広島サミットが閉幕して
各国の首脳たちは帰国されていきました。
バイデン米大統領は、
議会との合意ができていない
債務上限問題の解決に向けて
早々と帰国されましたし、
ドイツのショルツ首相は
韓国の板門店を訪問されて、
インドのモディ首相は
太平洋諸国首脳とのサミットに出席するために
パプア・ニューギニアを訪問されたようです。
話題を独占した感じの
ウクライナのゼレンスキー大統領は
21日夜に広島を離れて
帰国の途につかれたようです。
ゼレンスキー大統領ばかりが注目されていますが、
今回の突然の訪日は岸田総理が3月21日に
それこそ電撃的にウクライナを訪問した時に
決まっていたのではないでしょうか。
その時のニュースで
岸田総理がゼレンスキー大統領に対して
広島サミットへの招待を申し出た
というニュースがあったように記憶しています。
一般的にはオンライン参加のことだと
解釈されていたようですが、
あれだけ演出がうまいゼレンスキー大統領が
この機会を伸ばすはずはないと思っていました。
また、面白いのは、
フランスの政府専用機で来日されたということです。
戦後の日本はアメリカの動きばかり見ていますし、
正直それで十分事足りるのですが、
なぜフランスが
わざわざ来日のための手助けを
そこまでするのかなどを考えるのも
面白いのかもしれません。
国際政治の駆け引きだ
ということになるのでだと思いますが、
フランスは舞台裏で
フィクサー的な役割を実行することで
存在感を出しているのかもしれません。
ちゃんと裏を取った話ではありませんが、
万国博覧会の開催地を決定するときに、
一番力を持っているのは
フランスの上流階級だという話を聞いたことがあります。
再来年の大阪万博の決定も
彼らの動きを見ていたら
十分予想されたということを聞いたことがあります。
ウクライナの戦争で
これほど大騒ぎになっているのは、
ウクライナがヨーロッパだからです。
アフリカや中東では
同程度の戦乱はいまでも
日常茶飯事に行われていますが、
ヨーロッパから見ればいつものことで
ニュースにもなりません。
日本での報道も、
ヨーロッパのそんな基準が
適応されているということは、
頭の片隅に覚えていた方がいいのかもしれません。
岸田総理がそこまで
考えていたかどうかはわかりませんが、
ウクライナにとっては広島サミットは
そんなG7の首脳だけではなく、
インドやブラジルの首脳まで顔をそろえていて、
なかなかヨーロッパの秩序に
従順に従わない国に対しても、
サミットという場で
ウクライナに対して
批判的なことを言うことはとてもできないので、
絶好のPRの機会だったと思います。
絶好の機会を逃さなかったし、
それをうまく提供した
フランスの得点だったと考えていいのかもしれません。
ウクライナ戦争は、実質的には
ヨーロッパとロシアの戦いなのかもしれません。
面と向かって
イギリスやフランスがロシアと戦うと
第3次世界大戦という核戦争が始まってしまうので
現実的ではありませんが、
一次はサミットのメンバーにまでなっていた
ロシアのプーチン大統領が、
西側から見れば
独裁政治を推し進めて
言うことを聞かなくなってきたので、
いまの内に叩き潰そうという意図が
見え隠れするような気がします。
ゼレンスキー大統領から見れば、
その意図を理解しながらも
前面に立ってロシアと戦っているのだから
支援されるのは当然で、
しっかりとくぎを刺しておかないと
いつ裏切られるかわからないので、
利用できる機会は絶対に逃さない
ということなのかもしれません。
お人好しの岸田総理や日本政府は
まんまとその策略に踊らされている
ということかもしれませんが、
これで岸田内閣の支持率が
上がっていくことになれば、
解散総選挙に進んでいくきっかけになり、
長期政権が見えてくるのですから、
こちらもしっかりと計算していた
ということなのかもしれません。
ロシアと中国から見れば
やられた感があるのかもしれませんが、
BRICSの中で
ブラジルのルナ大統領は
サミットには参加していたにも関わらず
ゼレンスキー大統領と会談しなかった
唯一の首脳になりました。
これも、いろいろな見方があり、
双方とも相手の単純なミスだ
という発表をしているようですが、
何かこの辺りの裏を読めれば
楽しいのかもしれません。
サミットは儀式であり、
被爆地広島に首脳たちを集めたという点では
岸田総理の得点ですし、
それぞれがそれぞれの思惑で
どう動いていたかを考えてみると
面白くなってきます。
日本で開催されたサミットも
最初の頃は、
婦人たちがどこに行って交流を深めたとか
そんなどうでもいい報道が多かった気がしますが、
世界が大きな混乱期に入ったということかもしれませんが、
やはりそれぞれの首脳の一挙手一投足に
面白みが感じられたと思います。
ウクライナ戦争の行方はさっぱりわかりませんが、
早く集結して
世界平和の実現に向けて進んでいける
世の中がやってくればいいと願っています。
急な告知で恐縮ですが、
明日5月25日(金)に
東京四谷のエイトスターダイヤモンドさんで、
講演させていただきます。
私を最後に
しばらく木曜会は開催しないことになったそうで、
できれば大勢の皆様に告知をしてください
というご依頼をいただきましたので、
紹介させていただきます。
当日、申し込みなしに気軽に参加いただける形式なので、
ご都合がつく方はぜひご参加ください。
「資本主義の未来」について語ろうかなと
いまのところは思っています。
今週は広島サミットが開催されます。
前回の伊勢サミットから
もう7年が経ったのかと
感慨にふけっていますが、
7年前は当時のオバマ大統領が
広島に立ち寄るだけでも
アメリカとしては大変なことだったと
言われていたことを思い出しますが、
今年はその広島に
先進国の首脳が集まって
会議をすることになるのですから、
確実に世の中は
いい方向に進んでいると思います。
もちろん、アメリカにとっての
ナラティブ(共創構造を持った物語)は、
原爆投下は必要だったというものであることは
変わっていませんので、
バイデン大統領が
無辜の民(むこのたみ)を
原爆投下で大量に虐殺したことに対する
謝罪をすることはありえないと思いますが、
ステップをひとつ踏むという意味では
大きな節目になると思います。
あくまで個人的な感想ですが、
オバマ大統領の広島訪問の後、
広島を訪れる欧米人観光客の姿勢が
確実に変わったと思います。
それまで広島を訪れていた外国人は
どちらかというと
リベラル思想を持っている人たちで
アメリカ帝国の非道に抗議をするという
スタンスの方が多かったような気がしますが、
オバマ以降は
歴史のネガティブな面を真摯に受け止めて、
それを平和のために活かすには
どうしたらいいかを
真剣に考えるために
訪れている方が増えたような気がします。
ガイドをする日本人のボランティアの方の
お話を横で聞かせてもらっていても、
イデオロギーを前面に押し出すのではなく、
事実を淡々と伝えようという姿勢が印象的でした。
中露が核となって
グローバルサウスに
世界の中心が移っていくという意見が
ザ・フナイや舩井メールクラブに
執筆してくださっている先生方を主体に
私の周りには多くいるように感じますし、
確かに欧米の
主に金融勢力や軍産複合体、
それに製薬業界等
いままで既存の政治システムの脆弱性に
うまく付け込んで
世界の利益のほとんどを独占するのに
成功してきた人たちの
本音が丸見えになりつつあるような気もします。
それはそれで素晴らしいことですが、
同時に既存の統治勢力とも仲良くしながら、
彼らの姿勢の変化に敏感になることも
必要なことではないかと思います。
その意味で言うと、
バイデン大統領をはじめとする
世界の首脳が一堂に会する会議が
広島で行われる意義は大きいのだと思います。
日本はG7諸国の中で
唯一のキリスト教文明ではない国です。
また地域的にも
唯一アジアに属し、
地政学的に考えると
グローバルサウス側の利害も持っている
役割を担っています。
サミットのHPには
招待メンバーの情報も掲載されていて、
ブラジルやインド、インドネシアや韓国、
それに気候変動の影響が多い
太平洋諸国の首脳が
招待されていることがわかります。
被爆地広島に世界の注目が集まるという点では、
とても素晴らしいことなのだと感じます。
話は変わりますが、
大手証券会社を退職した後、
投資関係の仕事に携わっている方と
お話しする機会があったのですが、
彼がいま投資家に勧めているのは
一言で言うと
「バイ・ジャパン」だということです。
欧米の株式が金融引き締めの影響で
低迷しているのに比べて、
日本株は比較的堅調に動いています。
円安になっても
昔のように輸出が増えて
貿易黒字が大きくなるということはなく、
日本は常態的に
貿易赤字を出す状況になっていますが、
子会社や投資からの配当などを加味した
経常収支は黒字基調を保っています。
また、大企業の収益にとっては
円安はどちらかというと
収益アップにつながっていきますし、
アメリカから見たときに
中国とのデカップリングが進むことを考えると
相対的な日本のポジションは
上がっていくことになります。
それでいて金利差が付くことで、
現在の円安基調が
ある程度は続いていくことを考えると
バイ・ジャパンという方針にも
うなずけるものがあります。
2000兆円の個人金融資産の内、
預貯金が半分以上で
株式投資は10%ぐらいしかないのが
現在の日本の状況ですが、
これをアメリカ並みに40%ぐらいにして、
その半分程度が日本株に投入されると考えると
まだまだ日本の株価は
上がっていくのではないでしょうか。
いままでの若い人中心の株式投資は
主にアメリカ株を中心とする
海外のものを購入する傾向が
強かったようにも思います。
これをバイ・ジャパンの動きに変えて、
日本の株式市場のメインプレーヤーを
外国人投資家から日本人に変えていくことが
まずは第一歩なのかなという気がします。
現在、大きな書店で発売中の
「ザ・フナイ」6月号で
巻頭対談させていただいた
トルコ出身で複眼経済塾塾頭の
エミン・ユルマズ先生は、
インフレを考慮してですが、
日経平均が10万円や30万円になっても
おかしくないという意見を述べていらっしゃいます。
信じがたい思いもありますが、
とりあえずは最高値を更新して
4万円を付ければ、
次はそんな世界も
見えてくるのではないかと思います。
「ザ・フナイ」や
エミン先生の著書
「大インフレ時代! 日本株が強い」
(ビジネス社)
などを読んでいただいて、
日本のために
読者の皆さんができることを
考えていただければと思います。
私たちよりも上の世代は、
実感としてバブルの崩壊を経験しているので、
どうしても投資には慎重になりますが、
サミットを機に
そろそろそんなトラウマを外すことに
挑戦する必要があるのかもしれません。
今年のゴールデンウィークは
本当に何も仕事をせずに家にいて、
本を読むかテレビを見るか
お酒を飲んでいました。
のんびりできたという意味では
最高の休日でした。
読む本もいつもと違う
普段ならまず読まないような、
仕事に関係ない本を2冊読みました。
まずは、
川上未映子著
「黄色い家」
(中央公論社)です。
新聞広告で知ったのですが、
元々は読売新聞に連載されていた
新聞小説だということを
読了後に知りました。
読売新聞は普段は読んでいないので、
他紙の広告で知ったのですが、
たまには本格的な小説を読むのも
アリだなと思いました。
小説の舞台は2000年前後の東京。
著者の川上先生は1976年生まれで、
設定された主人公の年齢よりも
少し上なのですが、
私も何となく当時を思い出しながら
懐かしく感じました。
私は、主人公や著者の立場に立ったら
怒られてしまいそうですが、
船井総研の社長の息子でありながら、
まだまだサラリーマン的な立場で、
一応仕事はこなせるようになっていましたが、
逆に将来が見えて
悩み深き頃でした。
主人公たちとは
見ている世界がまったく違いますが、
あの年代を過ごしてきたという感覚を
思い出していました。
ちょうど主人公たちが住んだ街に
同じころによく出入りしていました。
流行の最先端の街でもあるのですが、
ものすごく下町的な雰囲気もあり、
大きな地震が来れば絶対にアウトだなという
バッティングセンターに
よく子どもを連れて
遊びに行っていたことを思い出します。
主人公たちがやっていたような
その街の水商売のお店にも、
その少し後かもしれませんが
行ったことがあり、
寂れた感じがまさにピッタリの感覚で
面白い舞台設定をしたなあと思います。
新聞の読者層は多分、
私と同年代かそれよりも上の世代なので、
新聞の連載を読みながら
若かりし頃をそれぞれ
思い出していたのかもしれません。
もう1冊の普段は読まない本は
禅の本です。
OSHO著
「草はひとりでに生える」
(OEJブックス)です。
OSHOは20世紀を代表するインドの神秘家で
日本でも多くのファンがいます。
私は、「ザ・フナイ」に
「エヴァの視点」というインタビューを
連載してくださっている
新谷直恵さんから、
OSHOの講演を録音したものを
聞かせていただいたことがあります。
もちろん英語なので
ちゃんと意味が分かったわけではありませんが、
当時いろいろ本を買って読んでみたのですが、
さっぱりわかりませんでした。
今回は、まだ読了していませんが、
禅のことがテーマで
少しだけ理解できたような気がしています。
インドは内向的な国で、
日本は外交的な国。
そして、中国はその中間の中庸な国である。
禅がインドで生まれて、
それが中国を経て日本で花開いたのには、
そのような背景があるという意味が
書かれていました。
そして、これはよく理解できたような気がします。
ただ、日本の禅の花は
もう枯れてしまっており、
鈴木大拙師の本ぐらいしか残っておらず、
本質を知ることはできなくなっている。
そして、日本ではもう復活することはなく、
復活できるとしたら
アメリカではないか
という趣旨のことが書いてあり、
ちょっと考えさせられました。
西洋ではイギリスが
中国と同じで中庸の国で、
アメリカが外交的な国だというのです。
だから、日本では、
鎌倉時代から江戸時代にかけて
見事に花開いた禅の花を
復活させられるのは
アメリカになるという見通しを示しています。
確かにオットー・シャーマー著
「U理論」
(英治出版)や
ケン・ウィルバー著
「インテグラル理論」
(日本能率協会マネジメントセンター)
などに代表されるような、
アメリカの精神世界を基本とした
新しい哲学というか組織論は
現代的な禅が花開いたと言っても
言い過ぎではないのかもしれません。
そして、これらの理論のバックグラウンドには
私は鈴木大拙師の思想が
確かに大きな影響を与えているように感じます。
ちょっと思考を飛躍させると、
西洋で内向的なのはドイツやフランス、
そしてもしかしたら
ロシアになるのかもしれません。
現代の西洋哲学はドイツかフランス
(勝手な想像ですが、
フランスは朝鮮半島の雰囲気がしなくもありません)
のものが主流ですが、
正直に言うと
さっぱり理解できません。
それがイギリスを経てアメリカに行くと
わかりやすくなるのも
東洋のインド⇒中国⇒日本の流れに
似ているのかもしれません。
OSHOは日本では、
もう花は開かないと言いましたが、
私は何とかこれを開かせる方法を
考えて見たくなりました。
物事をよく知っている人たちは、
アメリカの時代は終わって
中国やロシアの時代がやってくるという
見方をしている人が多いような気がします。
しかし、これは戦後の世界を
共産主義や社会主義が席巻していたのと
同じような流れであり、
現実的に日本の立ち位置を考えていくと
新しい冷戦構造の中でも
やっぱりアメリカ側に立っているのが
豊かにはなりやすいのかなと感じています。
そのためには、精神的な面でも
江戸時代の日本の禅の花と、
現代のアメリカの禅の花を
癒合させていく動きが面白いのかと感じています。
いつもにもまして、今回は
GWボケで強烈な私のナラティブ
(共創構造を持った物語、ほとんど妄想の意)
ですので、読み流していただきたいのですが、
こんな機会にこそ、
それぞれのナラティブを
膨らましていっていただければなとも思いますので、
何かの参考になれば幸いです。
ゴールデンウィークの合間の平日に
仕事で浅草に出かける用事がありました。
インバウンドのお客様が
かなり帰ってきているのが印象的ですが、
それよりも浅草という街に
根本的な元気があるのが、
とてもうれしいことだと感じました。
私が大学に入って、
東京に出てきたころに驚いたのは、
浅草が寂れていたというか
どことなくすさんだ雰囲気があったことです。
なぜか、競馬をやるつもりもないのに
場外馬券売場に行ったのですが、
とてつもなく鉄火場の雰囲気が
漂っていたのが懐かしい思い出です。
まだ昭和のことなので、
それこそ切った張ったの
雰囲気が残っていたのですが、
一方では
東京ディズニーランドができた頃ですし、
世の中はバブルの頃なので、
東京の繁華街でも
こんなところが
まだあるのかなという雰囲気でした。
昭和の終わりの頃は、
外国人観光客なんてものは
そもそもほとんどいませんでした。
いまから考えると
まだ高度成長期の名残りがあって、
日本人が外国に出かけていくようにはなりましたが、
逆に外国人で日本に観光で来るのは
かなり変わった人でした。
いまと違って、
日本自体が明らかに
観光客を歓迎していなかったのかもしれません。
10年近く前、
インバウンドのお客様が増え始めたころも、
まだまだ昭和の雰囲気は残っていました。
外国人観光客に人気があったので
将来性は感じましたが、
まだまだ日常性だけを
感じにいく場所だったと思います。
いまは少し繁華街から外れると
マンション街になっていて、
下町の雰囲気はあまり感じられませんでした。
今月の中旬には
三社祭が開催されるのですが、
祭り気分にあふれているというよりは、
インバウンドで街の雰囲気が変わり、
それにともなって
街としての格が上がってきたので、
都心に近いことを活かして
新たな住宅地になってきたのかもしれません。
面白かったのは、
カフェに入ったら
かき氷のお店で、
私はコーヒを飲んだのですが、
一緒に行った人は
1500円もする
かき氷を食べていました。
私たちが入ったときは、
他にお客様はいなかったのですが、
すぐにインバウンドの人や
明らかにGWで東京に遊びに来ている
女性たちのお客様で
店内はいっぱいになりました。
もちろん、場所は違うのですが、
大学生の頃の場外馬券の雰囲気と
あまりに違う浅草を体験できたことが
とても印象的でした。
3月に神戸の元町に
日曜日に行く用事があったのですが、
その時に、やっぱり場外馬券場があり、
まだ昭和の名残りを感じる雰囲気がありました。
元町や、日本各地の
場外馬券場があるような繁華街も、
これから浅草が遂げたような
変貌をするのかもしれないなと思ったら
うれしくなってきました。
いろいろなご意見はあるかと思いますが、
おじさんたちが集まる街が
女性たちに占領されるようになると
街は活性化します。
日本の都市は、戦後、
町の西側が発展していく流れで
広がっていったのですが、
浅草のように
東側にスポットが当たっていくように
なるのかもしれません。
戦後の日本の都市は
工業化に伴って発展していきました。
西風が吹くことが多いので、
工場の煙はどうしても
東側に流れていきます。
だから、浅草などの地域が寂れて
山の手が発展していったということを
何かの本で昔読んだことを覚えているのですが、
よく考えると
東京に工場地帯はほとんど残っていないので、
そんなトレンドが変化しても
まったくおかしくありません。
そもそも江戸という街は
東側から発展していった街で、
戦前は浅草が一番の繁華街でした。
青山は大名の下屋敷がある江戸の町外れで
渋谷は完全に田園地帯だったというのですから、
町の変遷を調べてみるのも
面白いのかもしれません。
渋谷の変貌もすさまじいのですが、
歳を取ったので、ついていけない気分になります。
仕事でも若い人が経営するIT企業は渋谷にあるので、
訪問する機会がありますが、
やっぱり落ち着きません。
そういう意味では、
年配者にとっては
まったく風景は変わりますが
浅草は落ち着く街なのかもしれません。
私たちの頃は、
東京に住んでいる人のまだまだ多くは
田舎を持っていましたが、
いまの若い人は、
両親がそもそも東京生まれで
祖父母に会いに田舎に帰る感じの
GWの過ごし方をした人が多いのだと思います。
そして、その若い人が
親になってきているので、
今度は私たちの世代が祖父母世代で
そもそも田舎に帰るということが
なくなりつつあるような気もします。
そうなってくると、
時代的な感覚で
浅草などの下町に行って
ノスタルジーを感じるように
なっていくのかもしれません。
世の中はすごい勢いで変化しています。
インバウンドという外的要因で
都市が変貌していくことに面白さを感じますが、
やっぱり東京の魅力には
奥深いものがあると感じさせてくれました。
GWの東京都心は人も少なく、
久しぶりに多くの東京人が
地方に脱出していることを感じます。
逆に都心にいて
のんびりさせてもらおうと思っています。
みなさんも、いろいろな意味で
人生を振り返るゴールデンウィークを
楽しんでいただければと思います。
マネーとスピリチュアル研究会は、
最初の山場である
「世界で一番簡単な経済学」の回を
無事に終えることができました。
なるべく簡単にまとめたつもりでしたが、
スライドを作った段階で、
「全然わからへん」と
強烈なダメ出しをいただきましたが、
文字を少なくすることで
かなりわかりやすくなったと
OKをもらえました。
本番は主催者のアーシャ(福田彩子さん)と
掛け合い漫才の要領でやろうと
打ち合わせしていたのですが、
結局はほとんど一人で話していました。
いまの世界の金融は
1944年のブレトンウッズ会議というので決まった
IMF(国際通貨基金)と
世界銀行体制で運営されています。
これを創ったのは
イギリス人のケインズと
アメリカ人のホワイトという経済学者でした。
圧倒的なパワーを持っていた
アメリカの意見がほとんど通ったのですが、
ケインズの見通しのように世の中は推移して、
金の裏付けがまったくない
不換紙幣中心の通貨システムと
為替の価値が絶えず変動相場性で
運営されるようになりました。
アメリカが没落して
中露中心の金融システムで動くという方がいますが、
金本位制に戻ることはできないことを考えると、
まだ何十年かはかかると私は思っています。
そこまでは、話せていませんが、
経済はみんなが豊かに暮らせるようにする
政治のことで、
近代経済学は完全雇用
(自発的な失業者が存在しない状態)を
実現するためにできたものであること。
理論的には古典派経済で完全に完成したのですが、
貧困問題が解決しないことでマルクス経済学ができ、
さらに世界大戦と大恐慌が起こったことで、
その中間の政策としての
ケインズ経済学が生まれたこと。
戦後の政治経済は大体
ケインズ経済学で運営されてきたこと。
これが、あったから
新幹線や高速道路が広がっていることなどを
お知らせしました。
ケインズ経済学の要点は、
有効需要を創造して
それを効率よく運用するために
乗数効果を高めること。
有効需要というのは簡単に言うと
仕事を作ることで、
乗数効果というのは
せっかく仕事を作って
マネーを市中
(世間でも大体OKです)に流したのだから、
それをなるべく早く多く循環させて
景気をよくすることだという
説明をさせていただきました。
ここから、数学主体の
計量経済学が生まれていき、
それで経済学が自然科学
(計算できる科学)になったので
ノーベル経済学賞ができたこと。
でも、厳密に言うと
経済学賞はノーベル賞ではないこと等を
説明させていただきました。
これからも気は抜きませんが、
私も一緒に勉強させていただくという
チャレンジングな内容になっているので、
楽しくやらせていただいています。
マネスピを始めて
いいことがいろいろあります。
例えば、
「お金のいらない国」の
長島龍人先生と
久しぶりにお会いできたことです。
多分、15年ぐらい前に
「お金のいらない国」のことを知って、
その直後に
お会いさせていただいたことがありました。
それ以来、
こんな世界を創っていくのが
私の役割だなと思っています。
龍人先生に、
当時こんな世界を創るのには
どれぐらいかかると思っていますか、
とお聞きしたことがあります。
先生のお答えは500年ぐらいかな、
ということでした。
それを少しでも早くするために、
逆説的ですが
経済のことが苦手で、
できれば考えたくないと思っている方に
お金の本質を知っていただきたいと思ってきました。
アーシャのおかげで、
そんな一歩が切れたことを
とても感謝しています。
お母さんたちが、
豊かに暮らすための
基本的な政治経済の本質を
簡単に理解してくれるようになったら
いい社会は間違いなく実現すると思います。
龍人先生は、
ご自身のホームページに、
最新作
「お金のいらない国5 ~お金の正体は?~」を
無料開会されています。
4月24日付の新聞に
スマートフォン決済のPayPayの
昨年度の決済取扱高が
10兆円を超えたと報道されていました。
そんなキャッシュレス時代の話題も
取り込まれている最新作が
誰でも無料で読めるようになっているので、
ぜひ、読んでみて
旧作にも興味をもっていただければと思います。
私は、キャッシュレス決済が普及する前は
一番いいお金との付き合い方は、
いつもニコニコ現金払い、
だったと思います。
ただ、いまは
キャッシュレス化が進む方が、
お金のいらない国に向かっていく
進化のスピードが上がっていくと思っています。
最新作の中で、
「お金とは
『交換の権利を数字で表したもの』」
という場面が出てきます。
その通りだと思いますが、
現金を使っているよりも
キャッシュレスの方が
その実感が持てると感じるからです。
そして、やがて必ず必要になる
ベーシックインカムも、
キャッシュレス化が
大前提になるとも思っているからです。
私も、PayPayのアプリを
ダウンロードするのには苦労しましたし、
いまも本人確認をするのに
ちょっと手間取って苦労していますが、
これぐらいは新しい時代を体感するためには
必要な事と割り切っていきたいと思っています。
私は、もうすぐ59歳になります。
正直、世の中の変化についていくのは大変ですが、
私よりも年上の方が28年も前に
現在の社会のことを見通していた本があることを知り、
ちょっとびっくりしています。
オリジナルのタイトルは
「ぼくたちの洗脳社会」
(朝日文庫)。
アマゾンの写真に掲載されている帯には
「自由洗脳競争社会」がやってくる。
と書かれています。
著者は岡田斗司夫さん。
FREEex(フリックス)という
まったく新しい経済システム組織の
代表をやっておられます。
2011年に
「評価経済社会」
(ダイヤモンド社)
として新版を出版され、
私は2013年にさらにそれを電子版にして
加筆修正されて出版された
「評価経済社会 電子版プラス」
(ロケットブックス)
を読ませていただきました。
本書には1980年に出版された
アルビン・トフラーの
「第三の波」
(中公文庫)や
1985年に出版された
堺屋太一の
「知価革命」
(PHP文庫)
等が紹介されていて、
とても懐かしく思い出しました。
特に「第三の波」は、
当時の父もよく取り上げていて
高校生だった私でも、
社会の変化の方向性がよくわかる
とても面白い本だと思ったことをよく覚えています。
私のいまに至るまでの
理屈っぽさを形作ってもらった本
といっても過言ではないかもしれません。
狩猟社会が農業社会になり、
それが産業革命を経て工業社会になり、
今度は情報化社会になっていくということを
43年前には見通していたのですから、
社会の発展の方向を捉えておくということは
上手く生きていく上で
大事なことなのだと思います。
当時の父は、
まだ目に見えない分野の発信は
ほとんどしていませんでしたが、
逆に流通業界のコンサルタントとしては
一番油の乗り切ったころで、
「第三の波」に興味を持てたので、
中学生にして
当時の父の本が
面白く読めるようになったのかもしれません。
堺屋先生の「知価革命」も
大学生当時に読んだと思いますが、
こちらはそれほどインパクトに
残っていないことを考えると、
やっぱり最初に理屈の世界に引き込まれた本は
新鮮だったのだと思います。
ただ、「評価経済社会」の
基本コンセプトとも言える引用が
「知価革命」には書かれているようで、
その部分を引用させていただきます。
(引用開始)
では、堺屋が
『知価革命』の中で述べている
価値観の変化とはどんなものでしょうか?
堺屋は、いかなる時代、いかなる社会にも、
社会の共通概念である基本価値観
「やさしい情知の法則」があると書きました。
その法則を次のように定義しています。
「やさしい情知の法則」=
「どんな時代でも人間は、
豊かなものをたくさん使うことは格好よく、
不足しているものを大切にすることは美しい、
と感じる」
堺屋はこの「根源的な法則」を、
『知価革命』の中で何度も主張しています。
この法則を 使って
過去から現在における変革をとらえ直し、
未来を予測しているのです。
この法則、はっきり言って
ものすごく「使え」ます。
(引用終了)
この部分は何か
記憶にあるような気もしてきました。
基本的には、
有り余っているものをたくさん使い、
足らなくなってきたものを
大切にするようになると考えれば、
時代のトレンドが読めるということになります。
そして、岡田さんは、
これからの時代のトレンドを読むためには、
若い人がどんな指向を持っているかを考えればいい
ということも教えてくれています。
これからの時代は、
何よりもお金を大事にする
「貨幣経済社会」が廃れて、
他人からの評価をお互いに求めあう
(これを洗脳競争と表現されています)
「評価経済社会」になっていくと読まれています。
オリジナルは1995年に書かれているのですが、
それがいまでもまったくあてはまるのは
すごいと思います。
この本にたどり着いたのは、
岡田さんと山形浩生先生との対談本
『「お金」って何だろう?』
(光文社新書、2014年)を
まず読んだからです。
マネーとスピリチュアル研究会の
最大の難所「世界で一番簡単な経済学」が
4月22日(土)に迫っており、
そのための準備をするために読んだ本でした。
山形先生は今回のメインテーマであり、
いまの経済学というか
社会の在り方そのものを作る
土台の理論を提供したとも言える
ジョン・メイナード・ケインズの
「雇用、利子、貨幣の「一般理論」」
(講談社学術文庫)
の翻訳者であり、
ケインズを一番わかりやすく
日本に紹介している第一人者です。
そして、私が最近、
いまの若い人はお金ではなくて
承認欲求(簡単に言えば「いいね!」)を
求めているということを
28年前にすでに見破っていた
(しかも、その本がベストセラーになっていた)
ことにびっくりしているのです。
正直に言うと、
『「お金」ってなんだろう?』の議論においては、
私は山形先生推しですが、
岡田さんの思考方法は本当に参考になりました。
「評価経済社会」と「知価革命」は、
アマゾンのプライム会員の方は無料で読めますので、
ぜひ挑戦していただければと思います。
先日、久しぶりに
熱海にある舩井幸雄記念館に行ってきました。
主目的は、久しぶりに
母に会いに行くことだったのですが、
当日は関西方面に出張の予定が入っていて、
イメージで言うと
途中下車したということになります。
4月になって新年度が始まり
保育士の先生が増員されたことで
少し時間ができた、
熱海パンダの森保育園の園長をしている
妹にも久しぶりに会って、
いろいろ話ができてよかったと思っています。
当日は恵みの雨が降っていて、
外出するようなお天気ではなかったのですが、
せっかく熱海まで来て、
しかも少し余分な時間があったので
こちらも久しぶりに
十国峠の近くにある
父のお墓参りに行ってきました。
母が、株主総会を終えた
船井総研ホールディングスグループの役員の方々が
先日、お墓参りを兼ねて
記念館を訪れてくださったという話を
嬉しそうにしてくれたのがきっかけですが、
こういう天気の日にこそ
父が「たまにはお墓参りに来るのもいいぞ」と
呼んでいるように感じたからです。
記念館から箱根に向かって
山を登っていく感じでドライブしていくと
お墓があるのですが、
平地ではほとんど散ってしまった桜が
山の上ではまだきれいに楽しめました。
母は桜もいいけど、
この時期の新緑が最高で、
特に父の部屋から見える紅葉の新緑は
何とも言えない美しさで
楽しませてもらっていると話してくれましたが、
確かに熱海の山の上の方も
季節の移り変わりを感じられて、
雨の中とは言え
久しぶりにのんびりしながら
自然の恵みを味合わせていただきました。
ただ、十国峠に近づくと
深い霧が出てきました。
ほとんど車は走っていませんでしたが、
イメージで言うと
前の車のテールランプが
よく見えないぐらいの深い霧で、
逆にこの天気は
久しぶりにやってきた私のために
父が演出してくれたのかなと感じました。
天気が良くて空気が乾いているときなら
十国峠からも
きれいな富士山が見えることがあります。
父は、車で十数分で行ける十国峠が好きで、
箱根も含めてこの地が
日本にとって大事な場所だという
認識を持っていたように思います。
芦ノ湖には龍神がいるようなイメージも持っていて、
時々芦ノ湖1周のドライブを楽しんだりもした時に、
そんな話をしてくれたことを思い出しました。
私は、いま
マネーとスピリチュアル研究会のための
勉強に追われている毎日を過ごしていますが、
お金は神さまが龍神を使って
水から作ったツールではないかと思っていますし、
そんなことをマネスピの場で話させていただきました。
お金の研究をしている私に対して、
父が何かを伝えたいから演出したのかなと思っています。
いまのところ、それが何なのかは
明確にはわかっていませんが、
何かをダウンロードできたような気はしています。
9年前の父の社葬の時に、
東京はものすごい雪になりました。
私たちは、父が何かの戒めのために
大雪を降らせたに違いないと言っていたのですが、
弔辞を読んでいただいた
台湾の大手企業の元CEOの方にお礼に伺ったところ、
お会いしてすぐに
「おめでとう」とおっしゃいました。
意味がわからなかったのですが、
「中国では大事な行事の時に雨があると、
祝福されているのだという風に考えるのです。
ましてや、あれだけの大雪は、
舩井先生が船井総研も舩井家も
これから絶対に
お金に困らないようにしたということなので、
おめでたいのですよ。」
と、教えてくださいました。
ちなみに、社葬に全国各地から
大勢の方にご出席いただいたのですが、
当日は交通機関が麻痺してしまって
多くの方にご迷惑をおかけしてしまったのですが、
そのCEOの乗られた台北行きの飛行機だけ、
翌日のフライトが時間通りに飛んで
スムーズにお帰りになることができたそうです。
達観している方には、
そんな天の味方まで付くのだなと感心したことを
いまでもよく覚えています。
その直後に、
はせくらみゆき先生との共著
「チェンジ・マネー」を
出版させていただいたのですが、
その中でみゆき先生が、
前述のように
マネーは神さまが水から作って
人間に与えてくれたものである
というお話をしてくださったのです。
この原稿は、
広島県の江田島のリゾートホテルで
書かせていただいています。
幸いにも、今日はいい天気で
きれいな海を眺めながらペンを走らせています。
島国で雨に恵まれている日本人には、
河川や海や湖など、
水辺の楽しい思い出を
いくつかは持たれているのだろうと思います。
私もおかげさまで、
日本中を旅する機会があり、
いろいろなきれいな水辺を
楽しませていただく機会が多くあります。
イスラエルのような砂漠の多い国に行くと、
水は本当に貴重なものになります。
ただ、それを反骨精神にして、
豊かさを築いています。
水に恵まれている私たちは、
素直にその恩恵を活かして
これからお金に困らない世の中を
作り上げていかなければいけないと思います。
そして、儲けるのが使命の方は、
遠慮することなく儲けていただいて、
それを世のため人のために
活用するように使っていただければ
いいのではないかと思います。
素直に豊かになる時代がやってきたことを、
父は何らかの形で知らせてくれたような気がします。
近いうちに、そのメッセージを
理解できるような気がしています。
マネスピの場や、このような原稿で
発表させていただきたいと思っていますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
3月10日に
総資産額2090億ドルで
全米16位
(日本の銀行でもベスト10入りします)
の規模の
シリコンバレー銀行が
カリフォルニア州の金融当局によって
営業逓信命令を受け、
連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれました。
金融関係者のほとんどが、
シリコンバレー銀行が倒産するということを
事前に察知しておらず、
対応が遅れたのではないか
という見方が広がっていました。
今度はそれが、ヨーロッパに飛び火して、
かねてから危ないのではと言われていた
クレディスイス銀行に対する
取り付け騒ぎが起こりそうになりました。
こちらは、スイスの金融当局が主導する形で、
スイス第1位の銀行である
UBS銀行に合併する形で危機を乗り越えました。
欧米の金融システムの破綻にまで
つながる可能性があるのではないか
という見方が一時的に広がり、
すわ金融恐慌か、
という警戒態勢がいったん敷かれましたが、
4月になって振り返ってみると、
とりあえず金融市場も含めて
落ち着きを取り戻してきました。
ただ、2008年のリーマンショックの時も
1年数カ月前に
サブプライムローン危機を発端にした
大手投資銀行の一角を占めていた
ベアー・スターンズが危機に陥り、
結局はJPモルガン・チェースに
救済合併されるという事件がありました。
同じことを連想している金融関係者はたくさんいて、
2024年か25年に
本格的な金融恐慌が起こると
予想している人が多くいるようです。
個人的には、
そんなことも十分あり得るとは思っていますが、
リーマンショックの時は
サブプライムローンから作られた
怪しい金融商品が
投資銀行業界で蔓延していた
という原因が
後付けですが、はっきりわかっています。
今回のシリコンバレー銀行の破綻は、
米国債への過剰投資が原因で、
サブプライム関連商品のように
怪しいものに投資をしていたわけではなく、
間違いなく世界で最も信用力がある
米国債に投資をしていたに過ぎません。
インフレ懸念に対する対処を優先していて
アメリカの利上げ戦略によって、
米国債の価格が下落していることで起こった危機で、
問題の本質はかなりレベルが違うとは思います。
シリコンバレー銀行の場合は、
情報の伝達が異様に早いことも
大きな原因だったと言われています。
SNSで誰かが
シリコンバレーが危ないのでは
という情報を発信すると、
それがあっという間に拡散されて、
しかもネットバンクが
どこよりも進んでいる環境が整っていたので、
銀行の店舗まで預金を下ろしに行く
取り付け騒ぎが起きる前に、
すでに多額の預金が
ネットバンクで下ろされ始めたことが
要因だったのではと言われています。
いかにも、いまどきの銀行倒産なのですが、
金融当局も事態に学ぶべきところは多かったので、
対処法を考えるのは
そんなに難しくないのではないかと思います。
それでも、金融危機が起こるときは起こるので
何が起こっても大丈夫なように
私たちも会社や家族のために
独自の対応方法を考えておくべきだとは思いますが、
やっぱり一番いいのは、
そんな危機が起こらないように
みんなの思いをひとつにすることではないかなと思います。
リーマンショックの時も、
日本の金融システムは
ほとんどサブプライムローン商品には
毒されていなかったにも関わらず、
先進国の中でもかなり大きなダメージを
こうむってしまったという事実はありますが、
現在の日本の金融システムは
欧米に比べてもかなりの堅固さを持っているので、
たとえ欧米で金融危機が起きても、
それが日本の銀行の倒産にまで至る確率は
5分5分ぐらいではないかと思います。
マネーとスピリチュアル研究会などの講演会で
このことをお話しても、
金融危機が迫っていたということに
気が付いていない人が
大半を占めているように感じます。
あまり心配し過ぎるのもいけませんが、
少しぐらいは金融的に何が起こっているのかに対して
興味を持っていただけるようになった方が
生きやすくなるのにな、とは感じます。
マネスピ研究会は
1年を通してのお申し込みは終了していますが、
単発でのご参加は可能です。
4月22日(土)には
大阪でリアル講演会もやりますので、
世界で一番わかりやすい経済学の話を
させていただきたいと思っておりますので、
ご参加をご検討いただければ幸いです。
現下の問題は、
インフレにどう対処するかということですが、
もうすぐ退任される日銀の黒田総裁の
悲願が実現したという見方も考えられます。
インフレ下では、
経営者も消費者も
勉強することが
うまく生きるためのポイントになります。
専門用語をなるべく使わずに
ニュースの見方がわかるようになるような講座を目指しますので、
オンラインでも参加いただけますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
ノーベル賞授賞式の晩餐会が行われる、
スウェーデンのストックフォルム
市庁舎にある黄金の間には、
女神ゲフィオンの壁画が描かれているそうです。
いときょう著
「フトマニと北欧の女神ゲフィオンから読み解く
古代人の宇宙観と文字生成の原理」
(ホツマ出版)
の表紙には
そのゲフィオンの壁画の写真が載っています。
市庁舎の中庭から見える
メラーレン湖という美しい湖は
北欧神話によると、
女神ゲフィオンが創ったと言われているそうです。
私は残念ながら
スウェーデンに行ったことがありませんし、
北欧の神話にも詳しくはありませんが、
いときょう先生によると、
この宇宙観と
ホツマツタヱに関連する太占(フトマニ)という占いが
文字生成の原理を見事に説明していると
解説されています。
いときょう先生と
カタカムナ研究家である吉野信子先生の共著
「ホツマツタヱとカタカムナで語り尽くす
超古代史が伝える日本の源流と新世界の始まり」
(明窓出版)
によれば
ホツマツタヱの概要は以下のようになります。
(引用開始)
「ホツマツタヱ」とは、
古代文字「ヲシテ」で書かれた日本最古の歴史書で、
古事記、日本書紀の
元になったとされる書物と言われている。
五七調の長歌体で記され、
約12万文字、全40章からなる。
古事記、日本書紀と同様、
古代の日本の国造りを描いているとされる。
また、和歌や日本の祭り、
行事の起源なども書かれており、
縄文文明を知る上でも貴重な文献と言える。
すべて漢字で表記されている古事記・日本書紀に対し、
ホツマツタヱには、縄文時代より使われてきた
日本固有の文字・ヲシテ文字が使われている。
ヲシテの基本となる文字は48。
点や線で表される子音と、
丸や三角、四角で表される
5母音を合わせて発音がつくられる。
昭和41年8月、
「現代用語の基礎知識」
初代編集長であった松本善之助氏が
東京・神田の古書店で
「ホツマツタヱ」の一部の写本を発見したことが、
今に繋がる研究の始まりと言われる。
その後、平成4年、
高島市安曇川の日吉神社の蔵から
全40アヤ(章)が発見されたことで、
一気に研究が進んだ。
(引用終了)
いと先生は経営者でいらっしゃったのですが、
ホツマツタヱをはじめとする古代文字に魅かれ、
その研究者となり
ホツマ出版を立ち上げて
代表取締役に就任されています。
にんげんクラブでも
定期的にセミナーを開催してくださっていて、
多くのファンが講座を楽しみにされています。
私は10年ぐらい前に初めて
ホツマツタヱのいと先生の講座を
聞かせていただいたことがあります。
ホツマツタヱでは天照大神は
アマテル神と呼ばれて男性であること、
アマテルの皇后がセオリツヒメであることなどを知り、
とても興味を持ちました。
その後、セオリツヒメの縁の神社に
何度か行かせていただいたりして、
いと先生のお優しい人柄と相まって
その世界観が大好きになりました。
ただ、きわめてアバウトな性格なので、
いと先生のように研究をするには至らず、
何年か前に
いと先生のご推薦される本は入手していたのですが、
得意の積読になっていました。
冒頭で紹介した
女神ゲフィオンのことが書かれている本も
そんな中の1冊なのですが、
4月2日(日)に
いと先生と一緒にセミナーをさせていただくことになり、
いまになってあわてて読み始めたというわけです。
最近、「マネーとスピリチュアル研究会」を始めたのですが、
そのための資料を作っている過程で
十種の神宝(とくさのかんだから)の解明が
自分なりに進んできました。
そんなことを聞き及びになられた
いと先生から
一緒にセミナーをしようという
ご提案をいただいたのです。
ホツマツタヱにもトグサタカラという表現で
十種の神宝が出てくるそうで、
古代文字で書かれた
日本の国造り神話の段階まで遡って、
古代の叡智を解明できることになるのかもしれません。
私は、研究の過程でつかんだ
それぞれの神宝の特徴を
お話させていただこうと思います。
どうも、エゴ(我欲)を超越して、
自分のことだけではなく
世のため人のために生きるということを実践するのが
十種の神宝を使いこなすためのポイントになるようです。
エゴの時代は三種の神器で治めた世の中が、
人類の精神性が高まってくると
十種の神宝まで使いこなせるようになってきて、
まさにその準備のためのクライマックスに
世の中は到達しているのかもしれないという仮説を考えています。
直前のお知らせで恐縮ですが、
4月2日のセミナーに
ご参加いただければ幸いです。
宇宙創成の原理や
世界各地の文字生成の秘密ですら書かれている
ホツマツタヱの世界観を感覚的につかむことは、
私たち人類が進化していくために絶対不可欠なことだと感じます。
縄文時代を解き明かす
ポイントになるとも言われているホツマツタヱ。
私も真摯に学ばせていただきたいと思っています。
最初に自分のレポートの間違いから
指摘させていただきます。
先々週の当欄で、
「守破離」と「離見の見」という言葉が
世阿弥の「風姿花伝」で書かれているものだと
書かせていただいたのですが、
どちらも間違っていました。
「守破離」は千利休が言った
という話もあるようですが、
実は出典がよくわかっていないもののようです。
「離見の見」は世阿弥が「風姿花伝」の後で書いた
「花鏡」の中で書いているもので、
こちらの方はまあ近いとは言え、
間違いは間違いなので
謹んで訂正させていただきたいと思います。
間違いに気が付いたきっかけは、
林望著
「すらすら読める風姿花伝」
(講談社+α文庫)
を読んだことです。
「風姿花伝」の原文を紹介して
現代語訳と解説を書いている面白い本ですが、
先々週の原稿を書く前に読もうと思って
買ってあったのですが、
時間がなくて
読まずに原稿を書いてしまいました。
遅ればせながら読んだのですが、
Kan.さんがワークプログラムで使った
「秘すれば花」はもちろん出てきたのですが、
私が間違えた二つの言葉は
最後まで読んでも出てきません。
心配になってネットで検索したのが
上記の結果になります。
まさに思い込みをしっかりと確かめることなく
原稿にしてしまった私のミスですが、
「守破離」と似たような言葉として
「風姿花伝」に出てくるのが、
「序破急」という言葉です。
やっぱり昔から買ってあって読んでいなかった
土屋 惠一郎著
『NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝』
(NHK出版
)に以下のような記述があります。
せめて、この本を読んでいれば
間違えなかったかもしれないと悔やんでいますが、
まあ、このようにネタにできているので
大変厚かましくはありますが、
よかったとさせていただきたいと思います。
(引用開始)
続いて紹介したいのは
「序破急」という言葉です。
「序破急」は、
もともと雅楽にあった
音楽や舞などの
形式上の三区分を表す言葉です。
世阿弥がオリジナルで
つくったものではありません。
しかし、世阿弥がこの言葉を
単なる音楽上の意味ではなく、
意味をひろげて大事な言葉として使ったことで、
世阿弥の言葉として理解されているかもしれません。
「序」は「はじめに」という意味です。
能の「序の舞」は、
冒頭部分に笛と足踏み(「序」)を含ん だ
舞を指します。
その後、音楽が少し高まる「破」があり、
さらに盛り上がっていく「急」がある。
舞の中に、序破急という
三段階の流れがあるのです。
世阿弥は、すべてのことには序破急があり、
能でも舞に限らず、
物語のプロットや、
一日の公演プログラムも
序破急に則って構成するとよいと言っています。
(引用終了)
私だけではなく、
「守破離」という言葉は
世阿弥が言った言葉だと思い込んでいる人が
どうもたくさんいるようです。
それだけ、世阿弥が残した考え方が
現代にも通用する奥の深いものだということだと思います。
ちなみに、この「100分de名著シリーズ」という
Eテレの番組を本にしたものは、
とても参考になるものが多くあります。
普段は私が知見を持っていない分野の原稿を書く時は
よく参考にさせていただいています。
テレビ番組は、たまにしか拝見したことがないのですが、
私はテキスト派なので
本で読む方が得意ですが
動画派の方は
NHKのオンデマンドも観られるようなので、
ご興味がある著者のことを知る
一助にしていただければと思います。
NHKの受信料を払わされることに対して
一家言持っていらっしゃる方は
たくさんいらっしゃると思いますし、
確かに中途半端なあり方だとは思いますが、
やっぱり単純に収益を目的とする民放では
なかなかこういう番組を作るのは難しいと思いますので、
私は基本的には
喜んで受信料を納めています。
デジタルの時代がここまで進んだことで
新聞やテレビの存続が危ういという
話を聞くようになりました。
もしかしたら、
こういう質の高いコンテンツを作っていくところに
解決方法があるのかもしれません。
『NHK「100分de名著」ブックス
世阿弥 風姿花伝』の
著者の土屋先生のご意見ですが、
世阿弥の父親の名人であった観阿弥が
室町幕府の三代将軍足利義満の前で、
それまでは長老が舞うものと決まっていた
「翁」という演目を
自分で舞って将軍の庇護を得ることに成功しました。
猿楽と呼ばれていた能の原形は、
それまでは寺社仏閣で定期的に演じられるもので、
いわば寺社仏閣から雇用されているような
猿楽の踊り手が人気商売になりました。
それ自体はマーケットが格段に広がったので
いいことなのですが、
安定はなくなり
実力によって地位を得ていく
競争にさらされることになったという
背景があるという解説がなされています。
世阿弥が「風姿花伝」を残したのは、
競争社会に突入した能楽の世界で
子孫が生き残っていくための
秘伝の書としての役割を担わせるためだった
という解説には
納得させられるものがあります。
20年ぐらい前から
競争社会に突入した現代社会において、
能の奥義とも言える
世阿弥の著書の人気が高い背景には
こういう事情があるのかもしれません。
競争社会から、また一歩進んだ
共生社会を目指している私たちにとっては、
その後の能楽の発展を学んでいくと
とても参考になるのかもしれません。
世阿弥の時代から600年経っても
存続している能楽から
学べることは多いような気がしています。
アメリカで銀行破綻が
相次いで2行で起こりました。
アメリカでの銀行破綻は
リーマンショック以来ということで、
FRBによる金融引き締めの副作用が
目に見える形で現れたと言ってもいいのではないでしょうか。
象徴的なのは
シリコンバレー銀行の破綻。
個人客を対象としていない銀行で、
預金の大半が
ITベンチャー企業のものだという話ですが、
とりあえずは預金が
全額保護されることが迅速に発表され、
これ以上のバンクラン
(銀行に預金を引き出す人が列をなして並ぶ状態。
銀行は資産額以上の貸し出しを行っていて、
バンクランが発生すれば
どんなに優良な銀行であっても
倒産する可能性はある)
は止まりそうです。
倒産の原因となったのは
債券運用の損失が出たことがSNSで話題になり、
情報に敏感なシリコンバレー企業が
バンクランに走ったことにあるようです。
アメリカの金融関係者も
同行が危機にあるという
認識を持っている人はほとんどおらず、
どうもブラックスワン
(通常スワンは白いのですが、
まれに黒い白鳥が見つかること。
予期せぬ事態が起きて大惨事になることの象徴)
の臭いがすると
敏感になっている人もいるようです。
債券価格と金利は
逆の相関関係にあります。
いまのアメリカのように
金利が上がっている状態のときは、
債券価格は安くなっています。
運用でアメリカ国債などの
債権を多額に抱えていた同行は
売却損を出すことで
健全性をアピールする狙いだったようですが、
完全に裏目に出たようです。
たまたま今週に入って、
証券会社の元幹部の方に
会う機会があったのですが、
どうも日本の地方銀行でも
国債を大量に保有しているところは
かなりの含み損を抱えているので
危ないのではと
噂されているところもあるようです。
アメリカの影響を受けて
日本の株式市場も大きく下げていますが、
特に銀行株が売られているのは
この辺りの連想があるからなのかもしれません。
シリコンバレーという
ハイテク地域を象徴する
銀行がつぶれたことは印象的なので、
これが直接の金融危機に発展するとは思いませんが、
ちょっときな臭いような感じはあります。
(引用開始)
金利がここまで上昇してくると、
史上空前の世界的な金融緩和で踊ってきた
金融マーケットや企業経営に
影響が及んでくるのは避けようがない。
現に、米国の債券市場は
昨年の 2022年に
18%を超す下げとなっている。
当然のことながら、
ここまでの金利コスト上昇分だけでも
企業経営に重くのしかかって くる。
それがジャンク債など
低格付け債を発行している企業の経営を襲うと、
デフォルト(債務不履行)発生となり、
債券価格全般の急落につながっていく。
債券市場が大きく崩れると、
債券の流通利回りは急上昇する。
それを市場金利の上昇と いうが、
一度始まるともう止めようがない。
その時は、もはや政策金利がどうのこうのなど
太刀打ちができない。
あっという間に、
金利水準全般が跳ね上がっていく。
(中略)
もっとも、その前に
空前の金融緩和政策に乗ってきた
カネ余りバブル相場が崩れ出していよう。
つまり、世界の債券や株式市場全般が
ドスーンと下げるわけだ。
その大きなふるい落しの先に、
玉と石コロとの選別が始まるのだ。
多くの投資家が吹き飛ばされよう。
それは個人投資家だけではない。
年金などを運用し ている機関投資家も
同様にバブル崩壊の地獄に叩き落されることに。
機関投資家は運用のプロといわれるが、
ひたすらマーケットを追いかけては、
日経平均株価などのベンチマークから
つかず離れずをもって運用しているだけ。
たしかに、1秒間に 1000回を超す
売買を繰り返したりの
高度なディーリング運用など、
テクニックはすごい。
しかし、しょせんは株価動向を追いかけるだけの
ディーリング運用である。
金融緩和バブルが吹き飛び、
株式市場が大崩れしだしたら、
一巻の終わり。
彼らの運用とやらは
マーケットと一緒に
暴落相場のドロ沼に沈んでいく。
そうなってくると、
本格派の長期投資家のみが生き残る。
というか、
1980年代から
どんどん絶滅危惧種的な存在に追いやられてきた、
われわれ長期投資家の復権だ。
長々と前口上を続けてきたが、
ようやく本物の長期投資が
真価を発揮する時が到来しよ うとしている。
(引用終了)
澤上篤人、渡部清二著
『本物の長期投資でいこう! 40年に一度の大チャンスがやってくる』
(かや書房)
の澤上先生の
「はじめに」からの引用ですが、
まさにここで澤上先生が書かれている
危惧が現実化してきたと言えそうです。
時代は大きく変化しそうな気がします。
私は必ずしも
澤上先生と同意見だというわけではありませんが、
これを機会に
「さわかみ投信」を
買ってみようという気にはなってきました。
投資は自己責任で行っていただかないといけませんが、
ご自分のナラティブ
(起承転結がない物語、妄想と考えてもOK)
を作っていただいて
一歩を踏み出す時なのかもしれません。
本書はとても面白かったので、
きっとナラティブづくりに役立つような気がします。
澤上先生超一流のナラティブを
味わえるという意味でも面白いので、
いままで投資に縁遠かった方でも
本書ぐらいからぜひ
勉強を始めていただければと思います。
恒例になってきた
「Kan.ワークプログラム」を
この日曜日に開催させていただきました。
最初の頃は、
私が20分間の対談をさせていただく時に、
位負けしている気がして
ちょっと負担が大きかったのですが、
最近は厚かましさが増してきたのか
だんだん楽しくなってきました。
いつも、控室での楽屋話が本当に勉強になるし、
そこでの会話をヒントに
対談の話題を組み立てていくのですが、
古今東西のすべてのことに
博識を持たれているKan.さんとの対話は
大きな広がりを持って
どこに飛んでいくかわからないので、
実は楽屋話が一番楽しみになってきました。
今回のテーマは「秘すれば花」。
15世紀初めの室町時代に書かれた
能楽の始祖ともいえる
世阿弥が書き残した
「風姿花伝」(岩波文庫等)
の中に出てくる言葉ですが、
能という日本独特の文化が
現代にまで残っている
大きな理由になっていると推測される秘伝書で
明治の終わりになってはじめて、
広く世間に存在が知られるようになってきたものです。
「守破離」
(まずは師匠の技を徹底的に真似て
まったく同じことができるようになった後に、
それと少し違う技を付け加える。
それが完全に舞えるようになったら、
今度は師匠の技を離れた
自分独自の世界観を開くことが可能になる)や、
「離見の見」
(舞台で舞っている自分を
客席に座っている(他次元の)自分が見る)
等の有名な言葉があり、
父も大好きな本でした。
私が、
リメンバランスの前田知則先生の影響で
「父の呪い」
(通常は「母の呪い」:
両親とのトラウマの解放が
自分を生きるための第一歩になるという考え)
という話を言い始めた時に、
父が
守破離もできていないので
そんなことを言うのは間違っていると
直接私に言わずに著書に書いたことがあり、
大いに反省させられたこと
(少し反発も感じましたが...)がありました。
父の没後9年を経てようやく
今回のワークプログラムで、
父が「以心伝心」や「一子相伝」の思いで、
言葉にならない大切なことを
伝えようとしていたことが
わかってきたような気がしています。
楽屋話で
2月の中旬に物部彩花先生らと
熊本にある
宮本武蔵が「五輪書」(岩波文庫等)を
書いたと言われる霊巌洞に行ってきた
話をさせていただきました。
Kan.さんも少し驚いておられて、
実は高弟でセミナーにも参加してくださっていた
空手の世界チャンピオンの方から
前日に霊巌洞にご家族で行かれた
という話を聞かれたばかりだったそうです。
私の場合は、
ちょうど近辺の磐座巡りに
ご案内いただくことになっていたのですが、
父が「五輪の書」が好きだったこと
(「人生五輪の書」「経営五輪の書」
(後に合本して完本 船井幸雄の五輪の書―人生の奥義、経営の極意
(いずれもPHP研究所)、
という著書もあります)を話すと、
近くだからと
最初に連れて行ってくださいました。
物部先生が
「五輪の書」が書かれた洞窟の中で
「君が代」を荘厳に歌われたり、
私も短い瞑想を楽しませていただいたりしたのですが、
物部家は古代大和政権においては
武器の製造と保管管理を担っていた
ということが書かれている小説ではありますが
「池澤夏樹著「ワカタケル」
(日経新聞出版)」
を読んだときに、
もしかしたら未来の武器は
兵器ではなくて音楽になっていくので、
武蔵の精神が彩花先生に伝わるために
必要だったのではないかなと思ったりもしました。
私は実はまだ
五輪の書を読んだことがないというと
Kan.さんは
「まずは「水の巻」を
じっくり読むと読みやすいですよ」
というアドバイスをくださいました。
そこで宮本武蔵の研究者でいらっしゃる
魚住孝至放送大学教授が編纂されている
「宮本武蔵「五輪書」 ビギナーズ 日本の思想」
(角川ソフィア文庫)
で「水の巻」を読んでみました。
心に引っかかった部分を引用させていただきます。
(引用開始)
心の内にごらず、広くして、
ひろき所へ智恵を置べき也。
智恵も心も、ひたとみがく事、専也。
智恵をとぎ、天下の利非をわきまへ、
物毎の善悪をしり、万の芸能、
其道そのみちをわたり、
世間の人にすこしもだまされざるやうにして後、
兵法の智恵となる心也。
兵法の智恵におゐて、
とりわきちがふ事有もの也。
戦の場、万事せはしき時なりとも、
兵法の道理を きわめ、
うごきなき心、能々吟味すべし。
(中略)
目の付やうは、大きに広く付る目也。
観見二つの事、観の目つよく、
見の目よはく、遠き 所を近く見、
ちかき所を遠く見る事、兵法の専也。
(引用終了)
同書には現代語訳も載っていますが、
前半は知恵と心を磨いていくことの大切さと、
その知恵は武芸だけではなく
広くいろいろなことを学んで
騙されないレベルにまで達していないといけない
ということが書かれています。
後半部分は目のつけ方の解説です。
「観・見」二つの目のつけ方があり、
「観の目」を強くして、
「見の目」を弱くして
遠い所を近いように見、
近い所を遠いように見るようにすることが
兵法には不可欠であるという教えが書かれています。
最初の方の「人生五輪の書」が書かれたのが
1982(昭和57)年なので、
父が49歳の時の著書になります。
経営コンサルタントとして
油が乗り切ったところから、
競争の勝ち方だけではなく
よりマクロな視点を持たないと
本当の経営にはならないということに
気が付き始めた頃のことなので、
兵法の極意を
武蔵が武芸以外のことや、
マクロもミクロもわかる目の付け所を持つことで
説いたことが、
現代の武芸とも言える経営にも
ぴったり当てはまることの面白さを
本にまとめたかったのだと思います。
父が大好きだった
「如水:水の如くある」
という言葉とぴったりくるところからも、
父もKan.さん同様、
「水の巻」から「五輪書」の世界に
入っていったのかもしれないなと感じています。
言葉になっていない部分を
図らずも理解できたエピソードですが、
皆さまもそれぞれの
「以心伝心」や
「秘すれば花」を
感じていただければと思います。
歳を取ると月日が流れるのが早く感じられて、
あっという間に3月になってしまったという感覚です。
それでも、いろいろ進歩を感じられているのがうれしくて、
この激動の時代に生きていることに感謝したいと思います。
NHKのドキュメンタリー番組を基にしてできた
安井浩一郎著
「独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた」
(新潮社)
を読ませていただきました。
阪神ファンの私からすると、
読売巨人軍の元球団社長というイメージで
あまり好きな人物はないのですが、
ナベツネさんは96歳のいまでも
読売新聞の主筆として活躍されているマスコミの大物で、
それよりも実際に自民党の内部に入り込み、
戦後政治の重要な場面では
必ず大きな影響力を与えてきたことが
この本を読んでよくわかりました。
2月10日に発信した舩井幸雄.comで、
「安倍晋三回顧録」
(中央公論社)
を紹介させていただいたのですが、
正直な感想で言うと、
戦後の昭和29年生まれの安倍総理と
大正生まれの渡辺主筆の
人物の大きさを比べてしまうと、
どうしても大きさが違うような気がします。
一番、大きいのは
戦争体験があるかどうかかもしれないなと
独白の方を読んで思いました。
渡辺主筆は数カ月ですが、
徴兵されて陸軍二等兵として
理不尽な軍隊体験を持っておられます。
そこから、絶対に戦争はしないという
保守の論客でありながら
平和を強く思う気持ちを強烈にお持ちです。
もちろん、安倍総理にも
平和を追求する政治家としての尊いお気持ちは
十分におありだったと思いますが、
やっぱりご自身の戦争体験を基にしているものには
比べられないのかもしれません。
大野伴睦や田中角栄、それに陣笠議員や
平記者だった頃からの盟友である
中曽根康弘などの政治家の懐に潜り込んで、
日韓の国交回復や沖縄返還などの
戦後日本のエポックメイキングな事件に
記者としてではなく
当事者としてかかわったすごみは
ものすごいものがあります。
私は、子どものころから読書と政治が好きだったので、
年齢の割には戦後政治に知識があるから
面白いのかもしれませんが、
ぜひ「安倍晋三回顧録」と合わせて
お読みいただきたいと思います。
実は、渡辺主筆の独白を読んでいて思い出したのが
昨年11月に惜しくもお亡くなりになった
外交評論家の加瀬英明先生のことです。
先週、偲ぶ会があったのですが、
若い頃から大変お世話になっていますので
出席させていただきました。
親友の赤塚高仁さんと一緒に行ったのですが、
テレビやマスコミで
お顔やお名前をよく見かける人たちがたくさんいらしていて、
加瀬先生の交友範囲の広さを改めて感じました。
ナベツネさんの独白論で
安倍総理の祖父である
岸信介総理のことも取り上げられていますが、
当時の時代背景の中で、
戦前が甦ってきたように感じさせてしまったのが、
岸総理があれだけの実力と才覚があり、
安保改定という大仕事を成し遂げたにも関わらず、
評価が低い原因ではないかと
コメントされていたのが気になりました。
加瀬先生や安倍総理、
そしてナベツネさんの読売新聞などが頑張ったので、
時代はかなり保守的な考え方が
受け入れられるようになってきましたが、
戦後はずっと戦前の軍部独裁の反動で
リベラルな考え方が優勢でした。
偲ぶ会で有識者の皆様のご挨拶をお聞きしていて、
あの時代に加瀬先生のような
リベラルから見れば尖がった主張
(いまならかなりまっとうな主張だと感じますが・・・)を
ずっと曲げずに続けてこられたのは、
本当に大変だっただろうなあということを感じました。
私が若い頃のことですが、
加瀬先生と親しくしていることを
父がある財界人に話すと、
「あんな右翼とよく付き合っていますね」
と言われたことがある
という話を聞いたこともあります。
偲ぶ会で本を3冊いただいたのですが、
そのうちの1冊が昨年の11月に文庫化された
「日本と台湾」
(祥伝社黄金文庫)です。
これは、加瀬先生から直接聞いたことですが、
加瀬先生も親しくされている自民党の大物代議士が
東南アジア歴訪の帰り、
天候不順で台湾の空港に
緊急着陸したことがあったそうです。
いい機会だからと、
台湾の政府の要人が空港まで行って
面会を求めたそうですが、
その時の国際情勢下では
与党大物代議士が台湾の政府要人と
会うわけにはいかなかったので、
その政治家は
半日ぐらい飛行機の中から一歩も出ずに、
そのまま日本に帰ってきたそうです。
そんな国際情勢下で、
1960年代から日台関係の友好を絶えず考えてこられた
加瀬先生の力は本当に大きなものがあったのだと思います。
偲ぶ会には台湾からのご来賓も出席されていましたが、
9年前の父の葬儀で弔辞を読んでいただいたのは、
台湾の超大手企業の元CEOの方でした。
そんなことが実現したのも
加瀬先生のおかげなのだと思うと
感慨深いものがあります。
その日、赤塚さんと飲みに行った銀座の街には
多くの日の丸が掲揚されていました。
天皇誕生日の前日だったからだと思いますが、
銀座に日の丸が普通に掲揚されるようになったのも
加瀬先生たちのおかげだと思うと
感慨深いものがあります。
いわば、加瀬先生の遺作ですし、
文庫で気楽に読めるものになっていますので
「日本と台湾」も、
ぜひお読みいただければと存じます。
私が去年
一番感銘を受けた本は
本田哲也著
ナラティブカンパニー: 企業を変革する「物語」の力
(東洋経済新報社)です。
著者の本田氏は
日本を代表するPRの専門家ですが、
彼が実際に企業のPRをお手伝いする中で体験した
ナラティブという物語を使うことの効果を
わかりやすく説明してくれている良書です。
ナラティブは物語という意味ですが、
ストーリーとは違います。
起承転結がなく、
物語の始まりもなければ終わりもありません。
そして、
企業側が発信するだけの固まったものではなく、
消費者側が一人ひとりに違った物語が展開していく
緩くて柔らかいものです。
また、個々人のナラティブが
それぞれ影響をしあって、
お互いに高め合う
共創構造を持っていることも条件になります。
IT化が進み、
企業や業界が確立していた
エコシステム(業界秩序)が
目まぐるしく変わっていきます。
GAFAなどの巨大IT企業が
無制限にある資金力と
厚みのある技術力で
業界秩序を自らに有利なものに
圧倒的な力で変えていってしまいます。
典型的なのは、
書店や書籍流通の世界で、
日本の場合価格が崩れないし
書店はいつでも返本ができるという
再販制度に守られていたのですが、
アマゾンが完全に
エコシステムを壊してしまいました。
攻めていく企業側も
守っていく企業側も
どちらも共創構造を持っているナラティブを
他社との合従連衡を作りながら
築き上げていかなければ
生き残れません。
これに消費者を巻き込んだ
マーケティング分野の事例が
豊富に紹介されているのです。
これ以上は私が解説するよりは、
本田氏の本を読んでもらった方がいいと思いますので
解説はこの程度にしておきますが、
この考え方は
マーケティングの面だけではなく、
人の育成や組織のマネジメントを考える上でも
必須の事項になってきていて、
新しい組織の在り方を考える上で
絶対に学んでおかなければならないことだと感じています。
ナラティブを
にんげんクラブ的に考えてみると、
ズバリ妄想力だと思っています。
舩井幸雄的に言うと、
目に見えない世界の力を使う有力な方法に
集合的無意識の力を使うという
方法論を提示していました。
アカシックレコードと龍 ー魂につながる物語
(風雲舎)
という名著の著者である
ジュネさんが
最近明確に示してくれるようになってきた世界観で、
どうも私たちは集合的無意識の力を
強力に使い始めるようになってきて、
2030年ごろまでは
父が夢見てきたような
有意の人の集合的無意識の力で
世の中の変革ができるようになってくる
過渡期に入っているような気がします。
スピリチュアルの世界は、
えてして現実世界から
乖離してしまう世界だったのですが、
集合的無意識が
共創構造を持つようになってきて、
ここにきてかなり強くなっていることを感じます。
それに妄想力を使うと
かなり有効なのですが、
大きな妄想力を発揮して
大きなエネルギーをダウンロードした時には、
先週は等価交換と表現しましたが、
ある種の好転反応が起こり
試練が現実的にやってきます。
これにどう対処したらいいのだろうと
考えていた時に、
大きなヒントがもらえました。
先週の週末、
歌手であり
ボイストレーニングの講座を全国でやっている
物部彩花先生の
ボイストレーニングを
受けさせてもらう機会がありました。
これは、私の感覚で言うと
安全に臨死体験ができるもののような気がしました。
外側の筋肉ではなく
内側の筋肉(インナーマッスル)を動かすことで、
いままでの概念では不可能だったことが
できるようになります。
そして、レッスンを深めていくと、
直観力を実際に深めていく
トレーニングにもなっており、
まさにいまの時代に求められている
メソッドだと思います。
にんげんクラブでも
ワークを提供させていただいていますし、
全国各地で口コミで広がっている状態なので、
必要な方には
アクセスできるようになっていると思いますので、
ぜひ一度体験していただければと思います。
私が今回面白かったのは、
トーラスという高次元の世界に
自然と存在するエネルギーを使って
ワークをする段階があるのですが、
この時に
イメージの力は使わないということです。
例えば宇宙を感じて欲しいというワークの時には、
想像力で宇宙の大きさを捉えるのではなく、
実際に存在する宇宙そのものを
感じるそのまま体感してください
という指示でした。
イマジネーションの力は便利ですが、
副作用を伴う可能性があるので、
存在するまさにそのものを
体験できるようになることが
大事だという指摘でした。
これは、直感的ではありますが、
本質をついているなあと思いました。
新しい可能性の世界が
これからどんどん広がっていくのは
間違いないと思います。
そのためのメソッドもたくさん開発されていて、
多くの人が目に見えない世界の力を
上手く生活に取り入れることが
可能になってくると思います。
ただ、その時は
上手くやらないと
副作用がでてしまうなあと
感じるようになってきました。
ちょっと前までは、
一部の専門家だけの問題でしたが、
これからは多くの人が
そんな体験をするようになるので、
妄想力を使う時には
どうしたら上手く使いこなせるようになるか
考えていきたいと思っています。
<にんげんクラブセミナー>
私は漫画を読むことが苦手です。
せっかちだからだと思うのですが、
活字の方が早く情報を取得できる気がするので、
漫画を読んでいるとイライラしてくるのです。
一番困ったのは、
美内すずえ先生が登壇される
トークセッションのファシリテイターを
することになった時です。
さすがに代表作である
ガラスの仮面
(白泉社)
を読んでいこうと思ったのですが、
全然読み進めることができません。
困ってしまって、
漫画喫茶に籠って結構頑張ったのですが、
結局半分ぐらいで挫折したことがあります。
ただ、家には子どもたちが読んだ
漫画がたくさんあり、
いくつかは結構楽しく読んだものがあります。
一番読みやすいのは、
巨人の星
(講談社漫画文庫)
世代なのでスポーツもので、
野球とサッカーの漫画は
楽しく読ませていただくことができる
確率が高いと思います。
私以上に漫画が嫌いな母でしたが、
なぜか私の子供の頃に
キャンディ・キャンディ
(講談社)
だけは好きで家に置いてありました。
子どもの頃はいまと違って
漫画を読みたくて仕方がなかったので、
それを一生懸命に読んだものです。
だから、「ガラスの仮面」も
読めると思ったのですが、
おじさんになって固まってしまった脳は
なかなか受け付けてくれませんでした。
私の大学生時代は
少年ジャンプの全盛時代で
友人たちは発売日に必ず買っていましたが、
その頃になると
漫画は読まないという習慣ができていて、
まったく興味が湧きませんでした。
かなり変わった奴でしたが、
大学生だと
お酒を飲んで騒いでしまえば友だちなので、
そんなに困りませんでした。
ただ、話題が合わないので
少し苦労したことがあります。
最近話題になっている
鬼滅の刃(集英社)や
呪術廻戦 (集英社)なども
友人たちから
読んだ方がいいよと進められるのですが、
読む気にならないのだから
仕方がないとあきらめています。
ただ、子どもたちの好きな漫画の中で
スポーツものでなくても
読めるものがいくつかあります。
鋼の錬金術師
(スクエア・エニックス)や
銀の匙
(小学館)等の
荒川弘さんの作品は大好きになりました。
私はかねてから
北海道にとても興味があるのですが、
もちろん酪農家のことなど何も知識がありません。
それを「銀の匙」で
わかり安く伝えていただけて、
漫画の持っている情報伝達能力が
本当に優れていることを改めて感じています。
だから、若い人には、
積極的に日本の大きな強みである
漫画やアニメの分野を
掘り下げていっていただきたいと思っています。
ところで、
「鋼の錬金術師」
(ハガレン)の中に
等価交換という話が出てきます。
錬金術でものを作るときには、
何か材料を用いなければならない。
無から有はできないということを言っていて、
この漫画を奥深いものにする
大事な要素になっています。
錬金術というと、
鉛から金(ゴールド)を作り出すことです。
科学ではかなり
怪しい分野ということになっていますが、
中世のヨーロッパでは
超一流の科学者たちが真剣に取り組んだ分野で、
金の錬成はできませんでしたが
(本当はできたのかも?)、
その後の科学の発展に
大きく寄与したのではないかと思っています。
作者の荒川さんは
どこかでそんな知識を得られたのかもしれませんが、
とても面白い観点で書かれている名作だと思っています。
ハガレンで使われている意味とは
少し違うのですが、
最近等価交換を実感する出来事がありました。
マネーとスピリチュアル研究会(マネスピ)の
準備を進めるにあたって
十種の神宝(とくさのかんだから)のことに対する
私なりの理解がある程度進みました。
個人的にはびっくりするぐらいの発見で
興奮しているのですが、
そうすると事故が起きるのです。
あまり具体的には書きませんが、
ケガをしたり家族が病気になったりして、
いわゆる痛い思いをしています。
どうも、聞いてみると私だけではなく、
主催の福田彩子さん(アーシャ)にも、
いろいろと起きているらしいし、
他のスタッフの皆さんも
大なり小なり何かを経験しているようです。
スピリチュアル分野では
好転反応という、
良くなる過程で悪いものが先に出てくる現象が
どうも起きているような気がします。
厳密な意味での等価交換ではないと思いますが、
何かを手放さないと
次の大事なものは入ってこないという意味では
等価交換をしていると考えていいのかなと思っています。
マネスピのメインテーマである
お金は多分、
無から作られているものです。
ただ、エネルギーではありますので、
やはり何か材料を使っていて、
その分は何かを使わなければいけないのかもしれません。
紙幣を考えると、
1万円札の原価は
人によって意見が違いますが、
多分50円以内。
ただ、エネルギーの面でも
等価交換は起こっているので、
お金の発行益(シニョリッジ)を得た人は、
経済の運営をしなければいけないという
役割を担います。
中央銀行や市中銀行が
それを果たしていますが、
考えてみたら
それは大きな社会的なインフラになっているので、
大変な思いをして
経済の安定に尽くしてくれているのだと思います。
お金の巡りをよくするようになるためには、
個人や企業であれば
器を大きくしておくことが大切です。
これをするためには
詰まりを取らなければいけないので、
病気になったりケガをするのは
詰まりをとるための
等価交換になっているのかもしれません。
多分、人生の大きな変わり目に
必要でやってきた試練に
感謝したいと思います。
おかげさまで、
いろいろな達人に
出会わせてもらってきました。
時代を反映しているのかもしれませんが、
昔の達人はとてもすごい雰囲気で
近寄りがたい人たちだったのだろうと
想像できますが、
私が出会った達人たちは、
みなさんとても優しくて
気さくな雰囲気の
いい人が多いような印象を持ちます。
時代背景が違うのかもしれませんが、
昭和の時代までは
特別感を漂わせないと
大物だと信じてもらえなかったのかもしれませんが、
いまの時代は逆に
そんな感じを出してしまうと
怪しい人だと見抜かれてしまうのかもしれません。
ただ、今回ご紹介しようと思う
書籍の著者である山本清次先生は
大物の雰囲気を醸し出しておられました。
武道をやっておられるからかもしれませんが、
一度だけお食事を
共にさせていただいたことがあるのですが、
ただものではないオーラを
半端なく出しておられました。
私も自分では自覚がないのですが、
特に会う前には
本当に嫌な(怖い)奴だと
思われていることが多いような気がします。
山本先生にはそんな情報が
入っていたからなのかもしれませんが、
だからあえて大物のオーラを
身にまとわれていたのかもしれません。
その時に紹介してくださった方から、
山本先生が本を著されたことを
教えていただきました。
ご著書、
瞑想」から「明想」へ 真実の自分を発見する旅の終わり
(現代書林)
を早速購入して拝読させていただきました。
一見、読みやすい本ですが、
内容がとても深くて
本質を理解するのは大変だなと感じました。
(引用開始)
明想の最も重要なメリットといえるのが、
幸せを感じ取る
感受性を開花させるということです。
例えば、「赤いバッグ」が欲しいと思ったら、
街を歩いていても
赤いバッグばかり目につきます。
同じように、
「幸せ」を意識できるようになると
幸せに対する感受性が高まり、
日常の小さな幸せにも氣づくようになってきます。
明想を続けると、
そのような幸せへの感受性が
自ずと開花していくのです。
それは光を体感し、
自身が光そのものになる体験以上に
幸せなことはないからです。
(引用終了)
最初に読んだ時は、
簡単に読み飛ばしてしまったのですが、
改めて読み返すと深過ぎる内容です。
瞑想と明想の違いなどは、
ぜひ本書を熟読していただいて
味わっていただければと思います。
山本先生の明想を
一般の方が教えてもらえる機会はないそうですが、
例外が淡路島にある「ありがとう村」。
北海道の洞爺湖で循環農法をやっておられた
村上貴仁さんが中心になって
2018年に発足した
農業コミュニティだと紹介されています。
私は実は村上さんにお会いしたことがあります。
村上さんが主人公の
ドキュメンタリー映画「大地の花咲き」の
試写会に参加させていただいた時に、
ご紹介をいただきました。
映画を観て大泣きしてしまったのですが、
本性が腹黒い私には
近づいてはいけない世界のように感じていたので、
それっきりになってしまっていました。
改めて、山本先生のご著書の中で
紹介されている村上さんの
大地がよろこぶ「ありがとう」の奇跡
(サンマーク)
を読んでみました。
こちらも、
とっても内容の深いすごい本でした。
村上さんが天からダウンロードした
「ありがとう農法」が特にすごい。
豊穣を信じるという項目にはしびれました。
「ありがとう村」で
山本先生以外の講座を受けられた方の中で、
豊穣そのものになられた方を対象に
明想を山本先生が教えられる
ということになっている
システムにも納得がいきます。
豊穣を説明するのは難しいのですが、
村上さんは北海道の農業で行き詰まり、
最愛のご子息を亡くし、
奥様が余命宣告もできない
(今日死んでもおかしくない)
難病に罹り、
ご本人は強度の鬱状態に苦しむという
試練を乗り越えた末に、見出した
大自然の力そのものを
使わせていただくやり方です。
詳しくは本を何度か読んでみて
感じていただき、
できれば淡路島の
「ありがとう村」の門を
叩いてもらうのがいいと思います。
普通は20㎝のところまでしか
柔らかくならない圃場が
50㎝か場所によれば1m以上も
柔らかくなる奇跡の農法です。
また、虫は悪いものを食べてくれる存在で、
よく有機農法をやりたての方が、
「虫が食べるぐらい安全な野菜なんです」という
うたい文句で販売されている姿を
見かけることがありますが、
村上さんは本当に素晴らしい野菜なら
虫は一番外側の葉っぱだけを食べて
後はきれいに残してくれるという
逸話を書かれていました。
実は、同じ話を
ニンジンから宇宙へ
(なずなワールド)
という伝説的な名著の著者である
赤峰勝人先生から
聞かせてもらったことがあります。
確かに、赤峰先生の圃場や野菜も
きれいで神々しい世界でした。
本当のことを究めるには
死ぬような目に遭遇する必要があるということを
亡くなった父もよく話していました。
山本先生も18歳の時に腫瘍ができるという
試練を乗り越えています。
心配しなくてもいいのは、
誰かが死ぬ思いで切り開いてくれた世界を
後に続くものは
そんな苦労をしなくても
享受できるということです。
そして、その上で
本当に役割がある方が
今度は自分の命を懸けて
さらなる真理を探究していくという
メカニズムになっているようです。
本を読むだけで、
そんな真理の一端を享受させていただける
喜びを味わっています。
赤峰先生、山本先生、
それに村上さんに
心から感謝したいと思います。
おじさんになってからは、
本当の友人はできない
という話を聞いたことがあります。
若い頃に苦楽を共にしたというか、
一緒にバカなことをたくさんした
経験を通じてできた一生の友とは違い、
利害を基にした友情はなかなか続かない
という一般的な話です。
ただ、功成り名遂げた人の話を聞いていると、
成功される過程で
凡人には信じられないような苦労を体験されていて、
その過程で一緒に大変な時間を共有されてできた友は
やっぱり本音で付き合える
大切な友人になっていることがわかります。
私にとっては、
赤塚高仁さん
(赤塚建設会長ですが、
ベストセラー作家・人気講演家・
聖書漫談師に変身されました)、
出路雅明さん
(スピンズという若者向けのアパレルショップを
全国展開しているヒューマンフォーラム会長)、
それに山内尚子さん
(出版社きれい・ねっとの社長。
実は、私のスピリチュアル分野の師匠)と
4人で作っているAKDN
(赤塚、勝仁、出路、尚子:
偶然ですが年齢順になっています)の
仲間との集いは格別のものがあります。
みんな忙しいのに、
先日1泊2日の時間を作って、
赤塚兄の本拠地である三重県津駅に
新年会に臨むために集合しました。
自分のことはわかりませんが、
みんな超一流の人物が本気で遊びまくりました。
赤塚兄の名言
「仕事じゃないのだから、ちゃんとやろうよ」
を合言葉に
とにかく本気で遊びまくります。
最初に向かったのは、
地元の人で行列ができる焼き肉屋さん。
幸い(?)津ではめったに降らない
雪が降っていたこともあり、
並ばずに入店することができました。
ランチの特上松阪牛定食と
ビールとハイボールをまず楽しみました。
(残念ながら運転してくれる赤塚兄は
ノンアルビールです。
ここで遠慮しないのがDのいいところで、
Kもちゃんとついていきました)
その後、伊勢神宮近くに最近できた
多気町にあるVISON(美しい村:、
舩井幸雄.comで紹介させていただきました)
に行きました。
昨年の11月にAKNだけで行って、感動し
小売業のDには絶対参考になると
その時に新年会の日程を決めました。
VISON内のホテルに荷物を預けて
チェックインの時間まで、
VISONの商業施設を
見学させてもらうことになりました。
視察に忙しいDを除いて、
特にランチで飲めなかったAは
(なぜかKも付き合いました)
視察も早々に切り上げ、
日本酒を飲み始めます。
こちらも雪が降っていなければ、
なかなか席が空いていないほどの人気店なのですが、
おかげさまでほとんど貸し切り状態です。
そんな店をはしごして、
気が付いたらチェックインしてすぐに
Aが大好きなお寿司ディナーの時間になっていました。
Aは毎食お寿司でも大丈夫という強者で、
北海道にAKDNで行ったときは、
私は途中で仕事で脱落したのですが、
最後の新千歳空港でまで寿司を食べていたと
Nから報告(告げ口?)をもらって驚愕しています。
聖書漫談師なので
イスラエルツアーを企画されるのですが、
決して美味しいとはいえない、
テルアビブ空港のお寿司も必ず食べておられます。
2日目は朝食をいただいてから、
まずは神宮の別宮の瀧原宮にお参りです。
身に見えない世界にも造詣の深い達人たちなので、
思い思いのやり方でご挨拶をさせていただき、
次に向かったのは
Aにインスピレーションが降りてきて(思いつき?)
Nが大好きな弘法大師ゆかりの多気町にある
丹生神社に向かいました。
駐車場をお借りした道の駅で
有名な地元の三重県立相可高校の生徒が作った
「まご弁当」をゲットしました。
東京に帰ってから夕食にいただいたのですが、
本当に癒される味でした。
旅の締めは松坂の鶏焼肉専門店の前島食堂。
松坂牛で有名なところですが、
地元の方は焼肉と言えば牛ではなく、
鶏だそうで、
実際に11時過ぎに行くと長蛇の列ができていました。
ただ、回転率がとてもいいので、
思ったほどは待たずに入店できて、
ビールを飲みながら、
気持ちが悪くなるぐらい鶏焼肉を堪能しました。
(ちなみにDとKはお腹を壊したという噂があります)。
ランチだったので、
ほとんどは家族連れでお酒を飲まずにいましたが、
何組か(もちろんAKDNも)飲んでいるテーブルがあり、
回転率を落として迷惑をかけていましたが、
そこはおおらかに許してもらっている空気が嬉しかったです。
次の大事な予定に向かうために伊勢に向かうAとNを残して
DとKは名古屋経由でそれぞれ家路につきました。
AとNからKも残れと言われて、
絶体絶命の危機を迎えたのですが、
何とかその誘惑を振り切って家路につきました。
帰りの近鉄と新幹線は爆睡をしながら過ごしました。
また、暴飲暴食がかなり応えて
体調を崩し気味だったという噂もありますが、
おかげさまで日曜日にたっぷり休んで
月曜の朝、元気にこの原稿を書いています。
本当に歳を取ってからの友人は
ありがたいものだと感謝しています。
ただ、AKDNの場合は、
歳も考えずにバカをしているだけという噂もありますが、
真の友づくりをしているのだと思えば、
それはそれでありがたい話です。
父が亡くなって9年が経ちました。
2014年2月14日に船井総研が
社葬を開催してくれました。
その日は、
東京ではめったにないような大雪になりました。
地方からご参列いただいた方には
大変なご苦労をかけてしまって恐縮しましたが、
その時に面白いエピソードがありました。
台湾から
売上規模が1兆円以上ある
大企業の元CEOがご参列いただいて
弔辞を読んでくださいました。
当日や翌日の交通機関が
麻痺してしまって大変だったのですが、
そのCEOの乗る台北行きの飛行機だけ
といっていいくらいだったようですが、
時間通りに運行されたと聞いてホッとしました。
後日、ご参列のお礼に
台北までご挨拶に伺いました。
市内のホテルでランチを共にしながら
お話をさせていただくことになったのですが、
私と会うなり
「おめでとう」
とニコニコ顔でおっしゃるのです。
しばらく時間が経ったとはいえ、
社葬にご参加いただいたお礼に行ったのに、
開口一番におめでとうと言われて
少しびっくりしました。
私の戸惑いの気持ちが伝わったのだと思いますが、
「中国の考え方では
大事な行事の時に大雨が降ったら
その一族の繁栄が約束されると信じられています。
舩井先生が船井総研や舩井家のために、
ご自分のお葬式に大雨どころか、
あれほどの大雪を降らせたということは、
俺がいなくても絶対に繫栄することを
示してくださったんだよ。」
と教えてくれました。
ちょうどその頃に、
はせくらみゆき先生との共著
「チェンジ・マネー」
(きれい・ねっと)
の出版の準備を進めていたので、
はせくら先生の
「お金は水を参考にして
神さまが人間に与えてくれた
便利なツールですよ」
という考えを教えてもらっていました。
だから、なるほどなあと納得できたのです。
それから、講演会などに出かけた時に、
雨や雪が降っていたら、
「足下の悪い中、お集まりいただいた皆さまは
これからお金で困らなくなりますよ」
と、話させていただくことが定番になっています。
講演会ではありませんが、
先日、札幌に出かけることがありました。
大寒波が来ていて、
航空会社から
欠航の可能性が高いですという
警告が来るぐらいの大雪が降っていました。
私は、大体スケジュール通りに
交通機関は動いてくれることが多いのですが、
何年か前に札幌からの帰りホワイトアウトに遭遇して、
飛行機が飛ばなくて
その後のスケジュールが
ズタズタになってしまったことがあるので、
心配になりました。
でも、不思議なことに
私が空港に向かう時間帯だけいい天気になって、
予約を変更させていただいた朝一便は
ちゃんと定刻通りに羽田空港に到着しました。
その日は、羽田で乗り換えて松山に飛んだのですが、
松山に着くとまるで春のように温かく、
雪国の人の大変さと
これだけの距離を予定通りに運んでくださる
影でご苦労をされている
航空産業に関わっていらっしゃる方々への
感謝の気持ちが湧いてきました。
松山に来たのは、
2週間前にも書かせていただきましたが、
来月から始まる
「マネーとスピリチュアル研究会」の
本講座に向けてのプレ講演会のためでした。
ちょうどコロナ禍突入の頃から、
松山後援会を「えりこ@幸せの扉」さんが中心に
3回ぐらい企画してくださったのですが、
全部延期になって
オンライン講演会になってしまいました。
マネスピ研究会の運営に
えりこさんも関わってくれているので、
4度目の正直(?)で
今回のプレ講演会が開催されました。
おかげさまで、講演会は無事に
盛況で終了したのですが、
講演会の始まる午前中に
水やお金にご縁が深い
龍に関するパワースポット巡りにご案内いただきました。
講演会をお手伝いしてくださるスタッフの方々に
ご案内いただいたからなのか、
私が札幌の大雪のエネルギーを持ってきたからなのか、
懇親会からの帰りに雨が降り出してきました。
山間部では四国なのに雪が降っているらしく、
実はこの原稿は松山のホテルで
出発前に書いているのですが、
さっきまでは降っていた雨が止んで
晴れてきました。
ただ、私が帰った翌日からは
松山でも雪の予報で、
マネスピのおかげでご参加いただいた
松山の方がお金に困らなくなるのかなと、
ちょっと迷惑ですが感じています。
お金に対するメンタルブロックを取り去ると、
実はお金に困らなくなるような社会的なシステムは
すでにできあがっていると感じています。
松山のプレ講座ではそんな話に加えて、
先週ダウンロードすることができたと
個人的には感じている
十種の神宝(とくさのかんだから:
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天孫降臨してくる以前に
饒速日尊(にぎはやひのみこと)が
天から持ってきていただいたという神宝)を
お金の量を増やすことに使う方法がすでにある。
そして今度は、
みんなが豊かに暮らせるように
どう上手く使っていけばいいかという、
多分ほとんどのお客様には
伝わらないであろうお話までしてしまいました。
4月2日(日)には
ホツマツタヱのいときょう先生と一緒に、
にんげんクラブで十種の神宝講座
(ホツマにも十種の神宝が紹介されているそうです)を
させていただくことになりそうです。
ちょっとレアな講演会になると思いますので、
何か感じられた方は
スケジュールだけでも押さえていただければと存じます。
近いうちに、
ご案内を送らせていただくことができると思います。
お金がすべてのマネー教からの脱却のためには、
お金と仲良くなる必要があるというのが、
私が考えていることです。
そのことを存分にお伝えしようと思っている
マネーとスピリチュアル講座の受講と合わせて
ご検討いただければ幸いです。
折りたたみ式の街は
三つのスペースに分かれている。
片面は第一スペースで、人口は五百 万人。
彼らに割り当てられた時間は、
午前六時から翌朝六時まで。
その後、第一スペースは眠りにつき、
地面が回転する。
裏面は第二スペースと第三スペースだ。
第二スペースの人口は二千五百万人で、
割り当てられた時間は
二日目の午前六時から午後十時まで。
第三スペースには五千万人が暮らして いて、
午後十時から午前六時までの時間が割り当てられている。
そして第一スペースに戻る。
時間は慎重に分配され、
各スペースの人々を完全に分離している。
五百万人が二十四時間を享受し、
七千五百万人が次の二十四時間を享受するのだ。
(引用終了)
冒頭に、中国系アメリカ人の
SF小説家・翻訳家である
ケン・リュウが編集した
折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
に収録されている、
郝景芳(ハオ・ジンファン)の
短編SFディストピア経済小説
「折りたたみ北京」からの
引用をさせていただきました。
通常は、小説の引用をするのは
反則だとは思いますが、
北京という街が
物理的に折りたたまれて使われている
という様を感じてもらうには、
そのまま読んでいただくのが一番いいと思ったので、
あえて禁を犯させていただきました。
(もちろん、オチは別にちゃんとありますので、
そういう意味ではネタバレはしていないと思います。
ぜひ、ご購入いただいてお読みください。)
この作品は2014年に
中国において発表されたもので、
2015年に英語に翻訳されています。
本書の日本語での出版が2018年なのですが、
中国では数多くの優秀なSF作家が
旺盛に意欲作を発表しているようですが、
それが英語に翻訳される割合は
決して多くないということです。
ましてや日本語になったものを探すのは
かなり難しいのが現状かもしれません。
英語版は、ヒューゴ賞という
SF小説の分野における
世界で一番権威のある賞のひとつを
受賞している話題作です。
作者の郝景芳は
以下のような経歴をお持ちのようです。
(引用開始)
郝景芳は数冊の長篇と旅行エッセイの著者で、
また〈科幻世界〉や〈萌芽〉、
〈新科幻〉、〈文芸風賞〉などの各誌で
多くの短篇を発表している。
彼女の作品は銀河賞や科幻星雲賞を受賞している。
学部生として清華大学で物理学を専攻した後、
清華大学の天体物理センターで院生として研究を行った。
最近では清華大学で経済学と経営学の博士号を取得し、
現在シンクタンクに勤務している。
(引用終了)
清華大学(習近平主席の出身大学)という
中国というかアジアでトップクラスの大学で
物理を学び、その上
経済学と経営学の博士号を
同大学で取得しているという才媛で、
こんな創造力豊かなディストピア小説を
書ける人材がいるのに、
隣の日本では
ほとんど話題にもならないのは不思議ですね。
私も、中国のAI(人工知能)のことが書かれている
李開復(リー・カイフー)著
『AI世界秩序: 米中が支配する「雇用なき未来」』
(日経BP)
に紹介されていたので存在を知りましたが、
中国のことに関しては
まだまだ知らないことばかりだと思い知らされました。
ちなみに李開復博士は
アメリカの大学で博士号を取得している
台湾出身の世界的なAIの権威で、
2017年に中国の囲碁のトップ棋士が
アルファ碁というAIに完敗した事件は、
中国人にとって、
スプートニク・ショック
(1957(昭和32)年に
ソ連が人類初の人工衛星
「スプートニク1号」の打ち上げに成功して、
西側諸国に
宇宙開発でソ連に遅れていることを
見せつけた出来事。
これで、アポロ計画が始まり
1969(昭和44)年の
アポロ11号による月面着陸の偉業に
つながったと言われている)
にも匹敵するショックを与えたと言います。
それから、官民をあげての
AIの開発競争に取り組むようになり、
いまではアメリカをも凌駕する
AI大国になっていることを
分かりやすく教えてくれる名著です。
AIの発展は止められないと考えています。
「折りたたみ北京」や「AI世界秩序」が
提示しているのは、
AI化が進むと雇用が失われ、
近未来には失業が大きな社会問題になるのは
必然だということです。
欧米人の書かれた英語での出版物は
日本にも積極的に紹介されていますが、
実は中国の方が
はるかに進んでいる分野もたくさんあるようで、
DX(デジタル・トランスフォーメーション)化を
進める上でも、
もっとも見習うべきなのは
中国の動きになるようです。
フィクションという分野においてすら
日本をはるかに凌駕する境地に達している
可能性はかなり高く、
ここは謙虚に学ぶ姿勢を持つことも大事なようです。
幸いにも、最近は
多くの中国語で書かれたものが
日本語に翻訳されるようになってきました。
まだまだ一旦は英語になったものからの
翻訳が多いようですが、
中国語からの直接の翻訳体制が
進むような取り組みが待たれます。
日本は海外の文化や文明をうまく取り入れて、
それを日本化するのが得意です。
ここは、遅れてしまっていることを
謙虚に受け止めて
学ばせてもらうことが大切なような気がします。
今年はスロースタートで、
ようやくお正月気分が抜けてきました。
若い頃は、そんなことを書くと
ビジネスマン失格のような気がして、
飲んだ時の本音トークぐらいでしか
言えない雰囲気でした。
令和の時代はスローライフの良さも
見直されるようになってきて、
どちらがいいか悪いかは一概には言えませんが、
こういう公の場で、
しかも文字として残るものに
本音を書けるようになったのは大きな流れ
(父の言葉で言うとマクロには)で考えると、
いいことだと思います。
多分15年ぐらい前の話ですが、
(元来はゆるい)にんげんクラブなので
同じような文脈で
ある社員の人が外に発信する文章を書いたら、
グループ会社の役員から
おしかりを受けたという事件(?)がありました。
私などは、
それぞれが自分のペースで生きていくのが
いいという考え方が大事だと
当時から思っていたのですが、
勇気がなくて
公にはかばってあげられずに
いまに至るまで忸怩たる思いが残っています。
私の若い頃は
「24時間戦えますか」という時代ですし、
先ほどまでいらしていた
大企業の幹部の方と話していたのは、
有給休暇を取得するのも、
残業代をきちんとつけるのも
憚られる時代だったので、
こちらもきちんと従業員の権利が
守られるようになったという意味では、
やっぱりマクロには
いい時代になったと思っています。
お金に対する姿勢も、
昔は公の席でお金のことを話すのは
「はしたない」ことでした。
証券投資をするなどというと、
親戚のおじさんに呼びつけられて
お説教をされるという雰囲気でしたが、
やっぱり時代の進歩を考えると
増やすお金のことを真剣に考えなければ、
うまく生きていけない時代が
やってきたような気がします。
今年からは
マネーとスピリチュアル研究会を立ち上げて、
にんげんクラブの皆様にも
お金の本質を考えていただく機会を
提供したいと思っています。
また、1月22日(日)には松山で
マネスピ研究会のプレ講座を
開催させていただくことになっています。
松山の講演は
数年前から何度か企画していただいたのですが、
コロナの影響で
ずっと開催できずにおりました。
松山はとても大好きな街で、
文化レベルの大変高いところだと思っていますので、
大阪人なのでちょっと下品にはなってしまうかもしれませんが、
本音ベースでお金との距離の取り方について
お話させていただこうと思っています。
スピリチュアリティの高い方であればあるほど、
有意義なお話ができると思いますので、
お近くの方はぜひお越しいただければと存じます。
お正月休みに投資に関する本を2冊読んだので
簡単にご紹介したいと思っています。
1冊目はおなじみの
植草一秀先生の
千載一遇の金融大波乱
(ビジネス社)です。
私はエコノミストとして相場の分析は
植草先生のものを一番信頼しています。
それは、ご著書でも書かれていますが、
過去に的中させてきているという
実績があるからです。
そういう意味では今年は逆張りで
2013年(アベノミクスの始まり)、
17年(トランプ大統領の就任で混乱必至とみられていたが、
蓋をあげれば強い上昇相場になった)に続いて
株式投資を始めるには
とてもいいチャンスだという内容になっていました。
投資は自己責任なので、
これを読んで投資をするかどうかは
植草先生や私のせいにしないで
自分でじっくりと考えて欲しいと思いますが、
2017年の逆張りを当てた実績を信じて
「人の行く裏に道あり花の山」という
相場格言を信じて、
この難しい状況にあえて
チャンスを見つけに行くのもいいのかもしれません。
ただ、植草先生の情報は
かなり上級者向けのような気もしますので、
真剣に考えるときは
本書を熟読したうえで、
自分の意見に肚落ちしてから
始めていただきたいと思います。
2冊目は、
河野眞一・長谷川健一著
世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資
(扶桑社)です。
共著者はそれぞれ
元ブラックロック・ジャパン
(世界最大の投資会社の日本法人)の
CIO(最高投資責任者)と
外資系プライベートバンカーです。
長谷川先生の会社の親会社だと思うのですが、
株式会社ウェルズ・ジャパン・ホールディングスの
CEO(最高経営責任者)である、
父の時代から仲良くさせていただいている
平井俊弘氏からご献本いただいていたのですが、
お正月に行った都内の大型書店で
大きな面積を取って陳列されていたので、
しっかりと読んでみることにしました。
物価高がまだまだこれから続くことや、
分散投資をするためのポートフォリオの作り方などの
基本的なことがわかりやすく書いてありますので、
こちらは中級者向けの本かなと思います。
ひとつだけ個人的なことを書くと
昨年の円安時に思ったのは、
資産を日本円だけで持っていることのリスクです。
たまたま、会社でドル資産に投資をしていたのですが、
一時的ではありますが、
円ベースでの資産価値が
信じられないほど高くなった経験をしてみると、
分散投資がこれからの時代に
かなり有効なことを実感しています。
初心者向けのものも含めて、
投資に興味を持っていただいて、
それぞれの感覚で勉強を始めるのは
悪いことではないと思います。
テレビや新聞の情報だけを信じていたら
うまく生きられない時代に来ていることは、
にんげんクラブの皆様にはご理解いただけると思いますが、
お金の世界も自分なりの考えを築いていくことは
大事だと思いますので、
ぜひ飛び込んでみていただいたらと思います。
あけましておめでとうございます。
本年も、にんげんクラブを
どうぞよろしくお願い申し上げます。
正月早々、
個人的なことで恐縮ですが、
私も数え年で還暦を迎えました。
正直、若い頃は
ここまで生きている自分を
まったく想像していませんでしたが、
おかげさまで大きな病気をすることもなく
元気にお正月を迎えることができました。
社会はコロナ禍もなかなか収まらないし、
ウクライナの紛争が
原因の一端をもたらしているとみられている
インフレの傾向も
顕著になってきました。
北海道や東北・北陸地方、
それに高知などでも
大雪に見舞われるなど
異常気象の影響が出ていて、
何かと落ち着かない
年末年始だったかもしれませんが、
平和な日本でお正月迎えることができるのは、
ありがたいことだと感謝いたしております。
今年がどんな年になるのかは、
さっぱりわかりません。
毎年恒例の元日の日経新聞に載る
経営者20人の今年の株価予想は
20人中19人が
3万円以上をつけるのではないかという
予想がなされていました。
欧米のインフレもさすがに収まることが予想され、
アメリカなどでは
短期金利が5%近くにまでなってきたことで、
さすがに利上げのペースも一段落するのではないか、
そしてそれに伴う円安傾向も
さすがに一服するのではないかという予想が
ベースにあるような気がします。
アメリカのヘッジファンドなどは、
今度は115円台ぐらいの
円高を見据えて行動するという報道もあり、
正直に言えば全く先が見通せません。
昭和の頃は、
大晦日の過ごし方というと
紅白を観て家族で過ごすというものですが、
今年は、子どもたちはそれぞれ出かけていて、
家内と二人で過ごす年越しでした。
紅白を観ていても
ほとんど知らない歌手の方が多いので、
Eテレで第九を観てから
そのままクラシック音楽の番組を見て過ごしました。
ちょうど紅白が終わる時間にこちらも終了したので、
それからはゆく年くる年を観ながら
日本酒を軽く飲んで年越しをして、
子どもたちが帰ってくるのを待たずに
早々と寝てしまいました。
結局、早朝にトイレに立った時に
ちょうど帰ってきたので、
若い人は元気でいいなと思いましたが、
それぞれ干渉しない年越しの在り方が
定着してきたのかもしれません。
子どもの頃は、
父が子供だけを連れて
初詣に行くのが恒例でしたが、
我が家は人混みが苦手なので、
あまり初詣には出かけません。
少し落ち着いたころに、
お詣りさせていただくのを恒例としていますが、
いろいろなお正月があってもいいのかもしれません。
ただ、我が家は箱根駅伝ファンで、
2日、3日は
それぞれのチームで10人の選手が
20キロ以上を走る過酷なレースを
楽しませていただきました。
これも、街頭に出て応援するほどではありませんので、
おせちをいただきながら
楽しませていただきました。
お酒は、この原稿を書こうと思っていましたので、
私は飲みませんでした。
何を書かせてもらうか、いろいろ考えましたが、
特に年末年始は買い物に行くぐらいで
遠出もしませんでしたので、
日常のお正月の過ごし方を
何気なく書かせていただくことにしました。
年賀状もほとんど書かずに失礼させていただいていて、
本当にお正月の在り方も
変化してきたことを感じます。
まだ、過渡期なのか、
年賀状を書かないことにしますというお葉書を
年末にたくさんいただきましたが、
そういう意味では
昭和は徐々に遠くになってきているのかもしれません。
父は、お正月の新聞には
ネタになることがたくさん書いてあると言って、
じっくり読み込んでいましたが、
私は残念ながら
市場も空いていないお正月の新聞は
上記の株式相場予想ぐらいしか
ちゃんと読みませんでした。
新聞やテレビで報道されていることが
万人にあてはまらない時代になったのだと思います。
ただ、大河ドラマは
一生懸命家族で録画してまで見るのですが、
改めて総集編を観るほどではなく、
それこそメタバースの時代、
個々人がリアルとバーチャルの壁をも超越した
それぞれの過ごし方を
楽しむ時代になってきたようにも感じます。
年末年始も、時間があるので
いろいろ本は読ませていただきましたが、
あえてここで紹介するのはやめておこうと思います。
コロナ禍のおかげで
本を読む人の数が増えてきたという話を聞きました。
電車に乗っていても、
さすがに新聞を読んでいる人はいませんが、
文庫本を広げている人の姿は
目につくようになりました。
読書の習慣が
人生を豊かにしてくれることは間違いありませんし、
いつも本の紹介をしているので矛盾するのですが、
人から進められて
実用的な本を読む時代ではないのかもしれません。
さすがにアラカンになってきたので、
自分のやりたいように生きても、
それほど人様にご迷惑をおかけすることは
なくなってきたように感じます。
皆様も、それぞれの生き方を楽しみながら、
自分のことではなく
他人様のことを最初に考えて
行動できるような1年にしていただければ、
激動の時代を
無事に乗り切ることができるのではないかと思っています。
繰り返しになりますが、
そんな皆様の生き方のヒントになるような
原稿を書いて参りたいと存じますので、
本年もどうぞ
よろしくお願い申し上げます。