東洋経済新報社)です。

著者の本田氏は
日本を代表するPRの専門家ですが、
彼が実際に企業のPRをお手伝いする中で体験した
ナラティブという物語を使うことの効果を
わかりやすく説明してくれている良書です。
ナラティブは物語という意味ですが、
ストーリーとは違います。
起承転結がなく、
物語の始まりもなければ終わりもありません。
そして、
企業側が発信するだけの固まったものではなく、
消費者側が一人ひとりに違った物語が展開していく
緩くて柔らかいものです。


 また、個々人のナラティブが
それぞれ影響をしあって、
お互いに高め合う
共創構造を持っていることも条件になります。
IT化が進み、
企業や業界が確立していた
エコシステム(業界秩序)が
目まぐるしく変わっていきます。
GAFAなどの巨大IT企業が
無制限にある資金力と
厚みのある技術力で
業界秩序を自らに有利なものに
圧倒的な力で変えていってしまいます。
典型的なのは、
書店や書籍流通の世界で、
日本の場合価格が崩れないし
書店はいつでも返本ができるという
再販制度に守られていたのですが、
アマゾンが完全に
エコシステムを壊してしまいました。


 攻めていく企業側も
守っていく企業側も
どちらも共創構造を持っているナラティブを
他社との合従連衡を作りながら
築き上げていかなければ
生き残れません。
これに消費者を巻き込んだ
マーケティング分野の事例が
豊富に紹介されているのです。

これ以上は私が解説するよりは、
本田氏の本を読んでもらった方がいいと思いますので
解説はこの程度にしておきますが、
この考え方は
マーケティングの面だけではなく、
人の育成や組織のマネジメントを考える上でも
必須の事項になってきていて、
新しい組織の在り方を考える上で
絶対に学んでおかなければならないことだと感じています。


 ナラティブを
にんげんクラブ的に考えてみると、
ズバリ妄想力だと思っています。
舩井幸雄的に言うと、
目に見えない世界の力を使う有力な方法に
集合的無意識の力を使うという
方法論を提示していました。
アカシックレコードと龍 ー魂につながる物語
(風雲舎)
という名著の著者である
ジュネさんが
最近明確に示してくれるようになってきた世界観で、
どうも私たちは集合的無意識の力を
強力に使い始めるようになってきて、
2030年ごろまでは
父が夢見てきたような
有意の人の集合的無意識の力で
世の中の変革ができるようになってくる
過渡期に入っているような気がします。


 スピリチュアルの世界は、
えてして現実世界から
乖離してしまう世界だったのですが、
集合的無意識が
共創構造を持つようになってきて、
ここにきてかなり強くなっていることを感じます。
それに妄想力を使うと
かなり有効なのですが、
大きな妄想力を発揮して
大きなエネルギーをダウンロードした時には、
先週は等価交換と表現しましたが、
ある種の好転反応が起こり
試練が現実的にやってきます。

これにどう対処したらいいのだろうと
考えていた時に、
大きなヒントがもらえました。
先週の週末、
歌手であり
ボイストレーニングの講座を全国でやっている
物部彩花先生
ボイストレーニングを
受けさせてもらう機会がありました。


 これは、私の感覚で言うと
安全に臨死体験ができるもののような気がしました。
外側の筋肉ではなく
内側の筋肉(インナーマッスル)を動かすことで、
いままでの概念では不可能だったことが
できるようになります。
そして、レッスンを深めていくと、
直観力を実際に深めていく
トレーニングにもなっており、
まさにいまの時代に求められている
メソッドだと思います。
にんげんクラブでも
ワークを提供させていただいていますし、
全国各地で口コミで広がっている状態なので、
必要な方には
アクセスできるようになっていると思いますので、
ぜひ一度体験していただければと思います。


 私が今回面白かったのは、
トーラスという高次元の世界に
自然と存在するエネルギーを使って
ワークをする段階があるのですが、
この時に
イメージの力は使わないということです。
例えば宇宙を感じて欲しいというワークの時には、
想像力で宇宙の大きさを捉えるのではなく、
実際に存在する宇宙そのものを
感じるそのまま体感してください
という指示でした。
イマジネーションの力は便利ですが、
副作用を伴う可能性があるので、
存在するまさにそのものを
体験できるようになることが
大事だという指摘でした。


 これは、直感的ではありますが、
本質をついているなあと思いました。
新しい可能性の世界が
これからどんどん広がっていくのは
間違いないと思います。
そのためのメソッドもたくさん開発されていて、
多くの人が目に見えない世界の力を
上手く生活に取り入れることが
可能になってくると思います。
ただ、その時は
上手くやらないと
副作用がでてしまうなあと
感じるようになってきました。
ちょっと前までは、
一部の専門家だけの問題でしたが、
これからは多くの人が
そんな体験をするようになるので、
妄想力を使う時には
どうしたら上手く使いこなせるようになるか
考えていきたいと思っています。


 
<にんげんクラブセミナー>

物部彩花さんの魂覚醒ボイトレメソッド
〜声で引き合うものすべてが変わり、
百匹目の猿現象は加速する〜(4/16)

物部彩花先生
~魂覚醒ボイストレーニング~(5/18)

等価交換


 私は漫画を読むことが苦手です。
せっかちだからだと思うのですが、
活字の方が早く情報を取得できる気がするので、
漫画を読んでいるとイライラしてくるのです。
一番困ったのは、
美内すずえ先生が登壇される
トークセッションのファシリテイターを
することになった時です。
さすがに代表作である
ガラスの仮面
(白泉社)
を読んでいこうと思ったのですが、
全然読み進めることができません。
困ってしまって、
漫画喫茶に籠って結構頑張ったのですが、
結局半分ぐらいで挫折したことがあります。


 ただ、家には子どもたちが読んだ
漫画がたくさんあり、
いくつかは結構楽しく読んだものがあります。
一番読みやすいのは、
巨人の星
(講談社漫画文庫)
世代なのでスポーツもので、
野球とサッカーの漫画は
楽しく読ませていただくことができる
確率が高いと思います。

私以上に漫画が嫌いな母でしたが、
なぜか私の子供の頃に
キャンディ・キャンディ
(講談社)
だけは好きで家に置いてありました。
子どもの頃はいまと違って
漫画を読みたくて仕方がなかったので、
それを一生懸命に読んだものです。
だから、「ガラスの仮面」も
読めると思ったのですが、
おじさんになって固まってしまった脳は
なかなか受け付けてくれませんでした。


 私の大学生時代は
少年ジャンプの全盛時代で
友人たちは発売日に必ず買っていましたが、
その頃になると
漫画は読まないという習慣ができていて、
まったく興味が湧きませんでした。
かなり変わった奴でしたが、
大学生だと
お酒を飲んで騒いでしまえば友だちなので、
そんなに困りませんでした。
ただ、話題が合わないので
少し苦労したことがあります。
最近話題になっている
鬼滅の刃(集英社)や
呪術廻戦 (集英社)なども
友人たちから
読んだ方がいいよと進められるのですが、
読む気にならないのだから
仕方がないとあきらめています。


 ただ、子どもたちの好きな漫画の中で
スポーツものでなくても
読めるものがいくつかあります。
鋼の錬金術師
(スクエア・エニックス)や
銀の匙
(小学館)等の
荒川弘さんの作品は大好きになりました。

私はかねてから
北海道にとても興味があるのですが、
もちろん酪農家のことなど何も知識がありません。
それを「銀の匙」で
わかり安く伝えていただけて、
漫画の持っている情報伝達能力が
本当に優れていることを改めて感じています。
だから、若い人には、
積極的に日本の大きな強みである
漫画やアニメの分野を
掘り下げていっていただきたいと思っています。


 ところで、
「鋼の錬金術師」
(ハガレン)の中に
等価交換という話が出てきます。
錬金術でものを作るときには、
何か材料を用いなければならない。
無から有はできないということを言っていて、
この漫画を奥深いものにする
大事な要素になっています。
錬金術というと、
鉛から金(ゴールド)を作り出すことです。
科学ではかなり
怪しい分野ということになっていますが、
中世のヨーロッパでは
超一流の科学者たちが真剣に取り組んだ分野で、
金の錬成はできませんでしたが
(本当はできたのかも?)、
その後の科学の発展に
大きく寄与したのではないかと思っています。
作者の荒川さんは
どこかでそんな知識を得られたのかもしれませんが、
とても面白い観点で書かれている名作だと思っています。


 ハガレンで使われている意味とは
少し違うのですが、
最近等価交換を実感する出来事がありました。
マネーとスピリチュアル研究会(マネスピ)
準備を進めるにあたって
十種の神宝(とくさのかんだから)のことに対する
私なりの理解がある程度進みました。
個人的にはびっくりするぐらいの発見で
興奮しているのですが、
そうすると事故が起きるのです。
あまり具体的には書きませんが、
ケガをしたり家族が病気になったりして、
いわゆる痛い思いをしています。
どうも、聞いてみると私だけではなく、
主催の福田彩子さん(アーシャ)にも、
いろいろと起きているらしいし、
他のスタッフの皆さんも
大なり小なり何かを経験しているようです。


 スピリチュアル分野では
好転反応という、
良くなる過程で悪いものが先に出てくる現象が
どうも起きているような気がします。
厳密な意味での等価交換ではないと思いますが、
何かを手放さないと
次の大事なものは入ってこないという意味では
等価交換をしていると考えていいのかなと思っています。

マネスピのメインテーマである
お金は多分、
無から作られているものです。
ただ、エネルギーではありますので、
やはり何か材料を使っていて、
その分は何かを使わなければいけないのかもしれません。
紙幣を考えると、
1万円札の原価は
人によって意見が違いますが、
多分50円以内。

 ただ、エネルギーの面でも
等価交換は起こっているので、
お金の発行益(シニョリッジ)を得た人は、
経済の運営をしなければいけないという
役割を担います。
中央銀行や市中銀行が
それを果たしていますが、
考えてみたら
それは大きな社会的なインフラになっているので、
大変な思いをして
経済の安定に尽くしてくれているのだと思います。
お金の巡りをよくするようになるためには、
個人や企業であれば
器を大きくしておくことが大切です。
これをするためには
詰まりを取らなければいけないので、
病気になったりケガをするのは
詰まりをとるための
等価交換になっているのかもしれません。


多分、人生の大きな変わり目に
必要でやってきた試練に
感謝したいと思います。


瞑想から明想へ


 おかげさまで、
いろいろな達人に
出会わせてもらってきました。
時代を反映しているのかもしれませんが、
昔の達人はとてもすごい雰囲気で
近寄りがたい人たちだったのだろうと
想像できますが、
私が出会った達人たちは、
みなさんとても優しくて
気さくな雰囲気の
いい人が多いような印象を持ちます。

時代背景が違うのかもしれませんが、
昭和の時代までは
特別感を漂わせないと
大物だと信じてもらえなかったのかもしれませんが、
いまの時代は逆に
そんな感じを出してしまうと
怪しい人だと見抜かれてしまうのかもしれません。


 ただ、今回ご紹介しようと思う
書籍の著者である山本清次先生は
大物の雰囲気を醸し出しておられました。
武道をやっておられるからかもしれませんが、
一度だけお食事を
共にさせていただいたことがあるのですが、
ただものではないオーラを
半端なく出しておられました。

私も自分では自覚がないのですが、
特に会う前には
本当に嫌な(怖い)奴だと
思われていることが多いような気がします。
山本先生にはそんな情報が
入っていたからなのかもしれませんが、
だからあえて大物のオーラを
身にまとわれていたのかもしれません。

その時に紹介してくださった方から、
山本先生が本を著されたことを
教えていただきました。

 ご著書、
瞑想」から「明想」へ 真実の自分を発見する旅の終わり
(現代書林)
を早速購入して拝読させていただきました。
一見、読みやすい本ですが、
内容がとても深くて
本質を理解するのは大変だなと感じました。


 
(引用開始)

明想の最も重要なメリットといえるのが、
幸せを感じ取る
感受性を開花させるということです。
例えば、「赤いバッグ」が欲しいと思ったら、
街を歩いていても
赤いバッグばかり目につきます。
同じように、
「幸せ」を意識できるようになると
幸せに対する感受性が高まり、
日常の小さな幸せにも氣づくようになってきます。
明想を続けると、
そのような幸せへの感受性が
自ずと開花していくのです。
それは光を体感し、
自身が光そのものになる体験以上に
幸せなことはないからです。

(引用終了)


 最初に読んだ時は、
簡単に読み飛ばしてしまったのですが、
改めて読み返すと深過ぎる内容です。
瞑想と明想の違いなどは、
ぜひ本書を熟読していただいて
味わっていただければと思います。


 山本先生の明想を
一般の方が教えてもらえる機会はないそうですが、
例外が淡路島にある「ありがとう村」
北海道の洞爺湖で循環農法をやっておられた
村上貴仁さんが中心になって
2018年に発足した
農業コミュニティだと紹介されています。
私は実は村上さんにお会いしたことがあります。
村上さんが主人公の
ドキュメンタリー映画「大地の花咲き」
試写会に参加させていただいた時に、
ご紹介をいただきました。
映画を観て大泣きしてしまったのですが、
本性が腹黒い私には
近づいてはいけない世界のように感じていたので、
それっきりになってしまっていました。


 改めて、山本先生のご著書の中で
紹介されている村上さんの
大地がよろこぶ「ありがとう」の奇跡
(サンマーク)
を読んでみました。
こちらも、
とっても内容の深いすごい本でした。
村上さんが天からダウンロードした
「ありがとう農法」が特にすごい。
豊穣を信じるという項目にはしびれました。

「ありがとう村」で
山本先生以外の講座を受けられた方の中で、
豊穣そのものになられた方を対象に
明想を山本先生が教えられる
ということになっている
システムにも納得がいきます。

 豊穣を説明するのは難しいのですが、
村上さんは北海道の農業で行き詰まり、
最愛のご子息を亡くし、
奥様が余命宣告もできない
(今日死んでもおかしくない)
難病に罹り、
ご本人は強度の鬱状態に苦しむという
試練を乗り越えた末に、見出した
大自然の力そのものを
使わせていただくやり方です。
詳しくは本を何度か読んでみて
感じていただき、
できれば淡路島の
「ありがとう村」の門を
叩いてもらうのがいいと思います。
普通は20㎝のところまでしか
柔らかくならない圃場が
50㎝か場所によれば1m以上も
柔らかくなる奇跡の農法です。


 また、虫は悪いものを食べてくれる存在で、
よく有機農法をやりたての方が、
「虫が食べるぐらい安全な野菜なんです」という
うたい文句で販売されている姿を
見かけることがありますが、
村上さんは本当に素晴らしい野菜なら
虫は一番外側の葉っぱだけを食べて
後はきれいに残してくれるという
逸話を書かれていました。
実は、同じ話を
ニンジンから宇宙へ
(なずなワールド)
という伝説的な名著の著者である
赤峰勝人先生から
聞かせてもらったことがあります。


 確かに、赤峰先生の圃場や野菜も
きれいで神々しい世界でした。
本当のことを究めるには
死ぬような目に遭遇する必要があるということを
亡くなった父もよく話していました。
山本先生も18歳の時に腫瘍ができるという
試練を乗り越えています。
心配しなくてもいいのは、
誰かが死ぬ思いで切り開いてくれた世界を
後に続くものは
そんな苦労をしなくても
享受できるということです。
そして、その上で
本当に役割がある方が
今度は自分の命を懸けて
さらなる真理を探究していくという
メカニズムになっているようです。


 本を読むだけで、
そんな真理の一端を享受させていただける
喜びを味わっています。
赤峰先生、山本先生、
それに村上さんに
心から感謝したいと思います。


鶏焼肉


 おじさんになってからは、
本当の友人はできない
という話を聞いたことがあります。
若い頃に苦楽を共にしたというか、
一緒にバカなことをたくさんした
経験を通じてできた一生の友とは違い、
利害を基にした友情はなかなか続かない
という一般的な話です。

ただ、功成り名遂げた人の話を聞いていると、
成功される過程で
凡人には信じられないような苦労を体験されていて、
その過程で一緒に大変な時間を共有されてできた友は
やっぱり本音で付き合える
大切な友人になっていることがわかります。


 私にとっては、
赤塚高仁さん
(赤塚建設会長ですが、
ベストセラー作家・人気講演家・
聖書漫談師に変身されました)、
出路雅明さん
(スピンズという若者向けのアパレルショップを
全国展開しているヒューマンフォーラム会長)、
それに山内尚子さん
(出版社きれい・ねっとの社長。
実は、私のスピリチュアル分野の師匠)と
4人で作っているAKDN
(赤塚、勝仁、出路、尚子:
偶然ですが年齢順になっています)の
仲間との集いは格別のものがあります。
みんな忙しいのに、
先日1泊2日の時間を作って、
赤塚兄の本拠地である三重県津駅に
新年会に臨むために集合しました。


 自分のことはわかりませんが、
みんな超一流の人物が本気で遊びまくりました。
赤塚兄の名言
「仕事じゃないのだから、ちゃんとやろうよ」
を合言葉に
とにかく本気で遊びまくります。
最初に向かったのは、
地元の人で行列ができる焼き肉屋さん。
幸い(?)津ではめったに降らない
雪が降っていたこともあり、
並ばずに入店することができました。
ランチの特上松阪牛定食と
ビールとハイボールをまず楽しみました。
(残念ながら運転してくれる赤塚兄は
ノンアルビールです。
ここで遠慮しないのがDのいいところで、
Kもちゃんとついていきました)


 その後、伊勢神宮近くに最近できた
多気町にあるVISON(美しい村:、
舩井幸雄.comで紹介させていただきました)
に行きました。
昨年の11月にAKNだけで行って、感動し
小売業のDには絶対参考になると
その時に新年会の日程を決めました。
VISON内のホテルに荷物を預けて
チェックインの時間まで、
VISONの商業施設を
見学させてもらうことになりました。
視察に忙しいDを除いて、
特にランチで飲めなかったAは
(なぜかKも付き合いました)
視察も早々に切り上げ、
日本酒を飲み始めます。


 こちらも雪が降っていなければ、
なかなか席が空いていないほどの人気店なのですが、
おかげさまでほとんど貸し切り状態です。
そんな店をはしごして、
気が付いたらチェックインしてすぐに
Aが大好きなお寿司ディナーの時間になっていました。
Aは毎食お寿司でも大丈夫という強者で、
北海道にAKDNで行ったときは、
私は途中で仕事で脱落したのですが、
最後の新千歳空港でまで寿司を食べていたと
Nから報告(告げ口?)をもらって驚愕しています。
聖書漫談師なので
イスラエルツアーを企画されるのですが、
決して美味しいとはいえない、
テルアビブ空港のお寿司も必ず食べておられます。


 2日目は朝食をいただいてから、
まずは神宮の別宮の瀧原宮にお参りです。
身に見えない世界にも造詣の深い達人たちなので、
思い思いのやり方でご挨拶をさせていただき、
次に向かったのは
Aにインスピレーションが降りてきて(思いつき?)
Nが大好きな弘法大師ゆかりの多気町にある
丹生神社に向かいました。
駐車場をお借りした道の駅で
有名な地元の三重県立相可高校の生徒が作った
「まご弁当」をゲットしました。
東京に帰ってから夕食にいただいたのですが、
本当に癒される味でした。


 旅の締めは松坂の鶏焼肉専門店の前島食堂
松坂牛で有名なところですが、
地元の方は焼肉と言えば牛ではなく、
鶏だそうで、
実際に11時過ぎに行くと長蛇の列ができていました。
ただ、回転率がとてもいいので、
思ったほどは待たずに入店できて、
ビールを飲みながら、
気持ちが悪くなるぐらい鶏焼肉を堪能しました。
(ちなみにDとKはお腹を壊したという噂があります)。
ランチだったので、
ほとんどは家族連れでお酒を飲まずにいましたが、
何組か(もちろんAKDNも)飲んでいるテーブルがあり、
回転率を落として迷惑をかけていましたが、
そこはおおらかに許してもらっている空気が嬉しかったです。


 次の大事な予定に向かうために伊勢に向かうAとNを残して
DとKは名古屋経由でそれぞれ家路につきました。
AとNからKも残れと言われて、
絶体絶命の危機を迎えたのですが、
何とかその誘惑を振り切って家路につきました。
帰りの近鉄と新幹線は爆睡をしながら過ごしました。
また、暴飲暴食がかなり応えて
体調を崩し気味だったという噂もありますが、
おかげさまで日曜日にたっぷり休んで
月曜の朝、元気にこの原稿を書いています。

本当に歳を取ってからの友人は
ありがたいものだと感謝しています。
ただ、AKDNの場合は、
歳も考えずにバカをしているだけという噂もありますが、
真の友づくりをしているのだと思えば、
それはそれでありがたい話です。

マネーとスピリチュアル研究会


 父が亡くなって9年が経ちました。
2014年2月14日に船井総研が
社葬を開催してくれました。
その日は、
東京ではめったにないような大雪になりました。

地方からご参列いただいた方には
大変なご苦労をかけてしまって恐縮しましたが、
その時に面白いエピソードがありました。

台湾から
売上規模が1兆円以上ある
大企業の元CEOがご参列いただいて
弔辞を読んでくださいました。
当日や翌日の交通機関が
麻痺してしまって大変だったのですが、
そのCEOの乗る台北行きの飛行機だけ
といっていいくらいだったようですが、
時間通りに運行されたと聞いてホッとしました。


 後日、ご参列のお礼に
台北までご挨拶に伺いました。
市内のホテルでランチを共にしながら
お話をさせていただくことになったのですが、
私と会うなり
「おめでとう」
とニコニコ顔でおっしゃるのです。
しばらく時間が経ったとはいえ、
社葬にご参加いただいたお礼に行ったのに、
開口一番におめでとうと言われて
少しびっくりしました。

私の戸惑いの気持ちが伝わったのだと思いますが、
「中国の考え方では
大事な行事の時に大雨が降ったら
その一族の繁栄が約束されると信じられています。
舩井先生が船井総研や舩井家のために、
ご自分のお葬式に大雨どころか、
あれほどの大雪を降らせたということは、
俺がいなくても絶対に繫栄することを
示してくださったんだよ。」
と教えてくれました。


 ちょうどその頃に、
はせくらみゆき先生との共著
「チェンジ・マネー」
(きれい・ねっと)
の出版の準備を進めていたので、
はせくら先生の
「お金は水を参考にして
神さまが人間に与えてくれた
便利なツールですよ」
という考えを教えてもらっていました。
だから、なるほどなあと納得できたのです。

それから、講演会などに出かけた時に、
雨や雪が降っていたら、
「足下の悪い中、お集まりいただいた皆さまは
これからお金で困らなくなりますよ」
と、話させていただくことが定番になっています。
講演会ではありませんが、
先日、札幌に出かけることがありました。


 大寒波が来ていて、
航空会社から
欠航の可能性が高いですという
警告が来るぐらいの大雪が降っていました。
私は、大体スケジュール通りに
交通機関は動いてくれることが多いのですが、
何年か前に札幌からの帰りホワイトアウトに遭遇して、
飛行機が飛ばなくて
その後のスケジュールが
ズタズタになってしまったことがあるので、
心配になりました。

でも、不思議なことに
私が空港に向かう時間帯だけいい天気になって、
予約を変更させていただいた朝一便は
ちゃんと定刻通りに羽田空港に到着しました。


 その日は、羽田で乗り換えて松山に飛んだのですが、
松山に着くとまるで春のように温かく、
雪国の人の大変さと
これだけの距離を予定通りに運んでくださる
影でご苦労をされている
航空産業に関わっていらっしゃる方々への
感謝の気持ちが湧いてきました。

松山に来たのは、
2週間前にも書かせていただきましたが、
来月から始まる
「マネーとスピリチュアル研究会」
本講座に向けてのプレ講演会のためでした。
ちょうどコロナ禍突入の頃から、
松山後援会を「えりこ@幸せの扉」さんが中心に
3回ぐらい企画してくださったのですが、
全部延期になって
オンライン講演会になってしまいました。
マネスピ研究会の運営に
えりこさんも関わってくれているので、
4度目の正直(?)で
今回のプレ講演会が開催されました。


 おかげさまで、講演会は無事に
盛況で終了したのですが、
講演会の始まる午前中に
水やお金にご縁が深い
龍に関するパワースポット巡りにご案内いただきました。
講演会をお手伝いしてくださるスタッフの方々に
ご案内いただいたからなのか、
私が札幌の大雪のエネルギーを持ってきたからなのか、
懇親会からの帰りに雨が降り出してきました。

山間部では四国なのに雪が降っているらしく、
実はこの原稿は松山のホテルで
出発前に書いているのですが、
さっきまでは降っていた雨が止んで
晴れてきました。
ただ、私が帰った翌日からは
松山でも雪の予報で、
マネスピのおかげでご参加いただいた
松山の方がお金に困らなくなるのかなと、
ちょっと迷惑ですが感じています。


 お金に対するメンタルブロックを取り去ると、
実はお金に困らなくなるような社会的なシステムは
すでにできあがっていると感じています。
松山のプレ講座ではそんな話に加えて、
先週ダウンロードすることができたと
個人的には感じている
十種の神宝(とくさのかんだから:
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天孫降臨してくる以前に
饒速日尊(にぎはやひのみこと)が
天から持ってきていただいたという神宝)を
お金の量を増やすことに使う方法がすでにある。
そして今度は、
みんなが豊かに暮らせるように
どう上手く使っていけばいいかという、
多分ほとんどのお客様には
伝わらないであろうお話までしてしまいました。


 4月2日(日)には
ホツマツタヱのいときょう先生と一緒に、
にんげんクラブで十種の神宝講座
(ホツマにも十種の神宝が紹介されているそうです)を
させていただくことになりそうです。
ちょっとレアな講演会になると思いますので、
何か感じられた方は
スケジュールだけでも押さえていただければと存じます。
近いうちに、
ご案内を送らせていただくことができると思います。
お金がすべてのマネー教からの脱却のためには、
お金と仲良くなる必要があるというのが、
私が考えていることです。
そのことを存分にお伝えしようと思っている
マネーとスピリチュアル講座の受講と合わせて
ご検討いただければ幸いです。

折りたたみ北京


 
(引用開始)

折りたたみ式の街は
三つのスペースに分かれている。
片面は第一スペースで、人口は五百 万人。
彼らに割り当てられた時間は、
午前六時から翌朝六時まで。
その後、第一スペースは眠りにつき、
地面が回転する。
裏面は第二スペースと第三スペースだ。
第二スペースの人口は二千五百万人で、
割り当てられた時間は
二日目の午前六時から午後十時まで。
第三スペースには五千万人が暮らして いて、
午後十時から午前六時までの時間が割り当てられている。
そして第一スペースに戻る。
時間は慎重に分配され、
各スペースの人々を完全に分離している。
五百万人が二十四時間を享受し、
七千五百万人が次の二十四時間を享受するのだ。

(引用終了)


冒頭に、中国系アメリカ人の
SF小説家・翻訳家である
ケン・リュウが編集した
折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
に収録されている、
郝景芳(ハオ・ジンファン)の
短編SFディストピア経済小説
「折りたたみ北京」からの
引用をさせていただきました。

通常は、小説の引用をするのは
反則だとは思いますが、
北京という街が
物理的に折りたたまれて使われている
という様を感じてもらうには、
そのまま読んでいただくのが一番いいと思ったので、
あえて禁を犯させていただきました。

(もちろん、オチは別にちゃんとありますので、
そういう意味ではネタバレはしていないと思います。
ぜひ、ご購入いただいてお読みください。)


この作品は2014年に
中国において発表されたもので、
2015年に英語に翻訳されています。
本書の日本語での出版が2018年なのですが、
中国では数多くの優秀なSF作家が
旺盛に意欲作を発表しているようですが、
それが英語に翻訳される割合は
決して多くないということです。
ましてや日本語になったものを探すのは
かなり難しいのが現状かもしれません。
英語版は、ヒューゴ賞という
SF小説の分野における
世界で一番権威のある賞のひとつを
受賞している話題作です。
作者の郝景芳は
以下のような経歴をお持ちのようです。



(引用開始)

郝景芳は数冊の長篇と旅行エッセイの著者で、
また〈科幻世界〉や〈萌芽〉、
〈新科幻〉、〈文芸風賞〉などの各誌で
多くの短篇を発表している。
彼女の作品は銀河賞や科幻星雲賞を受賞している。
学部生として清華大学で物理学を専攻した後、
清華大学の天体物理センターで院生として研究を行った。
最近では清華大学で経済学と経営学の博士号を取得し、
現在シンクタンクに勤務している。

(引用終了)


 清華大学(習近平主席の出身大学)という
中国というかアジアでトップクラスの大学で
物理を学び、その上
経済学と経営学の博士号を
同大学で取得しているという才媛で、
こんな創造力豊かなディストピア小説を
書ける人材がいるのに、
隣の日本では
ほとんど話題にもならないのは不思議ですね。

私も、中国のAI(人工知能)のことが書かれている
李開復(リー・カイフー)著
AI世界秩序: 米中が支配する「雇用なき未来」
(日経BP)
に紹介されていたので存在を知りましたが、
中国のことに関しては
まだまだ知らないことばかりだと思い知らされました。


 ちなみに李開復博士は
アメリカの大学で博士号を取得している
台湾出身の世界的なAIの権威で、
2017年に中国の囲碁のトップ棋士が
アルファ碁というAIに完敗した事件は、
中国人にとって、
スプートニク・ショック
(1957(昭和32)年に
ソ連が人類初の人工衛星
「スプートニク1号」の打ち上げに成功して、
西側諸国に
宇宙開発でソ連に遅れていることを
見せつけた出来事。
これで、アポロ計画が始まり
1969(昭和44)年の
アポロ11号による月面着陸の偉業に
つながったと言われている)
にも匹敵するショックを与えたと言います。

それから、官民をあげての
AIの開発競争に取り組むようになり、
いまではアメリカをも凌駕する
AI大国になっていることを
分かりやすく教えてくれる名著です。


 AIの発展は止められないと考えています。
「折りたたみ北京」や「AI世界秩序」が
提示しているのは、
AI化が進むと雇用が失われ、
近未来には失業が大きな社会問題になるのは
必然だということです。
欧米人の書かれた英語での出版物は
日本にも積極的に紹介されていますが、
実は中国の方が
はるかに進んでいる分野もたくさんあるようで、
DX(デジタル・トランスフォーメーション)化を
進める上でも、
もっとも見習うべきなのは
中国の動きになるようです。


 フィクションという分野においてすら
日本をはるかに凌駕する境地に達している
可能性はかなり高く、
ここは謙虚に学ぶ姿勢を持つことも大事なようです。
幸いにも、最近は
多くの中国語で書かれたものが
日本語に翻訳されるようになってきました。
まだまだ一旦は英語になったものからの
翻訳が多いようですが、
中国語からの直接の翻訳体制が
進むような取り組みが待たれます。

日本は海外の文化や文明をうまく取り入れて、
それを日本化するのが得意です。
ここは、遅れてしまっていることを
謙虚に受け止めて
学ばせてもらうことが大切なような気がします。
 

投資の鉄則


 今年はスロースタートで、
ようやくお正月気分が抜けてきました。
若い頃は、そんなことを書くと
ビジネスマン失格のような気がして、
飲んだ時の本音トークぐらいでしか
言えない雰囲気でした。
令和の時代はスローライフの良さも
見直されるようになってきて、
どちらがいいか悪いかは一概には言えませんが、
こういう公の場で、
しかも文字として残るものに
本音を書けるようになったのは大きな流れ
(父の言葉で言うとマクロには)で考えると、
いいことだと思います。

多分15年ぐらい前の話ですが、
(元来はゆるい)にんげんクラブなので
同じような文脈で
ある社員の人が外に発信する文章を書いたら、
グループ会社の役員から
おしかりを受けたという事件(?)がありました。


 私などは、
それぞれが自分のペースで生きていくのが
いいという考え方が大事だと
当時から思っていたのですが、
勇気がなくて
公にはかばってあげられずに
いまに至るまで忸怩たる思いが残っています。

私の若い頃は
「24時間戦えますか」という時代ですし、
先ほどまでいらしていた
大企業の幹部の方と話していたのは、
有給休暇を取得するのも、
残業代をきちんとつけるのも
憚られる時代だったので、
こちらもきちんと従業員の権利が
守られるようになったという意味では、
やっぱりマクロには
いい時代になったと思っています。


 お金に対する姿勢も、
昔は公の席でお金のことを話すのは
「はしたない」ことでした。
証券投資をするなどというと、
親戚のおじさんに呼びつけられて
お説教をされるという雰囲気でしたが、
やっぱり時代の進歩を考えると
増やすお金のことを真剣に考えなければ、
うまく生きていけない時代が
やってきたような気がします。

今年からは
マネーとスピリチュアル研究会を立ち上げて、
にんげんクラブの皆様にも
お金の本質を考えていただく機会を
提供したいと思っています。

また、1月22日(日)には松山で
マネスピ研究会のプレ講座
開催させていただくことになっています。


 松山の講演は
数年前から何度か企画していただいたのですが、
コロナの影響で
ずっと開催できずにおりました。
松山はとても大好きな街で、
文化レベルの大変高いところだと思っていますので、
大阪人なのでちょっと下品にはなってしまうかもしれませんが、
本音ベースでお金との距離の取り方について
お話させていただこうと思っています。
スピリチュアリティの高い方であればあるほど、
有意義なお話ができると思いますので、
お近くの方はぜひお越しいただければと存じます。


 お正月休みに投資に関する本を2冊読んだので
簡単にご紹介したいと思っています。

1冊目はおなじみの
植草一秀先生の
千載一遇の金融大波乱
(ビジネス社)です。
私はエコノミストとして相場の分析は
植草先生のものを一番信頼しています。
それは、ご著書でも書かれていますが、
過去に的中させてきているという
実績があるからです。

そういう意味では今年は逆張りで
2013年(アベノミクスの始まり)、
17年(トランプ大統領の就任で混乱必至とみられていたが、
蓋をあげれば強い上昇相場になった)に続いて
株式投資を始めるには
とてもいいチャンスだという内容になっていました。


 投資は自己責任なので、
これを読んで投資をするかどうかは
植草先生や私のせいにしないで
自分でじっくりと考えて欲しいと思いますが、
2017年の逆張りを当てた実績を信じて
「人の行く裏に道あり花の山」という
相場格言を信じて、
この難しい状況にあえて
チャンスを見つけに行くのもいいのかもしれません。

ただ、植草先生の情報は
かなり上級者向けのような気もしますので、
真剣に考えるときは
本書を熟読したうえで、
自分の意見に肚落ちしてから
始めていただきたいと思います。


 2冊目は、
河野眞一・長谷川健一著
世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資
(扶桑社)です。
共著者はそれぞれ
元ブラックロック・ジャパン
(世界最大の投資会社の日本法人)の
CIO(最高投資責任者)と
外資系プライベートバンカーです。
長谷川先生の会社の親会社だと思うのですが、
株式会社ウェルズ・ジャパン・ホールディングスの
CEO(最高経営責任者)である、
父の時代から仲良くさせていただいている
平井俊弘氏からご献本いただいていたのですが、
お正月に行った都内の大型書店で
大きな面積を取って陳列されていたので、
しっかりと読んでみることにしました。


 物価高がまだまだこれから続くことや、
分散投資をするためのポートフォリオの作り方などの
基本的なことがわかりやすく書いてありますので、
こちらは中級者向けの本かなと思います。

ひとつだけ個人的なことを書くと
昨年の円安時に思ったのは、
資産を日本円だけで持っていることのリスクです。
たまたま、会社でドル資産に投資をしていたのですが、
一時的ではありますが、
円ベースでの資産価値が
信じられないほど高くなった経験をしてみると、
分散投資がこれからの時代に
かなり有効なことを実感しています。


 初心者向けのものも含めて、
投資に興味を持っていただいて、
それぞれの感覚で勉強を始めるのは
悪いことではないと思います。
テレビや新聞の情報だけを信じていたら
うまく生きられない時代に来ていることは、
にんげんクラブの皆様にはご理解いただけると思いますが、
お金の世界も自分なりの考えを築いていくことは
大事だと思いますので、
ぜひ飛び込んでみていただいたらと思います。

謹賀新年


 あけましておめでとうございます。
本年も、にんげんクラブを
どうぞよろしくお願い申し上げます。

 正月早々、
個人的なことで恐縮ですが、
私も数え年で還暦を迎えました。
正直、若い頃は
ここまで生きている自分を
まったく想像していませんでしたが、
おかげさまで大きな病気をすることもなく
元気にお正月を迎えることができました。

社会はコロナ禍もなかなか収まらないし、
ウクライナの紛争が
原因の一端をもたらしているとみられている
インフレの傾向も
顕著になってきました。
北海道や東北・北陸地方、
それに高知などでも
大雪に見舞われるなど
異常気象の影響が出ていて、
何かと落ち着かない
年末年始だったかもしれませんが、
平和な日本でお正月迎えることができるのは、
ありがたいことだと感謝いたしております。


 今年がどんな年になるのかは、
さっぱりわかりません。
毎年恒例の元日の日経新聞に載る
経営者20人の今年の株価予想は
20人中19人が
3万円以上をつけるのではないかという
予想がなされていました。
欧米のインフレもさすがに収まることが予想され、
アメリカなどでは
短期金利が5%近くにまでなってきたことで、
さすがに利上げのペースも一段落するのではないか、
そしてそれに伴う円安傾向も
さすがに一服するのではないかという予想が
ベースにあるような気がします。

アメリカのヘッジファンドなどは、
今度は115円台ぐらいの
円高を見据えて行動するという報道もあり、
正直に言えば全く先が見通せません。


 昭和の頃は、
大晦日の過ごし方というと
紅白を観て家族で過ごすというものですが、
今年は、子どもたちはそれぞれ出かけていて、
家内と二人で過ごす年越しでした。
紅白を観ていても
ほとんど知らない歌手の方が多いので、
Eテレで第九を観てから
そのままクラシック音楽の番組を見て過ごしました。
ちょうど紅白が終わる時間にこちらも終了したので、
それからはゆく年くる年を観ながら
日本酒を軽く飲んで年越しをして、
子どもたちが帰ってくるのを待たずに
早々と寝てしまいました。


 結局、早朝にトイレに立った時に
ちょうど帰ってきたので、
若い人は元気でいいなと思いましたが、
それぞれ干渉しない年越しの在り方が
定着してきたのかもしれません。

子どもの頃は、
父が子供だけを連れて
初詣に行くのが恒例でしたが、
我が家は人混みが苦手なので、
あまり初詣には出かけません。
少し落ち着いたころに、
お詣りさせていただくのを恒例としていますが、
いろいろなお正月があってもいいのかもしれません。

ただ、我が家は箱根駅伝ファンで、
2日、3日は
それぞれのチームで10人の選手が
20キロ以上を走る過酷なレースを
楽しませていただきました。
これも、街頭に出て応援するほどではありませんので、
おせちをいただきながら
楽しませていただきました。


 お酒は、この原稿を書こうと思っていましたので、
私は飲みませんでした。
何を書かせてもらうか、いろいろ考えましたが、
特に年末年始は買い物に行くぐらいで
遠出もしませんでしたので、
日常のお正月の過ごし方を
何気なく書かせていただくことにしました。

年賀状もほとんど書かずに失礼させていただいていて、
本当にお正月の在り方も
変化してきたことを感じます。
まだ、過渡期なのか、
年賀状を書かないことにしますというお葉書を
年末にたくさんいただきましたが、
そういう意味では
昭和は徐々に遠くになってきているのかもしれません。


 父は、お正月の新聞には
ネタになることがたくさん書いてあると言って、
じっくり読み込んでいましたが、
私は残念ながら
市場も空いていないお正月の新聞は
上記の株式相場予想ぐらいしか
ちゃんと読みませんでした。
新聞やテレビで報道されていることが
万人にあてはまらない時代になったのだと思います。

ただ、大河ドラマは
一生懸命家族で録画してまで見るのですが、
改めて総集編を観るほどではなく、
それこそメタバースの時代、
個々人がリアルとバーチャルの壁をも超越した
それぞれの過ごし方を
楽しむ時代になってきたようにも感じます。


 年末年始も、時間があるので
いろいろ本は読ませていただきましたが、
あえてここで紹介するのはやめておこうと思います。
コロナ禍のおかげで
本を読む人の数が増えてきたという話を聞きました。
電車に乗っていても、
さすがに新聞を読んでいる人はいませんが、
文庫本を広げている人の姿は
目につくようになりました。
読書の習慣が
人生を豊かにしてくれることは間違いありませんし、
いつも本の紹介をしているので矛盾するのですが、
人から進められて
実用的な本を読む時代ではないのかもしれません。


 さすがにアラカンになってきたので、
自分のやりたいように生きても、
それほど人様にご迷惑をおかけすることは
なくなってきたように感じます。

皆様も、それぞれの生き方を楽しみながら、
自分のことではなく
他人様のことを最初に考えて
行動できるような1年にしていただければ、
激動の時代を
無事に乗り切ることができるのではないかと思っています。

繰り返しになりますが、
そんな皆様の生き方のヒントになるような
原稿を書いて参りたいと存じますので、
本年もどうぞ
よろしくお願い申し上げます。

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